決算特別委員会 第5日目 10月10日(午前10時00分再開)
綾瀬新橋 鈴木けんいち委員

○浜崎委員長 おはようございます。これより決算特別委員会を開会いたします。5議案に対する総括質疑を行います。鈴木(け)委員。

○鈴木(け)委員 おはようございます。初めに、昨日、自民党白石委員が、融資に関する区長公約の質問の中で、中小企業特別委員会の審議経過の事実に反する発言、その意味で議会の品位にかかわる発言がありました。区長公約の直貸しについては、区長も4日の決算委員会でできればやりたかったと、公約実現に至らなかったこと、さらに、河合部長が直貸しにかわるものとしての損失補償融資も断念したという経過に触れたとおりでありまして、白石委員はそのことについては改めてお認めになったというのがきのうの質問でした。ここまでは事実に即した正確な発言でしたが、その原因は共産党がリスクの議論を始めたからだと述べた点、この点は全く事実に反し、経過があべこべだという点であります。中小企業委員会でリスク、これは新しい融資制度で負うべき区の財政負担のことでありますが、このときについて最初に議論を始めたのは、ほかならぬ白石委員でありまして、そのことは、この議事録にはっきり書いてありますから、読めばすぐわかることであります。そういう議論に対して共産党の議員が意見や質疑をしたからといって、区長が公約ができなかったということを正当化できない、できるものではない。これは事の道理からいって明らかだし、審議の経過からいっても明らかだと、このことを雨滴して質問に入りたいと思います。まず、綾瀬新橋の安全対策に関してお伺いをいたします。9月27日の都議会で、都の山下建設局長が綾瀬新橋の安全確保の促進について、国のまちづくり制度を活用してと答弁をし、これを受けて足立区も共同で調査に着手するという方向だと聞きました。これは、この綾瀬新橋、狭くて大変危ない、この緊急改善を求める地元住民の皆さんの粘り強い運動、署名が約3万3,000人、各戸証明、1軒、1軒の署名、それから、町会自治会などの団体署名が23団体にのぼりました。それから、4回にわたる東京都建設局への直接要請、さらには2度にわたる橋のたもとでの街頭署名など、運動に取り組んできたと、そして切実な声が高まったと、これの結果、財政難を理由に慎重姿勢を示していた東京都が重い腰を上げたのかなと思います。この運動に一緒に取り組んできた者として、大変うれしく思っています。しかし、その中身を見ますと、都市計画道路の138号線の整備に伴う綾瀬新橋のかけかえ、これは従来区や都が説明してきた方向なわけですけれども、その方向には変わりはないのではないか。もしそうだとすると、残念ながらいま住民が切望している緊急の改善、いますぐ直してほしい、人と自転車、そして車いすが安心して渡れる綾瀬新橋を実現してほしい。そういう願いにそのまま結びつくものではないという感じもいたします。そこで、幾つかご質問したいと思います。一つは、4月25日に東京都建設局を実は住民代表4人の方が町会自治会の署名23団体、構成員にしますと1万人以上、その代表署名を持って訪問しました。そこで担当部長が初めて、足立区と話し合いますという具体的な回答を示しました。そして、これを受けて足立区が5月に東京都との意見交換を行ったと聞いております。まず、そのときの内容、どんな内容だったか教えてください。

○土木部参事 いま委員のお話がありましたように、綾瀬新橋につきまして、5月に東京都の方から、これまでの現状と区の考え方について少し話を聞きたいという声がありまして、私どもお伺いして、その辺を意見交換をしてまいりました。

○鈴木(け)委員 これまでの現状について意見交換をしたということでした。その後、8月になって、また東京都と意見交換をされたと聞いております。実はその中で、まちづくり事業と一緒にやれば財源が生み出せるもしれないという案が出されたと聞いておりますが、それはどういう内容でしょうか。

○土木部参事 8月の段階では、東京都の建設局の職員が区の方にお見えになりまして、この課題について都としても非常に財政状況が厳しいという中で、何とか財源確保を図りながら少し前に進めていきたいということで、まちづくり事業との共同ということで少し検討してみたいと。ついては、地元区も協力してくれないかというお話がありました。

○鈴木(け)委員 そうしますと、9月の都議会で建設局長が答弁されたということは、こうした足立区と東京都との意見交換の中で浮かび上がった案を、後追い的に理解を示したという感じがしないでもありませんが、いずれにしてもこの案は、結局都市計画道路の整備に伴う橋のかけかえという枠内での話だと思いますが、その点はいかがでしょうか。

○土木部次長 委員ご指摘のとおりでございます。

○鈴木(け)委員 いろいろ知恵を絞って努力をされているということ、この間、特に強く感じております。そういう点では評価をしたいと思うのですが、一方、住民はなかなかそんなに待てないというのが本当のところなのですね。だからこそ署名を集めているということなのです。ちょっと幾つかご紹介したいのですけれども、実は7月7日、80歳の女性がこの綾瀬新橋で大けがをしました。東側の交差点でワゴン車にはねられ肋骨を6本折りました。それから、骨盤は複雑骨折、頭と足に切り傷、4カ月以上入院をされて、いまは視力も、それが原因だと思うのですが、視力が低下してしまっているという大けがでした。これが最近わかって改めて驚きました。それから、6月の11日に、橋のたもとで2回の街頭署名が行われ、私も参加したのですが、ここでは特に中学生や高校生がかなり署名をしてくれました。そのうちの女子高校生ですが、「私は、この3年間綾瀬新橋を自転車で渡って通学してきました。もう卒業になりますが、本当に怖かった。けがもしました。自分は卒業になりますが、後輩のためにも一日も早く安心して渡れるようにしてほしい」と言って署名をしたそうです。それから、70歳の男性、信号が青になったので渡ろうとした。そうしましたら車が回ってきたと。非常に見通しも悪いわけですが、幸いとまってくれたので事故に至らなかったけれども、とても怖かったと言っています。これは本当に日常茶飯事のことなのです。そういう点で、本当にそのうちではなくて応急措置をとって、すぐに改善してほしい。死者が出てからでは遅いというのが本当の声です。今月の2日には住民の方が綾瀬警察に申し入れに行ったそうです。そうしましたら、綾瀬警察としてもここの安全策はお手上げだと、側道をつくるというのは大いに賛成だと述べていたそうです。この橋のかけかえという本格整備を視野に入れながら、当面住民から出されている案も参考にして、側道や人道橋の設置などの暫定整備に取り組むべきだと思いますが、どうでしょうか。

○土木部参事 暫定整備につきましては、いろいろ検討してまいりましたけれども、なかなか河川条件をクリアすることができないということで、橋の拡幅が非常に困難であると。それから、確かに地元の方からご提案がありました案につきましても検討はしてみましたけれども、現在の川の中にくいを打つこと、それから、片側を現在の橋に金具で取りつけるという案でございまして、綾瀬新橋は実は相当老朽化していまして、そういった構造的にも非常に問題があるということで、この拡幅については非常に難しいのではないかと考えております。

○鈴木(け)委員 専門家の意見では、技術的には不可能ではないという指摘もいただいております。ぜひ引き続き知恵を絞る中で、暫定整備にも取り組んでいただきたいと思います。次に、介護予防策についてお伺いをしたいと思います。高齢者の緊急通報システム、これは設置台数が累計されておりまして、平成11年度までは、当然ながら毎年増加をしていました。ところが、介護保険が始まった平成12年度は設置台数が減っています。実は、ある肺気腫の方、肺気腫というのは肺がスポンジ状になる、ヘチマのように固くなってしまい呼吸ができなくなる。チアノーゼが出る。いつそうなるかわからない。呼吸ができなくなるような不安を持っている、そういう方であります。その方がこの緊急通報システムの申請に行きましたら、支給してもらえなかったということです。この緊急通報システムの事業は、寝たきりを予防するために有効な施策ということで、12年度から区が再構築して始めた事業なわけです。しかし、発作性でかつ慢性疾患でないと受けられないという話もありまして、そうしますと心臓発作でもないとはねられるとも言われています。しかし、では都の要項ではどうなのかというと、「発作性または慢性」なのです。「かつ」ではなくて「また」となっているわけです。そういう点で、介護予防を重視すると区長さんもおっしゃっているわけですけれども、そういう言葉どおり、実態に見合って受けられるようにすべきだと思うわけですが、いかがでしょうか。

○高齢サービス課長 緊急通報システムの設置の目的につきましては、高齢者世帯の緊急時における不安の解消と日常生活における完全確保を図ることにあると考えております。現在ご指摘のございましたが、主に心臓病の方を対象としておりますが、そうではない病気の方でも該当していらっしゃる方がいらっしゃいます。私ども申請を受けまして調査をした上で、日常生活を営む上で常時注意を要する状態にあるかどうかということで判断をしているところでございます。

特養ホームなど介護保険の基盤整備を 

○鈴木(け)委員 ぜひその方向で実態に見合って適応し、支給をしていただきたいと思います。次に、特養ホームの整備などについてお伺いをしたいと思います。特別養護老人ホームに入所を申し込みながら入所できない待機者がますますふえています。私も区民からの相談を受けてもなかなか困ってしまう、本当に入れない。直接施設にお伺いしますと、300人待っていますというお答えです。そんなに待てないということで、区内の施設ではあきらめて必死に探しましたら、基幹センターの方のご協力もいただいたわけですけれども、群馬県の方にやっと、駅から遠いのが見つかったという状況です。そこでお伺いしたいのですけれども、まず区の特養ホームの整備計画はどのようになっているでしょうか。

○高齢計画課長 特養の整備計画につきましては、平成16年度までに1,316床を整備する予定にしております。今年度中で1,066床まで達成する見通しでございます。

○鈴木(け)委員 16年度までに1,316床ということであります。そうしますと、今年度中に1,066床は既に開設も決まっているということですが、残り250床について、その見通しはどのようになっているでしょうか。

○高齢計画課長 特養の整備の見通しでございますけれども、いま現在特養ホームのない地域といたしまして江北、上沼田の地域、それから、千住の地域が上げられます。江北、上沼田の地域につきましては、都営住宅の建てかえにあわせまして、現在、都と高齢者施設を建てることができないかどうか、要望と協議を行っているところでございます。平成15年度ぐらいに着工ができるような形で、現在東京都の中で調整を進めております。もう一つの千住につきましては、現在ある法人と、開設をしていただけないかどうかの協議を進めておりますが、もう一つ新たな法人が出てまいりましたので、そちらの法人ともあわせるような形で整備目標達成に努力してまいりたいと思っております。

○鈴木(け)委員 いま江北と千住ということですが、まず、江北の方のベッド数はどのくらいか、それから、千住の方は場所についてはどうでしょうか。

○高齢計画課長 上沼田の方は、いま東京都の方に、約150床程度ができるような形でご協力をお願いできないかということを申し上げております。また、千住につきましては、まだ法人の方との確定の協議ができておりませんので、千住桜木のあたりとご理解いただければと思います。

○鈴木(け)委員 鈴木区長は公約で平成14年度までに特養ベッド数を1.7倍、ケアハウスを3.5倍、グループホームを10倍にふやし、特養ホ―ム入居、退去者をゼロにしますと述べています。大変いい公約で、大いにやっていただきたいと思います。ただ、仮にこれらの計画が全部達成できたとしても、待機者はゼロにはなり得ないのではないかと思いますが、これはいかがでしょうか。

○高齢計画課長 私ども、いま措置の時代と違いまして待機者というとらえ方をしておりませんで、入所希望者というとらえ方をしておりますけれども、特養ホームの入所は、措置の時代と違いまして、要介護度の出た方がすべて入る権利性を有します。したがいまして、現在でも1万1,000人の方がこれに該当しているわけでございますし、また、今後10年間、毎年5,000人の方々が高齢者の仲間入りをしてまいります。非常にパイが膨れている状況であります。さらに、12年度の介護保険の状況を見ますと、在宅サービスと施設サービスを受けている方の割合が4対1、これに対しまして軽費施設が1対1でございますので、荒っぽく申しますと、施設サ―ビスが在宅の4倍かかるということでございます。これに比例するような形で保険料にもはね上がってまいりますので、この保険料との兼ね合い、それからまた特養の入所の順番が来ても断るケースが現在続出しております。この状況を見てみますと、ご家族が本人の了解を得なく申し込んでしまったケースでありますとか、また、とりあえずエントリーしただけというケースがあります。これらの実態を踏まえる中で、真に入所が必要な人がどのくらいいるのか分析した上で、特養の整備計画を新たに計画するとともに、特養の代替施設として使えるようなケアハウスでありますとか、痴呆性のグループホームでありますとか、それから、民間の有料老人ホームといった地域の福祉資源を総動員しながら、区長の公約であります入所希望者ゼロに向けて努力してまいりたいと思っております。

○鈴木(け)委員 いろいろおっしゃいましたけれども、今度は確かにダブって入所を申し込めますから、しかしそのダブりを省いて実際の待機者数は区も把握しているわけです。その数が約1,000人ということも、公式な数字として明らかにされているわけです。いま既に1,000人の方が待機をしていると、それを一つの実態として踏まえる必要があると思います。一つは、本当に入所が必要かどうか調査を行うと。調査を行うということはいいことだと思います。ぜひやっていただきたい。その際に、本当に実態を反映するような調査、そしてそれを施策に生かすことが大事だと思います。実は私がお伺いした話では、現在、夫が家のすぐ近くの老人保健施設に入っていると。やっと特養ホームの順番が回ってきたと。しかし、いざ入所となると、同じく奥さんが高齢なわけで、遠くの特養ホームには自分が通えなくなってしまうと。それでやむなく辞退をしてしまったという方もいらっしゃるわけです。この方は本当は入りたいのです。だけどさまざまな事情で辞退をしてしまったというわけです。ですから、この調査も1,000人の待機者を絞り込むための調査というのではなくて、こういうそれぞれの事情をきめ細かくつかんで、本当に次の施策に反映できるような調査にすると。そして、新たな計画をつくっていくとすべきだと思いますが、どうでしょうか。

○高齢計画課長 いまご答弁申し上げましたように、保険料のバランスでありますとか、また真に入所が必要な人たちの状況を分析することは当然でございますので、いま委員がご指摘になったようなものも含めまして調査項目をつくってまいりたいと思います。

○鈴木(け)委員 調査は綿密に行っていただくというご答弁ですけれども、いま保険料にはね返るというお話ですね。ちょっとおかしいのではないでしょうか。そもそも介護保険は、サービスが選べますよということで保険料を取っている。介護保険導入のときの議会答弁でも、これから介護保険のもとではお任せの福祉とかお仕着せの福祉ではなくて、選択性、それから、権利性が確保されるのですと言って、ある意味ではバラ色に描いて導入を進めてきた。それなのにいざ始まったら選べない、これが実態ではないですか。それから、実際保険料という問題ですけれども、いま介護サービスの執行率、利用率は7割ですよ。まだまだ利用が高まっても大丈夫ということが実態ではないですか。それなのに保険料にはね返るという言い方はおかしいと思います。やはり近くの特養ホームに待たないで入れる方向をぜひとっていただきたいと思いますけれども、どうでしょうか、いろいろおっしゃいましたが、特養ホームの増設についてはどのようにお考えでしょうか。

○高齢計画課長 先ほど来ご答弁申し上げておりますけれども、実際に必要な方々の実態を調査した上で、3年に1回、介護保険事業計画は見直しが義務づけられておりますので、その計画見直しの中で検討してまいりたいということでございます。

○鈴木(け)委員 次に、特養ホームや高齢者在宅サービスセンターの運営費補助についてお伺いしたいと思います。実は5年を限度にということで毎年減らされ、5年後には廃止という方向があるわけですけれども、これを減らされたら、あるいは廃止されたらやっていけないという声は、区には届いていませんでしょうか。

○高齢サービス課長 介護保険制度が始まりましてから、特別養護老人ホームを介護保険制度の中で経営していくことになりました。しかしながら、激減緩和ということで、介護保険制度への円滑な移行を図るために、激減緩和補助を設けたものでございます。

○鈴木(け)委員 これを減らしたり、廃止しないでほしいという声は聞こえていないでしょうかとお聞きしたつもりですけれども、そういう声が聞こえていないとしたら、これは本当に実態をつかまえていないのかなという感じがしないでもありません。既に介護保険になってから施設の方では、職員をやむなくリストラしたりとか、あるいはサービスを維持するために非常にやり繰りをしていると、しかしこれからどんどん補助金が減っていくと、これ以上やり繰りはできませんよということなのですね。そういう意味で、補助金の削減や廃止をせずに継続すべきだと思うのですが、どうでしょうか。

○高齢サービス課長 特養あるいは在宅サービスセンターの経営状況につきましては、慎重に見守っていきたいと考えております。

○鈴木(け)委員 もう一つお伺いをしたいと思います。訪問リハビリであります。訪問リハビリの12年度の供給実績はどのようになっているでしょうか。

○介護保険課長 4,836回でございます。

○鈴木(け)委員 この訪問リハビリは、寝たきりにならないために大変大事だと思います。ところがいま4,638回という供給実績、では必要量はどうなのかと言いますと、介護保険事業計画でも1万8,000回ほどあります。これ自体はいろいろ掛け合わせた計算ですので、ちょっと実態よりも少なめなのかと思うのですが、それと比べてもいまの供給実績は大体26%ぐらい、4分の1というところです。この訪問リハビリは非常に有効ですけれども、実は供給体制がなかなか整っていないと、結局ケアマネさんも、こういうプランを組みたいのだけれども組めないというのが実態としてあるわけです。いま介護保険は選択制、権利性で確保できる制度として実施されているわけです。そういう意味で、サービス体制がなければ選ぼうにも選べない。権利も確保できないという実態があるわけです。そういう点で、この訪問リハビリについて一層の努力をして、サービスを確保できるようにしていただきたいと思うのですけれども、どうでしょうか。

○介護保険課長 訪問リハビリにかかります作業療法士、理学療法士の絶対数が不足しております。引き続いて医療機関等の協力を求めまして、必要量の確保に努めてまいります。

○鈴木(け)委員 それから、先ほど一つお聞きするのを忘れたのですが、江北の方に開設予定とまではまだ言えないのかもしれませんが、ここは機能としては特養だけでしょうか。どのような総合的な計画か、わかれば教えてください。

○高齢計画課長 現在ショートステイ、在宅サービスセンター、また在宅介護支援センター、そしてヘルパーステーションを予定してございます。

○鈴木(け)委員 終わります。