2000年度決算に対する討論 さとう純子委員議員 |
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○委員長 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。これより5議案に対する討論に入ります。なお、討論の時間につきましては、各会派5分程度とし、無会派の意見表明は2分程度にとどめて行っていただくようお願い申し上げます。 区民生活優先と財政再建を両立させてきた吉田区政の方向にこそ未来はある ○さとう委員 私は、日本共産党を代表して、第89号議案の一般会計決算、第91号議案の介護保険特別会計決算は不認定、第90号議案、第92号議案、第93号議案は認定する立場から、討論を行います。初めに、藤崎委員が区立幼稚園の廃園に関して我が党が賛成したかのような発言をしましたが、第二次行革大綱の措置事項に掲載されていたものの、前吉田区長は実施の指示をしませんでした。その後、誕生した鈴木区長が、初仕事として、6月29日に足立区立幼稚園諸問題検討委員会報告書(最終報告)を発表し、8月23日の文教委員会で報告したものです。したがって、我が党は、区立幼稚園の廃園に賛成をしたことは一度もなかったことを指摘しておきます。平成12年度当初予算は、鈴木区長が編成した初めての予算であり、区長の政治姿勢、財政運営方針を十分に盛り込むことのできた予算でした。また、地方分権の推進、都区制度改革に伴う事務移管、介護保険の実施など、区独自の手腕が発揮できる条件が生まれたときでもあります。こういうときだからこそ、自治体本来の役割を発揮して、区民の暮らしや営業を支える行財政運営が求められていました。ところが、区長は、区の財政は大変厳しい状況にある、2年連続の赤字決算という未曾有の危機にあると、ひたすら赤字を強調し、区民要求を抑え、区民に我慢を押しつける財政健全化計画を強行しました。しかし、本決算で明らかになったことは、区の財政は一貫して黒字であり、厳しい状況ではあるが、区民の暮らしを支える余地は十分あるという我が党の指摘の正しさが改めて証明されたということです。第1に、一般会計決算では、実質単年度収支も黒字にできる十分な条件が存在していたのに、わざわざ実質単年度収支を赤字にした決算であるということです。このことは、監査委員審査意見書で述べられているように、国保会計との関係で、52億円を一般会計にとどめておけば、財政調整基金20億円の取り崩しの防止や減収補てん債15億9,100万円の発行を防止できたと指摘されているとおりであります。さらに言えば、一般会計内においても、財政調整基金を取り崩し、減債基金に積み立てなど、基金積み立てと取り崩し処理によって実質単年度収支を赤字にする操作が行われたことであり、自民党委員からも区は数字のごまかしをしているのかとの質問にもあらわれているところです。区の財政状況は、赤字であり、このまま推移すれば、財政再建団体になりかねないという区長の認識がいかに間違っているかが証明されました。また、この決算について、区長は、経常収支比率や公債費比率が若干改善されたことをもって、財政健全化計画が少しずつ効果を上げてきたものと自慢をしていますが、これも都区制度改革による標準財政規模の拡大による、いわば数字上の改善に過ぎず、正確な認識ではありません。同時に、土地開発公社への一般会計からの貸付金の減額による債務負担額の累積、財政健全化計画の縮減目標に、みずから逆行する投資的経費の増額などにより、将来にわたる財政負担をふやしていることも指摘しておきます。第2に、鈴木区長には、長期の不況で苦しんでいる区民の暮らしを支えようという姿勢が見えないということです。鈴木区長の選挙公約は、共産党以上に福祉を重視しますとしていました。高齢者や弱者が安心できるまちづくりと言いながら、高齢者福祉手当、障害者福祉手当などの削減、安心して子育てができる支援づくりと言って、保育料の36%の値上げ、区立幼稚園の廃園、学校統廃合など、子育てに関しても負担増と切り捨てを進めました。一方では、2・2・2住宅プランや旧庁舎跡利用計画など、大型開発事業にはお金を注いできました。特に、2・2・2住宅プランは、区内景気を回復させるため、景気回復の起爆剤として土地の購入をしてきましたが、景気回復どころか、今後の見通しすら示せない状況になっています。結局、鈴木区政は、公約を破ってまで、区民の暮らしや営業を支えるためのお金は使わない、お金がないと言いながら、大型事業にはお金を注ぐということです。介護保険特別会計については、介護保険の負担を減らしてほしいという区民の願いがあるにもかかわらず、決算審議で最後の1区になってもやらないと、負担軽減に取り組む姿勢がないだけではなく、保険料の減免をした政府の特別対策は政治判断の誤りと、負担軽減をやるところでは政府であっても敵視するという異常な態度が明らかになりました。区民の願いに背を向ける区の姿勢は、到底容認できるものではありません。制度発足1年目の決算の現時点で、自治体が知恵を絞って、厚生労働省の3原則の枠内でも保険料の負担軽減に乗り出していること、区においても財源も含めて実現に何ら問題がないことが明らかになった中、早急に負担軽減策に取り組まれるよう強く望むものです。日本共産党は、当初予算に対し、介護保険制度の改善、東京都が削減する高齢者福祉への復活など、お金の使い方を変えれば、区民の暮らしや営業を守ることができ、財政再建もできることを具体的な修正案を示してまいりました。この方向こそ、吉田区政が進めてきた財政運営であり、区民の暮らしを守り、財政再建を進める道であることを指摘して、討論を終わります。[中略] ○委員長 以上で、討論が終結いたしました。これより5議案に対する採決を行います。採決は、1議案ごとに行います。最初に、第89号議案 平成12年度足立区一般会計歳入歳出決算について、採決いたします。本案は、原案のとおり認定すべきものと決することに賛成の方の挙手を求めます。 〔賛成者挙手〕 ○委員長 挙手多数であります。よって、本案は、原案のとおり認定すべきものと決定いたしました。次に、第90号議案 平成12年度足立区国民健康保険特別会計歳入歳出決算について、採決いたします。本案は、原案のとおり認定すべきものと決することにご異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○委員長 ご異議ないと認め、本案は原案のとおり認定すべきものと決定いたしました。次に、第91号議案 平成12年度足立区介護保険特別会計歳入歳出決算について採決いたします。本案は、原案のとおり認定すべきものと決することに賛成の方の挙手を求めます。 〔賛成者挙手〕 ○委員長 挙手多数であります。よって、本案は、原案のとおり認定すべきものと決定いたしました。次に、第92号議案 平成12年度足立区老人保健医療特別会計歳入歳出決算について、採決いたします。本案は、原案のとおり認定すべきものと決することにご異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○委員長 ご異議ないと認め、本案は原案のとおり認定すべきものと決定いたしました。次に、第93号議案 平成12年度足立区用地特別会計歳入歳出決算について、採決いたします。本案は、原案のとおり認定すべきものと決することにご異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○委員長 ご異議ないと認め、本案は原案のとおり認定すべきものと決定いたしました。以上で、本特別委員会に付託されました議案は全部審査を終了いたしました。お諮りいたします。決算特別委員会の委員会審査報告につきましては、正副委員長にご一任願いたいと思います。ご異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○委員長 ご異議ないと認め、さよう決定いたします。なお、委員会審査報告書の中には、先ほど行われました各会派の討論の要旨も含めて報告いたしますので、本会議においては再度討論を差し控えられますよう、特にお願い申し上げます。以上で、決算特別委員会を閉会いたします。長時間、ご協力をいただきましてありがとうございました。午後4時06分閉会 |
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