足立区一般会計補正予算(第2号)に対する反対討論
ぬかが和子議員 |
◆ぬかが和子議員 ただいま議題となりました第65号議案、平成15年度足立区一般会計補正予算(第2号)につきまして、日本共産党足立区議団を代表し、反対討論を行います。 鈴木区長は、今議会のあいさつで「特に緊急度が高く真に必要な事業について補正予算を編成した」としています。いま、真に必要なのは、区民の厳しい生活と営業を支えるために手を差しのべ、応援することです。 補正予算審議でも明らかになったように、長期化する不況と社会保障の切り捨て、負担増のもと、区民の生活と営業は一層深刻さを増しています。生活保護受給世帯が昨年より7%増え、就学援助が5%増、企業倒産も依然として高い水準で続いています。 区内の建設業界では、いよいよ蓄えも底をつき、「これ以上の受注減、単価切り下げは耐えられない」との声が寄せられるところまできています。こうした区民の状況と要望を考えれば、今補正予算には雇用拡大策、中小企業の仕事拡大策、高齢者や子育て世代の経済負担軽減策を盛り込み、区民が安心して年を越せるようにすべきでした。 しかし、提案された補正予算は、区民生活を支える視点が弱く、安心して年を越せるための対策が不十分です。例えば2時間でも3時間でも働ける場がほしいという区民の声に応える臨時雇用の施策、小さな工事でもいいから受注したいという中小建設業者の声に応える改修、小破修繕などの積極的な発注、高齢者の介護保険料減額制度の適用拡大や、利用料減額の適用促進など、やる気になれば財調の区別算定確定による28億円の増収分を活用し、区民生活を応援する予算が組めたはずです。区は「減債基金への繰り戻しや、区税減収分に充てなければならない。見通しは甘くない」と言いますが、包括予算制度のもとでも、執行残による剰余金がないわけではなく、財調の28億円を全く活用できないということはありません。 今回の補正予算では、区民への部分的な支援策も盛り込まれましたが、都支出金などに負うものがほとんどで、区独自の姿勢が見られません。 緊急雇用創出事業による雇用拡大策はわずか13人、雇用創出特区事業とも、都の補助金の枠を一歩も出ていません。学童保育室建設の増額や、痴呆性高齢者のグループホーム整備、介護予防となる高齢者筋力トレーニング事業も区民要望の強いもので、実施することは当然ですが、いずれも都の補助分だけを増額したもので、区独自の上乗せはありませんでした。 また、必要な事業であっても、その事業に無駄はないのか、本来、区が負担すべきなのかどうかという点でも疑問があります。 北千住駅西口の大型ビジョンは、「丸井の出店やペデストリアンデッキで街に人が流れなくなっては困る」「回遊性を担保し地元に賑わいを」と、地元商店街からの要望の強かった商店街振興策としては理解できるものです。しかし、運営委託費が月に250万円、壁面使用料が月額100万円、設置・維持にかかる費用を合わせると、通年ベースで7,700万円を今後10年間は支払い続けることになるものであり、今後も経費の縮減の努力や、効果的な番組内容の工夫が必要です。 こうした事業を実施する一方で、地域商店街を紹介するTMOのホームページ作成経費は、わずか300万円。都の補助金が下りなくなったことを理由に、今年度の作成を中止したことは許されることではありません。 北千住駅西口再開発は、ペデストリアンデッキのグレードアップにかかわる予算など、2億円を増額しています。地元住民の要望を聞いて、まちが見渡せるようにするため、高欄部分を強化ガラスにすることは理解できますが、見栄えをよくするためにルーパーいうアルミの押し出し材をつけることで、さらに経費をアップすることまで地元が望んでいたのでしょうか。 また、区は安全性を考慮した言いますが、足元に照明や化粧ガラスをつけたため、笠木から高欄までの高さが100センチほどしかなくなってしまったのは、安全性を十分考慮したと言えるものではありません。この2事業のどちらも全額一般財源で賄い、結果的には土木費が歳出全体の65%を占め、突出した補正予算となってしまいました。 今回の補正予算は、区民の願いに十分に応えず、深刻さを増す区民生活に対して、消極的で意欲を欠く鈴木区長の政治姿勢をあらわすものであり、賛成できるものではありません。 なお、日暮里・舎人線の新たな債務負担行為については、早期完成のため現時点ではやむを得ないと判断しますが、もともとは東京都が責任を持つべきものです。平成19年度開設に向け、一丸となって取り組むため、東京都が今後とも本来の役割を果たすよう強く望むものです。 最後に、鈴木区長が区民の生活を応援する区政運営を進める立場に立たれることを強く求め、反対討論を終わります。 |
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