| 決算特別委員会 第3日目(10月7日)午後 小野実議員 30人学級に代表される少人数学級は世界の流れ、学級崩壊など教育危機を打開する道 |
| ○小野委員 最初に、30人学級について伺います。 30人学級に代表される少人数学級への移行の流れというのは、世界の流れに沿って、日本でも大きな広がりを見せています。今年度学級編制をいわゆる弾力化した、そういう自治体は、文部科学省の調査では幾つになっていて、昨年度よりも幾つふえましたか。 これは議会の図書館にある雑誌「内外教育」というので、ことしの6月11日号。文部科学省の「学級編制都道府県別実施状況等調査」というのが出ています。これ見ますと、現在は、いわゆる学級人数の編制を弾力化しているのは22道府県です。過半数を超えています。昨年に比べまして幾つふえたかというと、昨年比12道府県がふえている。倍加しているということなんです。 足立区が30人学級を実施しないという理由ですけれども、財政上の理由なんですか、それともほかの理由ですか。 ○学務課長 30人学級ということですと、かなりのクラス数がふえるということで、先ほどのお話の中で都道府県というお話がございました。私ども東京都の認定のもとで学級編制をしてございますので、東京都の場合は30人学級というのは認めておりませんので、まずそれが一番大きな問題というか、30人学級にしていないという理由になっております。 ○小野委員 財政上の理由じゃないんですね、じゃあ。いや、いいです、いいです。いま言ったとおりでしょう、あなたが答えたとおりだから。東京都が認めてないと言っても、各県では認めてない状況の中で、いろんな創意工夫をしながらやってるんですね。それは後で紹介をしたいと思いますけれども。 国語や算数などの積み上げ教科は少人数学級の効果あるー区教委答弁 それでは、学級規模と教育効果については、多くの調査研究の結果が報告されておりますが、区教委はどんなものを承知してますか。 ○教育指導室長 教育の効果についてのお尋ねでございますが、特に算数、数学など、積み上げの教科について、少人数の指導というのが効果があるというふうに言われております。 ○小野委員 指導室長は少人数の方が効果があるということなんですね。 私、幾つか皆さんに紹介しておこうと思うんですよ。国際的には、アメリカ、コロラド大学のグラス、スミス両教授、過去50年間ほどの間に発表された学力と学級規模の関係に関する論文を推理統計学の分析法によって処理して、両者の関係を定式化したグラス・スミス曲線というのが非常に有名ですね。これによりますと、学級規模が30人から40人規模以上では学力は50点程度に停滞をして、30人規模よりも小さくなると学力は急上昇していくと、こういう曲線なんです。 それから、文部省が調査研究指定をして補助金をつけた日本教育学会での学校学級の適正編制に関する総合的研究というのがあります。これは平成9年から11年ぐらいまで、3年間かけてやった調査研究ですね。これが報告されてますが、これによると、学級規模の標準は20人程度とすべきであると、こういう結論を下しております。学校改革のいかなるスローガンよりも、教職員配置の改善はすべての学校現場に直接かつ日常的に実感される改革であり、学校現場の創意工夫に勇気とゆとりを与えると、こうしてるんですね。 財界の提言も期せずして20人から25人というのを提言してますし、日本生産性本部というところも20人程度と提言をしています。 実際にも2001年度の文部科学省の学校基本調査報告書によりますと、全国の公立小学校の学級規模は、35人以下が79.4%、つまり8割ですね。30人以下だと47.1%となっています。5割に近い。中学校では35人以下が50.7%。30人以下では14%ということになっています。 国際比較をしてみますと、これも文部科学省の調査ですが、中等学校の1学級当たりの生徒数は日本が32.1人、イギリスが22.0人、フランスが25.1人、ドイツ24.6人というような形になってます。 以上のことを見ますと、多くの調査研究結果でも、実践的にも、それから実態的にも、30人学級に代表される少人数学級こそが子どもの学力向上につながることを示しています。 先日、足立で30人学級を求める教育集会がありました。ここに来ていたある区内の高等学校の先生が発言をしまして、どういう調査をやったかというと、入試のときからレベルが高いクラス41人、国語ですけれども、授業時間は週4時間。もう一つの、入学試験のときにレベルが低かったクラス、これは24人と25人の2クラス、国語の授業時間数は週3時間。この2つのクラスを同じ問題でテストをしてみますと、入ったときにレベルが高くて、週4時間の授業をしているクラス、これは41人クラスです。1クラス41人ですね。このクラスと、週3時間で授業をやっていた24人と25人クラスの方がテストの結果がいいという結果が出たということが言われています。 それから、千葉大学の教育学の研究室で、千葉県の市川市で1つの小学校を使って研究調査をやりました。かつてはこの学年は40人のクラスが2つできていた。これをことし、二十七、八人のクラスを3つにした。そして学習問題について聞いてみましたら、昨年よりも授業に集中できるようになった、昨年よりも授業で発表、発言する回数がふえた、昨年よりも授業中に先生が一人一人に丁寧に教えてくれるようになった。学校生活の方では、昨年よりもクラスのまとまりが強くなった、昨年よりもクラスの友達との仲よし度が強まった、昨年よりも自分はクラスのみんなのことをよくわかっている、昨年よりも班や係の仕事を進んでやるようになった、休み時間が昨年よりも楽しく遊べるようになった。これが圧倒的多数の回答であります。 千葉県議会では、自民党も含めまして25人学級というのを全会一致で可決をしました。また、2001年、昨年3月の参議院で、民主党、新緑風会、日本共産党、社会民主党・護憲連合、無所属の会の野党共同で30人学級法案を提出しましたけども、その提案趣旨説明でどういうふうに言っているかと言いますと、40人学級を時代おくれと断定をして、学級規模を40人から30人に縮小することによって、13万人を超える不登校や、大量に学びから逃走する子どもたち、深刻な校内暴力、いじめと自殺、授業が成立しない学級崩壊、高校中退等の教育の危機的状況を解消していく条件が生まれるとして、一つの教室に40人の子どもがひしめく学級編制を30人学級とする施策は第1にやらなきゃならないというふうに言っております。 そして、その提案趣旨の説明の中で、こういうことも言ってるんだね。学級の子どもを分割して授業を行うことを可能とするという政府案の対応は、教育改革に値しない、全く小手先の対応と言わなきゃならない。全くこのとおりだと私は思っているんですね。 足立区の教育委員会、どなたでも結構ですが、こういう調査とか研究結果、実践的な検証、見解などをどう受けとめますか。 ○教育改革推進課長 ご指摘の中で、少人数で授業をした方が効果も上がる科目もあるということ、そういうことも認めた上で、私どもとしては、少人数で授業を受けられるよう、特別講師を配置をして、そういった環境を計画的に整えていこうと、こういう姿勢でおります。 ○小野委員 少人数授業じゃないんです。この研究結果、全部、参議院における共同提案の内容、少人数授業じゃなくて、少人数学級のことを言ってるんです。少人数学級というのが、この提案で言っている、学級の子どもを学習集団、生活集団なんていうことに分割をして授業を行うこと、これは教育改革に値しない、全く小手先の対応。 これは1年近く前に文教委員会で私やりましたけど、文部科学省に対して、どうせ30人学級ぶつけても玉砕するだけだから、事前の策としてこの少人数授業をとったんだ。これは学級編制の専門小委員会の責任者、座長が言っている言葉ですね。同じく議会事務局にある「内外教育」というものに出てたんですよ、それは発言として。座談会やって。要するに、その人も含めて、40人学級より30人学級の方がいいに決まっていると、こういうふうに言い切っている。 だから、私は最初に、40人学級にしがみついて30人学級にしない理由は何かと言ったら、財政的な理由ということじゃなくて、東京都が認めないからだと、こういう話だったんですね。僕は、やはり一番多いのは、いろんな自治体で弾力化を進めているわけ、クラス編制の1学級の定員をいろいろなやり方で弾力化進めているわけだけども、やろうという気があると、いろんな知恵が出てくるものなんですよ。 30人学級の実施、足立区では49クラス増、1億8000万円あればできる まず、区内小学校1年生クラスをすべて30人学級とすると、現在、何クラスをふやすことになりますか。また、仮に35人学級にするということになると何クラスふやすんですか。 ○学務課長 小学校1年生で見ますと、現在、実学級数168ございます。ただ、40人学級で試算しますと本当は136学級でいいはずなんですが、実際に換算いたしますと、30人学級にしますと全体で49学級ふえることになります。 ○小野委員 35人は。 ○学務課長 失礼いたしました。21学級の増ということになります。 ○小野委員 これらを非常勤講師で雇用するとなると幾らになりますか。同時に、正規教員で雇用すると幾らかかります。 ○学校職員担当課長 まず、正規でございますけれども、例えばいま林課長がご答弁したとおり、21学級ふえるということになりましても、21人単にふえるだけではございません。学校の定数の配当基準がございまして、その他の職員も場合によってはふえますので、21プラスアルファになろうかと思います。教員の人件費は大体900万ぐらいでありますので、1億8,000万円強になろうかと思います。 それから、非常勤講師の場合、特別講師、現在の区独自の講師でございますけども、年間400万ということでございます。この講師をクラス担任に充てることは制度上できません。ですから、正規の教員でなければ担任にすることはできないことをご承知おきを願いたいと思います。 ○小野委員 もう少ししっかり答えてよ。 皆さんが前に出した非常勤講師の1人当たりの年間の費用というのは約600万。正確に言うと五百七、八十万なんだけど、600万として、30人学級をやるとすれば2億9,400万。正規職員というのは、1人当たり、全国平均でいきますと800万なんです。年間単位費用が。800万で全部正規教員を雇うとすると3億9,200万、こういう費用なんですね。それから、いま、非常勤講師は担任が持てないという法律がありますと。ちょっとその法律言ってよ。 ○学校職員担当課長 これは学校教育法施行規則によります。小学校においては、校長のほか、各学年ごとに専任の教諭1人以上を置かなければならないと。ただし、特別の事情のあるときは校長または教頭が教諭を兼ねることができるということでございます。 ○小野委員 私、そういう答弁されると本当に反論したくなるんですけどね。 実は、全教が昨年の1月21日、文部科学省に問い合わせをしたんですね。そうしたら、文部科学省の回答が出まして、どういう回答か。担任を持つことを禁止する法的根拠はありません。非常勤講師ですよ。しかし、文部科学省としては学校教育法で必置となっている教員が担任になることが適当と考えています。最終的には校長の判断です。現行法でも市町村教育委員会は講師を採用して教諭に準ずる職務に充てることができるということで、教育職員免許法3条。だれが一体できないって言ってるんだい。やりたくないからそういう解釈をするんですよ。何とかやろうじゃないかと、何とか学級定数を少なくして、足立の子どもたちに何とか勉強がわかるようになってもらおうじゃないかと、いい子になってもらおうじゃないかという立場に立ったら、いろんな調査研究があるんですよ。文部科学省に問い合わせてごらんなさい。教諭を持つことができるんです。 それから、次、埼玉県の志木市というところで25人学級をやってます。先ほどだれか答弁ありましたけれども、どこでも県の教育委員会がなかなか同意しないんですよね。そうすると非常に難しいんですけども、埼玉県の志木市では、最終的には県の教育委員会の同意を得ることができた。どういうふうにやったのか。だれかわかる人いますか。お隣の県ですよ。わかりませんね。本当に、やる気をちゃんと持ってよ、あんた。 埼玉県では、学校に配当される定員の定数は、埼玉県市町村立小中学校教職員配当基準表によって決められている。例えば12学級校には16名が定数配置される。校長1名、教頭1名、担任12名、担任外2名。志木市では、そのうちの担任外教員を学級増分の担任として配置した。担任外教師を担任として学級ふやした分のところに充てたの。そして、このことによって生じる担任外教員の不足分を市のお金で、小学校教諭免許状の所有者を持って充当をした。 今回、志木市がなぜ県の教育委員会の同意を得ることができたのかというのはこういうこと。いきなり30人が無理なら、せめて35人にしようと、計画的に30人に持っていこうとか、一歩でも前進、半歩でも前進という立場に立てば、いろんな知恵、いろんな自治体が、それこそ先進事例の最たるものでしょう、坂田さんが言う。構造改革は後ろ向きだから、こういうのは先進事例と言わないんだな。ぼくらから言えば、先進事例の最たるもの。やり方、幾らでも考えられる。いろんなところでいろんなやり方考えている。いろんな自治体で。 私は、そういう点では、この問題で最後になりますけれども、30人学級に代表される少人数学級を小学校1年から計画的に導入すべきだと思うんです。30人学級に代表される少人数学級ですよ。計画的に導入したいというふうな答弁は恐らく出てこないんだろうと思いますけどね。しかし、なぜ出ないのかと。その理由によっては、それこそ介護保険の中野助役じゃないけど、最後の1区になってもやらないよということになるんだよ、これ。どうなんですか。 ○教育改革推進担当部長 まず、非常勤の講師がクラス担任を持つということは、そのクラスに当たった保護者の方たちはやはり耐えられないだろうと、一般の教諭がやはり担任を持つべきだと。そうすると専科の先生を担任に充てて、そうすると専科の先生の部分が非常勤になるわけで、こういうことが常態であるのは私どもとしてはやはり正常ではないと。したがいまして、私どもは現在の状況の中できちんとした教員を配置をしていくという考えでおります。そのかわり、授業を少人数で行うために特別の講師を配置をしていく。この考え方に立って、計画的にただいま配置を進めていると、こういうことでございます。 ○小野委員 そうすると、最後まで30人学級とか少人数学級はやらないということですか。もう一回。 ○教育改革推進担当部長 私どもはいま、こういった特別講師の配置を考えている背景には、制度上の問題、それから、先ほどは触れませんでしたが、財政上の問題、こういったことを総合して、現在足立区がとり得るベストの方策は、この特別の非常勤を計画的に配置していくものだと、こういうことでございます。 ○小野委員 つまり、文部科学省が言っているとおりのことしかやらない。自治権拡充とか何とか言ってますけれども、足立区独自にいろいろ考えて、そして少人数学級をやる。ほとんど大部分の知り得る調査研究結果は、学級を割ることじゃなくて、学級を少人数化すること、ここに学力とか、あるいは市民的な道徳とか、そういったものがきちんと身についた子どもが育つんだということを示しておりますし、国会における民主党や共産党や社民党や、そういった政党の共同提案の文書の中にも、文部省のやっていることはほんの小手先にすぎないということであります。 私はもっと真理に忠実になるべきだと思います。政治的な思惑でもって考える、あるいは子どもたちにどういうふうに大きく優先させていくか、そういうことではなしに、お金の使い方を間違えて、公共事業を全部悪いとは言いませんけども、これはまた後でやりますけども、そういったところにどんどん注ぎ込みながら、子どもやお年寄りに対しては一つもそういった当たり前の、世界と日本の流れの科学的な成果を取り入れようとしない、こういう本当に冷たい区政だということを1つ指摘しておいて、また次回にします。 |