足立区乳幼児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例、足立区ひとり親家庭の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例に反対討論
                              (平成14年9月21日)ぬかが和子議員

 私は日本共産党足立区議団を代表しまして、ただいま議題となりました第79号議案、足立区乳幼児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例、第80号議案、足立区ひとり親家庭の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例に反対の立場から一括して討論を行います。
 この条例案の提案理由で共通しているのは、いずれも「現行水準を維持する必要があるため」としていることです。2つの条例の根拠法である老人保健法が小泉政権のもとで大幅に改悪されました。診療所にかかった場合、薬代も含めて、外来1回につき850円で、月4回までというこれまでの定額負担は完全に廃止され、窓口での支払いは、診察や検査などにかかった医療費の1割負担に加え、薬局で受け取る薬代も1割負担となり、大変な負担増になります。外来の自己負担限度額も、月額3,400円から母子の場合で1万2,000円に大幅に引き上がります。
 この根拠法が改悪される中、現行水準維持というのなら、老人保健法とのリンクを断ち切って、改悪せずに、定額制を維持するべきではないでしょうか。しかし、本条例案では、現行水準を維持と言いながら、実際には、先に述べた今回の改悪の最も悪い部分をそのまま適用し、最も悪い改悪を行っています。
 第1に、ひとり親家庭の医療費助成は、以前は無料でしたが、昨年1月1日から老人保健法と同様の自己負担が導入され、さらに今回の改悪がリンクされています。一定以上の高額所得者を2割負担でなく、1割負担に止めること以外は、すべて老人保健法どおり改悪されることになり、現行水準の維持には全くなっていません。
 いま、ひとり親家庭の生活は、児童扶養手当の切り下げなどで困難が増している中、現行水準を維持するという言葉どおり、これらの負担増を押しつけるべきではありません。
 第2には、今回の2つの条例案では、現行水準を維持の名目で、老人保健法の唯一若干の改善部分も適用しないことを提案していることです。入院時食事療養費の助成については、老人保健法でわずかに改善されます。それは入院食事代の自己負担分について、住民税非課税世帯で、現在1日につき650円の負担をしていた人でも、低所得1の階層に該当する場合には、300円に引き下げるということです。区が条例提案をしなければ、自動的に低所得層の入院食事代の負担が減ったものを、あえて高い水準で現状維持をするために条例を変えるものであり、この点での条例改定は全く必要ありません。
 以上、現行水準を維持すると言いながら、改悪や負担増は行う。そして、本来なら自動的に改善される部分については、あえて現状どおり止める今回の条例提案は、とうてい認められるものではありません。
 委員会の審査の中で、区は、東京都がつくった実施要綱に基づいて条例改正をすると言いましたが、乳幼児とひとり親指定の医療費助成事業は、東京都の補助事業であり、足立区が自主的に手をあげて実施しているものです。地方自治の精神を発揮して、医療改悪から区民を守るために、独自の上乗せ施策を行う余地が大きく開かれているのに、鈴木区長はそれに背を向けています。区が子育て支援の立場から、安心して医者にかかれるよう、子育てに関しての経済的な負担を増やすのではなく、軽減する姿勢に立ち返ることを強く望みまして討論を終わります。