決算特別委員会 第6日目(10月11日)午前 村田晃一議員
鈴木区長の財政運営―土地購入で生み出した財源は区民施策に使われず開発に使った

○村田委員 おはようございます。よろしくお願いいたします。
 申し上げるまでもないことですが、財政は区民のためにあるということで、区民生活が深刻さを増す中で、ますます暮らしと営業を支える財政の役割が重要になっていると思います。財政が区民のためにある。したがって、財政の経費の見積もりでも、区民の施策の維持や向上のための予算をしっかりと見積もった上で、投資的経費の算定を行うことが原則とされているわけです。
 鈴木区長の13年度決算は、この点で私が本委員会の初日に申し上げましたが、みずから定めた財政健全化計画の投資的経費を年間180億円に縮減をする。この目標に逆行をして、13年度決算では370億円もの算定を行っています。それも、年間の補正財源の9割以上が投資的経費であり、残りは基金に積み立てるというもので、私は区民生活の軽視と開発優先の財政運営だと指摘をさせていただきました。これは、財政の役割や自治体の役割を見失った、余りにも公平性、バランスを欠いたものだということもあわせて指摘をさせていただきました。
 鈴木区長は投資的経費は区民のためのものとおっしゃっているわけですが、財政の第一義的な任務は区民生活を支えることであって、そのことをないがしろにして投資的経費の効用を幾ら語っても何らの説得力のないものだということを申し上げておきます。投資的経費は、区民生活を支えるという財政の役割に照らして、バランスよく算定されるべきものであります。鈴木区長は、370億円にも達した投資的経費について、土地購入などの財源対策を行ったためだという説明をしています。
 本日は、この財源対策についてお伺いをいたします。どのような区政でも、区民生活を支えるための財源対策を行うことは当然のことだと思っています。ただ、肝心なことは、その財源対策が財政の区民生活を支えるという根本原則に照らして運用されたかどうかということだと思います。そこで、お尋ねをいたしますが、土地購入などの財政対策の結果、ふえたと繰り返し説明されている投資的経費についてですが、13年度の投資的経費総額は370億円です。そのうち、土地購入に充てられた経費総額は218億円になると思いますが、いかがでしょうか。

○財政課長 土地購入費の件でございますが、一般会計で168億円、特別会計で約50億円ございますので、ご指摘のとおり、218億円でございます。

○村田委員 土地開発公社から168億円、用地特別会計から約50億円ということでの218億円が土地購入費用に充てられています。ここで、鈴木区長が財源対策として注目した土地開発公社と用地特別会計ですが、この土地は毎年元利の償還が行われ、12年度末現在、13年度当初と言ってもいいですが、銀行からの借金606億円を出して買った土地のうち、既に413億円、68億円が返済済みであります。ここに着目をした財源対策になろうかと思います。
 ちなみに、足立区が保有する、土地開発公社が保有する土地ですが、23区全体の土地開発公社が保有する土地のうちで、5年以上塩漬けになっている土地の53.2%が足立区の土地開発公社が持っている土地です。そして、10年以上の塩漬けの土地は、23区全体の66.2%に当たります。高いときに、よくこんなに土地を買ったものだなと思いますが、いずれにしても年々返済が続いて68%まで償還済みになっている。鈴木区長は、ここに着目をされて財源対策を行ったことになります。
 この土地を足立区が買い戻す場合、取得原価と利子と管理諸費用を合計したものが土地の購入代金になります。この土地購入代金を支払うと、公社から土地とともにいままで償還が済んでいたものは、全体では68%に当たりますが、そのお金も戻ってくることになります。このときに、この土地購入に当たって、区の財源だけで買ったのでは何らの財源対策にもなりませんが、国や都からの補助金や足立区が行う借金、いわゆる特別区債を財源にすると、区債ですから将来にわたっての財政負担は生じるわけですが、いずれにしても単年度の財源対策になります。土地購入費用に投入した区の財源よりも、公社から返還されるお金の方が多くなる。つまり、この差額が財源対策になるものです。
 さて、そこでお尋ねしますが、この218億円の土地購入経費総額の財源内訳を教えてください。

○財政課長 218億円の財源ですけれども、国、都の補助金が12億円、起債によるものが114億円、土地開発公社からの返還金が69億円、特別会計からの繰入金が39億円となっております。

○村田委員 ただいまご説明ありましたが、起債114億円は、昨年度、足立区が計上した起債額の全額に当たると思いますが、いかがでしょうか。

○財政課長 財源充当上、そのようにしております。

○村田委員 この土地購入によって、13年度に生じた財源対策としての財源は16億円が生じたと思いますが、いかがでしょうか。

○財政課長 先ほど私が申し上げました財源内訳を合計しますと234億円となりますので、16億円の超過でございます。

○村田委員 13年度に土地を買い戻すことで、鈴木区長は16億円の財源対策をされたことになります。
さて、この土地購入により生まれた16億円の財源が歳入された時期はいつでしょうか。

○財政課長 幾つかありますけれども、土地開発公社の返還金につきましては、買い戻しの時期ですから随時になります。それに対応します起債につきましては、おおむね出納整理期間に発行するものでございます。

○村田委員 それでは、起債が、13年度については13年度の最終補正予算で大幅にふえたことや起債が購入財源に充てられたことからいいますと、この財源が歳入されたのはほぼ年度末から出納整理期間にかけてだと思いますが、そういう理解でよろしいでしょうか。

○財政課長 大半につきましては、年の後半から年度末に間違いないと言えます。

 くらしを守るべき財源が土地購入費にコンクリートされていた
○村田委員 そういうことでは、結局、財源対策を行っても、年度末から、場合によっては出納整理期間内の返還では区民施策を支えるための財源としては活用される余地がない。実際の決算を見ましても、この16億円は、区民生活の向上に直接役立つ扶助費などに充当された形跡はありませんが、どんな経費に充当されたことになりますでしょうか。

○財政課長 最初にお断りしなければなりませんが、予算をつくる時期と現金が入ってくる時期に差があるのは当然でありまして、現金がないからといって必ずしも予算が執行できないわけではありません。これについてご注意が必要だということと、今の16億円の話ですけれども、補正予算で財源対策をしながらいろいろな経費を生み出しておりますので、その多くは、例えば老健施設や特養ホームの建設に必要な地域福祉振興基金に30億円、あるいは、義務教育建設資金積立金に積み立てに充当させていただいているところでございます。

○村田委員 結局、16億円の財源対策は行いましたが、年内の区民生活を支えるための経費に充当されたものではなく、いま、答弁があったように、いろいろな基金の積立金の原資の経費に充てられたことになります。
 さて、実際は、33億円という大きな金額が土地開発公社事業会計の繰越金として処理されていますけれども、これは13年度に足立区に返還すべきものだったと思うのです。先ほど申し上げた218億円の土地購入にかかわって、足立区に返還すべきお金が返還されずに土地開発公社の33億円と繰越金として経理されているということで、この33億円の貸付金の元利収入が13年度歳入として認定されなかった基準は何でしょうか。

○財政課長 歳入の時期と歳入の年度でありますけれども、特に定めのあるものを除くほか、歳入の時期によることが原則であります。
 それから、どこに、どの財源を充当したかということにつきましては、金に色はついていないわけでありまして、それを一緒にされますと非常にご答弁しにくいところでございます。

○村田委員 土地開発公社の事業会計には出納整理期間がありませんから、年度末から出納整理期間の間に処理された土地の買い戻しに係る財源が繰り越され、決算されることはあり得ると思います。しかし、区の一般会計において、13年度の土地買い戻しに係る貸付金収入の33億円が歳入決算されないのは会計原則から言っておかしいのではないかと思うのですけれども、再度、お尋ねをいたします。

○財政課長 いまのお尋ねですけれども、土地の買い戻しという区の行為と土地開発公社への貸付という行為は全く別の次元のものでございますので、会計原則から言って問題はない。
 もう一つ、33億円をどのように使ったかということでありますけれども、特に国民健康保険の老健拠出金の12年度分の精算が当初予算に編成できない状況という特殊な事情があって、こういった操作をしたところでございます。

○村田委員 会計の原則に立てば、この33億円は13年度の一般会計の歳入として決算をして、きちんと繰越処理をして、財源充当が必要ならば、そういうことをきちんと議会にも諮って処理されるべきだと思います。
 いずれにしても、218億円の13年度の鈴木区長が行った財源対策によって生まれた財源は、先ほどの16億円と33億円を足した49億円が13年度に生まれたものと理解しております。
 さて、ここでちょっとお伺いしますけれども、年度末から出納整理期間内の大半の起債の発行や土地購入では、区民生活を支える点では何らの緊急対策にもならないということです。そこで、お尋ねしますけれども、特別区債の予算化は当初予算や遅くとも9月の補正予算に計上できるものだと思いますが、いかがでしょうか。

○財政課長  起債の予算化の話ですけれども、当初予算の事業に伴って、必要な起債はできるだけ当初予算で計上をしております。また、起債は、財源の例外的な措置でありまして、将来に負担をかけるものですから、我々とすれば、それをできるだけ小さくすることは当然でありまして、そういった予算編成をしてきているところでございます。

○村田委員 財政当局では、土地を買うことが明確であれば、起債をするのは当然のことのように考えるわけで、実務上、当初予算あるいは遅くても9月補正予算で起債を予算化することは可能で、後で多少の微調整を補正予算で行えばいいと思います。もし、鈴木区長に土地購入による財源対策で生まれる財源を区民施策の向上に充てようという姿勢があったならば、起債の予算化を当初予算や9月補正予算に計上をして、土地の買い戻しを年度当初または速やかに実行することで財源を確保したはずだと思います。そうすれば、年度末から出納整理期間に、このような大量な土地の購入を集中させて生み出した財源が区民施策の向上に役立たないものになってしまう事態は避けられたはずです。なぜ、年度末以降の大量の土地購入をあえて行ったのでしょうか。

○財政課長  当初予算と補正予算の関係ですけれども、ご案内のように、区民施策に必要欠くべからざるものは当初予算に年間総合予算という形で組むわけでありまして、補正予算では一時的あるいは臨時的に生ずる行政需要への対応ということで編成をするわけでして、例えば基金の積み立てがあっても、長期的視点に立って財政運営上必要であったところでございます。
 それから、土地開発公社の33億円のお話がございましたけれども、これを仮に土地開発公社に残せば、9月補正でなければ使えない。これを当初予算に含むことによって、国保の老健会計の拠出金の精算ができた。こういった必要なものに財源を充当しているところでございます。

○村田委員 鈴木区長が起債額の大量の予算化を13年度に行ったのは、13年度の最終の補正予算においてであります。なぜ、こういう時期に行ったかという点についてお尋ねをいたします。
 それまでは、多額の土地購入費、予算の財源には区の一般財源が充当されていて、年度末の3月の最終補正予算で、それが初めて起債に基づく財源に一斉に切りかえられています。これは、最初から起債による財源の確保が見込まれているのに、土地購入に係る財源対策を年度末まで一般財源で予算化をし続けることで、年度内に生まれた一般財源を区民施策の向上のために活用させないという財政運営だと思います。
 鈴木区長は、土地購入によって生まれた財源を年度内に区民施策の向上に役立てなかった。これは、先ほどの16億円が証明しています。結局、積立基金等に使ってしまった。そして、そればかりか、年度内に、区民施策の向上を図るために役立てるべき一般財源があったのに、その一般財源を投資的経費の財源ということで、事実上、年度末から出納整理期間まで引っ張って、つまり来年度までコンクリートして、それを行わなかったことになります。お金があったら区民施策を削りたくないなどと口では言いながら、実際に手元に財源があったのに、投資的経費の財源として抱え込んで使わなかった。このことについての見解をお尋ねします。

○財政課長 まず、1点は、借金をできるだけするなと言われながら、借金をもっとせよと言われるのは非常に矛盾しているということが前提でございます。
 もう一つは、財源対策をして生み出したものを基金に積み立てることはおかしいというお話ですけれども、例えば学校の改築や整備に必要なお金も、財政調整の中で年間数億円あるいは数十億円という単位で来ますけれども、いままで一般財源として区民施策のために使ってきた。あるいは、老健施設、特養ホームの建設資金につきましても、一般財源で積み立てて20年還付で払わなければならない。これも、一般財源として使ってしまっている。どこかで帳じりを合わせないと、今後、長期的な視野に立った財政運営を考えるともたないわけでありまして、こうした財源対策をして積み上げることは何ら問題のないことであります。また、いま申し上げた投資的経費と言われる老健施設あるいは特養ホーム、学校建設が悪だというお話をされては大変問題のあるものだと思いますし、私どもはそういった財政運営をしているわけでありまして何ら問題のないことだと考えております。

○村田委員 何ら問題ないと言いながら苦しい答弁だと思います。
 さて、いままでの土地の購入費用の償還金の区の一般財源が負担をする土地開発公社への貸付金、用地特別会計への繰出金で、区から出る財源はすべて区の一般財源だと思いますが、そういうことでよろしいでしょうか。

○財政課長 そのとおりであります。

 生み出した財源をつかって区民施策を充実すべきだ
○村田委員 一般財源というのは、本来はその7割から8割が区民の暮らしや営業を支えるために使われるべきお金です。そういうお金を、大事なお金だけれども、たくさんの土地を買ってしまったので、毎年、これを土地返済のために充てざるを得なかった。これはしょうがなかったことですけれども、一般会計から営々と一般財源をつぎ込んで返済を続け、そして、先ほど私が申し上げたとおり、12年度末の段階で68%までの返済を済ませ、区民共通の財産としてのストックを形成してきたわけです。鈴木区政の財源対策によって、起債も伴いましたが、そのストックが現金化され、いわばフロー化されて区の一般会計に戻ったということであります。区民生活が深刻さを増す中で、この財産の相当部分が区民施策を支えるために使われることは、一般財源が償還財源だったという経過に照らしても当然だと思うのですが、いかがでしょうか。

○財政課長 一般財源を投入して買った土地を、こうやって財源対策をして生かしてきた点についてご評価をいただいたことはありがたく思います。そうした財源対策をしながら、区民の生活を支えるという点で、学校の建設、維持、補修、特養ホーム、福祉施設の建設に充ててきた点では区民生活を支えたもので、投資的経費が区民生活を支えないかのようなご発言については賛同しかねるものであります。

○村田委員 借りてしまったお金は返さなければいけないという点ではやむを得ないということを申し上げただけで、依然、苦しい答弁だと聞いています。
さて、区長にお伺いをいたします。
 投資的経費の370億円の計上は、鈴木区長がみずから定めた財政健全化計画からの完全な逆行であります。鈴木区長は、いままで、これを土地の購入などの財源対策を行った結果、370億円に達したと繰り返し答弁をされてきました。しかし、既に明らかにしてきたように、この財源対策は区民施策の充実を目的に行われたものではなかった。そして、さらに、年度内に生まれた財源を投資的経費の財源としてコンクリートして、区民生活のために使わせない手法でもあったということが明らかになりました。鈴木区長は、財源対策として、区が歳入した財源をいままで切り捨ててきた区民施策の復活のために使うべきだと思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。

○区長 再三、お答えしていてご理解いただけないので大変残念なのですけれども、財政運営というのはその年だけを考えてやっていたのではどうにもならないわけです。特に、これから先、学校の改築などがどんどん出てきますと相当な費用がかかるわけです。そういったものを見据えながら財政運営をしていくのが私たちの役目だと思いまして、そういうことで財源対策もやって区政を賄っているわけでありまして、委員さんがおっしゃるように、投資的経費といっても財源対策のための投資的経費でありますし、既に買ってあるものを買い戻す経費ですから、新しく買うものでも何でもないのです。そういうことをあげつらえて、区民生活無視のようなご発言は私どもとしては納得できないわけでありまして、私どもがやっている仕事は全部区民生活につながるものばかりであります。つながらない仕事は何もやっておりません。

○村田委員 財政運営は単年度だけを見てはいけないというのはこの間と同じ答弁ですが、財政健全化計画は何年間かの期間を定めて目標数値を出したのでしょう。それに逆行してしまっていると指摘されているのです。それで、財源対策でも、何ら区民生活の暮らしや営業を支えるためにお金が回っていないのではないか。だから、私は、区民施策のために使うべきだと言っているわけですので、区長において、この趣旨をよく理解していただきたいと思います。
 さて、次に、財政健全化計画を実施してきたわけですけれども、13年度末の財政健全化計画の達成度を簡単にご説明ください。

○財政課長 120億円の財源不足の解消につきましては、約78億円ほどの達成をした。それから、実質単年度収支については、5年ぶりの黒字ということで黒字転換を図った。経常収支比率につきましては、79.5%ということで80%を切った。三つの目標のうち、二つについては何とか達成することができたところでございます。

○村田委員 13年度末の実績ですが、いま、総額で78億円の削減をしたという説明がありました。内訳を見ますと、人件費を28億円減らして、投資的経費を20億円減らして、その他区民施策にかかわるところで30億円を減らしたということですが、実際の13年度決算に結果があらわれなくてはいけません。13年度決算を見てみますと、いまの人件費の削減と区民施策の削減の両方をあわせた58億円は、区民の負担増や削減に当たるわけですので、それは反映されていますけれども、78億円削ったと言われる中の20億円の投資的経費の削減は事実として見出すことができません。繰り返しになりますが、13年度の投資的経費は370億円と、減るどころか、投資的経費200億円が出発の目標で、そこを基準にしても170億円もふえている。区民施策を削って、人件費を削ったら、合計が58億円ですから、差し引きしますと112億円、これの歳出増が事実の結果であります。
 この原因は何かというと、財政健全化計画を実施したけれども、財政健全化計画の正体は区民施策の削減で、こういったことには強力に作用する。それがねらいの計画で、投資的経費は机上の削減に済ませるものだったということが明らかになります。結局、この失敗の根本原因は、鈴木区長の区民施策は大幅に切り下げるけれども、投資的経費の増大にはブレーキがかけられないという区民生活軽視、開発優先の行財政運営にあると思います。
 以上の指摘をさせていただきまして、私の質問を終わります。大変ありがとうございました。