1、本会議質問 ○一般質問 さとう純子議員 |
教育行政について問う 【いっせい学力テストについて】 ○さとう純子議員 私は、足立区の子どもたちが「自分が好き」「学校が好き」「足立区が好き」と言える子どもたちになることを願って質問いたします。 はじめに一斉学力テストについて伺います。 冬休みが明けてすぐの1月17日、今年もまた東京中の小学5年生と中学2年生を対象に学力テストが行われました。2004年度から始まった東京都教育委員会の学力テストは、結果を区市別の成績(平均回答率)と順位を公表しました。学校ごとの成績を公表するかどうかは、区市に任されていましたが、足立区は予告なしに学校ごとの成績をホームページ上で公表しました。さらに足立区独自の学力テストを教育産業のベネッセに5,000万円で委託して実施するなど、区の矢継ぎ早な教育改革の柱に学力テストが据えられ、基本計画では学力テストの結果などを学力向上の指標としています。 04年度の東京都の学力テストを受けなかった小学校5年生は全体の5.4%の285人、中学2年生は7.9%の360人となっています。テストの日に休んだ子は「テストは苦手、みんなに迷惑をかけるから休んだ」と話し、逆に100点を取れる子が風邪で休むと「平均点が下がる」と残念がられるなど、どの学校も1点でも2点でも多い点を取って順位を上げたいと必死になっているのです。これらは点数だけで評価する競争が激化しているために起きている実態で、子どもたちは非常な競争を強いられ、人間形成に極めて深刻な影響を与えることになりかねません。 少年事件や少年問題の原因はさまざまですが、その背景の一つに、子どもの自己肯定感情(自分を大切な存在と思う感情)が深く傷つけられるという問題があることは、多くの関係者、専門家が共通して指摘していることです。自己肯定感情が乏しければ、他人を人間として大切にする感情も乏しいものとならざるを得ません。 どの子もみんな「自分を認めてほしい」と願い、学びや体験で「わかった・できた」という達成感を持ち、自分を大切にして、将来の夢を持って学習したいと願っているのではないでしょうか。 学力テストは子どもたちの大切な自己肯定感情を失わせるものになっていると思うがどうか。また、学力テストの結果で、学校を比較・競争させることが学力向上になり、楽しい学校になると考えているのか、伺います。 次に、テストのあり方について伺います。 点数を競争させるテストと、指導に役立てるテストとは全く違います。一斉学力テストは、答案用紙も返らず、受けた子どもたちも指導する教師にも、結果は正解率と学校の順位だけです。 フィンランド科学アカデミー外国会員でもある中嶋博・早稲田大学名誉教授は「平等と公平を貫くのがフィンランドの教育政策です。テストは競争させるためでなく、遅れた子を引き上げるために行うものです」と言います。また、教育評論家の尾木直樹さんは「暗記型の詰め込みの結果を学力とは呼ばない」として、「自分と社会の未来を切り開く、市民として生きていく力が学力です。授業もできるではなく、わかることが大事です」と語っています。断片的な知識の学習ではなく、学校の勉強を子どもたちにとって「なぜ勉強するのか」の意味が実感できるものにして学ぶ喜びを取り戻すことが大切と考えます。 本来、テストの目的は、子どものつまずきを発見し、指導に役立てるものであり、子どもの実態を把握し、それに対する教師の指導があってはじめて生きるものであると考えるがどうか、伺います。 学力テストと結果公表を進める石原都知事の教育改革は、競争の中で子どもたちを選り分け、地域と学校を序列化し、一部の子どもだけを支える教育体制づくりで、まさに教育基本法改悪の先取りとも言えるものではないでしょうか。 さらに政府は07年度から、小学校6年生と中学3年生の全員を対象に全国学力調査を実施する準備のために06年度予算案に約29億円も計上しています。全国学力テストの復活は、04年に就任した中山文部科学大臣によって打ち出されたもので、「競い合う教育を」と競争教育を一層進めようとしています。 OECD(経済協力開発機構)は、最近、テストを中心とした評価にかわる形成的評価の意義を説く報告書を出しました。形成的評価とは、学習の達成度を、テストでの判定よりも、教師と生徒の相互交流の積み重ねを重視して評価する方法であり、学力テストの偏重に一石を投じています。国・東京都に対し、子どもから学ぶ喜びを奪い取る学力テストの中止を求め、区独自の学力テストもやめるべきと思うがどうか、伺います。 【学力向上について】 次に、学力向上を図るために取り組むべき課題について伺います。 日本の過度の競争主義と管理主義を特徴とする教育行政に対しては、国連からも是正が求められているように、競争主義の教育は世界的には克服の対象となっています。国際学力調査自体が競争的な学力に疑問を示しています。学力世界一のフィンランドは、教育の柱を第1に、1学級を20人から25人の少人数学級、第2に、教師は専門家として尊重される。第3に、学習理解の進んでいる子が別の子どもに教えるなど共同教育としています。足立区が国際化社会を目指すと言うのなら、国際的に通用している公理に基づく改革こそ求められていると思うがどうか、伺います。 フィンランドの授業時間と日本の授業時間を比較してみると、小学校低学年では約180時間、中学校でも約60時間も日本の方が多いのです。ところが区は、学力向上のためには授業時間をいかに増やすかに重点を置き、2期制にして小学校の入学式まで午後に回して授業時間を増やし、各学校に出させた「学力向上に向けた取り組み」のまとめには、早朝や放課後、土曜日や休暇中の補習など、さまざまな計画が示されています。さらにエアコン設置と合わせて夏休みの短縮までしようとしています。 授業時間増に加え、会議や雑務が多く、ある教師の母親は「娘が夜8時前に帰ってきたことがなく、帰ってからもパソコンの前に座っており、体が心配」と話すほどで、教師の過労が社会問題になっています。教師からは、「授業準備の時間を保障してほしい」「しっかり準備した授業は、子どももやる気が出てくる」との声があがっています。文部科学省も区教育委員会も「1時間の授業のために1時間の準備が必要」と答弁していたではありませんか。 授業を豊かなものにして、教師が授業時間の準備が十分にでき、一人ひとりの子どもたちとしっかり向かい合う時間を保障するために、諸会議・多種提出文書の精選や加配教師、特別講師、ステップアップ講師のさらなる充実を図るべきと思うがどうか、伺います。 【少人数学級について】 次に、少人数学級について伺います。 文部科学省は、少人数学級の場合「生活集団と学習集団の一体化を基礎として学習意欲の形成・喚起を図ることができ」「子ども同士の学びあいがより深まって学習指導の姿がより効果的なものに変わる」と、少人数指導よりもはるかに効果があるとのデータを示しました。このデータで重要なことは、子ども同士の学びあいが深まるということです。 06年度からは、香川県も少人数学級に踏み出し、未実施は東京都のみとなりました。30人以下学級の実現を初め、教育環境の充実等を求める請願は、昨年の通常国会だけでも、全国から1,514万人の署名が届けられています。教育改革というのなら、改革の柱に30人以下学級の実現を据え、学力の向上と、楽しい学校への効果も検証されている少人数学級に踏み出すべきと思うがどうか、答弁を求めます。 足立区の子育て世代の収入が低く、就学援助を受ける子どもたちが平均42.5%となっており、学力調査結果と経済力をグラフにすると、就学援助受給率の高い学校ほど平均到達度が低くなっています。新聞報道で「クラスに数人いるノートや鉛筆を持ってこない児童のために、鉛筆の束と消しゴム、白紙の紙を持参して授業を始める。」「中学校で卒業文集の「将来の夢」を作文させようとしたが、3分の1の子どもが何も書けなかった」と教師の話を紹介しています。 フィンランドでは、成績が落ち込んでいる学校に対しては、財政的、人的支援が手厚く行われます。理解の遅い子が6から7%いることを前提に、特別支援講師を養成して、学習の遅れた子のサポートにあたります。そして、学力の到達度の低い学校には「何が必要か」と聞き、「特別支援の先生が必要なら何人でも」「図書館が貧弱なら何百冊でも」と援助してくれます。就学援助受給率が高く、到達度が低い学校を優先して、財政的、人的支援をすることが必要と思うがどうか、伺います。 【開かれた学校づくり協議会と学校選択の自由化について】 次に、開かれた学校づくり協議会と学校選択の自由化について伺います。 開かれた学校づくり協議会を全国に先駆けて実施し、足立区も参考にした高知市では、メンバーに児童・生徒・教師が入るのは当然としています。高知市立介良小学校では、児童委員から出された「子どもも大人も交流できるイベントがあればいい」という意見を尊重して、児童が参加する実行委員会をつくり、子どもが主人公を貫いています。また、子どもの権利条約は「子どもに影響を与えるすべての事柄について自由に自己の見解を表明する権利を子どもに保障し、その意見は子どもの年齢及び成熟度に応じて正当に重視される」と定めています。足立区の開かれた学校づくり協議会のメンバーに、児童・生徒、教師を参加させ、あらゆる機会に子どもたちの意見を聞く仕組みをつくるべきと思うがどうか、伺います。 学校選択の自由化では、保護者も子どもも風評や学力テストの結果公表に左右されて学校を選び、大規模校と小規模校を生み出しています。大規模校はトイレや手洗い場の数など、施設・設備が不足し、小規模校になると、いつ学校がなくなるのかと、統廃合の心配が出てきます。人気が集中する学校では、抽選で希望校に入学できない事態が生じ、子どもたちの心を傷つけています。 また、選択の自由化は、選択した保護者と子どもの責任が問われ、不登校になっても、「自分で選んだのだから仕方がない」と自己責任に転化されます。さらに区の教育だよりを見ると、「学区域以外の学校を選ぶ場合、通学上の安全は保護者の方に確認していただく」と明記されており、子どもを犯罪や交通事故から守る安全対策まで自己責任で済まそうとしています。 選択の自由化というのなら、学校に格差をつけるのではなく、すべての学校の教育環境を整備して、選んだ学校には必ず入学でき、すべての子どもたちの安全・安心を守ることが必要と思うがどうか、伺います。 【真の教育改革とは】 以上述べてきたように、足立区の教育改革は、教師や子ども、保護者の要求から出発したものではなく、区教育委員会が子どもたちを取り巻く環境を十分に踏まえずに、上から押しつけたものとなっています。だからこそ多くの教育関係者は、これで心から学力が向上するとは思っていないのです。真に豊かな学力を望むのなら、もっと子どもや教職員、保護者の声に真剣に耳を傾けるべきであると思うがどうか、伺います。 教育基本法は憲法と一体であることを示しており、憲法上の権利を教育の場で具体化するために定められています。そして第1条、教育の目的を「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者(主権者)の育成を期して行なわなければならない」としています。フィンランドはこの日本の教育基本法に学んで、平等と公平を貫くのが教育政策として、学力の中身についても「私たちの教育は福祉国家に欠かせない。学習で競争より共同を重視するのも、連帯を尊ぶ人間を育てたいから」と述べているのです。 競争の中で子どもたちを選り分ける教育改革は、子どもたちから学ぶ喜びを奪い取り、すべての子どもたちが主権者として必要な基礎学力、体力、情操、市民道徳を身につけることが保障できないと考えます。習熟度別学級編成で子どもを選別するのではなく、一番大事なことは友達と学び合い、仲良くし、助け合うことではないでしょうか。今こそ共同と連帯の改革に切り替えるべきと思うがどうか、伺います。 都営上沼田アパートの建て替え問題について 続いて都営上沼田アパートの建て替え問題について伺います。 都営上沼田アパートは、1995年に建て替え対象団地とされて以来10年になりますが、いまだに計画案が示されていません。居住者の高齢化が進み、エレベーターの設置やバリアフリー化が望まれますが、建て替え対象団地であるがゆえ、改修もされず、老朽化が激しくなる一方です。東京都との協議を早め、一日も早く建て替え計画案を住民に示すべきと思うが、進捗状況を伺います。 先行して千住桜木一丁目アパートへの移転を強いられた住民が一番困ったのは、ひとり世帯は6畳1間の1DKの住宅しか斡旋してもらえないことでした。介護が必要な高齢者から「ベッドで部屋がいっぱいになり、仏壇やタンスを入れると、ポータブルトイレも置けず、これでは暮らしていけないとの声が寄せられるなど、住いは住民の生活実態に即した間取りが必要なのです。今後の建設計画にこれらの意見を生かすべきと考えるがどうか、伺います。 団地建て替え敷地内には戸建ての民家(都市計画上沼田一団地の住宅)があります。多くが30年以上住んでいる人たちで、これからも同じ地域に住み続けたいと願っています。また、周辺住民から、公共施設建設や商店街活性化のための要望が出ています。安心して住み続けられるまちにするために、区として住民の要望を聞き、東京都に積極的に要請すべきと思うがどうか、伺います。 毎回の都営住宅入居者募集には希望者が殺到していることにもみられるように、公営住宅の増設は切実な願いです。上沼田アパートの建て替えでは、現在の1,612戸以上にすべきと思うがどうか伺って、この場からの質問を終わります。 答弁 ○佃 朝明都市整備部長 都営上沼田アパートの建て替え問題についてのご質問にお答えいたします。 まず、建て替え計画についての都との協議の進捗状況につきましては、都は早急に建て替えを進める考えを持っておりますが、現時点では、区に対して具体的な建て替え計画を示しておりません。区といたしましても、当団地の現状を十分認識しており、今後も都に対し早急に建て替え計画を示すよう求めてまいります。 移転先の住宅の広さにつきましては、都では世帯数に応じた間取りの住戸の供給を行っております。ご提案のような高齢者の声につきましては、今後の協議の中で都へ申し入れをしてまいります。 都市計画一団地の住宅施設内の住民の意向につきましては、現在、都は懇談会を開催し、住民の意向の把握に努めているところであります。 また、周辺住民からの要望につきましては、具体的な建て替え協議の場で要望してまいります。 建て替え戸数につきましては、都としては現居住者の居住の安定を確保するとともに、都営住宅の総戸数の抑制を図りながら建て替えを進める考えであります。 区といたしましては、23区内での都営住宅の偏在解消の視点から、当団地での必要戸数について都と十分協議してまいります。 ○伊藤俊典教育指導室長 私からはまず、学力テストと自己肯定感についてお答えします。 東京都教育委員会の調査の目的は、児童・生徒一人ひとりに確かな学力の定着を図ることや、各教科の目標や内容の実現状況を把握し、指導方法の改善・充実に生かすことです。また、足立区の調査の目的は、基礎的、基本的な学習内容についての定着状況や生活習慣等の実態を把握し、指導の改善に生かすことです。各学校ではこれらの結果をもとに、児童・生徒の実態に応じた授業改善計画を作成し、授業改善に努めております。 このように学力調査を活用することにより、個に応じた指導が一層充実し、学習に対する理解が深まり、むしろ「できる」「わかる」などという自己肯定感が高まり、学力向上につながるものと考えております。 次に、テストのあり方についてですが、学力テストの調査結果については、すでにお示ししたとおりでございます。 都の調査については、個人票を用いてつまずきの発見や事後の学習に役立てています。区の調査では、次回から問題用紙を一定期間学校で活用できるよう見直しをしました。また、学習の定着と生活習慣のあり方がわかる個人票を配付し、一人ひとりの状況に応じた指導に生かしており、調査の目的を果たしていると考えています。 ○石川純二教育委員会事務局次長 私からは、学力テストをやめるべきとのご質問にお答えいたします。 学力調査は児童・生徒一人ひとりの学力状況の確認と学力対策に生かすために実施しております。また、学校や行政の課題も明らかとなり、効果的な対策を構築する契機となっており、保護者や地域の皆様からも多くのご支持をいただいております。今後は国・都の動向を踏まえ、さらに学力調査の質を高めてまいりたいと考えております。 国・都に対し学力テストの中止を求め、区独自の学力テストもやめる考えはございません。 次に、競争主義の教育改革についてお答えいたします。 足立区では、現在、人間力の育成を目指した教育計画を策定しているところでございます。この中で「社会の一員として地域社会に参画し、一人ひとりが社会人として自立し、社会的責任を持った人間として生きる力」を育成することを教育の目標としています。したがいまして、今後の教育改革は、この目標を達成する環境を整えるものであり、競争的な学力を培うものではないと考えております。 次に、授業を豊かにするための方策については、特別区教育長会を通じて教員加配を東京都に要望しております。また、ステップアップ講師につきましても、充実を図るよう、すでに平成18年度当初予算案に計上しております。 少人数学級についてのご質問でございますが、現行の40人学級を維持し、教科等の特性に応じた少人数指導の拡充を図っていくことが基本的な考え方でございます。これまで少人数指導により、一定の成果をあげているところであり、引き続き国・東京都の加配に加えて、区独自のステップアップ講師を各校に配置し、少人数指導の充実を図ってまいります。 次に、就学援助受給率と学校支援についてお答えいたします。 就学援助受給率の高い学校ほど、平均到達度が低いとの認識は持っておりません。したがいまして、就学援助受給率を基準とした学校支援を実施する考えはありません。また、学習到達度に課題のある学校についての支援は、現状実態を把握した上で有効な支援を行ってまいります。 次に、教職員や保護者などの声に耳を傾けるべきとのことについてお答えいたします。 足立区の教育改革は、人間力につながる学力向上を目指し、学校内発型で進めております。授業改善にあたっては、授業アンケートを実施し、子どもたちの声を反映しております。各学校は教職員による学力向上委員会などを設置し、校内一体となって授業改善計画の策定に向けて取り組んでおります。策定にあたっては、開かれた学校づくり協議会の皆様の意見も反映しております。 また、教育委員会では、学識経験者を含めた学校支援委員会や学力向上検討委員会を設置し、さまざまな意見を十分に尊重しながら学力向上施策を進めております。 次に、「共同と連帯」の改革についてお答えいたします。 先にも答弁申し上げましたが、足立区の教育は、人間力の育成を目指すものです。競争的な学力を培うものではないと考えております。今後も足立区が基本構想に掲げる協働の理念に基づき、学校、家庭、地域等との協働のもと、教育行政を推進してまいります。 ○鈴木 章教育事業担当部長 開かれた学校づくり協議会についてお答えいたします。 開かれた学校づくり協議会を効果的に進めるために、子どもたちの意見等を聞くことは、大変有効な方法であると考えます。現在、児童・生徒と協議会委員が意見交換会を行っているところもありますが、今後、こうした取り組みが拡大されるよう努めてまいります。 また、教員の意見につきましては、校長等を通じて協議会に伝えられておりますが、学校の実情に合わせ、教員がさまざまな形で参加している例もあると聞いております。 なお、協議会は地域の代表の方々により組織されておりますので、メンバーとして児童・生徒等を参加させることは考えておりません。 次に、学校選択制度についてお答えいたします。 学校選択制の導入は、保護者と子どもが主体的に学校を選ぶことができ、特色ある学校づくりと学校の情報公開の促進を図るものでございまして、学校教育に格差をつけるものではありません。 また、すべての子どもたちが希望した学校に入学できるように、環境を整備せよとのご質問ですが、学校の規模や容量、教室数にはおのずから限界がありますので、受け入れ可能人数を超えた場合は、抽選によって入学者を決定するのが適当な方法と考えております。 安全・安心につきましては、「自分の身は自分で守る」安全教育を徹底させるとともに、地域や開かれた学校づくり協議会とも協働して、子どもの安全・安心に取り組んでいます。その上で学区域以外から通学を希望する場合には、保護者が通学上の安全を確保することを前提に選択いただいておりますので、保護者のご協力を基本に、学校や地域などの力も合わせて一層の安全・安心を確保してまいります。 再質問 ○さとう純子議員 再質問をさせていただきます。 全体的に非常にひどい答弁だなというふうに思っているのですが、2点だけ、その他のことについては、予算特別委員会などでも討論させていただきたいと思うのですが、1点は学力テストのあり方ですが、答弁では、目的は確かな学力をつけるために、その内容を指導に生かすためだとおっしゃいましたけれども、私は質問でも述べましたように、問題も何も子どもたちにも教師にも戻ってこない。どうしてそれが個々の子どもたちの指導に役立てることができるのか。目的がそういうことであれば、公表する必要は全くないわけですけれども、今の答弁ですと、目的自体が私が指摘したことの答弁になっていないと思いますので、テストのあり方についても再度お答えいただきたいと思います。 2つ目は、少人数学級のことですけれども、昨日の代表質問の答弁でも、少人数指導で一定の成果をあげているとおっしゃいましたけれども、私は、文部科学省が出しているデータを示して質問いたしました。一定の成果をあげているという答弁をなさるのでしたら、一定の成果をあげているというデータを示して答弁をいただきたいと思うのです。よろしくお願いいたします。 再答弁 ○伊藤俊典教育指導室長 まず、テストのあり方ですけれども、都の調査につきましては、個人票のほかに、問題用紙そのものは学校に残っています。ですから、問題用紙、それから都のホームページでは、当日にすぐに回答まで公表されます。そういったものでテスト直後にも学校でもすぐにできますし、また、個人票が返されますので、それも使って十分に目的は果たせると思っております。区につきましては、次回から問題用紙も一定期間、学校でも活用できますし、現在行っている個人票の活用によっても、かなり指導の改善、子どもたちの学習への取り組みの改善が図られてきているというふうに思っているところでございます。 ○石川純二教育委員会事務局次長 現在、ステップアップ講師を配置し、各学校で少人数指導を行っているわけでございますが、これにつきましては、学校からも、非常に効果がある、あるいは子どもたちが少人数指導の中で、わかった、理解できたというような喜びの声もあがっているということを聞いております。また、東京都の調査あるいは区の調査等におきましても、前年度よりも平均点が上がっているということでございまして、私どもとしては、今とっているステップアップ講師に基づく講師を活用した少人数指導が効果が上がっているというふうに認識しているところでございます。 |
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