| 一般質問ー質問と答弁 ◎一般質問 鈴木秀三郎議員 |
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○鈴木秀三郎議員 私は障害者福祉施策について質問します。初めに、障害者支援費制度について伺います。 来年度から実施される障害者支援費制度は、障害者福祉制度の大転換です。現在は措置制度のもとで障害者福祉サービスは国と地方自治体の責任で提供しています。これが契約制度に変わり、福祉サービスの確保は原則として障害者個人の責任とし、国や地方自治体は支援費の助成などを行うとされ、行政は障害者福祉に対して第三者的な立場になるというものであります。これまでの行政責任で行われた措置とは全く異なります。 契約をするためには、障害を持つ方が制度を十分に理解し、サービスが選べるだけ整い、費用の負担がいまより増えずに選べる。こうした条件がなければ障害者と事業者による対等な立場の契約は実際にはできません。現状のままで障害者の自己責任が強調されるだけでは、弱い立場にある障害者は、制度そのものから排除されてしまいます。 区が障害者基本法第3条、「すべて障害者は個人の尊厳が重んじられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有するものとする。すべて障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会を与えられるものとする」という基本的理念の立場に立って障害者施策を推進することを強く望むものであります。 まず、十分な情報の提供という問題であります。支援費制度は障害者が申請しなければサービスを受けることができません。したがって、申請漏れがないようにしなければなりません。現在、新制度に移行する方は施設サービス利用者で1,158人、在宅サービス利用者は1,380人で、合わせて2,538人です。いま、障害者や保護者には、支援費制度の内容がまだ十分に知らされておりません。地域保健福祉推進協議会においても、障害者団体から支援費制度が、よくわからない、心配だなどの意見が出されてきました。 施設サービス利用者については、勉強会や説明会が施設ごとに行われたり、また、1年間の猶予期間があります。しかし、居宅サービス利用者には、早急に周知、徹底することが求められています。 居宅サービス利用者で視覚障害や知的障害を持つ方、重複障害を持つ方は548人います。職員の訪問を受けた在宅障害者とその家族ですら、いままでと同じサービスが受けられないのではという心配で、福祉事務所に直接訪ねた方もいるということを聞いています。障害の種類や程度はさまざまであり、一般的な説明では不十分です。 区は視覚障害や知的障害の方、重複障害を持つ方には、専門職を加え、複数で訪問するなど、個別の説明や事前申請のための特別な体制をとるべきと思うが、どうか。また、福祉事務所など、各相談窓口も充実するべきと思うが、どうか、答弁を求めます。 次に、利用者負担の問題です。知的障害者施設入所者の利用者負担が大きく増えてしまうことです。国はこの障害者支援費制度を実施するに当たって、現行水準を維持すると言ってきました。しかし、これまで知的障害者施設の入所者には、日用生活品等の負担がありませんでしたが、国の利用者負担基準案は、日用生活品等を必要経費から外しています。このため利用者の大幅な負担増となります。 例えば現在の徴収金が月額1万9,100円の方が4万1,800円と、一挙に2.18倍にもなります。この大幅な負担増は現行のサービス水準を維持すると、国がみずから言ってきたことに反するもので、あまりにもひどすぎます。国に是正を求めるべきと思うが、どうか、答弁を求めます。 次に、在宅サービス利用にかかわる問題です。国は障害者支援費制度へスムーズに移行したいとのねらいから、また、障害者の強い要望もあって、利用者及び扶養義務者負担の上限額を抑制したと言ってきました。しかし、実際にはいままで負担がなかった低所得の方が新たに負担を強いられます。また、国の利用者負担基準案のままでは、現在の都基準よりも大幅に負担が増えることになるため、障害者からは、いまより負担が上がらないようにしてほしいとの強い願いが寄せられています。 こうした中で国は利用者のサービス低下にならないようにと、上限額を超えてのサービスの利用を認めています。この超えた分には、国や都の一部負担もありますが、区の負担が伴うものです。区が支援費支給量を決める際に、上限額を超えてのサービス利用を認めなければ、障害者は十分なサービスの利用はできません。区は障害者がサービスを十分に利用できるよう、必要な措置を図るべきと思うが、どうか、答弁を求めます。 次に、基盤整備の問題であります。障害者施策の基盤整備は大変遅れています。2001年度の福祉事務所における知的障害者相談件数は、総数で6,279件あり、このうち施設相談は1,803件ですが、この多くは主に施設への通所や入所の相談です。この相談件数は、生活寮や通勤寮なども含め、いまの施設利用者数925人の約2倍です。また、生活相談は2,024件で、主にホームヘルパー派遣など、居宅サービスの相談が中心です。この相談件数は、いまの知的障害者居宅サービスの利用者数が256人の約8倍です。 さらに身体障害者についても、同じような傾向にあります。2001年度の身体障害者の相談件数は、総数で2万2,247件ありました。このうち生活相談が2,814件あり、現在の居宅サービス利用者数の2倍以上になっています。施設相談は723件で、現在、施設サービス利用者数の3倍にもなっています。 また、在宅サービスの要であるホームヘルパーの障害者世帯への派遣数は、社会福祉協議会のヘルパー派遣も含めて2000年度が28世帯、2001年度は24世帯という実態です。施設サービス、在宅サービスともサービス提供体制の不足は深刻であります。障害者を持つ親の共通の願いは、親なきあとどうなるのかという心配です。 区はこの願いに応えるためにも、いま一番強く要望している入所施設の建設について早急に具体化し、実施すべきと思うが、どうか、答弁を求めます。 また、足立区地域保健福祉計画の後期計画は2003年から2005年です。この後期計画の基盤整備目標は、施設整備では知的障害者の通所更生施設と通所授産施設が各1カ所、身体障害者の通所授産施設が1カ所です。 在宅サービスでは、知的・身体のデイサービスセンターが1カ所、知的・身体のショートステイが1カ所2床、ほかにホームヘルプサービスの推進、拡充などとなっています。しかし、先に述べた相談件数やヘルパー派遣世帯数の実績から見ても、この後期計画の整備目標では不十分であることは明らかです。 区は後期計画における障害者施設の整備目標を抜本的に見直し、(仮称)緊急基盤整備3カ年計画として基盤整備の目標を拡充し、公有地の有効活用を図るなど、基盤整備を積極的に促進すべきと思うが、どうか、答弁を求めます。 次に、利用者サービスにかかわる支援費支給量決定の問題です。国は居宅介護の支給量決定について、障害の程度やサービス提供体制を勘案して決定することとして、画一的な基準をつくらないと言っていますが、これでは担当者の判断に左右されかねません。このため、サービス内容の決定に専門家の意見を取り入れる審査機関の設置をする自治体も生まれております。いま、事前申請の受付が進められていますが、個々の障害者がどういう時間帯にどんなサービスが必要なのか、その生活実態に見合った支給量の決定が求められています。 区は支援費支給量決定の公正を期すために、例えば都の支給量計算シートの活用など、判断基準の整備やケアプランづくりの支援体制を整備するとともに、ケアマネジャーなど、専門的知識を持つ人による集団的な支給量審査体制を確立すべきと思うが、どうか。 また、保護者や施設職員の声も支給量審査に生かすなど、より障害者の生活実態に即した支給量決定ができる仕組みをつくるべきと思うが、どうか、答弁を求めます。 第2に、小規模福祉作業所などの問題です。長引く経済不況の中で、小規模施設の運営は大変厳しい状況にあります。国は小規模施設についての来年度予算を3億円も減らそうとしています。基盤整備が遅れている現状のもとで、小規模施設への支援は重要であります。 足立区地域保健福祉計画の後期計画は、多様なニーズに応えるため小規模施設の機能を充実する。また、運営の安定を図るため、小規模法内化を推進するとしています。区は障害者支援費制度の対象とならない小規模福祉作業所などについては、現行の運営助成の水準を維持し、今後さらに充実すべきと思うが、どうか。また、新たな小規模福祉施設の法人化への支援とともに、これまでと同様に助成の対象とすべきと思うが、どうか、答弁を求めます。 第3に身体障害者補装具の自己負担助成の問題です。区は2000年6月で、障害者補装具の自己負担分補助を廃止してしまいました。ある聴覚障害者は、「補聴器の交換が4年ごとから5年ごとになった上、いままで負担がなかったのに、今度は補聴器1個で9,400円もお金がかかるようになった。何でも有料にしてしまうのね」と怒りを抑えきれない様子でした。聴覚障害者にとって、補聴器がなければ聞こえないのと同じです。 このように障害者の補装具は生きていくのに欠かせないものです。厳しい経済状況の中で障害者に痛みを押しつけるべきではありません。2001年度の実績で見ると、1,632万円あれば、これまでどおり自己負担分助成を復活でき、多くの障害者が大変助かります。区は障害者補装具の自己負担分助成を復活すべきと思うが、どうか、以上答弁を求めてこの場での質問を終わります。 ○石川義夫福祉部長 鈴木秀三郎議員のご質問にお答えいたします。 まず、障害福祉サービスの支援費制度についてお答えいたします。 現在、居宅サービスを利用している方に対しましては、デイサービス施設やご家庭を訪問して、順次説明や支援費支給申請の支援などを行っております。特に障害の状況や家族の状況などにより、特別な配慮を要する方に対しましては、訪問時に相談から申請までの個別対応を行ってまいります。また、各福祉事務所には臨時職員を配置するとともに、十分な相談が行えるような特別な体制を取っております。 次に、利用者負担の問題でございますが、知的障害者入所施設の支援費基準額に日用品費相当分が積算されております。これをさらに所得認定の段階で控除することは、二重の措置がなされることとなり、考え方としては是正する必要があると思われます。しかしながら、大幅な負担増が発生することにつきましては、これまでの公費負担を維持するとした国の当初の説明と食い違っており、今後、東京都や他区と協議の上、国への要望について検討してまいります。 また、在宅サービスの利用者負担の問題につきましては、支援費制度では、区がサービス支給量を決定しますが、あくまでも障害者のニーズに応じて、必要と認める量を決めるものであり、自己負担の上限額を考慮しながら決めるものではありません。区内の障害者に対して、必要と思われるサービスが提供できるよう対応してまいります。 次に、施設整備についてお答えいたします。 障害者団体が一番強く要望しております入所施設の整備につきましては、第4次基本計画及び地域保健福祉計画に基づき、できる限り早く具体化を図ってまいります。 施設整備計画につきましては、財政状況や東京都の支援策を見ながら適切な見直しをしてまいります。 また、公有地の有効活用を視野に入れながら基盤整備に努めてまいります。 次に、支給量の決定につきましては、勘案事項整理票や調査票、障害程度区分ガイドブック、支給量計算シートなどを活用し、障害者のニーズに合った支援計画を策定してまいります。また、福祉事務所におきましては、支給決定の審査体制を確立する予定です。審査に当たりましては、施設職員や保護者の意見も参考にし、障害者の生活実態に即した決定を行ってまいります。 次に、小規模作業所につきましては、既に3カ所を法内化し、運営の安定化を図っており、引き続き運営助成を行ってまいります。今後とも既存の小規模作業所の法内化を進め、運営の安定化とサービスの向上に向けた支援をしてまいります。 次に、身体障害者補装具の自己負担助成につきましては、負担の公平性及び介護保険との整合性を図るため、平成12年6月をもって廃止したものです。しかしながら、自己負担額は所得に応じたものとなっており、公平性の面からも適切であり、助成を復活することは考えておりません。 |