○さとう純子議員 私は日本共産党区議団を代表して質問します。
質問に入る前に一言申し上げます。
去る12月1日、皇太子夫人の雅子さんが女の子を出産したことは、新しい生命の誕生として等しく喜ばしいことと思っています。しかし、このことを機に国民世論を二分する国旗を、さまざまな意味を持つ区民の代表として議論を尽くすこの議場に、議会の多数で今後も掲揚することを強行したことは、民主主義の問題として、また国民の内心の自由を守るという点からも、許し難い暴挙であることを申し上げておきます。質問に入ります。
テロも報復戦争もノーの立場に立つべき
区長あいさつにもありましたが、アメリカの同時多発テロ事件以来、我が党は、テロも報復戦争もノーの立場で、国連を中心とした解決の筋道を主張してきました。いま、同時多発テロに対するアメリカの報復戦争に対して、空爆は直ちに中止せよという国際的な世論が広がっている中、アメリカはアフガニスタン以外にも戦争を拡大しようとしています。
日本政府は戦後初めて自衛隊を戦争の行われている地域に派兵するテロ対策措置法を与党3党と民主党の賛成多数で可決成立させ、さらに自衛隊のPKFへの参加凍結を解除するPKO法案も強行しました。これらは集団的自衛権の行使であり、憲法違反そのものであり、とうてい容認できるものではありません。
さて、「構造改革なくして景気回復なし」と発足した小泉内閣のもとで、日本の経済・景気の悪化が急速に進み、個人消費、設備投資、失業率、中小企業の倒産、経済成長率どれをとっても、国民生活がよくなる指標は何一つありません。
とりわけ空前の企業リストラにより、全国の完全失業率は5.4%と、小泉内閣になってから0.6%も悪化しており、足立区も含む南関東の統計では、昨年10月から今年の10月で完全失業率は0.7%も悪化しています。
区内業者の負債金額1,000万円以上の倒産件数は、2000年度125件、今年9月現在、既に88件となっているなど、小泉構造改革の犠牲は区民にも及んでいます。
また、石原都政の来年度の重要施策では、東京構想2000などに基づく大型開発が目白押しで、建設、都市計画、港湾のハード3局だけで全体の6割を占めるなど、大型開発に極端に偏っています。
一方、都民の命を守る要としてきた都立病院の統廃合問題に加えて、難病医療費助成の対象者から、慢性肝炎、肝硬変、ヘパトーム(肝細胞がん)をはずすなどの改悪方針を次々に発表しました。石原都政は舎人新線の4年先送りの決定に見られるように、都民や都議会に有無を言わせず、独断専行で多くの都民に痛みを押しつけようとしています
このように小泉構造改革路線や石原都政のもとで、区民の暮らしは二重に痛めつけられていくと思いますが、どうか、区長の答弁を求めます。
医療改悪は国民に痛みを押し付けるもの
さらに小泉内閣は、国民・患者に大幅な負担増を強いて、医療から遠ざけ、国民の生存権を脅かす医療制度改革を来年の通常国会に提案しようとしています。厚生労働省の当初案は、健康保険の自己負担を現行2割から3割に引き上げ、高齢者医療の対象を現行の70歳以上から75歳以上に遅らせるなど、ほぼあらゆる階層、年代に痛みを押しつけるものです。
与党内の調整で先送りする部分もありますが、小泉首相は、「しかるべき時期に」と実施時期をあいまいなまま進めようとしています。このような中、12月1日には日本医師会と日本歯科医師会、日本看護協会が、小泉医療改革による患者負担増に反対する「国民医療を守る全国総決起大会」を日本病院会、日本医療法人会など23団体、3,000人の参加で開かれました。
厚生労働省の当初案では、老人保険制度の対象年齢を75歳以上にして、70歳から74歳の高齢者は、順次国保制度に組み入れられます。このため国保会計に占める医療費の増加が見込まれ、対象年齢の引き上げは、国民健康保険の運営にとって重大な影響を及ぼすものになります。
墨田区がこの当初案でどれだけ国保の医療給費が増大するか、試算した結果、119億円から169億円へと、50億円も増大することがわかりました。墨田区長は議会で、「厚生労働省案はいろいろ問題がある…国保財政を圧迫し、何らかの対策がなければ国保財政の運営はできない」として、「全国の市長会が国と都道府県に要請する動きがあるので、私もぜひそういう立場で要請したい」と答弁しています。
厚生労働省案に基づき、足立区の70歳から74歳の方々が国保に入ると、国保の医療給付費は幾らの増大になるでしょうか、答弁を求めます。
また、区長は区民の暮らしを守るためにも、国保財政運営のためにも、国に対し改悪反対の意見をあげるのは当然と思いますが、答弁を求めます。
次に、足立区の構造改革戰略について伺います。
鈴木区長は足立区の財政難の原因が、戦後50数年間に生じた制度疲労や慣習のゆがみにあるとし、財政難だから行革をといったレベルでの対応ではなく、その先に一歩踏み込む構造改革先進自治体に向かう自治体再生という高い峰に挑戦すると、足立区の構造改革戦略の討論素材を議会に示しました。
国や都の構造改革と区の構造改革とでは、構造上の問題点と改革の手段が相当異なるとしています。確かに公的資金投入で銀行を支援することや、不良債権処理の誘導、大きな規制緩和など、区の権限や財政を超えて行うことは不可能です。しかし、区の構造改革は、住民の安全や健康、生活、福祉を守るため、もともと非採算部門を扱うという自治体本来の役割を民間経営手法の導入と自律型組織への転換と、区民等の参加と協働の働きかけの2つの柱で、民間でできるものは民間に任せてしまうとか、区民同士の支え合いで解決させる仕組みをつくるなど、いかに自治体の負担を軽くすることができるかを基準に自治体を変質させようとしている戦略です。
しかも足立区が区の補助金などによる誘導政策に乗って、開発優先の政治を進めてきた結果、今日の財政難に至っていることに何の反省もなく、まちづくりの手法にPFI事業を導入し、学校改築、廃校跡地一体開発の検討、ケアハウス、保育所については、営利企業による建設運営をすれば、国庫補助が見込まれるとして、国や都の補助金を活用し、民活、官活先進自治体になろうとしています。
こうした方法や考え方は、小泉改革の骨太方針で示された民営化・規制改革プログラムや、社会保障制度の改革方針の自助と自立を基本とした制度の再構築、活力ある共助の社会の構築という方針の考えと一致する内容です。足立区の構造改革は、国の構造改革と同じ考え方、手法に立つものと考えますが、答弁を求めます。
さらに、区の構造改革では、投資的経費の財源確保を、厳しい財政的制限の中で安定的に行うために、新たな仕組みが必要として、北千住や竹ノ塚駅の再開発など、大型開発のための財源確保策をつくろうとしていますが、この構造改革戦略を実行すると、いまより区民の福祉、教育、暮らしを守る予算が増えるのでしょうか。また、財政健全化計画で示した数字どおり、投資的経費を縮減できるのでしょうか。
財政が好転したというなら削った施策の復活はできるはず
次に、鈴木区政の財政運営について伺います。
区長はNHKテレビなどマスコミを最大限に活用し、「2年連続の赤字決算という未曾有の危機にある」とひたすら赤字を強調し、区民要求を抑え、区民に我慢を押しつける財政健全化計画を強行してきました。
しかし、2000年度決算審議で明らかになったことは、区の財政状況は赤字であり、このまま推移すれば財政再建団体になりかねないという区長の言い分が偽りであったことが証明されました。監査委員の決算審査意見書でも、「国保会計に繰り出した財源52億円を一般会計に止めておけば、財政調整基金20億円の取り崩しの防止や、減収補てん債15億9,100万円の発行を防止できた」と指摘されたとおり、実質単年度収支を赤字にする操作を行い、偽りの赤字論を振りまいてきたのです。
区民にお金がないから仕方がないと、区民要望を我慢させてきた与党からも、決算特別委員会で「テレビでも区長が大変だという放送をした。一般の区民は、それなら我々も身を切ることで協力しようと理解してくれた。13年度の予算で区民の理解を得ながらサービスを減らしてきた。舌の根も乾かないうちに、視界が開けてきたということは、区民の理解が得られない」と指摘しました。
また、我が党が、区長がみずから公約を破って、子育て支援や高齢者福祉を削ったことについての質問に、「区民に痛みを与えないで済めばそれに越したことはないわけだが、それでは区の行政はやっていけない」と答弁しました。いま、足立区の財政は黒字だったと知った区民から怒りの声があがっています。
そこで伺います。2000年度決算も黒字であり、財政も暗雲が晴れてきたと言うなら、削った施策は復活できると思いますが、いかがでしょうか。
我が党は2000年度の3月議会に予算の修正案を出しました。その内容は都市計画道路用地買収の繰り延べなどで財源の確保をして、介護保険料、利用料の減免、乳幼児医療費助成の拡充などであり、この予算修正案が実施されたとしたら、区民生活を充実させながら、実質単年度収支も黒字になり、財政再建を一層進めることは可能でした。
こうした財政運営こそ区民が望むものであり、真の財政再建の道ではないでしょうか、答弁を求めます。
また、区長は経常収支比率や公債費比率が若干改善されたことをもって、財政健全化計画が少しずつ効果をあげてきたものと自慢していますが、これらは都区制度改革による標準財政規模の拡大による、いわば数字上の改善にすぎません。自慢どころか、土地開発公社への一般会計からの貸付金の減額による債務負担額の累積、財政健全化計画の縮減目標にみずから逆行する投資的経費の増額などにより、将来にわたる財政負担を増やしていることは、みずから立てた財政再建にも逆行しているのではないでしょうか、答弁を求めます。
景気回復策にならない2・2・2プラン
次に、2・2・2住宅プランについて伺います。
鈴木区長は選挙公約で「2.2.2住宅プランで景気を回復する」「区内景気を回復させるために」「景気回復の起爆剤」として「19年度までに2,000万円台で2世帯が住める、広さ100平米の住宅を2,000戸つくる」「400億円の事業で、周辺産業への波及効果は約2,000億円」としてきました。一石三鳥と言われた事業であり、不況の中、建設業だけではなく、安価で広い住宅が購入できると、区民の期待は高いものでした。
しかし、2,000戸建設という点では、モデル事業の大谷田に8戸の戸建住宅、西綾瀬に共同住宅60戸と、土地の購入費だけで36億円余も使って68戸の建設に止まり、今後の見通しも示せません。2世帯という点でも、住宅金融公庫が適用される2世帯住宅は1戸もありません。景気回復の起爆剤としては、戸建住宅は販売しにくい区画への業者の参入がなく、条件を緩和してやっと成立という状況で、集合住宅については、企画力、販売力、資金力という条件をつけたため、区内業者が参入できず、結局、区は西綾瀬の集合住宅は大手デベロッパーを選定しました。
結局、2.2.2住宅プランは、区長公約とも区民の期待とも全く違うものになっていると思いますが、いかがでしょうか、答弁を求めます。
集合住宅は大手デベロッパーを選定したことについて、足立区の建設関連業6団体が参加する足立建設関連業協議会が区に提出した要望書で、「2.2.2住宅プランの促進および区内業者が幅広く参加可能な枠組みへの改善」を求めています。区長公約は区内の民間業者と共同で住宅を建設と、区内業者に限定したものであって、区内民間業者が2,000戸の住宅をすべて完成させて初めて400億円の事業であり、2,000億円の波及効果と言えるのではないでしょうか。足立区の景気回復の起爆剤としては、モデル事業の段階で既に破綻した事業と言えますが、どうか、答弁を求めます。
次に、来年度予算編成について伺います。
2001年度予算編成で鈴木区長か削った主なものは、足立区の生涯学習振興の要となっていた社会教育施設使用料減免制度の廃止、老人クラブ運営費助成を4割カット、お年寄りが楽しみに待っている生きがい奨励金の減額、敬老祝い事業の削減・廃止、不況の中、中小業者の命綱ともなっている生業資金の貸付条件の改悪、介護に重要な役割を果たす高齢者福祉手当の段階的廃止、子どもたちが7,000名以上の署名を集めて存続を願った東綾瀬スケート場の廃止などです。
我が党が2001年度予算に対し提案した不要不急の重要予算を削減、先送りし、区民の暮らしと営業を応援する予算修正を実行していれば、削減した事業は継続できました。
我が党は来年度予算について、区内のさまざまな団体、個人と懇談して要望を伺い、369項目にまとめた予算要望書を提出しました。区の来年度予算編成のためには、何よりも区民の生活実態を的確に把握して、区民要望をしっかり受け止めることが必要です。優先度は区民の命・暮らし・営業を守ることを第1に、限られた財源を有効に活用することが求められていると考えます。
最後の1区になっても減免策はとらないのか
そこで第1に介護保険の負担軽減策について伺います。
10月から保険料満額徴収に伴い、少ない年金から保険料が天引きされ、1月からは医療費の負担が多くなって、今度は保険料が2倍、全部同じ財布から出ていくのだから生活が大変ですなど、ますます切実な声があがっています。
我が党は、介護保険制度の改善を求める皆さんと力を合わせて、国会でも都議会でも区議会でも一貫して改善を求めてきましたが、東京都が来年1月実施で、介護保険サービス利用料の都独自の減免制度を実施すると発表しました。この減免制度実施の目的は、「国の特別対策について改善を行い、より公平で利用しやすいものとする」として、対象サービスを国の4種類から9種類に拡大したもので、利用料の重圧に悩む利用者にとって一日も早く実施してほしいと望むところです。この制度の実施主体は区市町村で、「区市町村長が認めたもの」となっています。切実な区民要望に応えて、緊急課題として実施すべきと思いますが、答弁を求めます。
この制度は事業者負担を伴う制度であることから、事業者がこぞって手を上げることができるような仕組みにしていくことや支援が必要と思いますが、答弁を求めます。
また、介護保険制度の仕組みから、事業者への支払いは約1年後となることから、運営上支障が出ます。区が何期かに分けて事業者に支払う支援策を講じるべきと思いますが、答弁を求めます。
介護保険料、利用料の自治体独自の何らかの負担軽減策を立てている自治体は、全国の7割を突破しました。来年度予算で区として独自の保険料、利用料の減額免除を実施することが必要だと思うがどうか、答弁を求めます。
介護保険関連で区民からの問い合わせで一番多いのは、どこに相談に行けばいいのでしょうかということです。また、障害を持つ方からは、区の私の便利帳でホームヘルパーの派遣を見ると、「介護保険対象の方は、介護保険からの給付を受けることになります」となっており、対象の違いで対応が違ってくるのかと不安になるとの声が寄せられています。区民にとっては、介護保険は福祉という印象を免れません。区民部と福祉部にまたがっている介護保険関連施策については、福祉部に統合して、区民にわかりやすく、総合的に施策展開すべきと思いますが、答弁を求めます。
次に、子育て支援について伺います。
小子化対策は国の存亡にもかかわる重要な課題です。小子化の最大の理由は経済的な問題であり、安心して子育てができる支援と環境づくりが必要です。
吉田前区政は、乳幼児医療費助成の所得制限撤廃を段階的に就学前まで引き上げる計画を立て、着実に進めました。保育料の値上げを抑えたことと合わせて、子育てするなら足立区がいいと、多くの子育て世代に喜ばれた施策です。
我が党は1億1,000万円あれば、どの子にも就学前までの医療費を無料にできると、条例改正案を提出しています。乳幼児医療費助成制度の所得制限を撤廃し、入院時の食事代負担分も助成すべきと思うがどうか、答弁を求めます。
次に、生活保護世帯の自立援助と就学援助について伺います。
不況やリストラの中で、子育て世代は経済的にも困難な事態とっていることが数字にも表れています。
都立高校授業料の減額免除数は、平成8年度が4,455人だったのが、平成12年度は7,320人と、1.6倍以上に増えています。就学援助を受ける児童・生徒は、平成8年度の受給率は19.2%だったものが、平成13年9月現在では34.5%と急増しています。
吉田前区政のときちは、生活保護を受けている家庭の子どもが、中学を卒業して高校入学や就職をする際、自立援助金として5万1,500円、修学旅行については、小学生が4,300円、中学生には8,500円援助していました。ところが鈴木区政になったとたんに、これをすべて廃止してしまったのです。この制度は東京都の健全育成事業として残っており、児童数当たり2万5,000円を財調に見込んでいます。いまこそ生活保護世帯の自立援助金の復活や就学援助の充実が必要と思うがどうか、答弁を求めます。
保育所、学童保育でも待機児解消をすすめよ
次に、保育所について質問します。
子育て世代でも、派遣やパートなど、不安定雇用で働かざるを得ない家庭が増えています。年度途中でもすぐに預けて働きたい、働かざるを得ないなど、区民の立場に立つのなら、保育園の量的拡大をして待機児解消を図ることは急務の課題となっています。
昨日から、来年度の認可保育所の1,931名の園児募集が始まりました。今年度当初は469人の子どもたちが待機児にってしまい、9月には約860名にも及びました。年度当初で既に60名の定員の保育所であれば8園は必要になる待機児数です。公有地の活用など、公的責任で早急に保育所建設を進め、待機児解消を図るべきと思いますが、いかがでしょうかか。
年度途中での入所希望や、認可保育所に入園できなかった親たちが、認証保育所や保育室を訪れても、保育料の負担が重くて、見合うだけの収入がないとあきらめざるを得ない事態があります。区の子育てに関する実態調査でも、保育施設に望むサービスは、安い保育料というのが56.3%とトップです。待機児解消のためには、認証保育所、保育室などの保育料保護者軽減を図ることも必要だと思いますが、答弁を求めます。
次に、学童保育について質問します。
足立区の学童待機児童数は、相変わらず多く、3年生になったら、初めからあきらめざるを得ないという状況もあります。保育時間については、多様な勤務形態から、少しでも子どもを1人だけにする時間を少なくしたいと、時間延長を願っています。さらに障害児の受け入れ学年引き上げなど、保育サービスの充実が求められています。この要望に応えるべきと思うがどうか、答弁を求めます。
保育サービスの充実のためには、ボランティア職員の処遇改善が不可欠となると思いますが、答弁を求めます。
いま、1人の区の職員が指導相談担当者として3カ所から4カ所の住区センターの学童保育、児童館を担当して巡回指導をしていますが、1週間に一度も回りきれない状況もあります。児童の様子を見たり、ボランティア職員からの指導についての相談を受けたり、児童の虐待を発見して、家庭との連絡をとったりと、きめ細かな対応が必要な仕事となっていつす。
ボランティア職員との連携を密にして、継続性のある専門的な保育を実施するためには、直営児童館、学童保育室に経験のある指導相談担当職員の配置を強化することが必要と思いますが、いかがでしょうか。
利用しやすいこども家庭支援センターを
次に、こども家庭支援センターについて伺います。
子どもの虐待、不登校、いじめ、子育ての不安など、複雑化する社会の中で、さまざまな問題が起きています。総合的な子育ての悩みをサポートするとしたこども家庭支援センター条例の目的は、「こどもおよび家庭を対象に総合的な子育て支援をおこない、もってこどもの健全育成に寄与すること」としています。区民の期待は、いつでも、どんなことでも、困ったときに相談に乗ってもらえる施設ということです。ところが計画では、支援センターの開所時間は、土・日・祝日を除く平日午前9時から午後5時までとなっており、これでは働く保護者、児童、生徒、学生などの直接の相談は受けられず、緊急対応もできません。いつでも相談ができるセンターとしての改善が必要と思いますが、いかがでしょうか。
江北地域の中学校の校長先生は、「西部児童館で悩みを聞いてもらって喜んでいる生徒がいる。身近にたくさんあれば、たくさんの子どもたちや親が利用できる」と期待しています。
東京都は人口10万人に1カ所のこども家庭支援センターを目標として、運営費補助をするとしています。計画的に増設すべきと思うがどうか、答弁を求めます。
生活習慣病予防健診は全員がうけられるように改善を
次に、生活習慣病予防健診について伺います。
区は健康日本二十一の具体化として、これまでの高齢者健診と成人健診を統合し、生活習慣病予防健診として今年度から実施してきました。これまで対象者全員に個別通知を出してきたものを、前年度の健診で要医療とされた人は、医療機関で診療を受けるものとして、翌年は健診の通知をしないこととしました。そのために今年の高齢者健診では、区から通知がこないと不安を訴える区民が多くいました。私が聞き取りをした診療所では、昨年の高齢者健診は505人、成人健診は228人だったものが、10月現在、高齢者、成人合わせてわずか275人という実態です。要医療の方が治療しているかどうかの把握はできません。
区は2年間の経過措置として、本人が希望すれば健診が受けられることにしていますが、受診票に問題があります。前回、要医療とされた検査項目には米印が印字され、「今回の健診では省略される場合があります。」とただし書きが入っています。医者の判断で検査項目をはずされかねず、まして経過措置後は健診の対象から排除されるとしたら、老人保健法24条で「地方自治体は対象者全員に年一度、健診を行うもの」とした規定の精神に反することになります。
また、予防を重視するとして「要指導」となった人は、医療機関で3回に及ぶ指導を受けることになっていますが、この対象者は70歳未満の方だけで、70歳以上の方は指導しなくてもいいことになっています。
また、この指導内容が複雑で、診療所に指導を受けにきた人が3人あったが、3回きちんと受けた人は1人もいないのが現状です。
結局、生活習慣病予防健診は、前年度対比で健診者が減ると予測して健診予算を減らしたものと言えます。予算削減か先にありきで、区民から見れば、健診が受けられないという痛みしか感じられないのではないでしょうか。病気予防のための指導の改善充実は必要ですが、生活習慣病予防健診の予算を増やし、全体として受診率の向上を図るべきと思うがどうか、答弁を求めます。
要医療の方にもこれまでどおり個別通知を行い、健診後の経過についても把握をして、区民の健康推進を図るべきではないでしょうか、答弁を求めまして、この場所からの質問を終わります。
○議長 傍聴人の皆様に申し上げます。
席を離れたり、拍手をすることは、傍聴規則で禁止されておりますので、お守りいただくようにお願いいたします。 |