5、鈴木けんいち議員への問責決議、議事録削除の動議

○議長 次に、去る12月5日の会議における忍足和雄議員提出の動議可決に基づく事実関係の調査について申し上げます。
 本件につきましては、議会としての調査を文教委員会に依頼いたしましたが、当該委員会では委員でもある鈴木けんいち議員から、質問で例示した学校名の提示がなく、調査不能である旨の報告がありました。
 その後私が可能な限りの方法により調査いたしましたが、鈴木けんいち議員の質問にあるような事実は確認できませんでしたので、議員各位にご報告するとともに、これをもって区民への公表にかえさせていただきます。

○鈴木あきら議員(民主党) 議長、動議。賛成議員は53番、30番。
 ただいま議長からご報告がありましたように、12月5日の本会議の鈴木けんいち議員の質問中、事実と認められない発言があったことが明確になりました。
 このまま議会として先の発言を会議録に残すことは、いたずらに区民に不安感をもたらすものと推測されます。したがいまして、事実と異なる部分につきましては、会議録から削除、訂正されることを望みます。

○議長 ただいま14番鈴木あきら議員から、12月5日の会議における鈴木けんいち議員の質問の一部を会議録から削除、訂正されたいとの動議が提出され、所定の賛成者がありますので、動議は成立いたしました。
 本動議を直ちに議題として採決いたします。
 お諮りいたします。
 本動議のとおり決することに賛成の方の起立を求めます。
[賛成者起立]

○議長 起立多数であります。よって本動議は可決されました。

○藤崎議員 議長、緊急動議。賛成議員は29番谷中議員、31番芦川議員でございます。
  ただいま鈴木けんいち議員の本会議での質問の一部削除を求める動議が賛成多数で議決されました。
  そもそも本件につきましては、鈴木けんいち議員がみずから謝罪し、削除を申し出るべきであり、ただいまの動議も賛成しない態度はまことに遺憾であります。ついては、今後、どのような対応が可能か、検討を行いたいと思います。したがって、本会議を暫時休憩されるよう望みます。

○議長 ただいま30番藤崎貞雄議員から、暫時休憩されたいとの動議が提出され、所定の賛成者がありますので、動議は成立いたしました。本動議を直ちに議題とし、採決いたします。お諮りいたします。
  本動議のとおり決することに賛成の方の起立を求めます。
[賛成者起立]

○議長 起立多数であります。よって本動議は可決されました。
 暫時休憩いたします。

午後1時25分休憩
       午後2時00分再開

○馬場繁太郎議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際日程の追加についてお諮りいたします。
 休憩中配付いたしました議員提出第20号議案、鈴木けんいち議員の発言に対する問責決議についてを本日の日程に追加し、追加日程第1とすることに賛成の方の起立を求めます。
[賛成者起立]

○馬場繁太郎議長 起立多数であります。よって議員提出第20号議案、鈴木けんいち議員の発言に対する問責決議についてを本日の日程に追加し、追加日程第1とすることに決定いたしました。
  追加日程第1を議題といたします。
[坂本寛文事務局長朗読]
 議員提出第20号議案 鈴木けんいち議員の発言に対する問責決議

○馬場繁太郎議長 本案につきましては、地方自治法第17条の除斥の規定により、2番鈴木けんいち議員の退場を求めます。
[鈴木けんいち議員退場]

○馬場繁太郎議長 本案について、提出者を代表し、45番忍足和雄議員の提案理由の説明を求めます。
[忍足和雄議員登壇]

○忍足和雄議員 ただいま議題となりました議員提出第20号議案、鈴木けんいち議員の発言に対する問責決議につきまして、提案理由をご説明申し上げます。
 本案につきましては、私ども6名が提出者となり、提案することにした次第であります。
 なお、議員各位のお手元に配付いたしました決議を朗読し、提案理由の説明にかえさせていただきます。
鈴木けんいち議員の発言に対する問責決議
 議場における議員の発言は、自由であるとはいえ、どんな内容の発言でも許されるものではなく、おのずから節度のある発言でなければならない。
 しかるに、鈴木けんいち議員は、平成13年12月5日開会の本会議一般質問において、「ある学校は外壁が剥がれ落ちそうで、もし子どもに当たったら命にかかわると心配している」「廊下はへこんだところに雨水がたまり湖のようになる」旨の発言をした。
 これらの発言が、もし事実であるならば、児童・生徒の命に関する問題を包含しており、人命の危険防止の観点から緊急に事実関係を確認し、危険を防止する措置が必要でありますし、加えて足立区教育行政当局の責任を追及せざるを得ない、議会として見過ごすことのできない重大な内容であった。
 議会においては、文教委員会にその調査が委ねられ、文教委員長をはじめ他の委員から鈴木けんいち議員に対し、本会議発言にある「命にかかわる」学校名を示されたい旨の質問が繰り返されたが、鈴木けんいち議員は質問には正面から答えず、いたずらに委員会を混乱させただけであった。
 結局文教委員長からは議長に対し「長時間に及ぶ議論を交わしたにも関わらず、鈴木けんいち議員から、具体的な校名の提示がなかったため当委員会としては、これ以上の調査はできない」旨の委員会調査報告書の提出がなされた。
 その後、議長報告のとおり学校施設の調査がなされたが、鈴木けんいち議員の発言にあるような事実は確認することができなかったのである。
 よって、鈴木けんいち議員の発言は、議員個人の推測に基づく発言、もしくは不十分な調査によるものであり、その発言内容は誇大に満ちたものであることが確認できたのである。
 即ち、この発言は、足立区の教育行政について、いたずらに区民に不安、不審を招かせ、区民に疑惑を与える結果をもたらしたと言わざるを得ない。
 よって、足立区議会は、今後二度とこのような事実無根の発言はされないよう、ここに鈴木けんいち議員の猛省を促すものである。
 右、決議する。
   平成 年 月 日
            足 立 区 議 会

 以上のとおりであります。議員各位におかれましても、この決議案の趣旨にご賛同くださいまして、速やかにご決定くださいますよう、お願いいたします。
  以上。(発言する者多し)

○議長 お静かに願います。(発言する者あり)お静かに願います。
 これより質疑に入ります。
 本案について質疑はありませんか。── 質疑なしと認めます。
 お諮りいたします。
 本案につきましては、会議規則第37条第2項の規定により、委員会の付託を省略したいと思います。ご異議ありませんか。
     [「異議なし」と呼ぶ者あり]

○議長 ご異議ないと認め、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
鈴木けんいち議員への問責決議に反対する討論 渡辺修次議員
○渡辺修次議員 ただいま議題となりました議員提出第20号議案、鈴木けんいち議員の発言に対する問責決議について、日本共産党足立区議団を代表し、反対の立場から討論を行います。
 そもそも未成熟な子どもたちが学び、生活する学校の衛生、安全管理については、学校保健法やその施行規則等によって、きめ細かく、きっちり決められています。
 区の学校施設の実情はどうでしょうか。毎年4月、区立小・中学校、幼稚園から、区教育委員会に提出される施設点検調査票には、すぐに修繕が必要と思われる危険な状況が数多く書かれています。
 元宿小学校からは、「昨年、屋上出入り口のコンクリートが剥離した。校舎外壁も多数クラックがあり、剥離が心配」、十中では「校舎外壁、壁が剥がれ落ちて危険」、十三中からは、「旧教室の窓枠サッシ落下事故があり、危険なので全面回収の要あり」などです。
 また、本木小からは、「給食室にカビ、結露、便所の臭いやドアの破損」なども記載され、江北小給食室では「ねずみの糞や穴がある」などが記載されています。
 この調査票には、それに対する……(発言する者多し)

○議長 傍聴席の皆さんに申し上げます。傍聴席においては傍聴規定がございます。十二分にご理解いただきたいと思います。
 左前列2人目の方は退場を申しつけます。(発言する者多し)退場を申しつけます。
 議員各位にも申し上げますが、できるだけお静かに願います。

○渡辺修次議員 この調査票には、それに対する学校施設課の対応が記入されており、「学校配当予算で対応を」、「経過を見る」などが記載されています。
 我が党はこの内容を見て、法の立場から言っても、あってはならない状態が改善されていない。財政状況を理由に放置しておける状態ではないとの立場から、実際に学校にも出かけて、この深刻な実態を調査し、一日も早く改善させたいとの思いから一般質問を行ったものです。
 区当局は、建築年数の経ている学校の大規模改修の必要性は認めながら、財政事情を理由に毎年数校ずつ改修を進める計画事業に位置づけており、要望があっても対応は一部に限られております。 そこで当面の応急対応は、各学校に配付されている配当予算でしのいでいるのが実態です。ところがその配当予算も少なく、対応に苦慮しているのが実態です。
 5日の本会議での動議には、この学校施設の現状認識が問われており、その趣旨を生かすには、学校の実態調査が不可欠で、その調査結果を区民に公表することが含まれていたため、我が党も賛成したのです。
 この点で重要なのは、20日に開かれた議会運営委員会での議長や委員長の発言です。これは議長が各会派幹事長及び文教委員会の正副委員長で3つの中学校を現地視察して得た結論として「外壁の改修が必要」「雨漏りがする学校」があるという確認がされたことです。
 その際我が党委員は、調査時に雨どいの受けが傾いて落ちそうな状況や、コンクリートが剥離落下したブロックなどを写真におさめて、運営委員に示そうと要求しましたが、委員長は認めませんでした。
 文教委員会で我が党委員が指摘したように、施設点検調査票で、外壁を初め、「コンクリートやモルタルなどの剥離が心配」と記載されている学校は52校、「雨漏りがある」と記載されている学校も52校、「トイレの改修や臭気対策」が同じく52校、「給食室の改善」を記載している学校が45校と多数にのぼっています。
 動議の趣旨を生かすなら、これらすべての学校を調査すべきと主張しましたが、結果として現地調査は実施できませんでした。調査の結果として判断した材料は、議長が教育委員会に鈴木質問を13項目に分けて、文書で調査依頼をして得た回答文書がありますが、調査した学校側の評価についても、個人によって感じ方が異なっており、これらをもって「発言したような事実はなかった」とし、発言の削除を行うなどというのは、言論の府と言われる議会であってはならないことと考えます。
 ましてや問責に値するなどと判断することは、議員の発言の自由を著しく制限する自殺行為になります。いま議会として必要なことは、質問者の発言を責めることではなく、学校修繕予算を増やし、安心して学べる教育環境を一日も早くつくることではないでしょうか。
 鈴木けんいち議員の質問は、この立場での発言であります。議会は言うまでもなく言論の府ですから、議員の発言に関しては自由が保証されており、鈴木議員の発言は、議員の当然の権利を行使したものです。これを本人の同意もなしに一部を削除するということは、自治法の趣旨に反した横暴と言わざるを得ません。
 議会と議員には、議決機関として執行機関に対する批判、監督権があります。学校施設を法を守る立場から、さまざまな言葉で表現することは、議員個人の内面に関わる問題です。その表現そのものを一方的に解釈して、数を頼りに事実無根と断定する態度は党利党略と言わざるを得ません。
 こうした態度は、学校保健法に基づく区教育委員会の責任を免罪するとともに、教育環境の深刻な現状を適切に改善させる緊急性を否定することになります。
 ことは子どもの教育環境の整備に関わる重大な問題であります。日本共産党は区民にこのような議会の多数の横暴と学校の実態を事実に基づいて公表し、子どもたちの命を守り、よりよい教育環境を整備させるために奮闘する決意を述べまして討論を終わります。

○馬場繁太郎議長 討論が終結いたしましたので、これより採決いたします。
 本案は原案のとおり決することに賛成の方の起立を求めます。

[賛成者起立]

○馬場繁太郎議長 起立多数であります。よって本案は原案のとおり可決されました。
 この際鈴木けんいち議員の除斥を解きますので、入場を求めます。

[鈴木けんいち議員入場]