7 日本共産党区議団の区長等への申し入れ 足立区の学力調査(学力テスト)の実施並びに公表等に関する提言 | ||||||
2007年7月17日
足立区教育長 斉藤幸枝様 日本共産党足立区議団
足立区教育委員会は7月7日記者会見を開き、前日報道機関から指摘のあった「学力調査」(学力テスト)の不正行為について、区内の小学校が障害を持つ三名の児童の答案を、保護者の了解を得ないまま抜き取ったことを認め、謝罪しました。 また、操り返し「過去問」をやらせたことや管理職や教員がテスト中の教室を巡回し、間違っている箇所を指差しして教えたとの指摘には一週間以内に調査すると答えました。 16日、区教委は当該校の保護者会並びに記者会見で調査結果を発表し、不正行為を起こした学校の責任を認め、謝罪しましたが、こうした教育の歪みや不正行為は、決して現場の一部管理職や教師の責任ではありません。 記者会見で示した区教委の調査結果と今後の対応では不正事件の背景と原因について、区教委が進めてきた「教育改革」についての言及と反省がなく、再発防止と子どもたちのすこやかな成長と真の学力向上を願う保護者や教育関係者の期待に応えるものになっていません。 区教委は、2004年都教委の学力テストで23位となった際、都の学力テストで平均点が下位校10校の校長に対して、教育長(前内藤教育長)が直接指導することを言明し、「学力向上」対策を推進しました。 その結果、各学校では学力テストが行われる直前の冬休みに「特別対策」が取られ、2005年3月区議会には「学力向上に向けた冬季休業中の取り組みのまとめ」が報告されました。その中には、小中学校の中で東京都の「過去問」を全員に配布し、宿題としていたことも明らかになっています。区教委は調査をするまでもなく、知っていたことなのです。また、都教委のテストの説明会で過去問のCDを配布し、「上位校」の活用例をパンフで宣伝し、その活用状況について「調査」という名の点検を行ないました。さらには、「上位校」の校長をほめ上げ、学カテスト結果によって学校予算に格差付けまでして競争を煽りました。こうした区教委の姿勢が、教育に歪みや不正行為をもたらした真の原因であることは明白です。 1964年の全国いっせい学力テストが実施されたときにも、同様の事件が起きている事をみれば、原因がどこにあったかは推して知るべしです。 日本共産党足立区議団は、いっせい「学力テスト」についてすでに、区、都、国の段階を問わず、「学力テスト」の実施とその結果公表が学校と子どもたちを苛烈な競争に巻き込み、傷つける結果をもたらすことを指摘し改めるよう求めてきました。そして学力向上というなら、少人数学級の実施をはじめ、学校図書館に専門の司書を配置することを含め、教育条件の整備に予算を増やし、すべての子どもたちを大切にした教育を実施するようくりかえし提案してきました。 また、足立区が推進してきた学校選択の自由化、学校二期制、学力テストの実施など「教育改革」は文科省が推進している「競争教育」の先取りであり、学校教育を歪ませていることを明らかにしてきました。 足立区教育委会は区教委自身に責任があることを正しく認識するとともに、真の教育改革にふみだし、必要な改善をされるよう、以下の点を提言し強く求めます。 記
以上
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