| 5、意見書等 |
| 【可決された意見書】 |
| ヒートアイランド対策の推進と税制上の軽減措置等を求める意見書 |
| 近年、都市部の気温が郊外より高くなるヒートアイランド現象が進行している。同現象の影響として、夏季期間における熱帯夜の増加や集中豪雨の頻発、都市の乾燥化、冬季期間における大気汚染の助長などの環境異変がある。 ヒートアイランド現象の具体的要因としては、冷暖房機器の排熱量の増加、緑地部の減少に伴う地表面及び植物からの水分の蒸発量の減少、高層建物の集中に伴って起こる多重反射による加熱、アスファルトによる道路舗装など、都市を構成する物質による地表面の熱吸収の増加などがあげられる。 これらヒートアイランド現象の要因に対しては、これまでも、各種の対策が関係省庁や地方公共団体等で実施されてきているが、根本的な解決策となっているとは言い難い。 よって足立区議会は国会及び政府に対し、早急にヒートアイランド現象の研究、調査及び分析を進め、そのメカニズムを解明するとともに、ヒートアイランド現象緩和のために必要な次の措置等を講ずるよう強く求めるものである。 記 一、都市緑地の保全、創出及び再生につながる土地の相続税などについて、税制上の軽減措置を講じること 一、地方公共団体が取得及び整備する緑地に対する補助枠、補助対象の拡大をはじめ保全緑地の公有化に係る譲渡所得の特別控除額の引き上げ及び緑地奨励金の非課税措置を講じること 一、屋上及び壁面緑化等、地方公共団体が緑化推進のために行う事業に対する国の支援策を講じること 一、ビル等における省エネルギーや環境保全対策を強化するとともに、人工排熱の低減及び再利用対策についても本格的な措置等を講じること 一、中小河川や水路等水辺の保全、創出を図るとともに、透水性や保水性のある舗装の普及を推進すること 右、地方自治法第九十九条の規定により、意見書を提出する。 平成十四年十月二十一日 足立区議会議長 鈴 木 進 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 財務大臣 国土交通大臣 環境大臣 あ て |
| 介護保険制度の拡充を求める意見書 |
| 介護保険制度は、本年で三年目を迎えたが、介護サービス利用者の着実な増加が示すように、制度の普及と発展が見られる反面、当初懸念されたような問題をはじめ想定外の諸問題などが浮き彫りになりつつある。 最近の介護保険に関する各種調査や、地方自治体及び民間介護保険事業者等の意見や要望から明らかになりつつある問題点とは、次のように要約される。 介護保険利用者の施設志向がより顕著になっており、特別養護老人ホーム等への入所希望者及び入所待機者が激増している。その結果、老人保健施設の「特養化」が進行し、各施設の役割の混在や機能の不明確化が進んでいる。施設志向の激増の理由は、要介護者の増加、医療機関からの移動及び介護保険利用の権利意識の向上等があるが、基本的には施設介護と在宅介護とのコストや負担の格差によるものと考えられる。 また、在宅サービスでは、ショートステイや訪問リハビリの供給不足が目立ち、数箇月前からの予約が必要であり、緊急入所も困難な状況にある。 地方自治体においては、次期介護保険事業計画策定に向けて慎重な検討が重ねられているが、国に対し低所得者対策や介護予防事業の強化・充実を求める要望が多い。 よって、足立区議会は国会及び政府に対し、次の事項についての施策の確立を強く求めるものである。 記 一、施設の質を確保しつつ、既存施設及び各種新型施設の整備を促進すること 一、在宅介護の充実と家族介護の負担軽減を図り、在宅介護報酬の改善や過疎地等への特別加算の引き上げ等を図ること、特にショートステイ及び訪問リハビリ体制が充実されるような介護報酬とし、また人材養成を強力に進めること 一、介護予防の充実を図るとともに、一部の訪問介護利用料が三%となっている軽減策(平成十六年度末まで)を含め、利用料の十%一律負担から、所得に応じた段階的負担にするなど、低所得者の負担軽減の抜本策を講じ、そのための国の助成策を講じること 一、国庫負担分の二十五%のうち調整費五%を別枠化し、全体として三十%に拡大すること一、要介護認定の更新期間を六箇月から一年に延期するなど、制度の効率化を推進すること 右、地方自治法第九十九条の規定により、意見書を提出する。 平成十四年十月二十一日 足立区議会議長 鈴 木 進 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 厚生労働大臣 あ て |
| 安全で快適な学校施設への改善に関する意見書 |
| 学校施設は児童、生徒の大切な学び舎であるとともに、災害時における住民の避難所等に指定されているなど、地域の貴重な防災拠点にもなっている。 阪神淡路大震災においては、建築基準法の耐震基準が強化された昭和五十六年以前に建てられた建築物の被害が多く目立った。 文部科学省が今年七月末にまとめた「公立小中学校施設の耐震改修状況調査結果」によると、約六十六%(約八万八千棟)が昭和五十六年以前に建てられたものであり、このうち約七十%が耐震診断を行っておらず、また耐震診断を実施した三十%弱のうち、約二万棟が耐震性に問題があるとされた。さらに、公立小中学校施設の推定耐震化率は約五十七%に過ぎず、築二十年以上の施設が全体の約六十五%を占めるなど、老朽化も深刻な状況となっている。子どもたちの安全や防災拠点としての安全性を確保する観点からも、耐震化の補強工事等は早急に行わなければならないが、多くの地方自治体では公立学校施設の耐震化工事は財政上の理由により進んでいない状況にある。 また、昨今のヒートアイランド現象等により、夏季期間の教室内の温度は異常な程までに上昇しており、快適な学習環境も確保されていない状況もある。文部科学省が冷房化補助事業を開始するとの報道もなされたところであるが、冷房装置の設置をはじめ、教室内の環境改善もまた喫緊の課題である。 よって足立区議会は国会及び政府に対し、学校施設耐震化並びに冷房装置設置など教室内の環境改善について必要な措置をはじめ、そのための予算を最優先して確保することを強く求めるものである。 右、地方自治法第九十九条の規定により、意見書を提出する。 平成十四年十月二十一日 足立区議会議長 鈴 木 進 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 文部科学大臣 あて |
| 奨学金制度の拡充を求める意見書 |
| 長引く不況によるリストラや給与削減などにより、所得の喪失や大幅減少などを強いられている世帯が数多く発生している。そのため、高校・大学の中退や、進学の断念を余儀なくされる学生が、ここ数年急増している。 日本育英会の奨学金制度の利用者は、平成十年度の約四十九万九千人から十四年度には七十九万七千人と大幅に増加している。 平成十一年四月に創設された有利子奨学金「きぼう21プラン」の貸与人数枠も、旧制度の平成十年度に比べ十四年度は約四倍の三十九万二千人まで拡大している。また保護者の失職や死亡、事故などによる家計の急変があった場合に貸し付ける「緊急採用奨学金制度」(無利子)も年間約一万人の利用に備え、随時申し込みができるようになるなど、制度面の一定の充実は図られている。 しかしながら、大学生総数の約二倍規模の奨学金提供がある英国や、国と民間が多種多様な奨学金を手厚く提供している米国等に比較すると、我が国の奨学金制度は、不十分な面もあり、より一層の充実が求められている。 よって、足立区議会は国会及び政府に対し、就学環境の整備とその充実を図るため、次の事項の早期実現を強く求めるものである。 記 一、大学、短期大学、専修学校(専門学校)生等への奨学金制度(特に無利子)を拡充すること 一、高校、専修学校(専門学校)、大学等への進学時の入学資金を、奨学金の対象とする制度を創設すること 一、海外留学希望者への奨学金制度を創設すること 一、留学生・就学生の学習奨励費の拡充に努めること 右、地方自治法第九十九条の規定により、意見書を提出する。 平成十四年十月二十一日 足立区議会議長 鈴 木 進 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 文部科学大臣 あて |
| 食品品質表示制度等、食品の安全確保を求める意見書 |
| 本年一月の雪印食品の食肉偽装事件に始まる、我が国有数の食品企業の食品表示偽装事件が次々と発覚している。これらの表示偽装事件の多発は、食品の安全や品質に対する国民の信頼を失墜させ、深刻な問題となっている。 また、中国産冷凍輸入ほうれん草から、有機リン系殺虫剤であるクロルピリホスなど、安全基準の二百五十倍もの数値の残留農薬が検出された。さらに輸入健康食品による死亡事件等の健康被害問題が大きな社会問題になっている。 現在、食品の表示と監視は、食品衛生法、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)等の複数の法律に規定されているが、それぞれ目的が異なっているため、十分な連携がなく、同じ表示項目に異なる用語が使われるなど、消費者及び事業者双方にとって分かりにくいものとなっている。 食品は国民の生命と健康の維持に不可欠であり、その安全性の確保は喫緊の課題である。政府においては、これまでの生産者優先の行政を深刻に反省し、国民優先・消費者優先の食品安全行政を確立する必要がある。特に、食品表示については、消費者が食品を選択する唯一の手段であることから、このような虚偽表示が今後二度と行われないよう、国として抜本策を講じるべきである。よって、足立区議会は国会及び政府に対し、次の事項の早期実現を強く求めるものである。 記 一、食品の安全性確保に関する包括法を早期に制定し、食品の安全性強化と信頼できる表示制度の確立等を図ること 一、内閣府設置予定の「食品安全委員会(仮称)」においては、国民・消費者の代表を必ず参加させるとともに、各省庁の連携と必要な予算の確保を図ること 一、食品衛生法に基づく残留基準が未設定の農薬及び食品添加物等について早急に残留基準値を設定するとともに、消費者の視点に立った一層の監視体制の強化を図ること 一、健康被害の原因となる輸入食品や、禁止農薬等を使用した輸入食品の水際でのチェック体制を強化するとともに、輸出国に対し是正措置を求めること 一、原産地表示の徹底や不正表示に対する罰則の強化を図るとともに、品質保持期限と賞味期限の表示など、国民に分かりにくい表示等の是正を行うこと 右、地方自治法第九十九条の規定により、意見書を提出する。 平成十四年十月二十一日 足立区議会議長 鈴 木 進 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 厚生労働大臣 農林水産大臣 経済産業大臣 食品安全委員会(仮称)等担当大臣 あて |
| 乳幼児医療費助成制度の拡充を求める意見書 |
| 乳幼児を育てる家庭にとっては、とりわけ厳しさを増した経済環境の中にあって、子どもの医療費が経済的な負担を大きくしている。このことは、少子化の大きな一因としてあげられており、この度の健康保険制度の改正においても、三歳未満の乳幼児については、特に配慮されたものとなっている。地域社会にとって子育て世代への支援は、緊急な課題となっている。 昨年六月の参議院本会議において、「乳幼児医療費の国庫助成等出産・育児にかかる経済的負担の軽減」等について、「重点的に取り組むべきである。」とし、「少子化対策推進に関する決議」がされている。 現在、当区では子育てを支援する施策として、乳幼児医療費助成制度を創設し、医療費の保護者負担軽減を行っている。また、さまざまな分野においても幅広い事業を展開している。 しかしながら、東京都の乳幼児医療費助成制度では、対象年齢が六歳就学前までに拡充されてはいるものの、所得制限を設けているため、当区の財政負担は、大きなものとなっている。また、各区においては独自の保護者負担軽減等を行っているため、自治体間の格差が生じてしまっている。安心して子育てができるよう、環境整備を東京都全体で進め、子育てに希望を持つことができる社会にすることが求められている。 よって、足立区議会は東京都に対し、乳幼児医療費助成制度の所得制限の撤廃を強く求めるものである。 右、地方自治法第九十九条の規定により、意見書を提出する。 平成十四年十月二十一日 足立区議会議長 鈴 木 進 東京都知事 あて |