2、区長提案の議案などに対する討論 足立区文化芸術劇場・生涯学習センター・総合スポーツセンターの指定管理化に反対する討論 2008.12.17 鈴木けんいち議員 |
ただいま議題となりました、指定管理者の指定に関する第147号議案(足立区生涯学習センター)、154号議案(足立区総合スポーツセンター)、158号議案(足立区文化芸術劇場)三議案について、日本共産党足立区議団を代表して、一括して反対の立場から討論を行います。 この三議案は、いずれも、これまで区の第三セクターに指定してきた指定管理者を、今回、第三セクター以外の民間事業者に指定するものであるとともに、単に建物の管理にとどまらず、生涯学習、スポーツ・体育行政、文化行政の内容に関わる部分も民間業者に代行させるというもので、区が担うべき行政責任の縮小、各行政の維持・発展の重大な後退であって、容認できません。 学びピアの愛称で親しまれている生涯学習センターは、設置条例第1条で述べられているように、区民の自主的学習活動を促進するとともに、教養文化の高揚を図り、生涯学習を促進するために設置され、区が担うべき社会教育・生涯学習行政の中心・中核として役割を果たしてきました。条例第2条の事業内容では、それにふさわしく生涯学習関連施設および所管の連携調整や生涯学習振興のための学習機会の提供、生涯学習関係団体の支援や指導者の研修、学校教育、高等教育機関との連携などが列挙され、指定管理者制度が導入されたもとでは、生涯学習振興公社が優先指定されました。公社や第三セクターのあり方に完全に同意するものではありませんが、生涯学習センターを設置目的に添って管理運営する団体としては、生涯学習振興公社は、区行政を補完するものとして設立されて実績もあり許容できるものでした。 これを、公社以外の民間団体に指定することは区の責任を丸投げするに等しい行為です。委員会の質疑では、委託するのは建物の管理だけだとの発言もありましたが、管理を指定する区教育委員会の管理運営業務内容書には生涯学習推進事業が明確に含まれ、「事業報告書の作成及び提出」の項目では、管理業務に関するもの以外に、事業運営に関する企画・実施状況・実績等の作成・提出も求めているのです。 総合スポーツセンターも同様に、区民の健康と体力の増進を図るとともに、体育、スポーツの振興に寄与することを目的に設置されており、区が担うべきスポーツ・体育行政を推進する施設であり、これまでのように公社が優先指定を受けて管理している限りでは、設置目的からして許容範囲ですが、その指定をはずすことは重大な後退であり、逸脱で容認できません。 文化芸術劇場についても、区の第三セクターである潟Rミュニテイアーツの指定をはずすという点では同じです。潟Rミュニテイアーツは区が30%の出資をして設立された第三セクターで、区立文化芸術劇場を管理運営するためにつくられましたが、わが党は、5年前の劇場設立の時点で、文化会館の管理運営に実績もある生涯学習振興公社を指定するべきという立場から、コミュニテイアーツを指定する議案には反対しました。 しかし、潟Rミュニテイアーツは区民や日本共産党の指摘で、区も非常に努力し改善を図る中で、財政的にも運営の内容的にも、区立劇場にふさわしい管理運営団体となりました。こうした経過からわが党は2回目の指定にあたる今年3月の指定には賛成したわけですが、こうして全会一致で指定が議決され、いよいよこれから発展させていけるのではないかと期待が膨らんでいた矢先に、突然の指定取り消しは理解しがたいものがあります。 区は指定管理者制度が導入され民間業者も育ってきているからだと言いますが、官から民への流れに乗って株式会社の形態がとられたコミュニテイアーツは、実際には区立劇場に求められている事業展開とならず、必要のない区費の投入も問題となる事態が生まれました。区の職員を派遣して苦労して建て直して本来の姿に育てた第三セクターをはずして、区の文化行政の拠点、芸術文化の発信や人材の育成を目的とする劇場を民間業者に管理運営を代行させることは行政責任の放棄であり、逆行です。 以上の理由から、この三議案への反対を表明し、区が生涯学習と文化行政に責任をもち、発展させるため役割を果たしていくよう強く求めて討論を終わります。 |
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