| 第1号議案 平成15年度足立区一般会計予算案に対する反対討論 伊藤和彦 議員 |
| 私は日本共産党足立区議団を代表して、ただいま議題となりました第5号議案、平成15年度足立区一般会計予算について反対の立場から討論を行います。 いま、区民の暮らしは自民、公明などが支える小泉政権のもとで、景気も暮らしもますます悪くなるばかりです。完全失業率も、戦後最悪を記録してから一向に回復の兆しはなく、都労働経済部調査では、昨年、足立区内の負債額1,000万円以上の倒産件数は146件、廃業せざるを得ない業者も数多くあります。このように区民の暮らしが大変なときだからからこそ、区民の暮らしと営業を守るという自治体本来の立場で予算編成が求められておりました。 ところが平成15年度予算の最大の特徴は、歳入では基金の取り崩しと区債の発行で膨らませ、歳出では投資的経費の突出にあり、平成14年度のおよそ2倍の323億8,500万円になっているように、極端なバランスを欠いた開発優先の予算となっております。 すなわち基金の取り崩しは137億5,900万円にも及び、区債発行額は昨年当初予算と比べると、3倍増の92億5,800万円にも達しております。また、歳出の投資的経費は、予算全体の増額分を上回っています。 内容的に言えば、我が党が区民とともにねばり強く要求してきた介護保険の基準額据え置きや低所得者への負担軽減策の実施、乳幼児医療費助成の所得制限を段階的に撤廃することなどが一部盛り込まれたものの、高齢者福祉手当の復活や紙おむつ支給制限を廃止することなど、切実な区民の願いに応える施策は入っていません。 鈴木区政は総務省に出す指標では、一貫して黒字であるのに、実質単年度収支をもって赤字と区民には宣伝し、しかも吉田前区長が財政危機をつくったとうそを重ね、開発関連予算を温存してきました。財政健全化計画と言いながら、区民の暮らしを次々と削る一方で、年間180億円に圧縮すると自ら言ってきた投資的経費を平成13年度は370億円に膨らませています。 平成15年度はこの財政健全化計画の最終年度にあたり、さらに区民に痛みを押し付ける足立区構造改革戦略で、自治体の責任を投げ捨てることを基本に予算編成をしたものです。 その開発の内容も、総合文化センター建設を例にとれば、追加予算として「本格的劇場に特化するために追加予算を計上」と区長は言いましたが、内容は劇場とは関係ない地下連絡通路、改札口、看板の取り付けが大部分とてっています。 また、平成14年度予算は8,000万円、平成15年度は1億2,000万円を計上し、総額2億円だったものが8,000万円は不用額となり、1億2,000万円でできるとしましたが、それなら8,000万円の予算計上は何だったのかという疑問は残されたままとなっています。 日本共産党区議団は、予算分析の結果、新年度予算があまりにも区民の願いに背くものであり、一歩でも二歩でも住民の苦しみを取り除き、暮らしを応援するものになるようあらゆる努力を尽くし、編成替えを提案しました。 お金がないわけではありません。厳しい財政のもとでも、大型開発に偏った税金の使い方を切り換えることで、切り捨てられた福祉を取り戻すことをはじめ、我が党が実施した区民アンケートにも示されている切実で緊急な区民要望に応えることは十分可能であります。 日本共産党の編成替えの対象は、一般会計予算を中心に介護保険特別会計も一部組換え、そして、その柱は5つといたしました。 第1は既存の制度の拡充と制度の新設により、区民の生活防衛に資する施策として、緊急時の生活保障を行うものです。切り捨てられた高齢者福祉手当を現行どおり復活するとともに、新規の介護度の高い高齢者に月額1万円の激励見舞金を支給します。育英資金は貸付枠を増やし、年度途中からも借りられるようにしました。他の貸付金が受けられない失業・廃業者や収入が激減した区民に対し、生活費や高校・大学の入学金、住宅ローンの返済などに対応できる(仮称)緊急生活保障制度を創設するものです。 また、応急小口資金の区長特認の上限額を50万円に変更し、入学支度金も区長特認に加えました。 第2は、誰もが地域で安心して暮らせる足立区を目指して、福祉、医療などの充実を図るものです。 介護保険は第4、第5段階の境界所得の変更による保険料の4,500人の値上げにストップをかけ、文字どおり据え置きとし、利用料はホームヘルプサービスについて、政府の特別対策部分を継続し、新規利用者にも適用することで負担軽減策を拡充しました。 また、紙おむつの支給の所得制限を撤廃し、高齢者住宅改修は、必要であれば上限を超えて、品目も含め柔軟に適用できるものとして、介護の不安と負担の軽減を図り、特養ホームの運営費助成は削減せず、現行水準を維持し、事業者を支援しました。 元気な高齢者の支援策として、平成13年度一律4割削減した単位老人クラブ運営助成金を全面復活し、入浴定期券の活用により、いつでも自由に入れる無料入浴回数を5回増やしました。入浴券相当額を浴場組合に支払うことにより、浴場支援にもつながるものです。 生活習慣予防健診は、一時予防だけでなく、早期発見、早期治療の2次予防も重視し、過去の健診で高血糖値、高血圧、高脂血で要医療とされた区民を受診から排除せず、全員に個別通知を行いました。 また、住区健康フェスタの血液検査も継続し、削られる前の水準に戻しました。障害者の入所施設建設計画を前倒しすることにより、障害者の父母の最大の願い、親亡きあと、緊急時の対策に応えるため調査費を計上いたしました。 身体障害者にとって欠かせない補装具の補助も削減前の水準に戻しました。住宅改良助成事業は、リフォーム費用の上限を44万円とし、自己資金での増改築、マンションの共有部分もいままでどおり助成対象としました。 第3は、教育と子育て支援をさらに充実させるものです。子どもたちが基礎学力を身につけ、のびのびと成長できるよう、行き届いた教育を実現するための条件整備を進めました。30人学級実施に向けて、住民参加の検討委員会を設けました。全小中学校に5カ年計画でクーラーを設置することとし、初年度は小学校206教室整備をしました。学童の安全を確保するために、登下校時の安全誘導箇所を平成13年度水準の91箇所に戻しました。未利用地などを活用し、保育園を計画的に増設するために調査費を計上しました。 第4は、区内業者を応援し、不況から暮らしと営業を守る産業振興策を充実するものでした。区が債務保証する損失保証制度を創設するとともに、区民が直貸し制度とイメージしていた生業資金貸付は、貸付対象を住民税非課税者に限定せず、拡充しました。まちの活性化の要となる商店街に対し、街路装飾灯の電気代は段階的に全額助成にしました。新年度は補助率を増額しました。また、高齢者が買い物をはじめ、日常生活に生活のよりどころとなる事業を拡充する商店街に対し、休憩所やトイレの設置、段差解消、ファックス貸し出しによる宅配買い物代行などの事業に補助をする(仮称)高齢者サポート商店街支援事業をモデル事業として行うことを提案いたしました。 第5は、平和で文化豊かな足立を目指し、社会教育団体の施設利用料免除制度を復活して、サークル活動や生涯学習を支援するとともに、青少年の文化スポーツ活動を支援するものでした。青少年が気軽にスポーツを楽しめる環境を目指し、未利用公有地などを活用し、ストリートバスケットゴールやフットサル場などを計画的に整備するとともに、小学校音楽室の改修で防音機能を強め、太鼓やロックバンド、ピアノなど、大きな音が出る音楽練習ができる場所を計画的に増やします。東綾瀬アイススケート場の復活や平和事業の拡充をしました。 第6は、北千住西口再開発事業など、大型公共事業にメスを入れ、必要であっても、いますぐ予算化しなくても済む事業費を削減し、優先順位をつけて先送りするものでした。1つは北千住西口再開発関連経費や総合文化センター建設乙工事は、年度内に先送りし、決算で生じる繰越金や契約差金、財調の再算定などで対応するものとしました。2つ目は鉄道新線の自転車駐車場や駅広整備は、今年度に必ずしも必要とは言えないものであり、一部次年度以降に先送りしました。これらによって、極端にバランスの欠いた開発重視の予算にメスを入れ、全体に均衡のとれた予算配分としました。 日本共産党は区民が求める方向に転換する上で、まずこれだけは踏み出すべきものという最小限の項目に絞り込み、自治体本来のあり方を示したものです。 また、開発重視の本予算にメスを入れ、編成替えの規模は一般会計予算の1.4%程度のもので、すぐにでも実施可能なものです。 鈴木区長はこれに応えようとせず、今回、自民、公明、民主、生活者ネットがこの編成替え動議を否決しましたが、この提案した内容は、必ずや区民の願いに応えるものであり、区政を区民が求める方向へ転換させるものになると確信し、第5号議案に反対し、討論といたします。 |