足立区乳幼児の医療費の助成に関する条例の賛成討論 
                            ぬかが和子議員(平成14年9月30日)

 私は日本共産党足立区議団を代表して、議員提出第17号議案、足立区乳幼児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例を否決するという委員会報告に反対する立場から討論を行います。
 現在、乳幼児の医療費助成は、3歳までは全員が受けられるものの、4歳になった時点で所得制限が設けられています。吉田区政になる前は、2歳までしか受けられなかった医療費助成を、吉田区長のもとで次々と拡充し、現在の制度になりました。しかし、鈴木区長になって、その拡充の流れが止まってしまいました。本条例案はその所得制限を撤廃し、就学前まで全員が受けられるようにするものであり、その実現は多くの子育て家庭の共通の願いでした。
 昨年、第3回定例会に日本共産党足立区議団所属議員全員が提出者となり提案しました。実施時期は平成14年からとし、予算修正案で1億5,000万円あればできると具体的に財源も示して実現を迫ってきました。その後13年度決算では、33億円の実質収支の黒字が明らかになり、日本共産党の指摘どおり、十分に実現できたことが証明さました。
 しかし、付託された厚生委員会では、自民、公明の各会派の委員は、発言も議論も意思表示もまともにしないで、継続審査としてきました。自民党白石議員は、今議会の決算委員会で、「乳幼児の医療費の補助のことですけれども、私どもは当然、それは就学以前全部やった方がいい、所得制限撤廃した方がいいよ、そういう気持ちはずっと持っておりました。」と発言しています。それならばどの党が出した提案でも、区民の立場で議論をし、区民にとってプラスになるものは、一致点で力を合わせて実現していくことが区民から負託を受けた議員の役割ではないでしょうか。
 今議会の厚生委員会の質疑では、就学前までの乳幼児全員の所得制限撤廃にかかるのは、通年ベースで1億5,000万円と見込んでいることを区が認めました。また、昨年、東京都が制度を拡充したため、13年から14年にかけて、都の補助金が約4億から8億へと増額しており、一方、区の持ち出し分、財政負担は約1億6,000万円減ったことも明らかになりました。つまり、所得制限の撤廃を一気にしても、乳幼児医療費助成制度に対する区の持ち出し分は全く増やさないで、逆におつりがくるぐらいだということ、従来の区の財政負担を維持すれば、一気に就学前まで全員が受けられたのです。結局、足立区は都の持ち出しが増え、区の持ち出しが減った分はほかの事業に回してしまったわけです。その結果、大半の区は就学前まで全員が医療費助成を受けられるのに、3歳までしか所得制限を撤廃していないのは、23区で北区と足立区だけになってしまいました。しかも、来年度からは、国の制度改革により、一部の世帯を除いて、乳幼児医療費の負担割合は、国としても3割から2割へとなり、その分は経費も浮き、区の財政負担が一層減ることも予測されます。
 今回の厚生委員会では、本議案と合わせて、同じ乳幼児医療費助成の拡充を願う2本の請願・陳情も審議されました。段階的に実現を求める請願と、実施時期も実施のやり方も一切の制限をつけていない陳情、要はどちらも就学前まで無料にしてほしいというお母さん方や区民共通の願いでした。それを一方の100名の請願署名だけ可決し、すぐに所得制限の撤廃もできるのに本条例案を否決し、さらに一気にとも、いつとも一切の条件をつけていない子育てサークルネットワークから出された556名からの切実な陳情を委員会で否決した自民・公明の与党委員のこの態度は、党利党略を優先し、区民の願い実現をいたずらに先延ばししたと言えるもので、とうてい理解できるものではありません。
 いまからでも遅くはありません。子育て支援を立場の違いを超えて、力を合わせて実現するという道理ある態度に立ち返ることを求めまして討論を終わります。