5、意見書・決議等

@可決された意見書
議員提出第二号議案
  雪印食品等食肉偽装事件の徹底解明と食品品質表示制度の改善・強化を求める意見書
 先般、雪印食品がBSE(牛海綿状脳症)関連対策の一つである国産牛肉買い上げ制度を悪用し、外国産の牛肉等を国産牛肉と偽って、これを業界団体に買い取らせたという極めて悪質な事件が発生した。雪印食品はすでに農林水産省から詐欺容疑での刑事告発を受け、警察当局による一斉捜査を受けるに至っている。
 雪印食品の偽装工作は、輸入牛肉を国産牛肉と偽る悪質な行為にとどまらず、産地、畜産加工者及び品質保持期限等にまで及んでいることが捜査の過程で明らかにされた。
 雪印食品によるこの事件は、やや立ち直りかけつつあった国民の牛肉不信を、再びひき起させたばかりか、国民・消費者の食品品質表示制度全般に対する信頼を大きく欠如させるものとなった。また、このような虚偽表示は雪印食品のみならず、他社の食材においても次々と発見されるに至っている。
 よって、足立区議会は政府に対し、次の事項について速やかな対応を強く求めるものである。
                 記
一、雪印食品等食肉偽装事件を徹底的に解明するとともに、その情報公開と巌然たる措置をとること。
二、国産牛肉買い上げ制度による買い上げ保管中の牛肉について、他にも虚偽や不正がないか、総点検を行なうこと。
三、農林物質の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)や食品衛生法等の関係法における食品品質表示制度の抜本的見直しと、そのための監視制度の強化・充実を図るとともに、違反者への罰則を強化すること。
四、食品品質表示については、名称、原材料名、内容量、品質保持期限、製造・輸入業者名及び生産地等のより詳細な表示を行なわせるとともに、内容のチェック等監視体制の強化を図ること。

 右、地方自治法第九十九条の規定により、意見書を提出する。
  平成  年  月  日
                        議  長  名
内閣総理大臣
あ  て
法務大臣
厚生労働大臣
農林水産大臣
議員提出第三号議案
   小児救急医療制度の充実・強化を求める意見書
 近年、小児救急医療体制の不備から、小児救急患者の医療施設のたらい回しや患者輸送の手遅れから重大な事態に至るなどの問題が全国各地で発生している。
 小児医療を支える現場の状況をみると、小児科医の数は横ばい状況であるものの、開業医の高齢化等に伴う診療施設の閉鎖や、ビル診療所等の増加などから、特に休日や夜間の小児救急医療体制の不備が注目され、大きな社会問題となっている。
 また、保護者の専門医指向による小児救急患者の大病院への集中と、共働き世帯の増加による休日・夜間診療ニーズの激増が大病院小児科医等の激務と過労を招き、これらがさらに小児科医を志向する医師、学生を減少させている。
 こうした事態に対し、厚生労働省は、平成十一年度から三か年計画で、全国三百六十地域の第二次医療圏ごとに、三百六十五日、二十四時間体制でいつでも子どもを診察することができる「小児救急医療支援事業」をスタートさせたが、小児科医の大幅な不足により、各都道府県における小児救急医療の体制整備は極めて困難なものになっている。
 よって、足立区議会は国会及び政府に対し、これまでの小児救急医療体制のあり方を抜本的に見直し、次の事項の早急な実現を強く求める。
                 記
一、小児救急医療及び小児医療にかかわる社会保険診療報酬の引き上げを図ること。
二、第二次医療圏(平均人口三十五万人)に最低一箇所、二十四時間対応小児専門救急医療体制の早期整備を進めること。そのため「小児救急医療支援事業」の抜本的見直しと充実・強化を図るとともに、国の助成を強化すること。
三、都道府県における小児医療の中核的医療機関の整備を計画的に行なうこと。
四、大学医学部における小児専門医の養成と臨床研修の充実を図ること。

 右、地方自治法第九十九条の規定により、意見書を提出する。
  平成  年  月  日
                       議  長  名
衆議院議長
参議院議長  あ  て
内閣総理大臣
厚生労働大臣
A本会議に上程されなかった意見書案
(日本共産党足立区議団)
大企業のリストラを規制し、抜本的雇用対策を求める意見書(案)
完全失業率が5・6%と過去最悪を記録し、完全失業者数も過去最多である。大企業がいっせいに空前の大リストラ計画を打ち出し、実行していること、それが下請け企業にも影響を与えていることなどを直視する必要がある。
ところが政府は、「産業再生法」をつくり、リストラで人減らしを行なった企業は減税をしてやるとか、子会社をたくさんつくってリストラをしやすくする「会社分割法」を制定するなどし、人減らしを後押しするだけではなく、それに加えて今度は、「不良債権の早期最終処理」でさらに倒産と失業を生み出し、雇用の悪化を激しくしている。この政府の姿勢が、リストラ競争に拍車をかけ、大企業経営者のモラルハザードを助長し、雇用の喪失を促進している。
よって足立区議会は、身勝手な人減らしの横行を許さないために、これまでのようにリストラを応援するのではなく、リストラ・解雇を法的に規制するルールを確立することを求める。過剰なのは「雇用」ではなく、「労働時間」である。労働時間を短縮し、賃下げなしの労働の分かち合い、「サービス残業」の根絶、有給休暇の完全取得の方向こそ、政府が追求しなくてはならない課題といえる。また、失業者の生活保障施策を抜本的に充実することも政府の責任である。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

  年  月  日
議  長  名

内閣総理大臣、厚生労働大臣、経済財政大臣、経済産業大臣、
衆議院議長、参議院議長あて
(日本共産党足立区議団)
患者負担増を押しつける「医療制度改革」に反対する意見書(案)
 政府が、高齢者医療は原則1割負担と償還払いとし、6ヵ月超の入院費用の一部保険外しなどを来年度予算案に盛り込んだうえ、サラリーマンの3割自己負担を2003年4月に実施することを明記した法案の提出を決めたことは重大である。
 深刻な不況のもとで、これが強行されれば、受診抑制が急増し、かえって症状の重症化をまねき、医療保険財政を圧迫することになる。医療を受けやすくし、早期発見・早期治療こそ、国民の命と健康を守り、医療保険財政を立て直していく道である。
 もともと医療保険は、病気という人生の困難な時、収入も苦しくなる時に、誰でも安心して医者にかかれるようつくられたものである。
 「持続可能な医療制度」にするためにも、このような患者負担増と保険はずしなどの「改革」はやめ、@国が最優先で財政支出を行ない、A高すぎる薬剤費にメスを入れ、B保険料は経済的能力に応じた負担とする、などによって、医療保険財政を立て直すべきである。
 よって足立区議会は、患者負担増を押しつける「医療制度改革」に反対するものである。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

  年  月  日
議  長  名

内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣、衆議院議長、参議院議長あて
(日本共産党足立区議団)
公団住宅を公共住宅として存続させるよう求める意見書(案)
昨年12月18日、政府の特殊法人等改革推進本部は「特殊法人等整理合理化計画」を発表した。そこでは、都市基盤整備公団が管理している賃貸住宅について、「棟単位」で「売却に努める」ことが明記された。
いまの社会の現実として、「高齢者だから」「小さな子どもがいるから」と、民間住宅への入居を拒否される事例が後を絶たない状況がある。加えてますます深刻になる不況のもとで、誰もが安心して住みつづけられる公共住宅の役割はいっそう大きくなると考えられ、公団賃貸住宅の「売却」は国民の福祉、利益を真っ向から否定するものといわなくてはならない。
よって足立区議会は、公団賃貸住宅の「売却」方針を撤回し、公共住宅として存続させることを強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

  年  月  日
議  長  名

内閣総理大臣、国土交通大臣、行政改革・規制改革担当大臣
衆議院議長、参議院議長あて
(日本共産党足立区議団)
国から地方に税源を移譲し、地方自治の拡充を求める意見書(案)
政府が決めた「経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」は「地方の自立」を国と地方の関係での「改革」の主題にあげている。
いま、自治体関係者の願いは、地方自治を拡充することであり、そのために国から地方への税源を移譲し、地方税の充実を図ることである。
税源を地方に移す際には、全体として国民に新たな税負担とならないこと、及び直接税、総合・累進制、生活費非課税の租税の民主的原則を貫くべきである。地方消費税の拡充をもって、地方税の充実をすすめてはならない。また、税源の地域的なアンバランスが存在するもとで、地方交付税制度の財政調整機能の充実とあわせて、税源の乏しい自治体でも財政運営に支障をきたさないよう、全国的総合的な視野で検討すべきである。具体的には、個人の所得にかかる税の配分を変え、地方税に重点を移すようにすべきである。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

  年  月  日
議  長  名

内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、経済財政大臣
衆議院議長、参議院議長あて
(日本共産党足立区議団)
所得税の課税最低限の引き下げ、消費税増税などの庶民増税に反対する意見書(案)
小泉首相の指示を受けて、政府税制調査会が税制の「抜本改革」にむけた議論をスタートさせた。
首相が自ら、政府税制調査会の会長に具体的に指示した所得税の課税最低限の引き下げは、配偶者控除や扶養控除などの諸控除を縮小・廃止していくことを意味しており、所得税における庶民増税になる。これまで所得税を払っていなかった低所得者からも所得税を取り立てようとするものである。
生きていく上で欠かせない生計費には課税しないという「生計費非課税」は生存権を保障する上で当然のルールであり、国際的にも税制の原則となっている。政府がやろうとしていることは、この原則を破壊して、低所得者の生存を脅かそうとする行為にほかならない、
また、首相が再三、「当然議論の対象になる」と明言している消費税の見直しは、低所得者ほど負担が重い消費税のゆがみを拡大する税率の大幅引き上げを意味し、「負担能力に応じて負担する」という税制の民主主義を崩壊させることになる。
家計を直撃する政府の「税制改革」の方向は、国民の購買力をさらに圧迫し、日本経済の再生どころか転落を加速する。同時に所得格差をいっそう広げて固定化するものであることも重大である。
よって足立区議会は、所得税の課税最低限の引き下げ、消費税増税などの庶民増税に反対する。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

  年  月  日
議  長  名

内閣総理大臣、財務大臣、経済財政大臣、衆議院議長、参議院議長あて
(日本共産党足立区議団)
保育所待機児解消と保育水準の向上を求める意見書(案)
幼児期は人間としての土台をつくる大切な時期である。すべての子どもは最善の環境の中で保育されなくてはならない。働く女性が増えるもとで、保育所に自分の子どもをあずけたいという国民の要求が強まるのは当然であり、それに応えるのが、国の前途を危うくする少子化問題に直面している政府のとるべき責務である。
しかし、全国で多くの待機児がいるにもかかわらず、保育所の増設には背をむけたまま、定員の25%増しという「つめこみ保育」や「規制緩和」と称して、保育所の設置や職員の配置基準を決めた「最低基準」を「引き下げて、保育を民間営利企業の手にゆだねるのでは、国民の保育要求にこたえることはできない。
よって足立区議会は、国と自治体の責任を明確にして、待機児解消と保育水準向上のため政府が次の対策を講じることを求める。
1、 4月時点の待機児を一気に解消するため、政府の責任で保育所を増設する。そのための予算措置をすみやかに行なうこと。
2、 15万人とも言われる潜在的待機児を解消するため、政府の責任で保育所の入所希望調査を行ない、「保育所整備計画」を作成すること。「計画」には、年度途中の入所と、待機児の7割を占める0〜2歳児の受け入れ枠の拡大を盛り込むこと。
3、 保育の質を実態に合わせて改善すること。保育時間を、保護者の勤務・通勤時間にあわせたものに改善し、そのうえで、「延長・夜間保育」を保障するために、国際水準からも大きく立ち遅れている保育士を大幅に増やせるよう、国の保育所運営費を大幅に引き上げること。
4、 公的保育の遅れを補い、23万人の子どもを保育している無認可保育所への公的支援を行なうこと。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

  年  月  日
議  長  名

内閣総理大臣、厚生労働大臣、総務大臣、財務大臣、
衆議院議長、参議院議長あて
(日本共産党足立区議団)
有事立法に反対する意見書(案)
 小泉首相は施政方針演説で、有事立法を今通常国会に提出することを明らかにした。
 有事立法は、自衛隊が戦争をするために、国民の財産や土地、建物、物資を取り上げたり、医師、看護婦、輸送従事者、土木建設労働者などを戦争を支える要員として動員できるようにするものである。罰則つきのなで、強制力をもっており、拒否すれば刑事罰が科せられることになる。政府は、所有者に通告せずに土地を収用することも検討しているし、言論や報道の統制についても懸念される。
 首相は「憲法の範囲で」とか「体制整備することは政府の責任」といっている。しかし、憲法は、戦争を禁止しているだけでなく、何人も犯罪で処罰を受ける以外は苦役に服せられない(18条)、財産権は侵されない(29条)、自由を奪われない(31条)とし、憲法が保障する基本的人権は侵すことのできない永久の権利(11条)と定めており、有事立法は、そもそも憲法と両立しないものである。
 有事立法がどこの国にもあるかのように言う議論もあるが、米軍の戦争のために国民の権利、財産を奪う憲法違反の戦時立法をつくる国など、世界中どこにもない。
 よって足立区議会は、平和を守り、国民の自由と権利を守る立場から、有事立法に反対する。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

  年  月  日
議  長  名

内閣総理大臣、外務大臣、防衛庁長官、衆議院議長、参議院議長あて