伊興前沼保育園民営化計画の協議と凍結についての陳情について 厚生委員会での不採択に反対する討論 三好すみお議員 |
◆三好すみお議員 私は日本共産党足立区議団を代表し、ただいま議題となりました受理番号17、足立区立伊興前沼保育園民営化計画の協議と凍結についての陳情について、委員会での不採択に反対の立場から討論を行います。 本陳情は、「伊興前沼保育園の民営化にあたり、良好な保育環境の確保について、保護者の不安を解消するために保護者の協議に応じること」「その協議を行っている間は当保育園の民営化計画を一時凍結する」ことを求めるものです。この願いがいかに切実で、しかも道理に立ったものかは、短期間のうちに5,062名もの署名が集まったことからも明らかであります。そもそも公立保育園の民営化については、時間をかけた議論が必要であります。武蔵野市では、公立保育園の経営について、運営の効率化を図り、保育サービスの向上及びその他子育て施策の充実を図るための方策を検討することを目的として、公立保育園のあり方を考える委員会が立ち上げられ、1年間かけて検討が加えられたと聞いています。足立区でもこうしたやり方に学ぶべきです。 区は「2回の説明会を行い、それ以上の説明会の開催を求められなかったから」とか、「実施の9カ月前に提案をしているのだから、時間的に短いとは思わない」などと言っていますが、十分な協議が行われていないからこそ、今回の陳情が出されているのです。 また、平成16年4月1日実施は避けられないとして、突然の発表からわずか9カ月で民営化を強行することは、区の決定を住民に押しつけること以外のもに何ものでもありません。区は、民営化で多様な保育サービスを提供できると言っていましたが、委員会質疑で明らかになったことは、公立でも民間でも、できるサービスは変わらないことでした。やろうと思えばできるサービスをやらずに民営化を強行することは、結局民営化の本質が安上がりの保育にあることは明らかです。だからこそ保護者の中にさまざまな不安や不満が広がっているのです。 委員会での各党の意見陳述では、自民党が、民間委託罪悪論は断じて許せないなどと、議論のすり替えの上に、私立保育園が公立以上に頑張っていい保育を行っているから陳情の趣旨には不採択であると主張し、公明党も、公立保育園のよい面を認めつつ、さまざまなサービスの点で私立が充実しているとして不採択を主張しました。まるで民営化をするかしないかが陳情の争点であったかのような意見陳述でありました。 いま、この陳情の是非をめぐって求められているのは、区が既定の方針を説明するためだけの説明会ではなく、区が保護者の皆さんの率直な意見、要望を取り入れる姿勢を持って臨むことであります。そして私たち議会は、こうした保護者の皆さんの切実な要望に応えて陳情の趣旨を理解し、協議の継続と民営化計画の一時的な凍結を行うことが必要と考えます。 議員各位におかれましては、改めてこうした趣旨をご理解いただき、足立区立伊興前沼保育園民営化計画の協議と凍結についての陳情を採択していただけますようお願いを申し上げまして討論を終わります。 |
![]() |
![]() |