| 1 、本会議質問 ◎代表質問 鈴木けんいち議員 |
| ○鈴木けんいち議員 私は、日本共産党足立区議団を代表して、区長の政治姿勢を初め、区政の重要課題について質問いたします。 9月の日朝首脳会談で国交正常化に向けての話し合いを再開することが合意され、それとともに、拉致被害者の痛ましい実態が明るみに出ました。我が党は、北朝鮮が拉致の事実を明らかにしたことについて、問題の真相解明への重要な一歩であるが、事実が認められたというだけで済まされるものではないと、厳しい抗議の態度を表明しました。そして、真相の全面的な解明とともに、責任者の厳正な処罰、被害者への謝罪と補償を求めてきました。これは、北朝鮮による日本人拉致疑惑を、国会で初めてまとまった形で提起し、政府に認めさせた党として、また、拉致問題を解決する道理ある方法を国会で提案してきた党として当然のことでした。 同時に、この問題を正しく解決するためにも、国交回復に向けた話し合いを再開したことは大きな意義があり、今後も話し合いを継続することが必要です。そして、理性と人道に基づく解決のため、力を合わせることが大切と考えます。 さて、アメリカによるイラク攻撃をやめさせ、戦争を回避させることができるかどうかは、世界の最大の焦点となっています。国連の安保理決議1441の最大の意義は、アメリカの自動攻撃のねらいを断ち切り、国連の枠組みの中で問題を平和的に解決する可能性をつくり出したことです。しかし、アメリカは、ブッシュ大統領を初め政権首脳が「安保理決議はアメリカの手を縛るものではない」などと言明し、国連憲章も、みずからも賛成した安保理決議の手続きをも無視したイラク攻撃の姿勢を変えていません。 小泉首相は国会で、我が党志位委員長の質問に答えて、「戦争によらない解決のため外交努力を進める」と述べました。私は、政府がこの立場を厳格に貫くとともに、一歩進めてイラク攻撃反対と明言することは、戦争を回避し平和的に解決を図る上で、極めて大きな意義を持つものと考えます。 足立区は平和と安全の都市宣言をし、人間の安全を脅かす一切の脅威から各個人を守ると表明しました。この立場から、区長は国に対し、アメリカによるイラク攻撃反対、攻撃行動への協力拒否の言明を求める考えはないか、まず、お伺いをいたします。 次に、自治体の役割は、地方自治法にも明記されているように、住民の福祉の増進を図ることにあります。 吉田前区政は、この立場から区民の暮らし第一の区政を掲げ、区の財政は厳しいが、それにも増して区民の生活と営業は厳しいと、不況の荒波から暮らしと営業を守り支援することを重視して区政運営を行いました。 子育てをするなら足立区がいいね、また老人介護は足立区を見習ってと言われるようになったのは、偶然ではありません。あわせて吉田前区政は、新たな借金を減らし、返済額と逆転させて、財政再建のレールを敷いたのであります。 ところが、鈴木区政は、就任早々の99年11月、財政健全化計画で区民負担の増加や区民施策の切り捨てで財源を生み出す一方、大型事業は廃止ではなくて、単なる先送りで復活ができる仕組みをつくりました。そして、この計画に基づき保育料の36%値上げ、各種使用料・手数料の一斉値上げなどが開始されたのであります。 さらに、鈴木区政は、構造改革の名で区立幼稚園の2園廃止、学校統廃合の強行、学童擁護員制度の廃止、老人クラブ助成の4割カット、生業資金貸し付けを非課税世帯に限定、区民健康診断も制限、学童保育保護者負担金を値上げ、社会教育団体の施設使用料は有料化と、区民の暮らしを痛めつけて財源を絞り出しました。 翻って大型開発事業経費が多くを占める投資的経費は、2001年度370億円となり、鈴木区政がみずから示した年間180億円に抑えるという目標の2倍以上にふえました。こうした財政運営のもとで、区の借金である起債残高は増大しており、現在だけでなく、将来に向けても区民に痛みを背負わせる道を歩んでいると言わざるを得ません。 鈴木区長は9月の議会で、構造改革は先憂後楽、つまり、いま我慢することによって、後々いいことが来ると述べていますが、区民は痛みっ放しの状態です。苦しむ区民に追い打ちをかけるこうした姿勢を改め、区民の暮らしを守るという自治体本来の立場に立った区政運営に転換すべきと思いますがどうか、答弁を求めます。 不況の深刻化、国や都の社会保障の改悪が進む中、区民の生活は一層厳しさを増しています。国や都の失政は明らかですが、こういうときこそ一番身近な区政は区民を支える施策を講じるべきと考えます。私は、その立場から、区が急いで年度内補正予算や新年度予算の編成に反映させるべき課題を提案します。 第1に、政府の後押しを受けた大企業のリストラの横行、生活破壊の構造改革のもとで、10月の男性の完全失業率は過去最悪を更新して5.9%になるなど、失業は増大、賃金は下がる一方で、生活基盤そのものが崩壊しつつあります。 都心のある自動車メーカーの下請企業に勤めている男性は、10月から残業代は全額カットという名目で一気に6万円賃金がダウンしました。別の37歳の男性は、コンピューター関係派遣会社に勤めていましたが、10月いっぱいで退職を迫られ、やめざるを得ませんでした。どちらも、子どもがいるのにどうしようと、途方に暮れています。そして、この離職した37歳の男性を含め、完全失業者の8割は雇用保険の失業給付を受けられていません。 そこで質問ですが、パソコン研修講座の開催、各種環境調査の実施、教育や福祉の分野での労働など、必要とされる業務はたくさんあります。他の自治体でも行っているように、自治体独自の雇用対策を創設して働く場の確保を進めるべきと思うがどうか。また、緊急地域雇用創出特別交付金事業の活用を一層図り、雇用の拡大に努めるべきと思うがどうか、答弁を求めます。 小学生の登下校の安全を守るための学童誘導員を配置してほしいとの要望が各所から寄せられています。もう危険ではないからと、学童誘導員が配置されなくなった学校では、親が会社を休んで安全誘導に当たっています。しかし、本当に危険でないなら、どうして会社を休んでまで立つのでしょうか。往来の激しい道路であっても、学校やPTAの善意に頼らなければ危険が回避されないとは、自治体の役割を投げ捨てているものです。学童擁護員制度を廃止したこと自体が許されないことであり、復活すべきでありますが、当面、緊急にシルバー人材センターへの学童擁護業務の委託をふやし、雇用の拡大にも役立てるべきと思いますがどうでしょうか。 11月28日発表の高校生就職内定率調査では、昨年よりさらに2ポイント余り下がって51.9%と、過去最悪を更新しました。急激に収入が減ったり、子どもの就職の見通しが立たない家庭への対応も必要です。区の応急小口資金貸付制度を、例えば倒産による短期の生活費や私立高校授業料の滞納世帯を貸し付け対象に加え、返済についても就職してから返済する仕組みにするなど、区長特認事項を改善する考えはないか。また、区が社会福祉協議会の離職者支援資金の3%の利子を補給し、利子の本人負担をなくすなどして、倒産、失業などによる困窮世帯が実際に借りやすくすべきと思うがどうか、答弁を求めます。 第2に、中小企業と商店の支援も緊急に求められています。 足立区内共通商品券の普及は商業活性化に効果的で、これまでも商業支援策として、区からプレミアム分への助成が行われてきました。これをもっと生かす視点から見ると、券をもらってもなかなか使い切れていない現状があります。近くに取扱店がないとか、買い物をしたい店が取扱店になっていないことが、その要因の一つになっていると思います。まだ取扱店になっていない商店へのPRや、登録料を補助するなどして、取扱店数をふやすとともに、我が町の取扱店マップなどで一層区民へのお知らせを図ってはどうか。 都は、元気を出せ商店街事業助成を今年度をもって終了するとしています。この助成事業を活用する商店街はふえる傾向にあり、また、毎年活用する商店街も多く、この事業を継続してほしいとの声が上がっています。こうした助成事業は継続し、助成率も引き下げることのないよう都に求めるべきと思うがどうか。また、廃止や切り下げの場合は、区が補って商店街を支援すべきと思うがどうか、答弁を求めます。 今年度凍結され、予算額ゼロとされていた住宅改良助成事業が復活することになりました。区民の強い要望と、我が党の主張を反映したものであり、当然とはいえ歓迎するものです。しかし、耐震診断を助成の対象に加える点を除けば、住宅政策の観点から見直すという理由で、バリアフリーや家族構成の変化に起因する改良に対象を限定し、助成限度額も44万円から30万円に減らし縮小されるものとなっています。 我が党は、バリアフリーや家族構成に起因する改良を否定するものではありませんが、何もこれまで行われてきた住宅の一般修繕、外壁の塗装、給排水設備の改善、マンションの大規模修繕への助成をやめる必要はありません。 そもそも、区の住宅政策の基本方針である足立区第二次住宅マスタープランでは、住宅政策の課題の中で、区における住宅政策はそのまままちづくり政策であるともいえると述べ、また、行政の役割のところでは、これまで以上にきめ細かな都市の基盤整備やまちづくり、あるいは景観形成の推進、コミュニティー形成の支援や行政サービスによって居住環境の一層の付加価値を高めと述べています。 この観点からいっても、住宅改良助成事業は、縮小どころか、一層拡充すべきことは明らかです。対象を現在のように戻すとともに、区内業者による施工の場合には自己資金による改良でも助成が受けられるように改善し、年度内前倒しで実施して、住宅政策の推進とともに、区内業者支援の一助とすべきと思うがどうか、伺います。 ある金属加工業者は、7月から途絶えた仕事がまた10月から入り始めたが、融資枠がいっぱいで当面の資金繰りができないと苦悩しています。区の制度融資の融資枠の拡大で追い貸しを可能にしたり、小規模特別資金の8%条項の緩和を早く行って融資対象を広げるべきと思うがどうか、答弁を求めます。 第3に、医療費の値上げ、介護利用料の負担が高齢者とその家族を直撃し、その上、来年度から高齢者福祉手当が完全廃止となります。72歳の入退院を繰り返している中央本町の男性は──この男性はけさ入院したと連絡がありました──これまでもつつましく生活してきたが、10月から通院で1万円以上かかるようになり、さらに切り詰めている。この上入院になったらどうしようかと不安な日々を送っています。 我が党は既にこの9月、第1回区民アンケートに基づく緊急要望として、入院または要介護状態に陥った高齢者に対し、本人またはその家族に(仮称)高齢者激励見舞金を支給するよう区長に申し入れをしたところです。都区財政調整交付金の算定残や契約差金その他、区民生活を支える立場に立つなら、財源とできるものは多々あります。これらの施策が実施できるかどうかは、区長の政治姿勢にかかっていると言わざるを得ませんが、入院または要介護状態に陥った高齢者に対し、本人またはその家族に(仮称)高齢者激励見舞金を支給し、支援すべきと思うがどうか、答弁を求めます。 次に、介護保険に関連して伺います。 そもそも介護保険制度は、介護を社会全体で支え、利用者の希望を尊重した総合的なサービスが安心して受けられる仕組みをつくろうとするものでした。我が党は、介護保険はどうあるべきかを一貫して追求し、欠陥を明らかにするとともに、改善の提案を行ってきました。 こうした指摘と改善の提案に対して、鈴木区政与党は、例えば保険料の低所得者減免策は制度の根幹を破壊しかねないと、反対討論まで行って否定。鈴木区政自身も最後の一区になってもやらないと公言し、背を向けてきました。しかし、改善を求める区民の運動と結んだ我が党の提案で、鈴木区長は本年10月、地域保健福祉推進協議会に介護保険料の見直しに当たり、生活困難者対策を行っていきたいと諮問する立場に変わりました。また、鈴木区政与党も保険料軽減策について、生活困難者に配慮した保険料の設定を求める発言に変わってきました。 介護保険制度の不十分さを認め改善の必要性を求める立場が、我が党だけでなく、すべての会派共通の議会世論となってきたのであります。この立場は10月の区議会で採択された国会及び政府に対する意見書にも反映されました。私は、こうした共通の認識を土台に、区が国に改善を求めるだけでなく、区でできることは独自に取り組むよう求めて質問します。 1つは、とりわけ入所希望者が多く待機者の多い特養ホームの建設を促進することです。民間事業者任せにせず、区有地の活用なども考慮して進めるべきと思うがどうか。 2つ目は、希望した日に入れないと苦情の多いショートステイや、サービスを受けた人の満足度が高く身体機能回復効果も高いが、供給体制が著しく不足している訪問リハビリについても、独自に整備を進めるべきと思うがどうか。 3つ目は、低所得者で介護保険実施前から利用していた方は、現在、訪問介護利用料が3%に軽減され喜ばれていますが、厚生労働省から6%負担にする方向が示されています。このことについては、区議会として全会一致で利用料の10%一律負担から所得に応じた段階的負担にするなど、低所得者の負担軽減の抜本策を講じるよう、国への意見書も採択されています。この議会の意思を受けとめ、国が住民負担軽減へ動くまでの間、区が負担してでも区民負担をふやさないようにするとともに、新規利用者も含めて3%にすべきと思うがどうか、以上、答弁を求めます。 保険料についても伺います。 介護保険事業計画の見直しに向けて、5カ所に分かれて開かれた説明会、公聴会は、わずか2週間前に1回広報に掲載したのみで、各会場200名から300名の定員に対し、10名から20名余の参加にとどまりました。区民の声を聞くという姿勢に欠ける鈴木区政の姿を示したものと言わざるを得ません。本来、介護保険への関心、要望は大変強く、そのことは公聴会で多くの切実な要望意見が出されたことからも明らかです。この貴重な区民の声を生かすことが大切です。 我が党は介護保険事業計画見直しに当たっての提言を9月に提出していますが、特に保険料については介護保険の制度設計の欠陥を補い、また区民の生活実態に沿った見直しということで、区長公約どおり値下げし、生活困難者には免除または減額を行うことを提案しています。 公聴会会場では、保険料に関して70代の女性が、2カ月で私が4,800円、夫も4,800円、合わせて1万円近くが年金から引かれますと述べました。そして、10月からは病院も1万円近く持っていかないと心配で、その上介護を受けるようになったら利用料も払わなければいけないというのではとても困ります、と訴えました。別の会場では、保険料の軽減は申請ではなく、所得などで区は対象がわかるのだから、それでやってもらいたいとの要望も出されました。 介護保険専門部会の答申はありますが、決定するのは区です。少なくても保険者として、生活困難者の負担軽減策は申請しなくても適用されるようにすることが必要ではないでしょうか。この点では、答申された軽減策は、世帯の収入だけでなく預貯金も対象となっているため、区の試算でも第2段階の対象者は2万2,000人もいるのに……。 〔発言する者あり〕 ○鈴木 進議長 お静かに願います。 ○鈴木けんいち議員 対象者は2万2,000人もいるのに、実際に減額の対象となるのは約1割の人だけです。9割の方が排除されています。預貯金の通帳を持って申請しなければなりませんから、せっかく創設される軽減策も多くの区民が受けにくくなっています。介護保険の負担で苦しむ区民を救うためには、一般会計は絶対に使わないことにこだわっているためです。既に介護会計から2年間で15億円も一般会計に戻しているではありませんか。一般財源投入も視野に入れ、区民の願いを取り入れた保険料設定にすべきと思うがどうか、答弁を求めます。 次に、旧本庁舎跡利用について質問します。 区民の大事な財産である区有地の利用は、あくまで区民全体の利益と要望に合致し、区民の合意が何よりも求められると考えます。区民が選んだ吉田前区政は、ホテル計画を撤回し、区民の要望や意見をもとに新たな計画づくり進めました。そして、区民要望と地元のにぎわいという二つの視点から、産業振興センターを重視しました。いま産業の振興は緊急の課題となっており、旧区役所跡にどのような産業振興センターをつくるのかは、ますます重要性を増しています。 我が党は、産業振興は区政の重要な柱の一つであり、そのための中核施設として、区の整備計画にあるように、産業振興センターを旧区役所跡利用の中心に位置づけるべきとの立場から、足立区の産業振興センターのあるべき姿を提案いたします。 まず、産業振興策の重要性、その中での産業振興センターの位置づけについては、区の条例や答申、報告にも示されています。足立区産業振興基本条例は、第1条で足立区の産業で重要な地位を占める中小企業者、小規模企業者の振興をうたい、95年8月の(仮称)産業振興センターについての報告では、支援機能を足立区商工センター基本構想策定委員会の答申(87年12月)を尊重して導入するとしています。この95年8月の報告は、産業振興センターの基本的な考え方について参考になり、99年にも再度引用されています。そこには、産業振興課及び(株)足立都市活性化センターを初め、東京商工会議所足立支部、商業会、工業会を代表する組織など、区内産業の核となっている各機関を集中させることで、区内産業振興の中心的施設とすると述べられていますが、これはいまにも生きる考え方です。 長野県坂城町は、10数年前までは一般にはほとんど名も知られない山村でしたが、ここ数年、高度技術と創造的新産業の町として注目されるようになりました。その背景に、中小企業の経営の近代化及び経営基盤の強化を図る産業振興センター「さかきテクノセンター」がつくられ、技術相談、指導や商工会と連携した経営相談、指導などが充実したことが上げられます。町商工課では、墨田区の中小企業センターも参考にし、特に多い小零細事業者の人たちのよりどころとなるよう、よく話し合ってつくり、不況の中でも産業活性化の原動力となっていると述べています。また、大阪市の産業創造館には、市の企業支援課と金融課が置かれるとともに、信用保証協会が入っています。 区の産業振興に関する課を丸ごと入れることや、区内産業界を代表する組織、また信用保証協会も入れるなどして、中核、中心の機能を持たせ、区内中小零細企業、業者を全力で支援する立場に立つべきと思うがどうか、お伺いをいたします。 次に、産業振興センターは、そこへ行けば何でも解決できるという支援機能の充実と、使い勝手のよさが求められると思います。融資に関して言えば、このセンター1カ所で経営相談ができるとともに、あらゆる種類の融資がそろい、信用保証協会も施設内にあることは業者の便宜を図ることになります。また、自治体が産業振興策を展開する上で、データベースがないことは論外に属すると、中小企業政策の専門家は指摘していす。坂城町でも大阪市でも、また墨田区でも、中小業者のここをこう支援するという明確な目標を持って機能の充実を図っているのも特徴です。情報、資料の収集、提供や会議、研修、異業種との交流の場、商売や事業にこんなに役に立つという機能が備わっていることが必要です。開業、創業支援から、融資、商談、ビジネスセンターや廃業相談まで、とことん利用、支援できる機能、足立区に多い、皮、金属、家具、建設産業などに関する技術研究、開発、研修機能を持たせるべきと思うがどうか、お伺いをいたします。 にぎわいの創出、千住の回遊性のポイントとなる点もどうしても必要です。神戸市北野工房のまちは、震災で閉校となった北野小学校跡地を活用してつくられましたが、お菓子、地ビール、靴、和紙など、すべてが手づくりで、来館者も製作ができるという体験型工房です。予想を上回る年間80万人が訪れ、神戸の生活文化の振興につながるオリジナルな商品・サービスを提供するとともに、年間6億円の売り上げとなっています。 松尾芭蕉ゆかりの地であり、千住宿跡という立地も生かして、足立区郷土歴史文化コーナーを設置し、あだちブランドづくりや観光資源の発掘に連動させること、さらに区内の工業、商業、農業生産物の展示即売会などもできる機能を持たせるのも欠かせないと思うがどうか、お伺いをいたします。 いま、鈴木区政のもとで進められている計画は、第1に、複数の民間企業に利用計画案を提出させ、その中の一つを最優秀案に決定したもので、そのどの段階でも区民の意見をもとにすることはありませんでした。いずれにしても、区民の声を聞くことが必要と考えます。 第2に、この計画は官民パートナーシップという事業手法で、区有地に定期借地権を50年間設定して民間企業に貸し出し、そこで収益事業を行わせるというものです。区は施設の一部である産業振興センターを公共施設として買い取りますが、施設の中心的収益事業は番組制作を初めとする映像産業です。その集客力は1日わずか63人で地元のにぎわいにもならず、その上、20年後の事業見通しもわからないとされています。区はこの企業と50年間運命共同体で、この企業が撤退または倒産という事態に至れば、区がその後の費用負担を負う危険を伴うものです。 第3に、区は施設全体を(仮称)新産業振興センターとしていますが、中身は8割以上が民間事業者の営利目的の施設で、公共施設は1割ちょっと程度、とても全体が産業振興センターといえるようなものではありません。しかも、このわずかな公共施設があるのを理由に、民間事業者に権利金、保証金はゼロ、地代は時価の半値で貸すという、大企業には至れり尽くせりの優遇計画。 第4に、肝心の産業振興センターは民間施設の中に無理やり押し込められた形で、区内中小企業の支援機能は極めて不十分。何のための公共施設かもわからないほどです。 区民が望む施設でもなく、地元のにぎわいにもならない計画は撤回し、改めて区民要望の集約を図るべきと思うがどうか、答弁を求めて、この場からの質問を終わります。 ○鈴木 進議長 鈴木恒年区長。 〔鈴木恒年区長登壇〕 ○鈴木恒年区長 鈴木けんいち議員の代表質問にお答えいたします。 私としては、前区長の残した区財政の赤字体質から早急に脱却し、財政体質の強化に努めることが、区民の皆様に安定したサービスを提供するための第一歩と考え、さまざまな検討を重ねながら区政運営に取り組んでまいりました。その結果、実質単年度収支が黒字に転じるなど、財政の健全化が図れたことはご案内のとおりであります。 その上で、子育て支援の拠点としてこども家庭支援センターを開設するとともに、全国初の認証保育所を開設いたしました。学童保育室につきましても、可能な限り増設を行い、待機児童の解消に努めてまいりました。 また、全小中学校に開かれた学校づくり推進協議会を設けまして、地域と学校の信頼関係を築き、いじめや不登校のない学校づくりを目指しております。 安全に住める防災・環境まちづくりでは、木造密集地への建てかえ支援を実施し、災害に強いまちづくりを進めております。 生活者にやさしいまちづくりでは、コミュニティバスの運行を平成12年度からスタートさせ、13年度には一路線を加えて今後も順次拡大していく予定であります。 これらは、これまで私が進めてきた事業のほんの一例にすぎませんが、どのような施策も財源の裏づけがなくては実現できるものではなく、今後も構造改革を着実に進めながら、住民福祉の増進に努めてまいりたいと考えております。 他のご質問につきましては、参与から答弁をいたさせます。 ○角田 公総務部長 イラクに対するアメリカの対応についてのご質問にお答え申し上げます。 世界の平和と安全の脅威をなくすために、イラクの核兵器関連や生物・化学兵器などに対する査察が国連によって行われております。この結果により、世界がイラクに対してどのような制裁措置を実施するのかが決まることと思っております。 こうした状況もございますので、現時点でアメリカによるイラク攻撃を前提といたしました発言は、差し控えさせていただきたいと思います。今後の推移を十分に見守っていきたいと考えております。 ○坂本寛文産業経済部長 私からは、雇用対策、庁舎跡利用、ほかのご質問にお答えをいたします。 まず、働く場の確保についてでございますが、杉崎せいじ議員にもお答えいたしましたとおり、区では国や都と連携しながら、雇用対策の充実に努めております。 まず、来年1月を目途に、国の高年齢者就業相談室を庁舎北館2階に誘致いたします。また、マイタウンあだち就職面接会の実施や、今月19、20日に開催するあだちワークフェアの実施など、求人求職のマッチングをさらに推進してまいります。 次に、ご質問の緊急地域雇用創出特別補助金につきましては、これまでも積極的な活用を図るべく全庁的に努めてまいりました。第一次補正予算に続き、今回の補正予算においても、砂場清掃委託やトイレ美化点検委託などの事業について追加計上を行っており、平成14年度中に17事業を実施いたします。 また、今後国の補正予算においても、雇用のセーフティネット整備の一環として、本補助事業の活用が検討されておりまして、区としも区内雇用の創出のために積極的に取り組んでまいります。 次に、区内共通商品券についてでございますが、区内共通商品券の取扱店については、区民の利便性の向上を図るため、昨年よりコンビニエンスストアーを初め、理美容、クリーニング組合、浴場組合等へ加入の勧奨をしてまいりました。このことにより340店舗増加し、現在3,282店舗で利用することができます。今後とも利用店の拡充について努力をしてまいります。 取扱店の周知については、既に区内共通商品券取扱店名簿を作成しておりますので、ご提案のわが町の取扱店マップについては、作成する考えはありません。 次に、都の補助事業である元気を出せ商店街事業助成については、ご指摘のとおり、都から事業の再編整備が区長会に提案されております。しかし、いまだ区側の意見がまとまっておりません。また、都の補助事業が廃止、または補助率の切り下げが行われた場合に、財政面や事業の優先順位の見地から、そのすべてを区が補っていくべきであるとは理解しておりません。 次に、融資枠の拡大及び融資条件の緩和についてお答えをいたします。 現在、区の制度融資はほとんどが追い貸し可能となっております。融資枠の拡大につきましては、平均融資額が年々減少の傾向にあり、今後も現行の融資限度額で対応できるものと考えております。 各融資制度の要件緩和、対象者拡大等のご要望につきましては、15年度予算要望として各会派よりいただいているところでございます。小規模特別資金につきましては、これまで景気悪化対策として、売り上げの減少した事業者のみを対象としておりましたが、景気の低迷が長期化していることから、より経営基盤の弱い個人、零細事業者の支援策としての位置づけを強化する必要があると考えておりますので、今後検討してまいります。 次に、旧本庁舎跡利用について答弁をいたします。 初めに、この施設の位置づけ及び機能について一括してお答えいたします。 旧本庁舎跡地の事業計画については、地域のにぎわい創出、産業振興及び経済活性化を図ることを目的として、公共施設を含む施設全体を(仮称)あだち新産業振興センターと位置づけております。ここには区の産業振興センター担当組織や東京商工会議所足立支部など、産業振興を所管する組織が入り、区内産業振興の中心的施設としていく考えでございます。 なお、信用保証協会は、本施設の近傍に位置しており、配置する考えはありません。 また、資料や情報端末を置いた産業情報室や創業、経営、技術など、さまざまな相談を受ける相談室を設置して、企業への支援機能を充実させてまいります。 さらに、区内産業団体や企業の交流の場として利用していただくための、会議室や交流室を設置し、交流機能を持つ施設として計画しております。 次に、イベント展示ホールや十八番市場は、多数の区民利用、区民参加が期待できる施設であり、にぎわいを創出し、回遊性を生み出すことができると考えております。なお、足立区郷土歴史文化コーナー設置につきましては、事業の趣旨から庁舎跡地に設置する考えはありません。 また、工業、商業、農業生産物の展示即売会についてのお尋ねでございますが、この施設は当初から展示即売もできる多目的機能を備えております。 次に、区民の声を聞いていないというご指摘でございますが、今回の計画は、あらかじめ事業の基本構想を定めた上、広く民間からの提案を求め、それら提案の中から最も基本構想の趣旨にふさわしい提案を選択するという考え方で行われたものです。多数の提案をいただきましたので、第一次審査で4案に絞り、その段階で区民の皆様のご意見を伺うこととしたものであります。4案につきましては、延べ5回にわたり地元説明を行いご意見をいただいたところです。 また同時に、区広報に2回にわたり4案の内容を掲載するとともに、区のホームページに詳細な事業内容を掲出し、区民の皆様からのご意見を求めたところです。 この結果、4案に対し電話、ファクス、メールなどにより136件のご意見をいただき、これらの意見につきましては第10回の審査委員会に資料として提出し、区民意見についてという議題で検討され、答申にも反映をしていただいております。このように、最優秀案を決定するに当たりましては、広く区民の意見を伺いながら進めてまいりました。 次に、官民パートナーシップに関するご質問に一括してお答えいたします。 区は事業者と運命共同体であるというご指摘についてですが、PFIを発展させましたパブリック・プライベート・パートナーシップは、英国におきまして公共部門で提供してきたサービスについて、民間部門の資金や創意を導入するすべての動きを巻き込んだ概念であります。この考え方を基本として事業者は、区有地に定期借地権を設定し、そこにみずからの責任において公共的事業を展開していくものです。したがって、企業が撤退または倒産しても、区が費用負担を負うことはありません。区と事業者とは、パートナーであっても運命共同体ではありません。 また、大企業に至れり尽くせりの優遇計画とのご指摘でございますが、この事業は千住地域ににぎわいを創出し、かつ足立区の産業振興及び経済活性化を図ることを目的に、区と事業者がパートナーシップに基づき、お互いの強みを生かしてこの目的を達成しようとするものであり、大企業を優遇するものではありません。 次に、改めて区民要望の集約を図るべきとのお尋ねですが、この提案は事業プロポーザルにおいて、学識経験者や区民の代表の方々で構成する審査委員会において、あだち産業会議や電話、ファクス、区ホームページ等によって広く区民の意見を伺いながら、専門家による審査を経て、最優秀案とされたものでございます。 区といたしましては、産業振興と千住のまちのにぎわいを一日も早く実現することが肝要と考えております。したがって、改めて意見集約の考えはございません。 ○石川義夫福祉部長 私からは、資金の貸し付けの関連と高齢者福祉についてお答えいたします。 まず、応急小口資金の貸し付けにつきましては、災害や疾病等によります一時的に資金の貸し付けが必要になった方に対して行うものでございます。生活費や授業料のように、継続的で日常的な資金につきましては、貸し付けの対象とする考えはございません。 また、離職者支援資金は、東京都社会福祉協議会が実施し、足立区社会福祉協議会が事務の取り次ぎを行っております。 この資金の利子については、貸し付け、回収事務の事務費等として厚生労働省が要綱で3%と定めたものでございます。したがいまして、国で定めた事務費等相当分の利子について、区で肩がわりをする考えはございません。 次に、(仮称)高齢者激励見舞金制度についてお答えいたします。 介護を必要とする高齢者の福祉施策は、現在、介護保険による給付を初めとして、さまざまな制度がございます。また、こうした高齢者を介護しながら暮らしている家族の負担を軽減するための施策としては、徘回高齢者位置検索システム費用助成や、区民活動組織である「あだち1万人の介護者家族会」が平成14年9月から始めた電話なやみ相談事業への支援がございます。平成15年度には、痴呆性高齢者家族やすらぎ支援事業の導入も検討しております。したがいまして、高齢者激励見舞金制度の創設は考えておりません。 次に、特別養護老人ホームの建設につきましては、第二期介護保険事業計画の中間報告におきまして、従来計画を358床上回る1,674床という目標数値をお示ししましたように、積極的に整備を進めてまいります。なお、整備に当たっては、ご指摘のように区有地の活用なども検討してまいります。 次に、ショートステイ、訪問リハビリの独自整備についてのお尋ねですが、ショートステイにつきましては、特別養護老人ホームと併設し整備を進めてまいります。また、訪問リハビリの供給不足は全国的な問題であります。供給主体に老人保健施設が入っていないこと、介護報酬単価が低いことなど、制度的に問題があると認識しております。区独自の取り組みのみによって問題が解決する状況ではありませんので、当面は国の動向を見守ってまいりたいと思います。 ○丸山 亮都市整備部長 住宅改良助成事業についてお答えいたします。 本事業につきましては、現在凍結されておりますが、少子高齢化社会に対応した住宅性能の向上を図る等、住宅政策の総合的な視点で見直しを行ったものでございます。 また、住宅改良につきましては、金融機関から借り入れをされる方を対象に事業を限定させていただきました。その理由は、改良したいにも手持ち資金が不十分な方々をご援助申し上げ、また、限られた財源の活用を図るための意味から限定させていただくものでございます。 なお、時期につきましては、新年度の予算措置を待って実施したいと考えております。 ○佃 朝明区民部長 訪問介護利用者負担軽減制度について、お答え申し上げます。 この制度は、国の特別対策の一環として、5年間の経過措置として設けられたものです。来年度以降、この方々のうち高齢者ホームヘルプ事業で措置されていた方の負担率は6%になりますが、緩和するための区独自での負担は考えておりません。 また、新規の方々につきましては、今年度より実施している生計困難者利用者負担軽減制度をご利用いただきたいと存じます。 新保険料の設定につきましてお答え申し上げます。 中島 勇議員、杉崎せいじ議員のご質問にもお答えいたしましたとおり、介護保険専門部会の答申を尊重し、区といたしましては、生活困難者への軽減措置と、基準保険料の据え置きを行いたいと考えております。 ○石川純二教育改革推進担当部長 私からは、学童誘導員の配置についてお答え申し上げます。 現在、小学生の登下校時における学童誘導員は、通学路で信号機が設置されていない横断歩道や、主要幹線道路の横断など、児童が通学するに当たって危険とされる41カ所に配置をしております。これらは、あくまでも児童の交通安全対策として実施しているものでありまして、雇用拡大のために業務委託をふやす考えはありません。 ○鈴木けんいち議員 4点ほど再質問をさせていただきます。 全体に区長の政治姿勢を聞いたのですが、区長はなかなかお答えにならない。とりわけ1点目のアメリカによるイラク攻撃問題、これは区長の政治姿勢中の政治姿勢でありますので、区長に答弁を求めました。ぜひ区長からの答弁をお願いしたいと思います。もし区長自身が答弁されないのであれば、その理由をお聞かせいただきたい。これが第1点であります。 それから、これまでの構造改革路線では切り捨てた施策については否定はしなかったと思いますが、これからの施策の問題では、とりわけ雇用対策、私は職業紹介とかマッチング事業は当然認めております。しかし問題は、もともとの仕事の量が少ないから、いま区民は困っているのです。そこで、新たに雇用をふやすべきだと、起こすべきだという質問であります。この点についてのご答弁がありませんでしたので、お願いをしたいと思います。 次に、跡利用の問題ですが、区民の声を聞いたという答弁ですけれども、これは事実の問題として、意見を聞くということと、決まったことを説明をするということは全く別なことであります。決まったものを何度も区民に説明をしたということであります。しかも、4案を示したといいますが、それに対する意見は130人でありました。その130人の中で、しかも支持率が一番低いものを採用したと、このどこに区民の声を聞いたということが言えるのか、明快な答弁をお願いしたいと思います。 ○鈴木恒年区長 1点目のご質問につきましては、先ほど総務部長からお答えしたとおり、私も考えております。 ○坂本寛文産業経済部長 鈴木けんいち議員の1点目の雇用対策に対するお尋ねでございますが、雇用の場がない、これに対して私どももそういう現実を認識しております。これにつきまして、現在国の事務としてこの雇用対策が行われているところでございます。 今後、国はこの雇用対策の事務を自治体の方にという動きもあるようでございますが、これにつきましては国の法律の動向というものを見守ってまいりたい。 いま区の権限としてできることは、国、つまりハローワークでありますとか、あるいは東京都でありますとか、そういうところの権限を活用し、その機能を生かして、最低ミスマッチの少ないような、そして区民の皆様方がそういう専門機関を訪れやすく、情報を身近に得られるような活動をいまやっている。これが現状の雇用対策でありまして、そのうちまた成果がきっと出てくると信じております。 それから、跡利用でございますけれども、跡利用につきましては、4案の段階で既に区民の皆様方にさまざまな手段を使ってお示しをして、そこで区民の皆様方の意見をちょうだいし、そのいただいた意見というものは、専門の委員の中で討議をされて、そして、最終的にこれが最優秀案ということになったものでございまして、決まった案を私ども区が区民の皆さんに説明したという事実ではございません。 |