精神障害者保険の減免を ぬかが和子委員

○委員長 引き続き、共産党より質疑があります。ぬかが委員。

○ぬかが委員 私は、引き続いて、衛生部の関係の環境衛生費、精神障害者の施策についてお伺いします。精神障害者のご家族から、こういう訴えがありましたので、まずご紹介をさせていただきます。6月に大阪の池田小で起きた事件は、余りにも悲惨で衝撃的なものでした。この事件では、当初、容疑者に通院歴があることが繰り返し報道されました。こういった長年の報道のあり方が、結果として、容疑者自身の犯罪というよりも、精神障害者の犯罪という短絡的認識を生ませてしまったようです。精神障害者全体が事件にかかわる犯罪者、犯罪予備軍であるかのように、歪曲して伝わってしまい、精神障害者の置かれている状況をますます危機的にしています。しかし、精神障害者は、幾多の困難な状況の中で懸命に生きています。精神障害者への正しい知識、理解を得られるよう、どうかお願いしますという訴えだったのです。統計でも、精神障害者の事件が特に多いわけではないと思いますが、どうでしょうか。

○健康推進課長 委員がご指摘のとおり、犯罪の発生率に関して、精神障害者の場合に高いといったデータはございません。

○ぬかが委員 そうですね。100人に1人の精神障害者がいるなどとも言われているわけですけれども、精神障害者の大半はまじめに一生懸命に生きていると思います。いまこそ、精神障害について、先ほどの理解を得られるようにお願いしますといったお話になるように、正しい理解を広めるためにも広報活動や啓発を強めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○健康推進課長 委員がご指摘の精神障害者の偏見等を取り除くための啓発活動につきましては、従来から保健所、保健総合センターで取り組んでいるところでございます。現在におきましても、保健総合センターで行っております健康教育事業、広報紙等を通じた啓発活動、あるいは、心の健康フェスティバルといった催し、精神保健福祉のボランティア育成事業を通じまして、精神障害者への偏見を減らすよう啓発に努めているところでございます。

○ぬかが委員 いままでも、衛生部の方を中心に努力をしてやってこられたことは十分わかっているのです。ただ、こういった事件をきっかけに、本当に多くの方々、特に精神障害を持つ方がショックを受けているということで、8月3日の毎日新聞に大きく載った精神障害者家族アンケートは、あの事件の後、東京と大阪の精神障害者家族会の協力も得て、すべてからアンケートをいただいてまとめた特集の記事です。このアンケートの結果を見ますと、学校乱入殺傷事件の報道による影響はということで、容疑者が同じ病名だと報じられ、ショックを受けたというのが65%、落ち込んで生きるのがつらくなったというのが21%、自宅から出られなくなったというのが9%、それから、家族の方ですけれども、周囲の目が気になり、外出しにくくなったというのが38%、親しかった人と疎遠になったが16%、本人の病状が悪化し、対応に困ったが13%ということです。家族会の方々のお話を聞きましても、いま、一番やってほしいことは、この辺の理解を広める活動を強めてほしいという声があるわけです。そういう点で、いままでやってきたこともわかりますが、さらに前向きに充実してやっていく必要があるのではないでしょうかということをお伺いしているのですが、どうでしょうか。

○健康推進課長 引き続き、啓発活動に努めてまいりたいと思っております。

精神障害者のホームヘルプサービスの実施を 

○ぬかが委員 引き続きやるのは当然やられると思うのです。これで削ったら大問題だと思うのです。ちょっと角度を変えてお伺いしたいと思うのですけれども、平成6年に発行して、何年か発行していた「心のやすらぎ」というパンフレットを課長はご存じですか。

○健康推進課長 申しわけございません。その時代は足立区に勤めておりませんでしたので、承知しておりません。

○ぬかが委員 これは、平成6年につくってから何年か発行しまして、聞くところによると、その後もある限りは窓口に置いてあったそうです。確かに、いなかったから知らないと言われればそうかなと思いますが、これの中身は本当にいいのです。いまこそ、こういったものを発行すべきではないかと思っているのです。例えば、先ほどお答えがありました心の健康フェスティバルは、確かに全体に開かれた行事ですけれども、参加するのは精神障害を持つ方が中心として参加される。これは、区民向けの啓発の冊子でもあるわけです。タイトルが、心の安らぎ、人に優しいまちづくり、精神分裂病の理解と精神障害者の地域生活支援のためにということが書かれていまして、まず最初にメッセージがあるのです。これが本当にいいなと思っているのですけれども、このように書いてあるのです。この足立区にも、心の病気を抱えながら地域で生活している人たちがたくさんいます。心の病気を持ちながら、1人の人間として地域の中で精いっぱい生きています。足立区は、下町人情の豊かなまち、温かいまちです。この冊子は、心の病気についての理解を深めていただき、精神障害者も、そうでない人も、ともに生き生きと暮らしていける、より一層人に優しいまち、足立づくりのためにつくったものです。地域の方々の理解は、心の病気への欠かせない薬です。人に優しいまちづくりのために、一緒に考えてみてくださいというパンフレットなのです。もちろん、ずっといろいろと書かれていますが、例えばかなりのページを割いて、足立に住む私たち、精神障害の方とごく普通に楽しくおつき合いをしていますよということで、作業所を貸している大家さんの声だとか、いろいろなことが紹介されているのです。確かに、広報でもやっていらっしゃるし、いままで心の健康フェスティバルやいろいろな取り組みをやってきたことは知っているのですが、これが発行されていないということを聞いて、いまこそ発行するべきではないかと思ったのですが、どうでしょうか。

○衛生部長 いろいろと誤解を招くようなお話がありますので、私から発言をさせていただきますけれども、心のフェスティバル云々につきましては、職員、家族会、ご本人たちがこぞって区民の方の参加によるフェスティバルでなければならないということで努めておりまして、これほど区民の方がおいでになる精神障害者の集いは日本じゅうのどこにありますか、おっしゃっていただきたい。日本一だと思っています。それは、私が言っているのではないのです。これを、よその関係者が皆見に来て、本当に腰を抜かさんばかりに驚いていらっしゃいます。ぬかが委員は何回おいでになりましたか。私としては、そこのところは訂正をいただかなければならないと思っております。それから、いまおっしゃられた提案につきましては非常に大事なところだと思いますし、障害者の方がよりつらい立場になることは職員も含めて皆言っております。ただ、精神障害者の家族会の方も、この件につきましては、こういうことが起こる前から、私たちはこういうことが起こればということで了解をしながら事業を進めておりまして、了解を得ながらもっと啓発に努めていきたいとお約束させていただきたいと思います。

○ぬかが委員 別に、心の健康フェスティバルをけしからんとか、大したことがないとか、だめだとは一言も言っていないのです。それはそれで、本当に苦労をして頑張ってやってこられたのはわかっていますよ。ただ、こういうものも必要なのではないですかということが、私の質問の趣旨なのです。誤解しないでいただきたい。そういう中で、勝手にお怒りにならないでいただきたいと思うのです。いま、部長のお答えにもありましたように、区長も、公約では、高齢者や弱者が安心できるまちづくりということで、選挙公報でも、法定2号ビラでも、繰り返し言っていらっしゃる部分だと思うのです。まさに、人に優しいまちづくりのパンフレットなのです。別に、これと同じものということは言いませんし、あれから制度もどんどん変わりまして、精神障害者の方の施策もどんどん充実してきていると思いますので、そういう点でより発展させたものをぜひつくっていただきたいと思います。それから、精神障害者へのホームヘルプサービスについてお伺いしたいと思います。今年度のモデル事業は、来年度の本格実施と聞いているのですけれども、聞くところによりますと、各保健センターごとに関係職種の方々とネットワークを組んで、1週間のプログラムで、グル―プホームや作業所の職員やホームヘルパー、保健婦さん、それぞれが役割分担をし、当事者の援助を総合的に行っていると聞きました。ご家族、親の方から、親亡き後のことを考えるといても立ってもいられない、単身での生活は本当にはらはらするのだといった親や家族の心情からも、来年度の本格実施がいかに成功するかというところに大きな期待がかけられていると思います。そういう点で一つお伺いしたいのは、ことしは、準備期間ということでモデル事業と養成講座がやられているわけですけれども、もちろんまだ半年ぐらいですが、その中での成果や取り組みと来年に結びつけていく上での課題についてお伺いしたいのです。どうでしょうか。

○西部福祉事務所長 このモデル事業につきましては、福祉事務所の方でかなりお手伝いをさせていただいております。モデルの事業としまして、8ケースほどを実施しております。委員のお話のとおり、事業の内容につきましては検討中でございまして、さらに今後どうするか、いま衛生部と詰めております。今後の方針については、衛生部の方でお願いいたします。

○健康推進課長 ホームヘルプ事業につきましては、ご指摘のとおり、ことしのモデル事業ですが、改正された精神保健福祉法の中で14年度実施分の法定事業でございますので、予定どおり14年度に実施する予定でございます。

○ぬかが委員 課題や到達等をお伺いしたのですけれども、検討中だということで、議会には話せないのかなと思っていますが、たまたま精神障害者のヘルパー養成講座を受けた方のお話を聞きました。何が印象的だったかというと、ほかの高齢者と違って、いきなり家事をばたばたとやるよりも、まず、精神障害の場合には心を許し合えることが先決だ、それから、癖を心得て、まず信頼関係をつくってから入っていくことが大切なのだということがいままでと違うのだなという話が印象的だったと聞いたのです。こういう講習を受けた方が、来年度からの本格実施のときに、確実に精神障害のヘルパーさんとしてホームヘルプサービスに当たれるのかどうなのか、その辺はどうでしょうか。

○健康推進課長 次年度の本格実施においてのヘルパーにつきましては、委託契約を予定しておりますので、委託契約業者とヘルパーの関係については私どもがどうこうできる状態ではございません。現在やっておりますホームヘルパーの養成につきましては、ホームヘルパー全体の精神保健福祉についての資質向上という目的で実施しているところでございます。

○ぬかが委員 いまのお答えは、委託契約をして、その委託契約の中で、どの人が当たるか、どうなるかはわからないというお答えだったわけです。ホームヘルパーの養成講習をした人たちが、うまく結びついて、実際にヘルパーに携われるようにすることは絶対に大切なことだと思うのですが、確かに契約上のいろいろな問題があると思いますけれども、前向きに努力をしていただきたいと思いますが、どうでしょうか。

○健康推進課長 契約の問題でございますので、いま、確証があるわけではございませんが、結果として、精神保健福祉に関する資質を持ったヘルパ―でなければ、実際のホームヘルプ事業に携わることが技術的に困難であると思われますので、今後、そういったそごがないよう努力していく所存でございます。

○ぬかが委員 そうですね。本当にそこがかぎかなと思っていますので、来年の本格実施で本当に希望にこたえられるようにやっていただきたいと思います。次に、質問を変えまして、福祉の方の介護保険外の高齢者福祉施策、予防施策に関連してお伺いしたいと思います。10月1日の区政功労賞の表彰式のときの区長さんの祝辞、あいさつの中にこういう言葉があって、私は「ええ」と思ったのです。介護予防施策を重視し、高い評価をいただいている旨のお話だったと思うのです。部長さんたちも、皆さんが出ていましたので、ちゃんと聞いている方は覚えていらっしゃると思いますけれども、介護予防重視は寝たきりにならない、させないという点で本当に大切だと思います。全体として、予防施策が必要な人たちに行き渡ることが、寝たきり防止、介護予防、元気な高齢者支援としても大きな効果を果たすと思いますが、ここについては区長の答弁をお願いします。

○区長 私が考えておりますのは、区民全体が長寿社会を迎えて健康寿命を伸ばしてほしい、寝たきりや痴呆にならないでほしい、それが健康あだち21の目的でありますので、いまおっしゃったことに当たるのではないかと思います。

○ぬかが委員 区民全体が健康寿命を伸ばしていると、あいさつのときには介護予防施策に高い評価をいただいているとはっきり言ったのです。驚きましたけれども、高い評価をいただいている介護予防施策はどうなのか。12年度から施策の全体の枠組みが変わりました。元気な高齢者を支援するということをずっと言われてきました。ところが、どうでしょうか。老人クラブの補助金は4割削減、高齢者が生きがいを持って元気に生きていける源となる施策を施策を4割削ってしまった。それから、生きがい奨励金も削った。入浴券も半分に削る。敬老祝い金は、喜寿のお祝いをなくしてしまったということなのです。もう一つの再構築の片側にあります介護予防の福祉施策を見てみますと、例えば電磁調理器は火災ややけども予防するという点で重要な施策ですけれども、これも11年度の59件から、12年度は28件に削られてしまったということなのです。緊急通報システムもどうかといいますと、これは台数で累計していて、平成11年度までは毎年ふえているのです。ところが、平成12年度決算では累計の台数が減ってしまった。これは、本当に元気な高齢者とか、予防施策を重視している高い評価をいただいていることにはならないのではないかと思うのですが、どうでしょうか。

○区長 いま、ぬかが委員さんがずらずらと並べましたことは、私はできることならやりたいのです。ですけれども、いまの時代の中で、共産党さんがおっしゃるようにすべてをやっていくことはとても無理なのだ、それを削るということをやらなかったらば大変になってしまうのだと考えておりますので、それによって新たな施策、さらに重要な施策を重点的に絞ってやっていきたいということであります。

○委員長 ぬかが委員の質疑を終了いたします。