決算特別委員会 第4日目(10月8日)午前 大島芳江議員
旧庁舎跡利用計画―事業収支に疑問あり、地元の賑わいにもならない

○大島委員 私は旧本庁舎跡利用の問題につきまして、前回に引き続き質問をさせていただきます。今回は、産業振興センターというものについてかかわる部分で質問をしたいと思います。
 前回の質問のときにも、産業振興センターを中心とした計画にする、こういうことが区長の考えであるということを私、確認をいたしました。本庁舎跡地の開発整備に関する基本構想というところにも、産業振興センターの整備計画の基本的な考え方として、区内産業の振興と活性化を図るための中核施設、情報、資料等の収集、提供及び会議、研修の場とする。三つ目に利用者の利便性を第一に考える施設というふうに示されています。
 ところが、この産業振興センターの規模の問題なのですけれども、第一次事業プロポーザルのときには4,200平米あったのですね。ところが第二次プロポーザルのときには2,560平米というように縮小をされたのです。もっとも、第一次プロポーザルの時点で、既に区議会の中には見直し案ということで、見直し面積が2,540平米ということが示されたわけなんですね。委員会の中でもこれが大問題になりまして、一体どっちでプロポーザルをやる気なんだということで詰めたところ、4,200平米ですよという答えだったのですね。それでやられたわけなんですけれども、第二次プロポーザルのときに最初見直し案として示していた2,540にほぼ近い2,560という形で縮小案が提案されたということを見てみますと、当初から産業振興センターの規模を縮小する、こういう意思が働いていたのではないかというふうに思うわけです。あのホテル案のときでさえ、ホテル案のときにはいろいろ言われまして、産業振興センターに付属した宿泊施設だなんていうふうにホテルのことを言っておりまして、宿泊施設といわれる方がメインになっていたというようなことも明らかになったわけなんですけれども、あのときでさえ産業振興センターという面積は4,500平米あったのですね。跡地利用の中心施設にするんだということで、構えてプロポーザルをしていたわけなんですが、こうやって振興センターの面積が徐々に縮小する、これは鈴木区長のもとでこの振興センターに対する考え方が大幅に後退しているのではないかというふうに、そのことを示しているのではないかというふうに考えられるわけなんですが、この点についてはいかがでしょうか。

○新産業支援課長 規模の見直しについてのご質問でございますが、規模につきましては、産業振興センターのまず機能面から考えまして、三つの機能がございます。交流機能、支援機能、ネットワーク機能、この三つの機能をそのまま生かすという形で、ただ効率的な利用の面から見直しをしたものでございます。

○産業経済部長 政策経営部から私どもが引き継いだ段階で、産業振興センターというのはA敷地、C敷地を総体で産業振興センターと呼ぶ、このように変わっておりますので、あそこの建物の延べ床面積全体が産業振興センターになると理解しております。

○大島委員 いまの考え方で言いますと、A敷地内に建てられているものも含めて、あのA、C、Dですかね、今度Dはなくなるという話ですが、そのすべてが産業振興センターだと、こういうふうに理解してよろしいわけですか。

○産業経済部長 そのとおりでございまして、関係委員会にはそのとおりご報告をさせていただいております。

○大島委員 第二次プロポーザルでは、産業振興センターは賃貸ではなくて買い取ることとする、こういう条件が示されておりますが、その点で言いますと、あの全体を買い取るということになるわけですね。

○新産業支援課長 今回事業者と覚書を取り交わした後にこの施設全体を足立新産業支援センターという名称をつけて、総体、トータルの施設を足立新産業振興センターということに位置づけてございます。ただ、買い取り部分につきましては、公共施設の部分のみを買い取るということにしております。

○産業経済部長 それから、これはあくまでもパートナーシップ事業ということで、足立区で初めての事業でございます。いま大島委員さんおっしゃられましたように、では全体を買い取るのですかというお話ですけれども、区として選定をした案の中では、当然パートナーの業者であります総合商事が自分のところはこれでやりますよということで、では一体境界になっている部分は、区はどこまで買うのか、あるいは借りるのか、こういうものを含めて、多少いま論議は残っているところでございます。これから買う面積等が固まっていく、こういうふうにご理解いただきたいと思います。

○大島委員 何かごまかしているような感じがするのですね。全体が産業振興センターだから規模の縮小はなくて、むしろあの全体が大規模な振興センターなんですよとい言っている一方で、買い取る部分というのは公共施設的な部分だけに限定をすると。そうすると、買い取っている部分が公共的なものであって、そこが当初提示をしていた産業振興センターではなかったか、こういうふうに私どもは判断をするわけなんです。
 実際にあのO案というものを見てみますと、このO案というのは、二つの敷地に産業振興センターという部分を分けて提示しているのですね。そのうち、C敷地に、要求面積として2,560という面積を区がプロポーザルのときに提案したのですけれども、そのうちの970平米部分がC敷地に入っているのですよね。残りの1,590平米というのがA敷地の事業者が建設する建物の中に組み込まれているという形になっているのです。大体C敷地分の2倍ぐらいの専有面積、当初区がプロポーザルに出した産業振興センター部分の面積の2倍ぐらいの専有面積がこの中に入っているということになるのですけれども、そうすると、これを買い取るということを言っていらっしゃるのですか。

○新産業支援課長 基本的には、C敷地の施設面積を買い取るということでございます。

○大島委員 そうすると、先ほど公共的な部分を買い取るんだというふうに部長は答えました。全体が産業振興センターで、公共的な部分を買い取るんだと。公共的な部分は、1,560はA敷地の中に入っているのに、いまの答弁ではC敷地の分だけ買い取ると。これはまた答弁が矛盾しているんじゃないですか。

○産業経済部長 補足をさせていただきますが、パートナーの方もいろいろな提案をしております。基本的な覚書を結んだ段階でございますから、これからではどういう建物をどういう権利関係のもとに建てていくか、これから詰める形になっています。したがいまして、これまでは、旧といいましょうか、前の考え方といいましょうか、行政が主に使うというところを産業振興センターと呼んでいたわけですが、そこの部分を全部買い取る。それ以外については業者が、こういう形ですが、考え方が少し変わってきまして、あれ全体が、一つは旧の産業振興センター機能と、それから産業の拠点としてたまたま民間が整備していく、この合築という形になってまいります。そうしたときに、では区にとっては、権利関係それからお金の関係も含めてどこまで買い取った方がいいのか、あるいは買い取らないで借りた方がいいのか、こういうことを、いま一歩一歩パートナーの業者と詰めている段階でございまして、その段階では、いま大島委員さんがおっしゃられたように、前の考え方で全部区が買うんですよということでいってもいいわけですし、それから考え方を変えてもいいわけです。要は区にとってどちらが優位で使い勝手がいいのか、これを踏まえながらいま検討している最中、交渉している最中、このようにご理解いただきたいと思います。

○大島委員 そういう形で検討しているということで、非常に流動的だということですね。それでは少し詳しく、中で聞いていきたいと思いますけれども、当初A敷地内の施設、要するにA敷地の中に組み込まれた公共的な産業振興センター部分、こうやって長く言わないとわけがわからなくなっちゃうので。それを、PFI的事業と呼んでいたというふうに思うのですね。官民パートナーシップでこれをやるんだと。そういう点で考えますと、まずO案の事業コンセプトを見てみますと、イベント・展示ホール、これについては、公開番組の放送ができるような場としての機能もあわせ持ち、さまざまなイベント等にも利用できる多目的な空間として位置づけている。映像、音響設備や調整室を設けるなど、単なるイベントホールとは違い、多額の設備費用がかかる。こういうふうに考えられますけれども、この費用負担は、では一体どこが負うのでしょうか。

○新産業支援課長 このイベント・展示ホールにつき・ましては、区の当初要求しておりましたイベント展示ホールとしての機能と、民間の方で用意する公開スタジオに必要な施設、これをあわせ持つホールということで位置づけております。これの費用負担については、いま協議をしているところでございます。

 公開スタジオ・ホールの費用負担―区の負担増を要求する事業者
○大島委員 協議中ということなんですけれども、いまのお話でずっと行きますと、区が必要としていたのはイベント展示ホールで、公開番組をつくるようなスタジオというのは相手方が要求してつくって、それがたまたまあわせ持っちゃった。それが官民パートナーシップでやるんだと、こういう位置づけになっているというふうに思うのですね。単なるイベントや展示ホールというものと、音響設備があったり、調整機能がある、調整室を設けるという、いわゆる放送番組ができるような公開スタジオというのでは、もう設備や機能、そういったものが全く違いますし、そこにかかる費用というのは物すごい違うわけですね。これが官民パートナーシップだということで、区も同様に負担してくださいよというような、大きな負担がかけられるというか、大きな負担を強いられる、こういうことでは、全体の産業振興センターの機能という部分から考えても、いかがなものかなというように私、思うわけです。
 実際に、このA敷地の中に産業振興センターを持つということ自体が、全体の、事業者がやるA棟と運命共同体になるということになっていくのではないか。あの事業そのものの中に組み込まれて、公共的な施設の部分だけを私たちがやるというのではないわけですから、そうすると、全体が官民パートナーシップということで、将来の区財政への負担というか、これが非常に大きくなるというようなことを危惧するわけですが、こういった将来の区の財政負担へのリスクの回避というのはどのように図ろうとしているのでしょうか。

○新産業支援課長 先ほど来申し上げておりますように、事業者と負担については協議中でございます。区の負うリスクについては、もちろん極力及ばないような形で協議を進めているというところでございます。

○大島委員 極力及ばないようにといっても、いま私が言っているのは、全体が産業振興センターと位置づけて、その全体の向こうの事業者が提案してきている中に公共施設が入って、その公共施設がさらに官民パートナーシップということで一緒にやるんだよということが位置づけられていて、それがあの事業提案の全体像ですよね。そういう中で協議をしているといっても、先ほど私、運命共同体と言いましたけれども、片方が相手方が要求してくるものを一定の規模のまないと、実はこの事業そのものが成り立たない、こういう仕組みになっているのではないかということで聞いているのですよ。その点で、区としてどういう対応をしようと考えているのか、そこを教えていただきたいのです。

○新産業支援課長 区の負担という点で申し上げますと、仮に公共施設の部分がすべて区が買い取ると想定した場合と、そうではなく、パートナーシップを結んで一部区が負担するという場合とを比較した場合に、区がパートナーシップを結んだ場合の方が負担が少なければ、区にとってはメリットであるというふうに考えております。その辺を基準にして現在協議をしているというところでございます。

○大島委員 このパートナーシップというのは、非常に将来的な縛りというのを区にかけるという大変重要な内容を持っているというふうに私は思っています。
 まず、今回の事業プロポーザルのことを振り返ってみますと、事業用地、あれは区有地なんですね。この区有地が定期借地権方式でやるんだよということで、プロポーザルをしました。これが前提になっているわけです。区有地というのは、区民の財産ですから、公共の福祉のためにそれを活用するというところに存在価値があるわけです。そういう利用目的を持つものなのですね。特定の民間企業の経済活動のためにこれがあるというわけではないのです。
 ところが、今回この定期借地権という方式を提案したときに、まず、権利金とか地代というのは区の収入になりますよね。ところが、権利金とか地代、その金額も相手方にすべて提案をさせるという方式なのです。だから、私たちの方でこれだけの地代や権利金をもらったらこういう事業がこのようにいく、将来的にはこのように区民の負担が少なくなるというようなことが前段に考えられていたのではないというところに重要な問題があるというふうに思うのですね。もちろん、公益性が非常に高い民間の施設であれば、税金を投入しないで地代の収入が上がることによって、住民にもそれなりのメリットがある、プラスになるという事業もあるというふうに思うのですね。しかし、今回のプロポーザルでは、区が条件をつけずにやったということで、そのすべてが相手方に任されている、ここに大きな問題があると思うのです。
 4案のうちでは、向こうが提示した地代の金額、一番少なかったのがこのO案なんですね。平米当たり303円ということで提案をしています。設定地代が一番高かったのがA案で、これは平米当たり586円から1,320円、そのところによって違うのですけれども、G案では平米当たり605円ですね。L案は325円。そういう点でいうと、一番低いO案を最優秀案ということで区は決定したわけです。
 そうすると、この地代の部分というのが、産業振興センターの買い取り価格というところにも左右しますし、それから事業者の施設を区民が使うときの使用料といったことにもつながってきまして、これらすべてが事業者の設定になるという仕組みになっているんじゃないかというふうに思うのですが、この点はいかがでしょうか。

○新産業支援課長 まず、地代のことでございますが、今回のプロポーザルにつきましては、千住地域ににぎわいを創出するということと、足立区の経済活性化に資する施設ということで提案を受けたわけでございます。その上で、地代の条件につきまして、定期借地の条件につきましては、区の方で一定の条件を付さずに自由な提案を待つということにしたものでございます。したがいまして、コンセプトであるにぎわいですとか、経済活性化の部分が見込まれるというものであれば、この提案については、仮に提案どおり受けたといたしましても、区にとっては、区民にとってもメリットがあるというふうに考えております。
 施設の賃料等々につきましては、もちろん地代の部分も含めてこれから勘案しまして検討していくということになります。

○大島委員 それがメリットがあるとかメリットがないとかというのは、本当に一体だれが判断するのかなと、区民の意見も聞きもしないでというのが、私、率直に思うところなんですね。
  審査委員会というのがありまして、その中の議事録を読ませていただきますと、その中でも、地代等の有利な提案が出てくればこの上ないが、土地貸し付けに当たって適正な価格であるかどうか検討する必要があり、調整させていただきたいというような意見が出ていたり、それから、安い地代で高い家賃を支払うということは、区民として心配だ、こういう率直な声が、あの審査会の委員さんの中からも出ているのですね。
 民間企業の目的というのは、もともと利益、収益にあるわけですよ。ですから、全体の事業計画の収支計画に影響するということになれば、区に売り渡しする価格も、区に支払う地代も、権利金も、それから一般の区民に貸し出しする使用料もすべて事業収支から出発をして相手方が設定をするという仕組みになっているのですね。この価格の設定というのは今後非常に難しい問題になると思うのですよ。メリットがあればということで判断をしてというのですが、一体この問題についてはどういうふうに処理しようとしているのか。だれが一体判断するということなんでしょうか。

○産業経済部長 大島委員さんのいまお話されたことについては、何といいましょうか、数字の面からいけば確かにおっしゃるとおりだろうと思います。ただ、問題としては、後ろに隠れている問題でございますが、公が税金を投入して、例えばホールなり何かをつくって、それがさほど利用されなければそれは死に金になってしまうわけですね。しかし、多少割高であっても民間が民の力を精いっぱい活用して、そしてそれがこけてしまいましたら、自分の会社、企業の問題にもなるわけですから、信用力の問題になるわけですから、一生懸命やる。そしてその結果、きのうもお尋ねの中にありましたけれども、波及効果が及んで、そして足立の産業が活性化していく。
 それからまた、ここはITを中心にして、まさに新産業の一つの、石原慎太郎さん風に言うと、苗が植わるのかなというふうに期待しているわけですけれども、そうなってきますと、必ずしも投下した金額がすぐいま目の前で見えている額は高いかもしれないけれども、全体としてはさほど高くないというものもあるわけです。もちろん、先ほどのお尋ねの中にありましたホールというのは、これから協議するわけですけれども、行政が考え方を一つ持って、そして使っていった方がいいのか、それとも民が提案をして、そして民の提案と区の提案とをぶつけ合って、そしてお互いが納得したところで進めていった方がいいのかということを考えますと、やはり民の手なれた、あるいはさまざまな分野に経験のある、知識がある、そういうものを活用して、まさに民間の力を活用してやっていく方が多分いいんだろう。しかしこれについて、ではだれが責任をとるのかという後段のお尋ねですけれども、これは私ども委員会で何回も答弁させていただいておりますけれども、そのステップステップごとに足立産業会議へご報告いたします。それから委員会にもすべてご報告いたします。そして財産処分、予算が必要になってくる、当然契約関係になってまいりますから、こういう部分については、そのたびごとに議会の方にご報告し、また、ものによっては議案として議決をいただく。こういうことで、民主制というのが確保されていく、このように理解しております。したがいまして、庁と議会とで二人三脚で判断をしていく、このように理解しております。

○大島委員 区は一般区民の利用料金について、旧産業振興館と同程度の料金設定を行って、産業人だけで なくて一般区民も利用しやすい施設にするというふうに答弁しているのですね。そういう点では事業者の収支計画というのが非常に大きく影響されるということで、逆に相手方の要求に区の方が負けて、多額の予算をここに出資しなければそういったことが担保できないという状況にもなってくるのではないかというところを非常に心配しているわけです。
 この9月議会の区民会の報告では、あそこを50年の更地変換として協議するというふうに報告がされました。ただ、相手方は利益を優先するという民間企業ですし、事業収支の見込みが違えば、地代とか契約内容の変更というのをその都度求めてくるということも考えられるわけです。東京都の臨海開発なんかを見てみますと、入る企業がなかったらどんどん家賃、地代を落としていって、結局赤字を丸ごと東京都が負担をしなきゃならなくなっているというのも実態としてあるわけですから、そういったことも予測されるわけですね。そういうことについてはどういうふうに対応しようとしているのでしょうか。
 それからまた企業が、先ほど、こけたら企業の問題だと言っていましたけれども、実際にやっていけなくなったら倒産ということとか、撤退ということとか、それから定期借地権を他の企業に譲渡するということもあり得ると思うのですけれども、こういったことについてのリスクの回避策というのはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。

○新産業支援課長 まず1点目の、リスク回避の部分でございますが、これはO案の提案書にも示されておりますけれども、例えば長期契約をテナント業者と結ぶことによってリスクを回避する、これがテナントの撤退リスク回避でございます。それから、テナントがかわったときには、あとのテナントを誘致することを義務づける条件をつけるということが定められてございます。
 それから、区民利用の施設使用料の件でございますが、これについては、公共施設と同じような利用料金を設定いたしまして、その差額を区が助成するという形を考えてございます。これは従前どおりの考え方で、変わりございません。

○大島委員 もう一つ、回遊性ということを非常に大事にする回遊拠点にあそこをしていこうということで、 地元の商店街などでは非常に重視していたのですね。集客力というのが大事なんですけれども、集客力という点では、A案というのは年間50万人、G案も50万人、L案というのは190万人、O案というのは150万人なんですね。集客力だけ見ればL案の方が多いのです。特にO案で見ますと、そこに入っているさまざまな施設がありますが、スポーツクラブで51万人、レストランで22万人、コンビニで55万人、この三つだけで全体の85%に当たるわけです。この本事業者が事業のメインとして打ち出しましたデジタルファクトリーとか、SOHO、それから十八番市場、こういったものを含めまして、産業振興センターも含めて22万人程度しか見込めていないのですね。
 事業計画書を見ますと、広域から、要するにほかのところから、足立じゃなくて、周辺じゃなくて、広域から多様な集客を発揮する施設ということで、位置づけられているのがイベント・展示ホール兼公開スタジオというふうになっているのですね。ところが、この事業での集客見込みというのは、年間5万2,000人くらい。1カ月でいえば4,500人くらいしかないということなのです。
 審査会の議事録を見ますと、本当にこれだけの集客が可能なのか、交通問題を含め疑問な点がある。それから、提案内容の信憑性の判断はなかなか難しいというような率直な意見があったのです。こういう千住の回遊拠点として、O案を最優秀案として決定した理由というのは一体どこにあるのでしょうか。

○産業経済部長 これは、まことに申しわけございませんけれども、方向が決まってから私どもが担うことになったわけでして、まさにその委員会の中で、いま委員さんがおっしゃられたような論議も踏まえて、そして決定された。非常に形式的な内容でご答弁申し上げて申しわけないのですが、そのように理解しております。

○政策経営部長 この当時、学識経験者の中でも、かなりO案の問題点も指摘されましたけれども、いい面もかなり論議されました。主に二つほどございますが、第1点は、このO案が足立区の中にいままで全くなかったような産業、要するに映像関係をデジタルで処理する、ほとんど最先端の産業で、現在は渋谷とか六本木で一部行われているだけだと。多分これが最初にスタートできるだろう、この辺が非常に大きく評価されたというのが学識経験者の第1点であります。
 それからもう一つは、先ほど来問題になっていた、要するに、本来産業振興センターの中でイベント・展示ホールをつくりますよと言っていた部分を、彼ら民間が、自分たちも使うんだから自分たちでつくろうという話になった。ご存じのとおり、こういった展示ホール、多目的ホールというのは、建設費はかかる、運営費もずっとかかると思うのですが、それが民間型の公開スタジオと絡み合わせて、この部分をかなり自分たちの力でやろうというふうな中で、一部の建設費を出してほしいという話もありましたけれども、片方で我々は大口ユーザーでもいいという提案もあったので、この辺も学識経験者としては非常に大きくとらえたということであります。したがって、商店街の集客性だけではなくて、全体的な足立の新しい産業がここに生まれてくるというあたりが、学識経験者が大きく評価した点だというふうに考えております。

 秋葉原に大規模な計画がすでにあり、事業収支計画に多くの疑問
○大島委員 結局集客力よりも創業を重点においてO案を選んだということだと思うのですけれども、このO案の収入の試算というのをしてみたのですよ。これは私たちは業界で一般的に使われている金額をもとにして依頼をしたのですけれども、賃貸事業ということで、SOHOとかスポーツクラブ、物販とか飲食、十八番市場、駐車場、こういったものの年間収入がおよそ4億2,500円から5億5,300円。年間収入を見てみますと、29億3,000万円必要だというふうに書いてあるのですけれども、その8割以上をイベントとか展示ホール、デジタルファクトリーで得なければならないということになっているのですね。
 ところが、このデジタルファクトリーといわれるところなんですけれども、いま汐留とか秋葉原というところに、東京都が多額のお金を投入して新しい産業づくりということを始めていますけれども、この秋葉原に同様のセンターができるということで、これは秋葉原ITセンターというので、鹿島が事業提案したものなんですけれども、1街区、3街区ありまして、合計で約18万平米あって、この中には多機能イベントホール、秋葉原IT情報センター、デジタルファクトリーとかSOHOとかいうようなものがここに入っているのですね。
 こういうところから見てみますと、やはりいまのうちの方でやろうとしていることが、区が考えているような状況ではなくて、むしろあちらの方にとられてしまうのではないかというふうに思います。O案という点では、集客力の点でも事業収支計画でも疑問がありますし、区民の望む施設でも、地元のにぎわいにもならない計画ではないか、そういう点ではO案を撤回して、区民要望を改めて集約することが必要だというふうに考えております。