○鈴木恒年区長 さとう純子議員の代表質問のうち、足立区の構造改革のご質問にお答えいたします。 本会議の冒頭でも申し上げましたが、国の構造改革と区の構造改革では、公共事業に限らず、その内容や規模も異なり、一概に比較するのは難しいと考えております。その上で申し上げれば、民間経営手法の導入などは、むしろ我が国が世界に立ち遅れた分野であると考えております。さまざまにある手法の効果を十分見極めながらも、積極的に取り組んでいくべきものと考えております。 また、構造改革の目的は、あくまでも区民の安全を守り、生活を豊かにし、快適性を向上させる点にあります。具体的には予算の配分をどのように重点化するか、義務的経費と投資的経費とのバランスをどのようにとるかについては、今後、予算審議の中で、議会のご意見を伺いながら決してまいる所存であります。 他の質問につきましては、所管の部長より答弁いたさせます。 ○加賀美照男福祉部長 初めに国、都における一連の改革についてお答えいたします。 小泉内閣のもとで進められている構造改革は、将来にわたって我が国が持続的に発展していくために、旧来の社会システムを抜本的に改革しようとするものであり、国民の高い支持をも背景としているものと理解しております。 また、都政における福祉改革に代表される改革は、小子高齢化の急速な進展や、措置から契約への転換といった変化に的確に対応したサービスを提供していくために実施されているものであります。したがいまして、国や都におけるこうした取り組みは避けては通れないものと考えております。 次に、乳幼児医療費助成制度についてお答えします。 所得制限の撤廃については、現在、常任委員会において審議中であり、その推移を見守ってまいりたいと考えております。 また、入院時の食事代負担分の助成については考えておりません。 次に、生活保護世帯の自立援助金につきましては、支給される生活保護費の中で賄うべきものであり、区独自の法外援護の新設は考えておりません。 また、就学援助についてでございますが、当区の準要保護の認定基準は、制度の趣旨や教育の機会均等を確保するという観点からも、十分その目的を達しているものと考えております。昨今の経済不況による緊急の困窮者には、特別申請により対応しております。したがいまして、準要保護の認定基準の緩和につきましての見直しは考えておりません。 次に、公有地を利用した保育園の設置につきましては、保育需要の多い地域に適切な用地がない状況でございます。また、待機児対策につきましては、民間活力を活用しながら、認可保育園のほか、認証保育所、保育ママなどの制度を充実し、待機児の解消を図っているところでございます。 認証保育所・保育室の保育料については、地域の実態を踏まえ、適切に設定するよう指導しているところでございます。 次に、こども家庭支援センターの開所時間外における緊急相談への対応でございますが、児童相談所や警察等の機関に直接通報し、相談していただくことになります。 こども家庭支援センターでは、子育ての複雑な悩みに速やかに対応し、安心して相談をしていただくため、福祉事務所等、専門機関の業務時間内での運営を考えております。 こども家庭支援センターは、地域における子育てを支援するための全区施設であります。福祉事務所や保健所等、地域の専門機関とのネットワークにより、子育て支援施策の充実を図ってまいります。したがいまして、こども家庭支援センターの増設の計画はございません。 以上でございます。 ○八木良典区民部長 最初に医療制度改革についてお答えいたします。 11月29日、政府与党において、医療制度改革大綱がまとめられたところでございますが、ご質問にしたがいまして、9月29日に厚生労働省が発表した医療制度改革試案を前提に、平成12年度ベースの被保険者数及び老人保健医療費に基づき、医療給付費を推計いたしますと、70歳から74歳の方々が国保に移行することによる保険者負担分の増加分は、療養給付費の国庫負担金及び退職者医療拠出金の増、並びに老人医療費拠出金の減を差し引きいたしますと、8億1,000万円の増額が見込まれるところでございます。 次に、先に厚生労働省から提示された医療制度改革試案に対して、保険者としての要望につきましては、国保中央会並びに全国市長会等により医療保険制度の一本化等について、9月26日、政府に意見書を提出しているところであります。その後も地方団体として政府に対し意見を表明しているところでございます。11月29日には、全国市長会等は、国保制度改善強化全国大会を開催し、大会に続いて、政府与党に要望活動を行ったところであります。 続きまして介護保険制度についてお答えいたします。 最初に都制度の実施についてでございますが、この制度は国の社会福祉法人等の利用料減額措置を拡大して、その活用を図るものでございます。区としては、昨日、鹿浜清議員、きじまてるい議員にお答えいたしましたとおり、一般財源を投入することでもあり、慎重に考慮し、対応してまいりたいと考えております。 次に、東京都の方針によますと、事業者負担分である2.5%については、事業者に負担していただくことが前提となっております。この前提を崩すと、都の制度の対象とはならないとのことでございますので、助成する考えはございません。 次に、業者への支払いについては、かりに実施するとなれば、ご指摘のとおり、業者に資金上の問題が生じることも考えられますので、今後の検討課題とさせていただきます。 次に、介護保険料・利用料の減免についてでございますが、保険料につては、所得状況等による5段階の設定や、境界層該当認定により保険料が軽減措置されるなど、負担能力を勘案したものになっております。 利用料につきましても、世帯の所得に応じて高額介護サービス費制度や境界層該当の制度も設けられております。 区は保険料・利用料について、従来から境界層該当制度を活用してきたところでございますが、利用料については、都の制度の対応について先にお答えしたところであります。保険料については、きじまてるい議員にお答えしたとおり、次期介護保険事業計画の中で検討してまいります。 介護保険課の組織上の位置づけにつきましては、現在の体制で、事務執行上、不都合が生じているとは考えておりません。 以上でございます。 ○坂田道夫企画部長 最初に、平成12年度決算につきましては、歳入から歳出を引いた形式収支は26億円の黒字ですが、実質単年度収支につきましては、11億円の赤字で、4年連続の赤字となっております。赤字額が前年度の35億円から減少したことで、光明は見えたものの、その道のりは険しく、越えなければならない障害も多くございます。これからも施策の一つひとつを慎重に検討し、対応していきたいと考えております。 次に、3月議会の予算修正案についてのお尋ねですが、否決された案であり、意見は差し控えさせていただきます。 続いて決算統計による財政分析は、全国標準として区の財政状況を客観的に示すものとして、内外から認知されており、財政状況の判断材料の一つであります。 区は一貫して黒字とのご指摘でございますが、ご案内のように、大幅な財源不足に対応するため、土地開発公社への貸付金の減額、臨時的財源対策としての土地購入などを行っているのが現状です。しかし、いずれも将来にわたる財政負担を考慮検討した上で実施しており、財政再建に逆行しているものとは考えておりません。 以上です。 ○石塚昭二都市整備部長 私からは2.2.2住宅プランについてのご質問に一括してお答えいたします。 2.2.2住宅プランにつきましては、定期借地権制度を活用するとともに、民間活力を活用いたしまして、ゆとりのある良好な住環境の実現を図るというものでございます。現在、多世代での居住も可能なモデル事業を推進しております。 さらに本プランにつきましては、同時に区内産業の振興や育成に寄与させるということで、大谷田の戸建モデル事業におきましては、区内業者であることを参加資格としたところでございます。また、西綾瀬の共同住宅のモデル事業においては、事業者チームの構成のうち、工事施工については、区内の業者であることを参加条件といたしました。工事の施工業者以外の部分につきましては、売り主としての資格・能力、さらには企画、販売、資金調達などの能力を有する事業者に参加していただき、事業の安定性に配慮したもので、区内事業者を締め出したものではございません。 西綾瀬のマンション販売の登録・抽選に当たりましては、多世代向け、区民優先住戸ともに平均3.5倍前後の倍率となっておりまして、即日完売となった状況でございます。したがいまして、区長公約に沿った区民要望や区内の景気回復に資する事業であると認識しております。 私からは以上です。 ○河合 宏地域振興部長 学童保育に関するご質問に一括してお答えいたします。 まず、学童保育室の増設についてですが、学童保育の需要の伸びに対応するため、昨年度と今年度については、合計200名程度の学童保育室の増設を計画し、その実現に向けて取り組んでいるところでございます。今後とも需要の動向、学校選択の自由化の結果などを分析し、さらに計画的に進めてまいりたいと考えております。 保育時間の延長につきましては、来年度より学校休業日の朝の受け入れ時間を30分早めまして、午前8時30分からとしてまいります。午後6時までの延長につきましては、需要の動向等を参考に今後検討してまいります。 障害児の受け入れ学年引き上げにつきましては、今後の待機児き動向を鑑み、検討してまいります。 次に、処遇改善についてでございますが、住区センター制度が発足して20年が経過した現在、子育てや健康づくりなどに積極的に対応していただいております。その処遇改善については大きな課題であると認識しております。 次に、指導相談担当職員の配置についてでございますが、専門的な保育を実施するためには、直営児童館、学童保育室の経験のある指導相談担当者職員の配置が望ましいと考えております。できる限り、直営児童館、学童保育室の経験のある職員の配置を図ってまいります。 ○降旗俊明衛生部長 私からは、生活習慣予防健診について2点お答え申し上げます。 生活習慣予防健診につきましては、従来からの疾患の早期発見・早期治療のみを目的とした健診ではなく、区民が健康意識の向上と生活習慣の改善に寄って生活習慣病をみずから予防することの一助となることを目的としたものでございます。 このため健診の目的と申込方法等を個別通知、区報、地域学習センター等での説明会等によりまして周知を図ってきたところでありまして、区民が健診の趣旨を理解することを通じた受診率の向上を図っているところでございます。 生活習慣病予防健診の予算につきましては、この目的にかなった受診者に対応できるよう、必要に応じた予算を確保するよう努力してまいります。 次に、前年度の健診結果が生活習慣病の要医療者である場合は、次年度の個別通知は行っておりません。これは当該疾患の精密検査及び治療の際に多くの検査結果を主治医が把握しておりますことから、新たな健診の必要性について、本人が主治医と相談した上で申し込みを行うことが、心身の状況等に応じた保健サービスという老人保健法の基本的理念に沿うものでありますして、効果的な健診の実施に有効だからであります。 また、生活習慣病にかかっていない区民の方につきましては、医療機関等に行く機会が少なく、毎年の申し込みを忘れやすいとの配慮から、前年度受診者を対象者に個別に受診票を送付しているところであります。 なお、健診で要医療の方のその後についてでございますけれども、要医療の方は、本人の意思に基づいて、医師との契約によって医療を受けていただくべきものでありますので、その医療の経過を区が把握することは考えておらないところであります。 以上です。
○さとう純子議員 何点かについて再質問をさせていただきます。 まず初めに、最初に質問いたしました小泉構造改革路線や石原都政の福祉、医療の切り捨てが区民に二重に痛みとなってのしかかっているのではないかという質問の答弁を福祉部長がなさったのですが、これは区政全般のことですから、区長にぜひ答弁をお願いしたいと思います。 いま、福祉部長は、これは区を代表しての答弁かと思いますけれども、区民の暮らしが痛めつけられているとは考えておりませんという答弁でした。しかし、昨日、皆さんもごらんになったかと思いますが、自殺で親を失う子どもをこれ以上増やさないでほしいということで、小泉首相のところに訪れた自殺で親を亡くしたお子さんがいらっしゃいました。自殺者は既に3万4,000人、5,000人と言われている率ですし、失業された方の率はものすごく高いのですけれども、1人ひとりに家庭があるわけです。その点で、このような状況であるにもかかわらず、区長に再度答弁をお願いしたいのですが、区民の暮らしは痛めつけられない、区長も同じように思っているのか、お答えを願います。 次に、医療制度の改革についですけれども、私が質問いたしましたのは、国保の医療給付費が幾らの増大になるのかという質問をいたしました。お答えは、保険者負担分の増加分ということで8億1,000万円というお答えがあったのですけれども、墨田では医療給付費の増が50億円というふうに出されているので、足立区ではどのくらいかということで再答弁をお願いします。 次に、2.2.2住宅プランについて再度質問させていただきますが、私の質問は、区長が選挙のときに公約なさったのは、このように言っているのです。「区内の民間業者と共同で住宅を建設する。区内の民間業者ですべての事業が行って初めて400億円の事業であり、2,000億円の波及効果というのが区長公約だったと思うのですけれども、この辺の答弁を再度お願いいたします。 次に、今度の介護保険制度の改善についてなのですけれども、先ほどのお答えで、東京都の説明によると、都の制度の対象とはならない、要するに事業者負担が2.5%が前提となっているから、その前提を崩したら都の制度の対象にはならないということをおっしゃいましたけれども、今回の都の制度自体は、国の特別対策の枠を越えて実施するものなのです。それと、都自身が国の制度を崩して実施しようとしている内容のものなのです。この立場に立つのであれば、都を説得して、やらない立場に立つのではなく、どうやって工夫したらできるのかという立場に立って、都を説得して住民要望に応えて業者負担分の助成を考えていくべきではないかというふうに思いますが、再度答弁をお願いいたします。 最後になりますが、区民の健診、生活習慣病、予防健診について、答弁の中で、いままでの早期発見、早期治療のみを目的とした健診ではなく、改善をしたということですけれども、先ほども申しましたとおり、健診を受ける区民は非常に減っています。ですから、(発言する者あり)いま議員からも発言がありましたけれども、この区のやり方というのは、自分の命は自分で守れ、それが基本なのだ、区が助成することはというような答弁だったというふうに思います。ですから、私は4月から始まって、いま既にさまざまな問題が起きている。ですから、改善が必要ではないかということで質問をいたしました。ですから、それに対して、これから改善も含めて、私が質問したことに対してこのままで行くのか、それとも改善をするのかということで再度答弁をお願いいたします。
○加賀美照男福祉部長 まず初めに、先ほど福祉部長として答弁いたしました内容は、執行機関としての答弁でございまして、区長答弁と同じでございます。 2点目でございますが、先ほどの答弁の中で、区民の痛みとは考えていない云々というご発言がございましたが、先ほどの私の答弁の内容には、そのようなことは全く触れておりません。 ○八木良典区民部長 最初に老人医療費の関係の再質問にご答弁申し上げます。 70歳から74歳の方々の国保への移行による医療給付費の増は125億が見込まれます。ただし、これがそのまま区の国保会計の負担になるものではないということは、先ほど申し上げましたように、歳入の増あるいは歳出の減を差し引きしませんと、いわゆる国保負担金の実質的な金額が出ないということで、その計算をしたものが8億1,000万円ということでございます。 なお、135億が墨田区の試算の50億に相当するかどうか、私は承知しておりません。 次に、介護保険の2.5%の事業者負担についてでございますけれども、これは国の制度をあくまで土台にした都の制度の拡大というものでございまして、国の制度の中に1%の基本的な負担あるいは2.5%の事業者負担というものがありまして、これを無視して都に事業者負担の2.5%をゼロにするというふうになことをやるべきだということは申し入れるつもりはありません。 ○石塚昭二都市整備部長 2・2・2住宅プランの区内業者と共同でという再質問でございますが、先ほどもお話しましたように、施工業者につきましては、区内業者に限定いたしました。ただ、事業者につきましては、先ほどお話しましたように、区内業者を排除したものではございません。さらにこの事業の安定性ということで、モデル事業ということで、この安定性というものに配慮し、結果としてこういう内容になったというものでございまして、公約の範囲内というふうに考えております。 ○降旗俊明衛生部長 議員の再質問につきましては、@にもAにも質問通告にはございません。けれども、お答えを申しますと、開始しましてまだ1年もたっていない真っ最中でございます。実施の最中でございます。何がどう起こっているかにつきましては、少なくとも1年を通しまして、どのような状況かをつらつら検証いたしまして、これは実施機関としてお願いしております足立区医師会の協議をする協議会を設置してございますので、そこで協議していくということになっておりますので、現在、改善するかどうかということについてはお答えを差し控えさせていただきます。 |
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