議員提出第30号議案 税負担の増加につながる所得税・住民税の税制改革に反対する意見書

鈴木けんいち議員


○鈴木けんいち議員 ただいま議題となりました議員提出第30号議案、税負担の増加につながる所得税・住民税の税制改革に反対する意見書の提案理由をご説明いたします。
 政府税制調査会が11月19日に決定した2003年度税制改正の答申は、経済情勢を踏まえ、減税を先行させるとしていますが、減税は大企業向けだけで、不況にあえぐ国民と中小企業には増税ばかりの内容となっています。さらに、一定期間での税収中立を実現するとして、消費税増税など、一層の庶民増税がねらわれていることも濃厚となっています。
 内閣府が18日発表した月例経済報告は、2カ月連続の下方修正となり、10月の完全失業率が5.5%と過去最高水準となったことを新たに指摘、雇用状況について、依然として厳しいとするなど、政府自身が景気の低迷、国民生活の悪化を指摘しています。
 このような状況のもとで、日本共産党は9月に社会保障での3兆円負担増の中止、国民や中小企業への増税反対などを柱とする深刻な経済危機から国民の暮らしを守るための4つの緊急提案を発表しましたが、国民の暮らしをあたためることを基本にしてこそ、景気の回復、危機的な経済状況の打開が図れるものと考えます。
 本案は、自治体が住民と中小企業を守る立場から、暮らしと営業を破壊し、景気を一層悪化させる増税計画はきっぱり見直し、撤回するよう求めるべきと考え、意見書案を提出するものです。
 案文を朗読し、提案いたします。

税負担の増加につながる所得税・住民税の税制改革に反対する意見書

 小泉首相の強い支持のもとに審議を進めてきた政府税制調査会が、2003年度の税制改正についての答申を行い、その中で国民の暮らしと中小企業の営業を直撃する負担増の方針を前面に打ち出している。
 答申での、配偶者特別控除の廃止は、配偶者の収入が141万円未満のすべての世帯に増税につながる。教育減税として導入された特定扶養控除も廃止・縮小を明記している。この2つだけで所得税・住民税合わせて1兆円を超える増税であり、影響は延べ2,000万人以上に及ぶことになる。取りやすいところから取る安易な庶民増税の典型である発泡酒増税も検討され、ビール並みに課税されれば2,000億円の増税である。
 法人事業税の外形標準課税の導入も盛り込まれているが、これは所得への課税を減らして人件費などに課税するもので、所得が多い大企業では減税となるが、赤字中小企業には6,000億円もの増税になる。消費税の免税点制度を大幅に縮小し、簡易課税制度廃止の方針も含まれており、これも数千億円規模の中小企業の増税となる。
 一方、政府税制調査会答申は経済情勢が厳しいとして先行減税を認めた。これほど国民を愚弄する話はない。先行する減税は、大企業中心の減税であり、それによる税収の穴埋めを国民や中小企業の負担増で賄うという許しがたいやり方である。
 減税項目であがっているのは、研究開発や情報技術分野の設備投資の優遇策など、勝ち組大企業しか利用できないような減税であり、庶民には縁のない金持ち減税である。
 潜在失業者も含めると、1,000万人もが失業状態にあり、ボーナスが大幅に減るなど、職に就いている人の所得も大きく落ち込み、中小企業の倒産は最悪の水準にある。
 こういう時に、金融面では不良債権処理の加速といって中小企業を無理やりつぶし、財政面では公共事業の抜本的な見直しは行わずに、社会保障分野で国民に3兆円を超える負担増を押しつけ、さらに税制面でも巨額の負担を国民と中小企業に強いることは、国民の暮らしと中小企業の営業をだめにするだけでなく、日本経済に計り知れない不況圧力となることは間違いない。
 よって、足立区議会は、政府税制調査会答申に盛り込まれた庶民増税計画に強く反対するものである。
 右、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
   平成 年 月 日
              議 長 名
 内閣総理大臣
 総 務 大臣
 財 務 大臣   あ  て
 経済産業大臣
 金融担当大臣
 経済財政担当大臣

 以上のとおりであります。
 議員各位におかれましては、本意見書案の趣旨にご賛同いただきまして、速やかにご決定くださいますようお願いいたします。