5、決算特別委員会の質疑(第1日目 10月2日)
鈴木区政の区財政運営について 針谷委員

○針谷委員 平成12年度の決算審議は、鈴木区政が誕生して、本格的に予算編成をした決算ですから、鈴木区長の政治姿勢が非常によくあらわれている決算だろうと考えて、いろいろと決算状況一覧表などを見させていただきました。数字を見ていると、非常に政治姿勢があらわれるわけですが、ただ、評価をめぐっては、区長さんの決算につい
ての本会議のあいさつなどを見ますとちょっと違うかなという思うわけです。
 決算の前の予算編成に当たる区長さんのいろいろな発言などをお聞きしますと、平成12年度は一貫して赤字財政で赤字体質からの脱却と、平成12年12月の議会ではもっと踏み込んで、現在の赤字体質を改善しない限り、財政再建団体への転落も予想される状況にあり、それは地方自治の危機でもあると言っているわけです。
 区長さんにお伺いをしたいと思っているのは、赤字体質とは何をもって赤字体質と呼んでいるのか、その点について区長さんのお考えをお聞きしたいと思います。

○区長 難しいことを抜きにしまして申し上げますと、一般の家庭と同じでありまして、その年に入ってくるお金で、その年を賄えるかどうか。区民生活をちゃんと守りながら賄えるかどうか。賄えないのが赤字でありまして、賄えれば黒字だという考えであります。

○針谷委員 それは前からの答弁でありまして、実際には、実質単年度収支の赤字をもって赤字体質と呼んでいるのかなと思うのですが、もう一度、その辺はそのとおりでよろしいのでしょうか。

○区長 そのとおりであります。
 財調基金を取り崩さなければ実質単年度収支は黒字 

○針谷委員 私どもは、赤字体質といった場合に、もっといろいろな観点から見る必要があるのではないかということで、特定の指標をもって、そもそも足立区の財政が赤字再建団体に転落するということは考えておりません。
 実は、これは予算課がつくったのかなと思いますけれども、12年度の決算について普通会計ベースでいろいろと書いてあるものがございます。
これですけれども、普通会計決算の状況をるる読みますと、財政当局の皆さんも大変いろいろな角度で検討されていますので、財政分析をする際に幾つかの標準的な基準が書いてあって、私がこういう角度で財政を見なければいけないなと思ったのは、実質収支比率ということで実質収支を標準財政規模で割った比率の問題や経常収支比率もその一つで、前から議論をされている問題です。さらに、三つ目は、公債費比率があるだろうし、4番目には将来にわたる財政負担ということが一つの指標で、さらに財政力指数、人件費比率とか、総合的に見なければいけないのではないかと思っているのです。ですから、足立区の財政をとらえる際に、単純に実質単年度収支のみの赤字をとらえて赤字体質と言えないのではないのかという話を、これからしていきたいと思っているのです。
 そこで、お伺いをしたいのは、今年度の実質収支、実質単年度収支は、それぞれ幾らで赤字か黒字かを明らかにしていただきたい。ご答弁をお願いします。

○予算課長 普通会計ベースで申し上げますと、12年度の実質収支は13億円の黒字であります。これが赤くなった場合には、さっきのどうのこうのという数字になるわけでございます。単年度収支は8億円で、11年度の実質収支との差し引きであります。赤字要素であります財調基金の取り崩しが20億円ありましたので、差し引き実質単年度収支は11億円の赤字となっております。

○針谷委員 実質単年度収支というのは、仕組みからいって、いま、予算課長さんがおっしゃったように、財調基金の行方に非常に左右されると思って、この数字をずっと見ていたのです。実は、議会前に「数字で見るあだち」が配られて、23区のいろいろな指標が出されたわけでございます。私は「数字で見るあだち」を見てはっと思ったのですけれども、34ページに23区の財政指標等が載っておりまして、足立区の実質収支はいま言った13億円、平成11年度の経常収支比率は89.8と、若干改善されているわけです。
 そこで、積立金の現在額の中で、平成11年度については250億円の残高で、平成12年になって残高が若干変わりまして211億円に減っておりますけれども、そこで見てびっくりしたのは、お隣の練馬、板橋は減債基金がゼロで、練馬の財調基金は100億円ある。足立の場合は、減債基金が30億円で、財調基金が24億円あるという数字を見ましてはっとしたわけでございます。
 それで、財調基金という性格、減債基金の性格はそれぞれ違うとは思いますけれども、実質単年度収支の性格からして、12年度の決算で見ると、足立区としてどういうことがされたかといえば、財調基金の20億円の取り崩しがあったということです。これは仮定ですが、これがなかったとしたらどうなるのかということになると、実質単年度収支は約9億円の黒になるわけであります。
 ですから、実質単年度収支という一つの指標は、それをもって単純に赤字体質とは言えない。財政当局のやり方によって赤にも黒にもなるという一つの証明になるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○予算課長 財政運営上のことなので、私からご答弁させていただきますけれども、財調基金と申しますのは、およそ年度間の財源の上下を平らにするものと考えていただいて結構だと思います。今回、20億円の財源不足を解消するため、これを充当したということでありまして、もう一つ申し上げますと、実質単年度収支とは、その年が暮らせたか、暮らせないかという指標でありまして、これがすべて赤字でないことを判断する指標ではないということは私も同意見であります。ただ、この指標自体は、決算上、そのように計算することになっておりますので、こういう数字は、ここ3年、ことしで4年目になりますけれども、連続して赤字だということは事実でございます。

○針谷委員 私が言っていることを認めていただいたのですけれども、私が言ったのは仮にという話で、この20億円の財調基金を取り崩さなかったら実質単年度収支は黒なのです。実は、練馬区さんの財政当局の担当さんの方に、なぜあなたのところは減債基金に全然積まないで財調基金に積んでいるのかということをお話を聞いたのです。いま、予算課長さんに答弁していただいたので、私も財調基金の条例と減債基金の条例を見てみたのですけれども、かなり条例案が似ているというか、趣旨はほとんど一緒なのかなという感じを持ったのです。ただ、違うのは、第1条に、減債基金の場合は、明確に特別区債に償還に必要な財源を確保し、よって財政の健全な運営を資するためと書いてある。財調基金の方は、年度間の財源調整を行って、財政の健全を行うため設ける。この条例で言うと、借金返済を特化しているけれども、大きく言うと、この点は財調基金にも含まれていると解されると思うのですが、予算課長さん、いかがでしょうか。

○予算課長 この第1条が非常に大切なところでありまして、財調基金はあらゆるすべての財源不足に充当できる。減債基金は、起債の償還にしか充てられない、自由に使えないということで、将来の財政運営を縛るもので、財調基金は縛られないものという違いが明確にございます。

○針谷委員 私が聞いているのはちょっと違うのです。財調基金の中に減債基金の内容が含まれるのかという理解なのですが、「数字で見るあだち」のほかのゼロの区の担当者に聞いたのですが、そもそも財調基金はそういう内容を含んでいるから、
うちは減債基金に積む必要がないのだという言い方をしております。
 私どもはその点で一貫して言っておりましたけれども、足立区の財政は、確かに財政状況、五つの指標で見る限り、いいと、万々歳だと、順風満帆だとはもちろん思っておりません。厳しい状況にあるだろう。しかし、区民の施策、区民のための施策を充実させながら財政再建をやっていくことは十分可能である。区長さんが言っているような赤字債権団体に転落する云々という評価にはならないと考えているのですけれども、区長さんはいかがでしょうか。いないではないですか。大事な審議のときにいなくなってしまって、困るね。

○予算課長 先ほどの基金のところでのご質問がありましたので、この時間を利用して少し補足してご答弁差し上げますけれども、減債基金と財調基金は明確に違う。財政運営上はどうかという点でいえば、他の区の見解が間違っている。減債基金が将来の財政運営を縛るものということは、単年度の財政運営を担うものではなくて、簡単に申し上げると、将来、私ども平成7年、8年で借りた借換債があるわけですけれども、この償還をどうすべきか。これに真剣に取り組んだところ、減債基金をつくって着実に基金を積み立てているわけでありまして、財調基金に積めば、いつ取り崩せるかわからない。これは、将来の財政の不安をもたらすものということで、明確に違うということが言えると思います。

○針谷委員 いまの予算課長のご答弁ですけれども、やや違った見方もあろうかと思うのです。いわゆる、財調基金でもっている予算もあるわけです。
 例えば、阪神大震災ではないですけれども、緊急事態が発生した。そういうときに、練馬区の予算担当の方は、それを区民施策に緊急に振り向けることができる。フレキシブルに予算執行ができる。減債基金に積んでしまうと、その点では予算課長と一致しますが、縛られるわけですから使えないことになるわけです。しかも、その指標が、区長が言う実質単年度収支の赤や黒を左右して決めてしまうわけですから、これで来年度財調基金に積んだら、赤字体質から脱却しましたということが言えるわけです。私は、ここで、そのように財政論を語るべきでないと思ったので、この質問をさせていただいたわけです。
 それで、決算全体の総体的な評価ということで、さっき区長さんに聞こうと思ったら、いなくなってしまって聞けなかったので、次にいきますけれど
も、今回の区長さんの評価では、4年連続の赤字だが、赤字幅が減少して財政健全化のとり組みが少しずつ効果を上げてきたものと考えておりますという答弁をしております。必ずしも、そうなのかなと逆に思っているのです。
 まず、第1は、鈴木区長が行った財源対策で、土地開発公社の貸付金の元金の繰り延べがあったわけですけれども、これはおおよそお幾らでしょうか。

○予算課長 年間の元利償還金で45億円を少し超えます。年度当初は190億円ありましたけれども、今年度の償還を含めますと、年度末残高で160億円の残高が残っている状況でございます。

○針谷委員 これは、債務負担の履行を停止したわけですから、そういう意味では借金の繰り延べになるわけです。
 それで、決算状況の一覧表を見ますと、先ほど私が言ったように、一つの指標として、将来にわたる財政負担についてはちょっと心配なデータが出ておるのですけれども、これについてはいかがでしょうか。

○予算課長 いまのご質問の債務負担行為ですけれども、このところ、例えば綾瀬のアンダーパスの債務負担が大きくなっておりまして、いま、昨年よりもふえている。起債の償還については、順調に償還をして減っているけれども、債務負担行為については増加している状況であります。

○針谷委員 そうなのです。ですから、財政状況については、区長があいさつで述べたように、順風満帆で一定の歯止めがかかったとは言えないという厳しさを指摘せざるを得ないのです。
 そこで、先ほど長塩委員さんも言ったけれども、監査委員の意見書を見ますと、確かに経常収支比率も4%よくなっているという話をしているわけです。その基礎となる区民税の税収はどうなのでしょうか。

○納税課長 税収につきましては、特別区民税は昨年度より約19億円減っております。

○針谷委員 残念ながら、税収は減収なのです。私も、望んで言っているわけではないですよ。義務的経費もふえているということですが、公債費比率は若干減少しているということです。全体として12年度を見た場合に、改善された数字は一体どうしてなのかという評価が意見書に書いてあるわけですけれども、予算課長、なぜ改善されたのかという評価はどうでしょうか。
○予算課長 この数字をすべて横に並べてみますと、分母が大きくなっている、財政規模が大きくなっていることが一つの原因だと思われます。これは、清掃を初めとした事務移管によって財政規模が大きく膨らんでいる。もう一つは、介護保険の導入によって扶助費の一部が繰出金に変わりましたので、義務的経費を小さくしている。この辺が改善のポイントになっているだろうと、先ほど申し上げたとおりであります。さらに加えて、財政健全化計画の着実な実行によって、内部のさまざまな経費の努力をしている。この辺が、こういったところに出ている。
 ですから、そのまま全部の数字を喜ぶことはできない。半ば、半分ぐらいは喜べるのかなというところだと思っております。

○針谷委員 喜べるかどうかはともかく、この意見書の一般会計の審査意見では、いまおっしゃったとおり、標準財政規模が増加したために比率が減少しているものであって、いずれの財政指標の改善も財政枠の増加による影響が大きく、危機的な状況を脱したわけではないという評価です。
 ですから、財政健全化計画で本当に努力されているのかという点でいうと、これについてもやや疑問を呈せざるを得ないのです。なぜかというと、ちょっとお聞きしますけれども、投資的経費の問題なのです。投資的経費については、幾らで、前年度の増減率はどうなっているのか、教えていただきたい。

○予算課長 投資的経費は、全体で215億円、前年に比べて12億円伸びておりますので、6%の増でございます。

○針谷委員 そのうち、普通建設事業費と、普通建設事業費の中の単独事業と補助事業の比率はどうでしょうか。

○予算課長 補助事業費は81.1%の増、単独事業費は7.6%の減でございます。

○針谷委員 比率で答えないで、ちゃんと現ナマで答えてくれますか。それで、その現ナマの比率を答えてください。

○予算課長 内訳ですけれども、12年度は、補助事業で56億円の増、単独事業費では約14億円ほどの減となっております。

○針谷委員 それではないのです。総体を言ってください。

○予算課長 総体では、先ほど申し上げましたように、普通建設事業費は全体で215億円ですから12億円の増、比率で6%の増です。

○針谷委員 ごめんなさい。私の設問が悪かったのかもしれないのですけれども、決算統計調査のつづりをいただいて分析をさせていただいたわけです。これで見ると、本来、年度当初でかけたわくであるという投資的経費は170から180のはずだったですね。ところが、結果として、215億円になっている。先ほど吉田区長の悪口の話がさんざんありましたけれども、吉田区政は、投資的経費のある程度の予算の優先順位を抑えて、区民の暮らしの方に予算を回す中で財政再建の方向も示すといった点からいうと、やや危険な動きだ。今回の補正予算でもそうですが、当初の枠がどうして215億円になったのですか。

○予算課長 まず、普通建設費の中には、12年度は、財源対策ということで用地の買い戻しなどをやって起債を起こし、それを財源対策に充てた部分がございます。いまメモを見たのですけれども、約40億円ございますので、実質的には普通建設事業費、いわゆる投資的経費も小さくなっているものというのが先ほどのお答えの一つであります。
 もう一つは、いまのご質問の件ですけれども、当初予算に編成できなかったものを今年度も補正予算でご審議をいただいたところでございますけれども、起債の状況であるとか、ほかの他の事業との優先順位からおくれたものを財源の見通しを立てながら予算化していくということで補正予算に計上せざるを得ない。現在では、そういう状況でございます。

○針谷委員 結局、当初の予算の枠はかかっているのだけれども、補正でどんどん投資的経費に偏重していく。今回の3定の補正も、55億円の総枠のうち、37億円が投資的経費ですから、それがいいか、悪いかという問題ではなくて、全体の予算の優先順位という問題でいうと、ここに鈴木区長の政治姿勢が端的にあらわれているのかなという点を危惧しているわけであります。
 この点については、監査委員の意見書などにも、いろいろな観点で財政運営について起債の問題に触れられておりますけれども、今後、鈴木区政が、かつての古性区政のように、大型事業をどんどんやって借金をつくってしまうことにならないように、私は危惧をしておりますので、ブレーキ役を買っていかなければならないと思っております。
 それで、起債の問題についてもちょっと触れておきたいと思うのですけれども、平成12年度の起債の償還状況と現在高、そして平成17年度までの起債の償還の見通しについてお聞かせいただきたいと思います。

○予算課長 現在の起債の残高は1,300億円余になっております。今後の見通しですけれども、16年、17年に先ほど申しました借換債のピークを迎えます。それが200億円を超えるところでありまして、いまのところ、ここをポイントに今後の財政運営を見通しております。現在、100億円のセーブをかけているところもありますが、
おおむね起債制限の指導を受ける15%には至らない程度に推移していくものと思われておりまして、起債のコントロールについては何とかなるものだと考えております。

○針谷委員 しかし、実際に投資的経費がどんどんふえてしまう。それから、新田を初め、いろいろな大型事業に手を挙げていくと、いろいろな委員会で指摘されておりますけれども、それについてのさじかげんでは非常に危険な状況になる点も指摘をしておきたいと思います。
 それでは、次の質問に入りたいなと思っている
のですが、時間が余りないな。午後も質疑させていただきたいと思いますので、終わりにさせていただきます。

○委員長 この際、審査の都合により暫時休憩いたします。
 
再開は午後1時といたします。
      午前11時59分休憩
      午後 1時00分再開

○委員長 次に、共産党から質疑があります。針谷委員。

○針谷委員 午前中に続いて質問させていただきますが、介護保険会計と高齢者福祉費との関係についてお伺いをしたいと思っております。
 介護保険が出来て老人福祉の予算が減った分はすべて介護に
 介護保険は第2の消費税だなんていう話もありますけれども、基本的には、区民からいただいた保険料は全額区民の介護、福祉のための充実に充てるべきだと考えておりますけれども、その点は区もそういう姿勢で取り組んでいくということでよろしいのでしょうか。

○介護保険課長 介護保険の保険料につきましては、不足が出れば安定基金の方から借り入れまして、余剰金が出ますと給付準備基金の方に借り入れるという形でやっております。そして、次期の事業計画の中で保険料等を検討してまいるということでございます。

○針谷委員 私の質問はもっとシンプルなのです。シンプル・イズ・ベストで、わかりやすい質問をしているので、わかりやすく答えてほしいのです。
 では、区長か助役に聞きますが、いま言ったように、区民から集めた保険料は基本的に区民のための介護の費用に充てるという基本姿勢はあるのですかと聞いているのです。

○中野助役 基本的には、保険制度でございますから、その枠の中でやっていくのが基本だと思っています。

○針谷委員 保険制度も、税にしても、区民から見れば、納めた税金、保険料をぜひ使っていただきたいということは当然だろうと思うのです。
 そういう点でお聞きしますけれども、介護保険導入前、平成11年度の老人福祉費、それが12年度に介護保険会計に移行してサービスが変化をした。そこで、いろいろな見直し事業がやられましたが、四つの角度でお聞きします。
 まず、平成11年度と12年度、それぞれ介護保険の運営に係ると思われる、例えば介護保険に移行するサービスに係る経費と給付の事業費の区の負担分は幾らだったのか。そして、介護保険に移行した後の平成12年度の事業費と区負担分は幾らだったのか。介護保険外サービスの事業費と区の負担分、11年、12年、さらに介護保険の基盤整備にかかわる費用、介護保険の元気高齢者対策、それぞれ11年度と12年度を対比してお答え願いたいと思います。

○高齢サービス課長 まず、介護保険の運営につきまして、11年度決算額、事業費は118億7,600万円、そのうち、区の負担が34億2,600万円、12年度につきましては、事業費が147億8,400万円、そのうち、区の負担が23億100万円、介護保険外サービスは、11年度事業費が37億7,800万円、そのうち、区の負担が31億5,800万円、12年度決算額は、事業費が35億5,400万円、そのうち、区の負担分が30億2,300万円です。
 次は、介護保険の基盤整備でございます。11年度の事業費は、4億100万円、そのうち、区の負担が2億6,500万円、12年度の事業費が19億円、そのうち、区の負担が14億5,100万円、最後の介護予防元気高齢者対策は、11年度決算事業費が2億8,800万円、うち、区負担が1億4,300万円、12年度は、事業費3億円、区負担分が1億5,500万円です。

○針谷委員 そのとおりです。それをあわせると、介護保険前の平成11年度の老人福祉予算は163億4,300万円、うち、区の負担分は69億9,100万円、介護保険に移行すると、総体は205億3,800万円、区の負担分は69億300万円でございますけれども、これを置いておいて、介護保険料がどのように歳入されたのかをお聞きしたいのです。1号保険料の歳入額と2号保険料歳入額をそれぞれ教えていただきたい。

○介護保険課長 1号保険料の歳入は9億3,200万円余で、2号保険料につきましては40億円でございます。

○針谷委員 40億円と言いましたか。40億円ではないのではないですか。

○介護保険課長 2号保険料の場合、国保やいろいろなものをみんなあわせまして40億円で、国保からの場合ですと27億円かと思います。

○針谷委員 28億円ではないですか。細かい数はいいです。
 これを見ますと、11年度の老人福祉費で、全体の総体が約160億円、介護保険料をとって43億円程度ですから、総体の205億円はちょうどぴったり合うのです。ところが、平成13年度の予算で見るとどうなっているのかというと、がらっと変わってしまうのです。
 これが問題だなと思うのは、平成12年度の決算自体も問題ですが、一つは、実際には実質収支が7億7,000万円ほどの黒字で繰り越したわけです。あわせて、安定化積立基金で11億4,200万円を積み立てた。
 もう一つ問題なのは、平成12年度は、中央本町の特養に19億円、そのうち、区の負担分は14億5,000万円をやっていますから、これが13年度はどうなるかというと、なしになってしまうのです。そうなると、結果として、特養ホームをつくらない。そして、実質的に給付が下がる。さらに、基金に積み立てるとしますと、実際に全体として31億円余の区の負担分が減ることになってしまうのです。計算上、そういうことになりませんか。
 計算できそうもなさそうなので、そうだと思うのです。全部突き合わせればそういうことになります。多分、それは企画部長も知っているのだろうと思うのです。
 かつて、これ以上、福祉費がふえたら区財政が大変だ云々で、トップで帽子をかぶせるという話もありましたから、そういう経過の中で、実際にその中で見直し事業がやられて、シルバーパスの交付から寝たきりの理髪サービスが切られる。日常生活用具の住宅整備費の給付事業が削減される。老人福祉手当が削減、老人福祉電話の設置事業が
後退する。寝たきりの丸洗いの乾燥事業も後退、 緊急通報システムも予算措置が減り、紙おむつの支給も減らされるということが出てきてしまうわけです。実際に、区の財源はある程度の余裕が出てきているということでありますから、そういう点でいうと、少なくとも今後とも基盤整備をやっていかないと区民に対しては申しわけが立たない
介護保険会計になってしまうのだろうと思うのです。
 今後、特別養護老人ホームの建設計画はありますか。

○高齢計画課長 いま、平成16年度までに1,316床の整備で計画をいたしておりまして、今年度中に1,066床まで計画が達成されます。現在、2法人と協議をいたしておるところでございます。

○針谷委員 いまの到達点と目標はわかるのですが、平成13年度にはないわけです。具体的に特養の予算措置はないわけでしょう。ですから、特養ホームの基盤整備をやらなければ、その点で保険料を取った分で事業をやることにならないし、区民が、介護保険ができたけれども、負担だけで、実際の給付は大変だと思ってしまう根拠は実際の会計上にあると言わざるを得ませんが、区長さん、そういう意味でも負担軽減策、その他はとる必要があろうかと思いますけれども、その点についてのお考えをお聞きしておきたいと思います。

○中野助役 先ほども申し上げましたとおりでございまして、基本的には保険料の中でやるわけですから、そのような保険外の支出をすることは非常に困難でございます。いま委員がご指摘の31億円は、区の負担が減るではないかという部分について、保険外の施策を打つことについては、将来の安定化を考えますと、その辺のところの支出はなかなかしにくいということでございます。

○針谷委員 そんなへ理屈を言っても、区民にはわかりませんよ。実際の問題として、事業をやらなければ、予算は余っているではないかということになるわけですから、今後、引き続き質問をしますけれども、私の予定は終わりましたので、鈴木(秀)委員と交代いたします。

○委員長 引き続き、共産党より質疑があります。