1 、本会議質問

○代表質問  針谷みきお議員

 私は、日本共産党足立区議団を代表し、当面する区政の重要問題について質問をします。
 まず、区長の政治姿勢についてであります。
 米英によるイラク侵攻から5カ月、ブッシュ大統領の戦争終結演説から3カ月たちましたが、泥沼化するイラク情勢のもとで復興の見通しはいまだについていません。小泉内閣は、アメリカの一方的な主張を支持し、イラク戦争推進の立場に立ちました。しかし、イラク侵攻の最大の根拠となったフセイン政権の大量破壊兵器はいまだに見つからず、英国ではイラクの大量破壊兵器の脅威が政府の情報操作でつくり出されたものであるという疑惑が大問題となり、ブレア首相は窮地に追い込まれています。

イラク戦争の根拠が崩れいっそう明らかに無法な戦争

 また、ブッシュ大統領も、イラクが核開発のため、アフリカからウランを購入したという一般教書演説は誤りだったと認めました。ブッシュ政権による情報のねつ造疑惑は、戦争終結宣言後、次々と暴露され、ついにブッシュ政権の支持率は50%を割ってしまいました。イラクの脅威がつくられた虚構であるとしたら、世界をだましたことになります。ところが、ブッシュ政権は、IAEAの査察報告を無視し、国連安保理での決議もないまま、イラク戦争を強引に押し進めたのです。
 イラク戦争は、明らかに先制攻撃を禁じた国連憲章違反の無法な戦争だったと思うがどうか、鈴木区長の所見を問うものであります。
 小泉内閣は、自民、公明らの賛成を得て、イラク特措法を強行しましたが、首相みずからが憲法9条に矛盾があるなどと改憲発言を行い、憲法改悪を政治日程にのせようとしています。
 鈴木区長は、前議会で我が党の代表質問に答え、有事法制が通ったことを、これで普通の国になったと発言しましたが、アメリカの先制攻撃の戦争に協力するため、イラク特措法を強行、その上、世界に誇れる憲法9条までないがしろにし、区民を戦争に駆り立てることが、区長の言う普通の国になったということなのか、答弁を求めます。
 次に、2004年度行財政運営方針(依命通達)について伺います。
 6月初旬、小泉首相の諮問機関である経済財政諮問会議が三位一体の改革案を提出、それを受け、6月末には政府が第三次骨太方針を発表しました。
それによると、社会保障や文教関係費が約8割を占める国庫補助金について、4兆円をめどに廃止、削減し、その8割程度の税源を地方に移すという内容です。しかし、それでも、地方には2割程度、8,000億円の負担が強いられ、住民の暮らし、福祉予算の削減となっていくことは明らかです。小泉内閣の三位一体改革は、地方分権とは名ばかりで、地方財政を圧迫し、地方自治の土台を掘り崩す改悪であると言わざるを得ません。いま、求められるのは、国民への負担増や国の責任後退ではなく、地方への税源移譲を基本にした三位一体の改革こそ必要であると考えます。
 区長は、国に対し、区長会等を通じて意見を上げていると発言していますが、実際、依命通達では、国庫補助金などが削られた場合を前堤にした取り組みを協調しているだけで、国の悪政と闘うという姿勢は感じられません。国に対し、断固たる態度を示すべきと思うがどうか、答弁を求めます。
 石原都政は、この10月にも第二次財政再建推進プランを策定し、来年度予算から実施しようとしています。この6月には途半ばにある財政再建、7月には第二次財政再建推進プラン「中間のまとめ」が相次いで発表されました。それによりますと、平成16年から18年度まで、東京都では毎年3,500億円程度の財源不足が見込まれると述べ、私学助成や区市町村補助、人件費などの経常経費が高どまりしていると名指しするとともに、都が独自に補助を行っている任意補助や高率補助、さらには予算が1,000万円以下という少額補助まで、都民生活に密着している733の補助事業すべてを対象に見直しを行うとしています。
 これらの中には、シルバーパスや私立保育園の補助金、特別養護老人ホームの建設費補助の削減、水道料金の値上げなども含まれており、都民生活への影響ははかり知れません。既に、第一次財政再建推進プランでは、老人医療費助成、老人福祉手当、障害者福祉手当の廃止や縮小、シルバーパスの全面有料化が強行されました。東京都は、この4年間で886億円もの福祉予算を削減しています。第二次財政再建推進プランが策定され、区市町村へのこれまでにない削減が強行されれば、区市町村がこれまでどおり事業を維持しようとすれば莫大な財政負担となり、足立区でも基本計画、中期財政計画などの行財政運営に重大な影響を及ぼすことになります。
 我が党都議団は、これらのプランに対して、財源不足額の過大な見積もりを初め、財政難の真の原因は都市再生を中心とした大型公共事業を聖域化していること、抑制されたとはいえ、都の投資的経費は1兆円規模に達し、公共投資の抜本的な見直しなしに都財政の再建はあり得ないと指摘しています。
 そこで、質問ですが、このプランが具体化しますと、来年度の予算から施策が削られてしまうことになりかねません。事態は急を要しております。したがって、区長は、都知事に対し、このようなプランを策定しないよう申し入れるべきと思うがどうか、答弁を求めます。
 次に、依命通達では、区財政の厳しさの原因について、区民税が300億円を割り込む、経常収支比率が14年度決算で84.9%になった、16年度予算編成では82億円の財源不足がある、その上、歳出においては、扶助費の増、施設の老朽化による改築、都市更新が必要であるとし、これを足立区の構造的問題点としてとらえています。しかし、区財政の厳しさの本質的な原因は、国の不良債権処理の加速化による中小企業つぶし、大企業のリストラ、過去最悪の失業率などをつくり出した小泉内閣の経済失政に原因があることは明白です。さらに、三位一体の改革による地方への負担を押しつけ、自治体の財政危機をつくり出そうとしていることも重大な問題です。
 都の第二次財政再建プランが策定されれば、足立区にとっては死活問題になってきます。また、鈴木区政がみずから決めた財政健全化計画にも反する投資的経費の異常な突出も、その要因ではないのですか。国の失政や都の負担押しつけには触れず、みずからの財政運営にも反省がなく、区財政の厳しさの原因を構造的問題にすりかえていると言わざるを得ません。
 区長は、行財政運営方針に基づく3カ年の削減計画を示していますが、これは区民に一層の負担と我慢を求めていこうとするものではないのか、答弁を求めます。
 次に、依命通達の行財政運営方針の考え方についてです。
 構造改革戦略の最終年次として、一層の民間経営手法の導入、PFIの推進、公の施設の株式会社への委託の推進、区民との協働の働きかけを協調しています。しかし、一層の民間経営手法の導入を推進すれば、どうなるでしょう。行政の仕事を民間ベースの採算基準、民間並みの効率で判断すれば、採算のとれない非効率的な事業の廃止、縮小は当たり前になります。リストラで職員を削減し、行政の守備範囲を極力狭めることになります。自治体の仕事は、税の再配分機能という側面があり、住民へのサービスを採算や効率だけではかることはできません。これでは、自治体の営利企業化を一層進めることになるのではありませんか。
 また、PFI手法で地元業者が参入することが困難であることを知りながら推進することは、地元業者つぶしにつながりかねないのではないか、区長の政治姿勢の問題として答弁を求めます。
 さらに、区の資源として人間力、文化力について言及していますが、かつて、私は、吉田区長時代、文化の経済学について審議会で論じたことがあり、その必要性は十分認識しております。ところが、依命通達は、足立区外から人間力の高い人々の流入を促進する必要があるとしていることです。これでは、足立区民は、文化レベルが低く、人間としての資質は低いと言っていることと同じではないでしょうか。かつて、古性区長の時代にも担税力のある住民の誘致が問題になりましたが、こうした文言の中に鈴木区政の本質が如実にあらわれていると言わざるを得ません。こうした文言は区民を愚弄するものではないのか、答弁を求めます。
 次に、特区財調について伺います。
 先月、財調の区別算定(当初算定)が発表されました。依命通達では、周辺5区の区民税収入減に対し、都心15区の税収の伸びが続き、23区内で両極分化が進んでいると分析しています。
 足立区においては、基準財政需要額と基準財政収入額との差が大きく広がり、15年度は普通交付金だけでも当初見込みより28億円増となりましたが、16年度はどう見ているのか、伺います。
 また、財調の都区協議では、東京都は一方的に大都市事務の範囲を広げ、清掃関連経費の一部負担、学校の大規模改修経費、都市計画交付金などを削減しようとしています。しかし、23区区長会は、都市計画交付金の増額要求はしましたが、その他については要望していません。
 足立区にとって、財調財源の確保は死活問題と言っても過言ではありません。区側の主張である配分率57%は何としても確保すべきと思うがどうか、区長の決意もあわせて伺いたい。
 次に、区政改革の提案についてであります。
 我が党は、鈴木区政のもとでも、お金の使い方を変え、区民生活第一の区政の方向を示す予算組み替え動議や修正案の提出、介護保険や構造改革戦略などの区政全般の施策や事業についても具体的な対案を示し、自治体のあるべき姿を提案してきました。今回、新基本構想審議会で21世紀の区政のあり方が論議されていますが、足立区を住み続けられ、誇れる区とするため、次の改革提案をいたします。

包括予算制度は開発予算を先取りする仕組み

 まず、第1に、区は包括予算制度を誇っていますが、経常経費については各部で予算編成するとされています。区民の要望はどのように集約するのか、具体的にお答えください。
 また、予算編成過程で、住民の声を反映したパブリックコメントもしくは公聴会の設置など、予算編成過程に住民参加を組み込む新たな制度をつくるべきではないか。
 第2に、包括予算制度では、予算編成に当たり、経常経費を各部に配分していますが、投資的経費は区長の一件算定のため、投資的経費の使い道はすべて区長が握っていると言っても過言ではありません。包括予算制度は、開発予算を先取りする仕組みであると言うことができます。現に、15年度の投資的経費は、財政健全化計画で示した200億円を大幅に上回る300億円を超えています。一方、各部は、スクラップ・アンド・ビルドで事業を執行し、予算を残せば、次年度に2分の1は基金に、残りの2分の1は各部の予算枠として優先的に活用できますが、そのため予算編成や事業執行を抑制することになるのではありませんか。
 さらに、依命通達では、複数年方式という新たな手法として枠の部間貸借、包括予算運営会議などを取り入れて、財源不足を3年間の対応で乗り切ろうとしていますが、結局、包括予算制度の弱点をあらわにしたと考えます。
 9月から10月にかけて、我が党区議団は第3回区民アンケートに取り組んでおります。加賀団地に住む68歳の女性は、夫が病気で早く寝たきりになったため、必死に働いて支えてきたが、預金も使い果たし、わずかな年金では暮らしていけません、もう限界ですと、切実な訴えが寄せられています。今日、区財政は厳しいが、それにも増して区民生活は深刻です。
 いま、最も必要な改革は、区民生活の実態に目を向けた予算の優先度の見直しであります。区財政がどんなに苦しくとも、住民の暮らしと福祉を守るのが自治体の役目であります。いまこそ、区民生活第一の区政運営、区内業者最優先を貫くことが必要ではありませんか。それは、区内業者を励まし、地域経済の活性化につながり、区財政も好転させることができると思いますがどうか、区長の答弁を求めます。

千住第三小の改築について、PFI手法はやめよ

 第3に、PFIなど民間資金活用システムについて伺います。
 区は、PFI基本方針で、公共施設の更新時期が目前に迫っているため、PFIを含む公民パートナーシップを活用し、社会資本の効率的な整備を進めるとしていますが、当面、区の財政負担は生じないが、長期的に見ると、かえって区の財政負担がふえてしまう、地元企業の受注減につながるという問題点は積み残したままであります。
 千寿第三小学校のPFI導入に当たって、区は公募型プロポーザル方式で三菱地所設計をアドバイザーに選定していますが、アドバイザー選定過程が不透明で客観的な資料は明らかにされていません。
 区は、PFIのメリットとして、民間事業者のノウハウの活用による総事業経費の削減や建設・維持管理経費等を事業期間全体で平準化した形で支払うことによる安定した財政計画の立案が可能となるとしていますが、文教委員会の質疑でも、モデルプランから同じ資金投入なら高いサービス、同じサービスなら経費削減というVFM(バリューフォーマネー)が生まれるかどうか、答えることはできませんでした。
 さらに、地元業者を優先することについては、情報の早期公開や審査基準に一定の優位性を付加するとはうたっているものの、PFI事業の持つ地元企業が参入する上で弱点となる資金調達力や事業提案力を改善する有効な方策は示されていません。しかも、このアドバイザーの関与で事業者選定が行われるとしたら、PFIの競争性、公平性、透明性の確保が担保されるとは到底思えないのです。
 現に、三菱地所設計のPFIアドバイザー業務実績を見ると、ほとんどがPFI事業の導入可能性調査で、実際に事業者選定に携わったのは文科省、会計検査院の合同庁舎建設事業ですが、工事入札業者はたったの3企業、すべて大手ゼネコンで、しかも落札したのは何と新日鉄であり、中小企業は1社もありません。
 区内建設業者の営業実態は深刻です。ある建設業の方は、我慢をすれば何とかなると小泉さんに期待したが、景気は悪くなるばかり、つい先日、仲間が倒産した、もう限界ですと語っています。
 学校改築については、PFI方式で推進することは見直すべきだと思うがどうか、答弁を求めます。

公共建築物長寿化基本計画をつくるべき

 第4は、区内施設の改築計画の見直しであります。
 宇都宮市では、施設のストックマネージメントを行い、目標耐用年数をふやし、効率的な修繕計画(大規模改修・耐震補強計画など)を策定し、公共施設の長寿化を行うシステムをつくりました。その結果、60年間で1,900億円、年平均にすると32億円の節減が見込まれると試算しています。
 足立区には300の公共施設がありますが、財政が厳しい中で、これら施設の保全管理、改築計画を再構築したらどうかという提案です。これは、PFI事業などの推進によって、当面、区の財政出動を減らそうという考え方とは違い、逆転の発想で、改修予算は確保し、不況の中で区内業者優先に仕事をふやし、景気対策として役立てながら、かつ、効率的な公共施設の延命策を図るという趣旨であります。
 そこで、伺いますが、区が公共建築物長寿化基本計画をつくり、施設の保全管理、改築計画を再構築したらどうか。学校改築については、スーパーリフォーム(大規模改修)と改築計画との組み合わせを行い、改善する学校数をふやすことは可能だと思うがどうか、答弁を求めます。
 第5は、基本構想策定にかかわって、区民9グループからも提案のあった民主的な区政運営についてです。
 行財政運営を進める中で、全区にかかわるような重要な問題の意思決定が必要となる場面においては、住民投票を実施することも必要であると思うがどうか。
 また、行政評価システムについても、行政の自己評価だけでない、住民が直接評価する仕組みをつくるべきと思うがどうか、答弁を求めます。
 次に、2004年度の予算編成について伺います。
 まずは、子ども施策についてであります。
 次世代育成支援対策推進法が成立し、地方自治体は次世代育成行動計画の策定が義務づけられました。足立区は、特に保育園、学童保育の待機児が多く、モデルケースとして他区に先駆けて次世代育成行動計画を策定することになったと聞きます。
 そこで、策定に当たり、いくつかの提案をいたします。
 第1は、次世代育成法では、300人以上の企業にも次世代育成行動計画が義務づけられましたが、区内300人以上の企業にも呼びかけ、その代表を地域保健福祉推進協議会メンバーに加えるとともに、300人以上の企業を集め、次世代育成計画策定協議会をつくり、調査研究を開始すべきと思うがどうか。
 また、計画策定に当たり、パブリックコメントをとるなど、幅広い区民の動向、意見を集約すべきと思うがどうか。
 第2は、伊興前沼保育園の民営化についてです。
 区は、民営化する理由として、多様な保育サービスを供給し、区民ニーズにこたえる、公私の役割を分担する、公立と私立のバランスを図り、公立保育園のメリットを生かすと言っていますが、この説明では来年4月から民営化しなければならない理由とはなりません。
 まず、多様なサービスの供給についてですが、説明会で保護者から病後児保育をやってほしいと求められましたが、区は施設を理由に断っています。保育時間の延長については、民営化しなくともできるものです。一体、民営化のどこに多様なサービスの供給がされるというのでしょうか。役割分担、バランスについても、民営化する理由とはなりません。民営化の最大の理由は、区の経費削減以外に見当たりません。経費節減のために、子どもたちを犠牲にしてよいのでしょうか。
 しかも、民営化を進めるやり方が強引で、民営化先にありきです。保護者の皆さんの陳情も、そうした区の態度を指摘しているのです。少なくとも、今年度の入園募集の前に区の方針が示され、保護者の判断と選択の機会が保障されなくてはなりませんでした。父母会のアンケートでは、8割が民営化に反対しています。保育士や園長が一斉にいなくなり、子どもたちはついていけるのだろうかと、不安と区の性急なやり方に保護者の皆さんはいら立ちと怒りさえあらわにしています。
 公立保育園を民営化するという方針は、経費削減だけが目的で、区の公的責任を放棄するものと言わざるを得ません。民営化の是非も含めて、16年度実施は凍結し、関係者の合意を得るべきと思うがどうか。
 また、待機児解消は焦眉の課題ですが、区は独自に認可保育園の建設計画をつくるべきと思うがどうか、答弁を求めます。
 第三は、子どもの医療費助成制度の拡充です。
 乳幼児医療費助成制度は、所得制限が来年度撤廃され、就学前まですべての児童が無料になります。北区では、来年度、この制度を拡大するとしていますが、当区でも、小学校低学年を対象に、当面、入院の医療費助成を行うべきと思うがどうか。
 第4は、小児初期救急夜間診療事業について質問をします。
 女性の就労の増加、核家族化による相談体制の不足などによる受診需要の増、病院の小児科医不足、開業医の高齢化などによる供給不足、さらに診療報酬の減など、小児医療体制の後退がNHKテレビなどで放映され、社会問題化しています。
 我が党は、今年度からこの事業を実施している葛飾区、春日部市、川口市などを視察し、調査してきました。川口市では、平成10年度から独自に実施していますが、医師会委託で、平日は開業医当番制、土日祝日と平日深夜は公的3病院が担当しています。14年度は、8,500人の実績があり、前月の市の広報で医療機関の当番を公表し、市民にPRしています。
 足立区でも、博慈会記念病院で小児二次救急診療を実施していますが、軽度な患者も救急患者も一緒に見ているため、長時間待たされるケースが多いと聞きます。ある小児科医は、若いお母さんらは熱が出ただけですぐに飛んでくるが、夜中に子どもを医者に連れてくる必要はない場合が大半なので、母親へのカンファレンスも必要ですと語っています。区内には、小児科のある医療機関は26、専門の小児科医は22名しかおらず、内科医の協力は不可欠といいます。
 そこで、質問ですが、川口市のように、月1回の当番制も含め、医師の確保等への助成を行い、常設の小児初期救急夜間診療を実施すべきと思うがどうか、答弁を求めます。
 次に、産業振興、中小零細企業支援策についてであります。
 静岡県島田市では、市内産業の活性化、住宅関連産業の振興を図るため、新築住宅補助制度を始めました。市に登録した建築業者に発注して、市内に新築もしくは戸建て住宅を取得した人に対し、延べ床面積1平米当たり5,000円(上限額100万円)の助成を市内商店街の金券で補助するというものです。平成14年は、53件、5,000万円余の実績があり、7%の市内転入がありました。定住対策としても好評で、15年度は2倍の予算を計上しています。
 区でも、こうした地域経済活性化対策事業を行う考えはないか。
 次に、住宅改良助成制度は、条例を変えて再出発しましたが、融資を受けることを絶対条件としている制度であり、高齢者世帯では融資条件は厳しいものがあります。今年度の実績は、対象を狭めたことにより相談は多いが、実際、助成金を実施したのは2件しかありません。
 住宅改良助成条例を自己資金でも活用できるようにするとともに、助成条件を緩和すべきと思うがどうか。
 また、区では、太陽光発電装置、雨水タンク購入補助の融資制度はありますが、工事代金の助成制度をつくるなど、制度の改善を図るべきではないか。
 商店街振興プランの拡充、不況の影響などから空き店舗がふえる中、商店街の電気代補助は2分の1から3分の2へと拡充されてきましたが、前議会の我が党への答弁で、補助率の引き上げについて包括予算の中で検討と答えています。来年度予算で全額補助すべきと思うがどうか。
 また、商店街振興プランを発展させ、(仮称)高齢者サポート商店街支援事業を行う考えはないか、答弁を求めます。
 区は、平成13年8月に、区立上総湊健康学園のあり方についてという報告をしましたが、その中で、ネグレクトを含む虐待対策は児童養護施設で行っているが、都内63カ所、定員3,345人のうち、14%を足立区の児童・生徒で占めており、現在、上総湊健康学園に入園している半数がその対象である、また、入園していないが、同様の問題を抱える児童が区内に100名程度いると報告しています。健康学園のあり方については、家庭が養育能力に欠け、健康を損ねている児童の受け入れ先として存続させるという方針が政策会議で決定されたと文教委員会に報告しています。ところが、学務課は、現場に廃止のための調査に入ったと聞きます。
 区は、第2回定例会で、我が党の代表質問に、自治体として、本来、果たすべき役割の着実な遂行と児童虐待や雇用など、従来、着手できなかった分野への取り組みに重点を置いていく考えでありますと答弁していますが、上総湊健康学園はまさに児童虐待に対応する貴重な施設ではありませんか。いまこそ、健康を損ねている児童の健康回復と修学という重要な役割を担ってきた上総湊健康学園を存続させ、充実させるべきと思うがどうか、答弁を求めます。

少人数学級の実現こそ確かな学力をつける

 次に、少人数学級について伺います。
 文科省は、ことし4月、初等中等教育局長名で通知を出し、都道府県の判断で少人数学級に踏み出すことを追認しました。その後、住民運動と結んで少人数学級に踏み出した自治体は30道府県に広がっています。
 茨城県教育委員会は、35人学級を実施した20校のアンケートを公表、いずれも少人数学級の効果として子どもの学習面、生活面ともあわせて効果のあったことを評価しています。担任教師は、物理的、精神的、空間的余裕ができ、辛抱強く待つことができると、生活面での指導と学習面の効果が相乗していると答えています。
 33人学級に踏み出した山形県教育長は、インタビューで、多くの子どもたちは勉強がわかるようになった、学校は個々に指導が行き渡るようになった、保護者は子どもを見て少人数学級の効果を実感していると発言しています。
 子どもたちに基礎学力をしっかりと身につけさせる上でも、学習面、生活面とも系統的な指導が求められており、少人数指導より少人数学級の方がよりベターであることは明らかではありませんか。
 そこで、質問ですが、区教委として、少人数学級の教育的効果について、実施している道府県の結果などから見て評価できるものと考えるのかどうか、教育長の答弁を求めます。
 また、そうした認識に立つならば、少人数学級実現の障害となっている東京都教育委員会に意見、要望等を上げるべきと思うがどうか。
 次は、旧本庁舎跡利用についてであります。
 区は、基本協定を結びましたが、いまだに中心施設のデジタルファクトリーの事業内容や採算について、どういうものなのかさえ明らかにされていません。区民の貴重な財産である区役所跡地の活用が、こうした不透明なままで区政透明度全国トップクラスを目指すと言えるのでしょうか。産業振興センターやSOHO、区民施設を加えても約2割しかならず、残りの8割が綜合商事の民間施設です。この施設全体が、新産業振興センターとはとても言えるものではありません。しかも、集客力についても、デジタルファクトリーには期待できず、既に千住にあるコンビニとスポーツクラブができてもまちのにぎわいにならないことは明らかです。
 ある商店街の会長さんは、区役所跡地に人が通ってにぎわいにならなければだめ、O案には期待できない、更地のままの方がエキゾチックフェアもできるし、避難所にもなるから、O案になるより、いまのままの方がいいと語っています。
 区内産業振興になるという根拠は、この施設の一体どこにあるのか、明確な答弁を求めます。

デジタル・ファクトリーの事業収支計画を明らかにせよ

 また、綜合商事とのパートナーシップ(PPP)とは、民間企業の事業収支計画を聞くこともないままお任せということなのでしょうか。区として、事業計画を聞き、チェックする意思はあるのかどうか。
 さらに、資金調達で、金融機関が事業計画をチェックし、融資が不良債権化しかねないと判断した場合、区はどうするのか。
 また、公開スタジオの賃料などの債務負担行為を行うのか。
 また、区の財政出動が新たに発生することはないと言えるのか、答弁を求めます。
 最後に、日暮里・舎人線について質問をいたします。
 区は、概算22億円で東京都建設局長と新交通日暮里・舎人線連絡通路設置工事に関する施行協定を結ぶとしていますが、本来、東京都が大都市事務として賄うべきであります。区が支出する経緯の中で、19年度までに必ず完成させられるという確約はとれるのか、区長の決意を伺います。
 また、現在、インフラ部は、都建設局がインフラ外部を東京都地下鉄建設株式会社が建設していますが、開通後、運営主体はどこになるのでしょうか。私どもは、東京都が運営主体となるべきと思うがどうか、区の見解を伺います。
 また、運賃については、住民負担を極力軽くして、公共交通としての役割を果たすよう協定を結ぶに当たり東京都と協議すべきと思うがどうか、答弁を求め、この席での質問を終わります。

答弁

◎鈴木恒年区長  針谷みきお議員の代表質問にお答えいたします。
 初めに、イラク戦争に関する認識でありますが、小泉総理が発言されているように、今回の戦争の一番大きな原因は、イラクが再三の国連決議に十分協力せず、国際社会の一員としての信頼を失ったことにあると思っております。この7月に成立したイラク復興支援特別措置法におきましても、こうした趣旨が盛り込まれておりまして、我が国の立場が国連憲章に違反しているとは考えておりません。
 次に、普通の国の発言でありますが、これはイラク特措法ではなくて、前定例会の大島芳江議員の有事関連法に関する再質問にお答えしたものです。
 私は、国家が、自国の平和と独立、国民の生命と安全を確保することは当然のことと考えております。これまでの国内政治では、こうした議論が置き去りにされてきたことを思えば、この6月に、我が国に対する武力攻撃への対処についての基本理念と手続を定めた武力攻撃事態対処法が国会での圧倒的な賛成多数で成立したことは画期的なことと考えております。こうした時代の変化は、我が国が国家として当然のことを議論できる普通の国になったと考え、法制度が整備されたこととあわせて私の認識を申し上げたものであります。
 他の質問につきましては、参与から答弁をいたさせます。

◎坂田道夫政策経営部長   私からは、最初に行財政運営方針に関するご質問にお答えいたします。
 地方分権の流れの中で、税源移譲を伴った権限の移譲がなされることが大前提であるのは申すまでもないことでありまして、この点は特別区区長会や全国市長会等を通じ、機会あるごとに強く要請しているところであります。
 今回の依命通達の意味するところは、国の補助金が廃止ないしは減額されることによって、事業の執行に支障を来すような足立区の財政構造にこそ問題があるのであり、そのような財政構造を改革することが必要であると述べているもので、決して国の一方的な補助金削減を甘んじて受け入れるものではありません。
 今後も、機会あるごとに財源移譲を伴う地方分権を進めるよう要請するとともに、財政基盤の強化に向けた財政構造の改革を進めてまいります。
 続いて、これまでに、足立区では、民活、官活による事業を展開し、国や都の補助金等を積極的に導入し、活用を図ってまいりました。
 今後とも、ご指摘の第二次財政再建プランにつきましては、その動向を注視しつつ、必要があれば、東京都に対し、区の要望を伝えてまいりたいと考えております。
 続いて、まず、区民税の減収、扶助費の増加等による14年度決算数値は、このところの厳しい経済情勢が少なからず影響していると考えております。
 また、施設の老朽化による改築、都市更新については、急速な都市化の影響による人口急増に対処するために、社会資本整備を集中的かつ重点的に実施してきたことによるものであります。厳しい財政状況の中、三位一体の改革などに留意しつつ、国や都からの財源確保にも一層努めていく必要があります。
 ただ、施設の更新は、単純な建てかえではなく、新規施設整備として改めてその必要性とコスト、効果を検証する必要があると考えております。
 次に、投資的経費につきましては、北千住駅西口再開発、シアター1010が完成すること、第一中学校などの改築工事によるものであり、計画を着実に推進してきたものであります。
 次に、複数年方式は、3カ年の収入予測に基づく経常経費の目標総枠を提示し、各部が厳しい財政状況下にあっても、目標管理による着実な事業推進を可能とするものであります。
 続いて、行財政運営方針のご質問にお答え申し上げます。
 事業の廃止、縮小等、事務事業の見直しは、常に継続して取り組む課題であります。最少の経費で最大の効果を発揮することが区民の求めであり、アウトソーシングの推進や民間経営手法の導入等、新たな取り組みや手法の活用は区民サービスの向上のために不可欠なものと言えます。その結果として、職員数の削減や行政責任領域の見直しが図られるのであり、自治体の営利企業化を進めるものではございません。
 厳しい財政状況の中で、今後、本格化する区公共施設の更新を実施していくためには、PFI等の新たな施設整備手法の導入が不可欠であり、また、トータルコストの縮減と財政負担の平準化というPFIの財政上のメリットを生かして公共施設の整備を促進することは区内事業者の事業機会の創出という面からも有効と考えております。
 足立区民の人間力は非常に高いものであり、その区民の人間力を育て、活用することが足立区の発展に欠かせないものであります。しかし、例えば、全国的な知名度を持った演劇活動分野のように、すべての分野において足立区民がその任に当たれるかというと、やはり人材不足の分野がございます。そのような分野では、区外から先進的で第一線で活躍する人材の流入を図り、区全体の人間力向上を図ることも必要と考えているわけであります。足立区は、もともと豊富な人材に恵まれておりますから、そのような呼び水的な人材の流入により、足立区の人間力向上が大きく加速されるものと考えます。
 続いて、針谷みきお議員ご指摘のとおり、都区財政調整交付金を取り巻く各区の環境は両極分化が進む中で、足立区は基準財政需要額に比べ基準財政収入額の落ち込みにより、財調普通交付金は28億円余の増となりました。平成16年度におきましても、区民税の減収などにより、基準財政需要額と収入額との差が広がることも予測されますが、調整税の落ち込みなどにより依然厳しい状況にあると考えております。
 また、平成17年度における5年経過による清掃関連事業の完全移管問題や、360施設、約120万平方メートルに及ぶ公共施設等の更新問題など、本格的な都市更新の時期を迎えております。平成15年7月、特別区長会は、平成16年度都の施策及び予算に関する要望書の中で都市計画交付金の拡充について要望したところであり、都区財政調整交付金に係る要望につきましては、現在、区長会事務局において取りまとめているところであります。今後、平成17年度の財調配分率の見直しの中で、財調配分率57%を確保してまいりたいと考えております。
 続いて、現段階でも、予算編成に当たりましては、施策の決定に当たり区民要望の高い事業の予算を編成しておりますが、新しい基本計画策定の中で政策評価の仕組みを組み込む予定であり、その中で対応してまいりたいと考えております。
 次に、投資的経費につきましては、一時的に多額の経費を要するため、長期的な視点での財政計画と区政全般を見渡した計画的な事業執行が求められます。したがいまして、包括予算制度におきましては、単年度で収支を完結する経常的経費とは区分しております。そして、中期財政計画にありますように、区が実施する公共事業は区民生活に密着しており、区民の安全を守り、生活を豊かにし、快適性を向上させることを目的としたものであります。この区民生活密着型の公共事業につきましては、極力区内業者の参入を実現していきたいと考えております。
 また、包括予算制度は、可能な限り最大限の財源を当初で見込み、年間を見通した財源の配分を行います。そして、重点的に取り組むべき事業、優先度の高い事業などの選定を、各部が、すなわち顧客である区民により近い現場が行いますので、より早く、より効率的に予算化ができ、また予算執行ができると考えております。
 最後に、住民投票の実施及び住民による直接評価につきましては、現在進めている新基本構想・計画の策定の中で、基本構想審議会のご意見等を十分に伺いながら検討をしてまいります。

◎小平勝夫建築担当部長  施設の改築計画についてお答えいたします。
 当区におきましては、平成11年度に足立区建築物等保全規程を策定し、各部で効率的な予算執行や財政支出の平準化を図りながら、建物の適正な維持保全を進めております。長寿命化については、長期保全計画の策定に向けて、現在、営繕課で技術的支援を兼ねたマニュアル作成等に取り組んでいるところでございます。
 学校につきましては、平成7年に足立区立小・中学校の適正規模・適正配置計画及び改築に関する計画書が出され、建築後50年以内の改築が提案されております。しかし、厳しい財政状況下でもあり、耐震補強や外装補修などの大規模改修工事も並行して行っておりますが、今後も築後60年以内での計画に見直さざるを得ない状況になっております。施設の延命を図ることにより改築時期を延伸させ、全体として改築計画を円滑に推進するよう努力してまいります。

◎石川義夫福祉部長  私からは、子ども施策についてのご質問にお答えします。
 今回の次世代育成支援対策推進法では、地方公共団体と事業主に行動計画策定を義務づけております。今回、先行策定自治体として取り組んでいるのは、事業主の行動計画ではなくて、地方自治体の行動計画でございます。したがいまして、区民の代表で構成しております現地域保健福祉推進協議会で検討を進めてまいります。
 また、事業主の行動計画策定の指導は労働局の担当でございます。
 なお、パブリックコメントの実施については検討してまいります。
 次に、待機児解消につきましては、重要な課題であると認識しております。しかしながら、少子化の進行に伴う保育需要の予測が難しいこと、及び現在の厳しい状況下では待機児解消策として認可保育園を設置していく考えはございません。
 次に、保育園の民営化につきましては、多様な保育サービスの充実を図るものでございます。伊興前沼保育園の民営化につきましては、保護者説明会及びプロポーザルによる募集も実施しており、当初の予定どおり進めていきたいと考えております。
 次に、乳幼児医療費助成制度につきましては、16年度中に所得制限の撤廃を予定しておりますが、所得制限撤廃分がすべて区の負担でございます。そういうことから、まずは東京都へ制度の拡充を要望してまいります。
 また、入院医療費助成については、他区の動向を見守りたいと存じます。

◎神谷達夫衛生部長  私からは、小児の初期救急夜間診療事業についてお答え申し上げます。
 小児初期救急夜間診療の必要性につきましては、区としても認識しております。既に、区医師会と数回にわたり協議しておりまして、医師会の協力を得ながら、その実現に向けて努力してまいりたいと考えております。

◎丸山亮都市整備部長  新築住宅補助制度についてお答えいたします。
 区内における住宅の新築等につきましては、用途地域等の見直しによる規制の緩和や環境整備指導要綱に基づく住環境の整備等によりまして、新築や建てかえを促進し、ファミリー世帯向け住宅あるいは多世代住宅の整備の条件を整えて、総合的な魅力あるまちづくりを進めまして、「住んでよかった、住み続けたいまち・あだち」の実現を図ってまいりたいと考えております。したがいまして、新築住宅に対し、補助していくことは考えておりません。
 次に、住宅改良助成事業についてお答えいたします。
 住宅改良助成事業は、改良したいにも手持ち資金が不十分な方々をご援助申し上げるものでございます。したがいまして、制度の趣旨から、自己資金での活用等助成条件の緩和につきましては考えておりません。今後とも、制度の普及に努め、対応してまいりたいと考えております。
 太陽光発電装置、雨水タンク設置等の工事代金の助成制度についてお答えいたします。
 雨水タンクは、設置工事費を含めまして合計金額の2分の1を補助しております。また、太陽光発電装置設置に関する補助金につきましても、財団法人新エネルギー財団の補助金と同様の補助制度導入を検討しております。
 次に、日暮里・舎人線について一括してお答え申し上げます。
 日暮里・舎人線は、二度の開業時期延伸がされておりまして、三度目の延伸は絶対に許されるものではございません。幸い、工事は順調に推移しております。これを、さらに、平成19年度の開業を確実にする意味からも、地元区として日暮里・舎人線の建設促進に寄与するため、22億円の支出をすべく、本会議にご提案いたしたものでございます。
 また、開業後の運営主体は東京都地下鉄建設株式会社の予定と聞いておりますが、住民の方が利用しやすい運賃、満足の得られるサービスを提供できる安全で信頼の高い交通機関となるように東京都に要望してまいります。

◎坂本寛文産業経済部長  私からは、まず、商店街の街路灯電気代を全額補助すべきとのお尋ねからお答えをいたします。
 さきの第2回定例会において答弁いたしましたとおり、当面、現在の補助率を継続しながらも、包括予算制度の枠内において創意工夫を図り、可能な限りの負担軽減を目指していく考えでございます。
 次に、(仮称)高齢者サポート商店街支援事業についてですが、これまでも高齢者にやさしい商店街診断や商店街振興プランにおいて、高齢者が利用しやすく、頼りにできる商店街づくりを目指してさまざまな取り組みを行ってまいりました。当面は、これらの診断結果や事業計画を着実に推進することが重要であると考えておりますので、現在のところ、新たに(仮称)高齢者サポート商店街支援事業を行う考えはございません。
 次に、旧本庁舎跡地利用についてお答えいたします。
 初めに、この施設が区内産業振興になる根拠というお尋ねですが、この施設は、地域のにぎわい創出、産業振興及び経済活性化を図ることを目的として、公共施設を含む施設全体を(仮称)あだち新産業振興センターと位置づけております。このことに基づき、区と事業者が基本協定を締結し、議会にご報告して了承を得ております。
 次に、この事業は、区と事業者がパートナーシップに基づき、お互いに強みを生かして目的を達成しようとするものです。基本協定書では、区の役割と事業者の役割を明確に区分しております。南棟を建設、所有し、運営していくのは、事業者の役割としております。その中でも、デジタルファクトリーについては、事業者がみずから事業を行う施設であり、事業収支については企業みずからが責任とリスクを負うものです。区は、事業収支のチェックを行う考えはありません。
 なお、事業継続にかかわる何らかの申し出がなされた場合には、協定に従い、別途協議することとなります。
 公開スタジオの賃料については、年間営業日の6割について利用料を負担するものです。基本協定では、20年間の利用契約となっています。予算編成のあり方については、今後、関係法令を十分に検討してまいります。
 なお、基本協定書に定めのない新たな財政出動が発生する余地はありません。

◎内藤博道教育長  学校改築におけるPFI手法の導入についてお答えをいたします。
 学校の改築につきましては、平成7年に策定されました足立区立小・中学校の適正規模・適正配置計画及び改築計画に関する報告書に基づき、計画をされております。この計画では、築後50年を経過しない範囲で改築することとし、平成44年までの延べ35年間に85校の改築計画が示されております。
 しかしながら、財政事情の悪化から計画どおりには進んでおらず、耐震補強や大規模改修との整合性を図りながら、築後60年以内での計画に見直さざるを得ない状況になっております。したがいまして、改築が重なる時期については、財政フレームを関係各課と協議、調整の上、PFI手法も含めた改築手法の検討を進めていかざるを得ない状況であると考えております。現在、PFI手法については、さまざまな角度から検討を重ねております。なお、アドバイザー選定は、公正に行われたものでございます。

◎石川純二教育委員会事務局次長  上総湊健康学園のあり方についてお答え申し上げます。ご指摘のとおり、健康学園のあり方については、家庭が養育能力に欠け、健康を損ねている児童の受け入れ先として、当面の間、存続させると文教委員会に報告しております。この当面の間とは、5年程度と認識しており、それを踏まえますと、再度、検討に入る時期に来ていると考えております。

◎江口由紀夫教育改革推進担当部長  少人数指導については、新聞や調査報告等で紹介されており、授業によっては必要性があるということを認識しております。しかし、このことが、直ちに少人数学級の設置に結びつくものではないと考えております。したがいまして、既にさきの第2回定例会でお答えしたように、今後も生活集団としての40人学級を維持しつつ、特別講師の派遣等により、学習集団としての少人数指導の充実に努めてまいります。
 また、本件を東京都教育委員会に要望することは当面考えておりません。

再質問

◆針谷みきお議員  全体として、すりかえているというか、まともに答えていない答弁が多過ぎたので、すべてやっていると再質問のルールに反しますので、明らかにおかしなものだけに絞り、あとは決算委員会等でやりたいと思います。
 まず、アメリカのイラク戦争について、区長の答弁でありますけれども、私は、この戦争が先制攻撃を禁じた国連憲章違反の無謀な戦争でないのかと聞いたのです。日本の政府の立場が、国連憲章に違反しているか、していないかという答弁をいただきましたけれども、日本の政府の立場なんて聞いていないのです。イラク戦争そのものについて、どうなのかということを聞いているのであって、これは真っ正面から答えてもらわなければ、答弁になっていないと言わざるを得ません。
 それから、2点目の普通の国になったという問題については、区長の話は憲法9条も見直すという立場の表明と受けとめたのですが、その点について確認をしたい。
 2点目の少人数学級の問題も、少人数学級と少人数指導を比較して、少人数指導は答弁でお認めになったように効果があるということですから、それは構いませんが、私は、少人数指導より少人数学級がよりすぐれているということの認識を聞いているのです。そちらは、先回りして、当面は少人数指導をやり、40人学級でいくのだという、方針を聞いているのではないのです。区教委の認識を聞いているのです。少人数学級の認識を聞いているのですから、その都道府県の実践を見て、どう評価しているのかということをちゃんと答えてください。
 それから、健康学園の問題についても、文教委員会に出された報告書があるのですが、先ほどの答弁の当面、当面の間とは書いていないですよ。これは、虐待問題も含めて、この支援体制が整うまで、健康学園は、主として家庭が養育能力に欠け、健康を損ねている児童の受け入れ先として存続させると。体制ができていないのに、5年だということがどこから出てくるのですか。しかも、答弁は見直しの時期に来ているということだけを言っているのであって、私が言っているのは、所管課が営繕課に命じて、廃止のための取り壊しを命じて、現地に行って設計の指示までしているということを聞いているのであって、意思の問題についてどうなのかということ、廃止を決定しているのではないかということを聞いているわけで、そこのところは明確にお答えください。
 最後になりますが、産業振興の区役所跡地問題も、全然答弁ではないのです。産業振興に役立つという答弁は、産業振興とにぎわいだと。だから、新産業振興センターと答弁しているのですが、私は、デジタルファクトリーがいまだに何だかわからない、何だかわからないのに、産業振興になると言えないでしょうと聞いているわけです。ですから、綜合商事と区のそれぞれの強みを生かして云々かんぬんといっても、強みがあるかどうかも、デジタルファクトリーが何ぞやなのかが全然わからない。収支計画も全然わからない。区民の貴重な財産である区役所跡地を使うのに、そんなことでいいのですかと聞いているのです。だから、全然答弁がかみ合っていない。
 これを再度お願いいたします。

再答弁

◎鈴木恒年区長  私に対する再質問のうち、1番目のアメリカが国連憲章に違反しているかどうかというご質問でありますけれども、国連憲章に違反しているかどうかは、アメリカの議会でもって議論してもらうべきことではないか。私が答えましたのは、日本が独立国家だということで、その立場から所感を述べたわけでありまして、そういう問題につきましては長い歴史、時間というものがたたないと、本当にどうだったのかという情報が全部出てこないのではないかという気がいたします。
 それから、二つ目は、私が申し上げて、どうも誤解をされているようですが、普通の国と言ったことが憲法9条とどこでつながるのか、よくわからないのですけれども、私はいままで日本の国が武力攻撃を受けたときにどうしようかという話ができなかったのではないか、やらなかったのではないか、こういうことができるようになったということが普通の国だなという考え方を述べたわけでありまして、憲法9条は関係ございません。

◎江口由紀夫教育改革推進担当部長  少人数学級につきましては、効果があるという報告があることは認識しております。ただ、区におきまして、当面、少人数指導を推進し、きめ細かなわかる授業を進めてまいりたいと思っております。

◎石川純二教育委員会事務局次長  上総湊の健康学園でございますが、針谷みきお議員ご指摘の点も含めて、今般、原点に返って事業の見直し、検討に入りたいということでございます。

◎坂本寛文産業経済部長  先ほどの第1回目のご答弁の中で、区と事業者が基本協定を締結し、議会にご報告して了承を得ておりますというところで、私は凝縮してご答弁を申し上げたつもりでございますが、この提案は多くの提案の中から専門家、区民で構成されます審査会の審査を経て最優秀案とされたということ、そして区長に答申されたということです。その後、公に締結されるわけですが、その間、庁内検討組織のあだち新産業振興センター建設推進本部の中で論議をして、逐一、公共財産等活用調査特別委員会に、まずは事業の概要もお示しし、その後の検討結果もご報告し、12月13日には基本協定の案文をお示しして、さまざまなご意見をちょうだいしてきたということです。そして、その施設が、この基本協定の中で、千住地域ににぎわいを創出する、足立区の産業振興に寄与する、足立区の経済活性化に寄与するという3点をともに守ろうということで基本協定を締結しているわけでありまして、それを議会としてお認めいただいて、15年3月に定期借地に関する議決がなされたということは、私どもが逐一ご報告してきた内容を議会で追認をしていただいて、ご承認をしていただいたと理解しているわけでありまして、産業振興に関係ないということではないと信じております。
 それから、事業採算性等については、事業者の自由裁量の範囲内でありまして、事業運営に素人であります行政が関与する余地はないわけであります。したがいまして、事業者の行動が基本協定に合致しておれば、そのまま事業者の強みを生かしていただくと理解しておりますので、よろしくご理解のほどをお願いいたします。

再々質問

◆針谷みきお議員  議長、教育委員会の質問についていいですか。

○議長 針谷幹夫議員の質問は二回にわたっておりますが、会議規則53条の但し書きの規定にもとづき、とくに許します。

◆針谷みきお議員  少人数学級の問題は、私の再質問にも全く答えていないのです。私は、少人数指導と少人数学級を比べたときに、少人数指導の方が基礎学力をきっちり身につける上でよりベターではないですか、その相乗効果があるから、よりベターであるかどうかを聞いているのです。答弁は、それについて全く答えていない。2回も答えていないのですから、ちゃんと答えてくださいよ。

再々答弁

◎江口由紀夫教育改革推進担当部長  先ほどご答弁申し上げましたとおり、学級編制につきましては東京都の制度のもとで行っております。当面、生活集団としての学級を維持し、学習集団としての少人数指導を充実してまいりたいと思っております。