予算特別委員会 第二日目 伊藤和彦議員 高齢者の生活実態は深刻、いまこそ寝たきり手当の復活を |
○伊藤委員 それでは、引き続き、私の方から、幾つか質問をさせていただきます。 民生費について、お伺いをしたいと思うのですが、いま、高齢者の実態はどうなっているでしょうか。 ことしの2月発表されました足立区政に関する世論調査によりますと、今後、特に力を入れてほしい区の取り組みの第1位は、高齢者支援となっております。 この高齢者福祉の充実は、調査を始めて以来、10年以上にもなりますが、一貫して第1位を占めております。 そこで、いま、高齢者に低所得者が大変多い、このことを認識されているかどうか、まずお伺いをしたいのですが、区長さんに聞いてみましょうか。 ○高齢計画課長 高齢者、一般で低所得者が多いということは言えないかと思いますけれども、可処分所得等につきましても、20代、30代の方々よりは多いということがございます。 ただ、偏りの層と申しますか、高齢者の低所得者の占める割合が、一般よりも少し高いというような感じではないかと思っております。 ○伊藤委員 認識をやっぱり正しくする必要があると思うので、私、厚生省の2000年度の資料で、この国民生活基準資料を調べてみましたら、多くのお年寄りが、収入は公的年金に頼っているということが示されておりまして、そうすると、足立区の老齢基礎年金受給者数、そして平均月額は大体どのぐらいか、答弁お願いします。 ○国民年金課長 老齢年金の受給者数と、それから、平均受給月額というお尋ねにお答えいたします。 老齢基礎年金、これが老齢年金につきましては、新法によるものと、それから、旧法によるものとがございます。 まず、新法、現行制度による老齢基礎年金の受給者数でございますが、12年度末現在の数値でございます。5万7,389人の方が受給してございまして、平均の受給月額の方は、お1人当たり5万3,000円でございます。 それから、旧法の方でございますが、老齢年金、こちらの方が1万5,471人受給しておりまして、平均月額は3万9,000円ほどでございます。 それから、もう一つ、旧法による通算老齢年金というのがございますが、こちらのほうが、受給者数が6,789人、月額で約1万7,000円ほどでございます。 ○伊藤委員 これは、国民年金受給者総数で割ると、69. 3%です。国も大体6割から、その年金に頼っている高齢者が多いと指摘をされております。 それで、もう一つ、お伺いしますが、受給要件を満たさない無年金者といいましょうか、この人たちはどのぐらいいらっしゃいますか。 ○国民年金課長 お尋ねの無年金者ということでございますが、未加入者数ということでお答えさせていただければと思います。 足立区における国民年金への未加入者数でございますが、区の被保険者数でございますが、ここのところ18万5,000人程度を推移してございます。うち、自営業の方などのいわゆる第1号被保険者と申し上げている数は、これも12年度末現在でございますが、13万8,000人でございます。 これに対しまして、推定できる被保険者数でございますが、14万7,000人ほどでございまして、結果、その差の9,000人強の方は、残念なことでありますけれども未加入者、未加入の状況にございます。 ○伊藤委員 9,000人以上が、あるいは1万人と いうお話もありましたが、そういう状況です。 介護保険では、第1段階から第3段階までの非課税の高齢者が7万7,391人、これは全高齢者の71%を占めております。こうした実態は、区長さんが言っております、基本的に自己の責任で決定できる時代になったと言える時代だとは、私は到底思えません。こうした高齢者を支援することが、極めて大事だと思います。 民生費の来年度の予算案は、741億9,700万円余で、対前年度比で69億9,900万円余の減額となっておりますが、これは国民年金の徴収事務を、国が直接扱うことになりまして、制度変更による減、108億7,000万円が主なものとなっています。これを除けば、実質約30億円の増税となりますが、増額のうち最大のものは、不況を反映した生活保護費の19億7,000万円の増、これは法令増、自然増であります。 そして、介護保険のサービス負担軽減対策は、1区になってもやらないと言っていたことを、区民の世論と日本共産党の繰り返しの議会論戦で、一歩前進したということができると思いますが、業者への負担軽減策など、支援や介護保険料の減免など、課題も多く残されております。 しかし、民生費全体としての特徴は、施設建設に一定の予算をつけたものの高齢者福祉手当の4億円減、紙おむつの支給は2,300万円の減、難病患者福祉手当は2,160万円の減、生業資金は1,266万円減など、社会保障の後退と不況が続く中、現金給付型の施策を減額をしております。来年度の予算は、この福祉の後退が続いていると言えます。 そこで、質問ですが、これは所得制限をつけて、対象を厳しく制限したことにより減ったのと、都の切り捨てに言いなりになって減らしたものではないのか、答弁をお願いします。 ○高齢サービス課長 私の方では、いまのご指摘に関 連するものとしては、高齢者福祉手当がございます。 高齢者福祉手当につきましては、介護保険制度が発足したことによりまして、当初の政策目的と重複することから見直しをさせていただいたものでございます。 もう1件、私の方で、紙おむつのお話がございました。 紙おむつにつきましては、今年度から所得要件を導入させていただきました。対象者は、住民税非課税世帯の方ということで絞らせていただいたところです。 ○伊藤委員 結局、所得制限をつけて対象を減らしてしまった。そして、東京都が寝たきり手当を減らせば、それに右へ倣えをして、鈴木区政のもとで減らしてしまったということですよね。ちょっと、ご確認します。 ○福祉部長 委員さんご案内のとおり、福祉のあり方というのは、非常に大きく変わりつつあるわけでございまして、これまでは、福祉というのは、救貧対策的なごく限られた人を対象として対応してきた。しかし、今後の福祉は、すべての区民が対象となるわけでございまして、そういう点で、やはり、その費用負担につきましても、従来の経済給付型の福祉から、いわゆる区民が安心して地域で生活できるような基盤整備の充実に努めていくということでございまして、基本的な方向といたしましては、先ほど、個々の事業を上げられたわけでございますが、やはり、経済給付型、また現金給付型の事業は、今後とも徹底的に見直していく必要があるというふうに基本的には認識しております。 ○伊藤委員 そんな答弁で、正当化することはできません。いま、小泉流の構造改革のもとで、暮らしはどんどん痛めつけられている、こういう事態でしょう。 私、例えば、紙おむつのことでお伺いしますけれども、この2,300万円、今度新年度予算では減額されております。この内容について説明してください。 ○高齢サービス課長 先ほど、ご答弁いたしましたが、今年度、所得の要件を導入させていただきました。その関係で、来年度の見込みの人数といたしまして、高齢者につきましては670名ほどを見込んでいるところでございます。 ○伊藤委員 いままで、課税世帯の方も支給されていたわけですが、去年からそういうことで、非課税世帯に限ってしまったということですよね。それで、課税世帯の対象者というのは何人いらっしゃったのでしょう。 ○高齢サービス課長 昨年の8月から、所得要件を導入させていただきました。その際に減になった数が550名ほどでございます。 ○伊藤委員 課税世帯は何人かと私は聞いたので、先ほど聞いたら1,200人ぐらいいらっしゃったと。そのうち、非課税世帯に絞って、700人にしてしまったという予算ですよね、これは。そうですか。 ○高齢サービス課長 非課税世帯に絞らせていただきました。その後の現在の推移を見た上で、来年度の予測の人数をはじき出しております。 ○伊藤委員 そうすると、結局、所得制限をつけて減額をしてきたというのは紛れもない事実であって、寝たきり手当、この東京都が出しております福祉手当は、平成15年の3月で廃止をされるということになりますね。そうすると、この寝たきり手当もなくなる、課税世帯の方も、この紙おむつの支給はなくなるということになりますが、間違いありませんか。 ○高齢サービス課長 お話のとおりでございます。 ○伊藤委員 そうすると、これはだれも想像してくださいよ。寝たきり手当がなくなる、そして紙おむつの手当もなくなる、もう耐え切れない生活ですよね。もう、憲法で保障されている人権さえも今度保障されない、こういう事態です。 本来、支えるべきところを、鈴木区政が減らしてきた、もう極めて冷たいものです。 それで、寝たきり手当は、まさに命綱の施策でありまして、これはもう全都的な大きな区民運動にもなって、都民運動にもなって、復活を求める声も強まっております。 そして、紙おむつの支給は、お金の問題で減らすようなものではありません。人間の尊厳を守るもので、もとに戻すべきだと思いますが、どうでしょうか。 ○高齢サービス課長 紙おむつにつきましては、国の方の基準がございまして、国の方の基準では、住民税非課税世帯の方と限っております。 また、一方では、高齢者福祉手当がなくなってしまいますので、新たに要介護度3から5の方を対象といたしました。これにつきましては、国の方は、基準では要介護度4と5の方を対象にしておりますが、足立区では3も含めております。 ○伊藤委員 介護度3と5というのは、結局、寝たきり手当、福祉手当をもらっている方と同じなわけでしょう。そういうことではないのでしょうか。 ○高齢サービス課長 要介護度3につきましては、高齢者福祉手当をもらっている方ともらっていない方がいらっしゃいます。 ○伊藤委員 私の質問は、そういう点で、いままでその寝たきり手当だとか、紙おむつの支給をもとに戻すべきだという質問をしたのですが、結局やらないということなのですよね。 それで、私は、鈴木区長の本会議のあいさつで、ずっとよく見ましたら、区長あいさつでは、福祉の充実とは一言も言っていませんね。それで、区長の公約である安心して住める高齢者社会づくり、共産党以上に福祉を重視していますと、こう言っていたわけです。これが、鈴木区長の言う福祉を重視するということなのでしょうか。お答えを願います。 ○企画部長 今回の予算については、子どもと産業の未来を育むということになっているわけでございまして、委員さんのお話では、例えば、子どもに関するさまざまな投下は福祉ではないのかというような感じがいたしますし、それから、についても、今回いろいろやっているわけでございます。 そういった中で、今回はつくったということでございます。 ○伊藤委員 もう何か、その答弁もいただけませんね。私は、高齢者の話をしているのですよ。高齢者の、いま、先ほど言ったとおり、寝たきり手当が打ち切られる。東京都の言いなりになって鈴木区政のもとで切ってしまった。ほかの区では、ちゃんと続けているところもあるのですよ。そういうことを、鈴木区政のもとでつぶしてしまったと。こういうことをやっておきながら、共産党以上に福祉を重視していますというのは何事だと。これが、鈴木区長の言う福祉を重視することなのかということなのですよ。 企画部長の答弁は、答弁になっておりませんので、別に求めません。 こういう点で、やっぱり高齢者の支援策というのは充実させなくてはいけないと思います。 次に、質問を変えます。 高齢者住宅改修給付事業について、お伺いをいたします。 介護保険では、20万円と限度額が国で定められているために、ごく小規模の手すりだとか、段差解消などしかできておりません。転倒防止あるいは寝たきりにさせない予防に効果のある住宅改造助成の充実は、極めて大事だし必要です。 高齢者の支援とともに、これは仕事確保と雇用拡大なるもので、もう区長の言っている産業の未来を育むものとなると思います。 それで、介護保険が導入されても、江戸川区などでは、そういうものには関係なく、住宅改造助成を充実させ、区民から大変喜ばれております。また、区内の業者も、大変そういう点では支援策となるということで評判の事業です。 そこで、お伺いいたしますが、先ほど、渡辺委員から予算の修正案が示されておりますが、この江戸川区と同じように、介護保険外の住宅改修、上限なしにして、自由に使えるものにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ○高齢サービス課長 現在、東京都の基準に基づきまして、当区では上限を設けております。江戸川区のような、上限を設けない形ということは考えておりません。 ○伊藤委員 私は、この事業は非常に大事だと思う。条件をなしにやることはないという冷たい答弁ですが、寝たきりにさせない予防効果に非常にいいと。これは、もう既に、江戸川の実績などでも示されているものですね。こういう点では、私はそういう住宅改修は上限なしに、高齢者を抱えているご家庭に自由に使えるものにすべきだと思います。 それでは、時間がちょっとなくなってきてしまったので、先に進みます。 国保課長は、昨日、大島委員の質問に答えて、足立区の国保に新規加入する人、2万2,000人の5割以上が社保をやめた人であると、こう言っておりました。この数字、2万2,000という、これは23区平均で比較するとどういう状況なのか、お答え願います。 ○国民健康保険課長 昨日、ご答弁いたしました数字に基づきまして、足立区は昨年4万4,187人の新規国保加入者がありまして、このうち、2万2,639人が社保離脱でした。それを、23区の平均で見ますと、社保の離脱で加入した者が、平均で1万2,392人ですので、平均よりも約1万人多い社保離脱者が足立区に入ってきているということであります。 ○伊藤委員 23区平均でも1万人に上がるということですから、極めて、区内の状況というのはよくわかると思うのです。 その大半が、リストラだとか、あるいは倒産などの理由によるものと推定されますけれども、どうでしょうか。 ○国民健康保険課長 私ども、国保の加入者の方には、内容、例えばリストラとか、倒産とかというのをお聞きはしていませんが、私も日中電話をとるときがございまして、何本かが、やはり、私と同じような年代の方が、社保から国保に加入してきている実態もございますので、かなりの数がリストラ、倒産によるものかなとは考えられます。 ○伊藤委員 そこで、質問をさせていただきたいのですが、応急小口の資金貸し付けについてです。 応急小口の資金貸し付けの貸付要件は、第1条、目的に示されておりますが、災害疾病等により、応急に必要とする生活費用の調達が困難な区民に対し、小口資金を貸し付けるというものと思いますが、どうでしょうか。 ○福祉管理課長 委員、ご指摘のとおりでございます。 ○伊藤委員 私、この問題を、12月の本会議で取り上げたわけです。それで、リストラなどで失業してしまう、あるいは生活困難にある区民を救済するために、この応急小口資金の貸付条例の第1条、目的に示されている精神に基づいて、区長の特認事項で、この失業というのを加えろという質問をいたしました。答弁は、生活資金の貸し付けを対象にしていないという答弁でした。 これでいきますと、先ほど言った条例第1条、目的を、極めて狭くとらえていると思いますが、どうでしょうか。 ○福祉管理課長 いや、私は、そのようには思っておりません。 ○伊藤委員 では、お伺いしますが、ここで言っている生活費用と生活資金の違いは何ですか。 ○福祉管理課長 まず、私どもが応急小口を貸し付けてきた経過というのは、一般にその生活する、極端な言い方をすれば、日々の食料品を購入するのに必要なものという形での貸し付けはやってきていないということです。 生活に必要なもの、最近でいうと電化製品、こういうものが劣化したので買いかえたいというものについては、私たちとしては対応してきたということで、いま、委員お尋ねの失業の部分について、生活費ですね、この部分については従来からそういう考えは持っていなかったということで、本会議の答弁と同じでございます。 ○伊藤委員 本会議答弁と同じでは困るから質問しているのですよ。 私が質問しているのは、生活費用と生活資金、この違いを聞いてるのだよ。違いは何かと。調度品を買うとか……、生活資金、生活資金というのはどうなのですか。 ○福祉管理課長 生活資金というのは、私の考えでは、いま申し上げたように、日々のものを買うのかなというふうなことで考えております。 ○伊藤委員 これは、やっぱり、第1条で言っております災害疾病等と、等というのが入っていますから、この等の中に、失業も加える必要がある。それは、厚生労働省は、雇用対策の一つとして、失業して雇用保険の支給期限が切れて、生活維持が困難な人、それで廃業した自営者を対象に、月額20万円の生活貸付資金、これを出しているのですね。政府は、こうした施策を行なわなくてはならないほどに、失業者の生活というのは深刻なのですよ。だから、 私は、この問題を取り上げたのです。 時間になりましたので、終わります。 |
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