決算特別委員会の質問等 第2日目 10月3日 午前 鈴木秀三郎委員 |
○鈴木(秀)委員 どうもおはようございます。 私は、障害者施策を中心に質問をさせていただきます。 初めに、精神障害者の施策についてでありますけれども、精神障害者については障害者施策の中でも最もおくれている状況でありました。95年7月に精神保健法が改正されて、精神保健及び精神障害者の福祉に関する法律と変わりまして、ようやく精神障害者保健福祉手帳が発行されることになりました。 また、99年から3年間、試行的に行われていた精神障害者居宅生活支援事業は2002年、昨年ですけれども、2002年度から本格実施ということで、その柱は、一つは精神障害者居宅介護事業、二つ目は精神障害者短期入所事業、3点目は精神障害者生活援助事業、こういう三つの柱で始まったところであります。しかし、精神障害者手当などはありません。また、手帳が出されましたけれども、JRなどとかの割引なども適用されていない、そういうことに見られるように、おくれているという事態が現状であります。 こういう流れの中で、足立区でも精神障害者グループホームというものがつくられてきました。しかし、区のグループホームは通過施設ということで、3年ぐらいでグループホームを退去しなければいけないという状況になっています。このために、さまざまな障害問題が起こっています。 そこでお伺いしますけれども、一つは、グループホームを退去し民間アパートを借りる場合に、なかなか保証人が見つからない、親などが高齢化されて保証人として見られていない、保証人になれないということで、3年で退去する方が、保証人が見つからない人が結構いるわけであります。 こうした点では、区が保障する制度をつくるべきではないかと。私どももこれまでも、さまざまな点でこの保障制度についての検討を要請してきました。この点について、いまどう準備されているかお答えをいただきたいと思います。 ○足立保健所副参事(特命) ご指摘の公的保証人制度についてでございますが、その検討の進捗状況ということでお答えさせていただきます。 現段階の状況は、この公的保証人制度、鈴木(秀)委員ご指摘のとおり、自治体ですとか、区長の方が賃貸契約の保証人になるという制度でございますが、これを実施している自治体が23区内での実施はございませんで、他の自治体ですが、これも高齢でしたり、あるいは障害者としての身体障害にとどまっていたりという実情なのですが、これらの要綱等を取り寄せたり、あるいは電話で状況等をお聞きしながら、課内の方で検討しているという状況でございます。 また、あわせて高齢者の場合は東京都の方で家賃の債務保証制度等もございますので、そういったこともあわせて、視野に入れて検討を進めているところでございます。 ○鈴木(秀)委員 川崎市とかいくつかの自治体で、試行的に病院などの協力を含めてやり始めている、試行の段階だと思うのですが、いろいろな検討が提起をされておりますので、ぜひ早急にそういった点も整備していただきたいと思います。 次に、移ります。 保証人がいて民間アパートを借りられた、そういう方もおられますけれども、この精神障害者の方々が何かあったときには、グループホームの世話人に相談できるようにと考えて、ホームがある地域に住みなれているわけですけれども、その地域の民間アパートを借りる人が多いと。あるグループホームでは、ホームの周辺のところに10数人、20人近くともいわれているのですけれども、生活をしている障害者の方がおられると。で、ホームの世話人の方が相談にのるという状況が、ずっと続いているということだそうであります。 このために、ホームの世話人の方は、1人で二人前以上の仕事をするということにならざるを得ない。ここの状況を見て、こうしたグループホームに(仮称)見守り相談員というか、そういった方を配置してもらえないだろうかという意見も寄せられておりますけれども、そうした点での何らかの対策、対応を検討して実施していただきたいなと思うのですが、いかがでしょうか。 ○健康推進課長 鈴木(秀)委員ご指摘の、グループホームを退去した後の精神障害者の方に対する支援施策でございますが、現在区で実施しているものといたしまして、地域生活支援センターの利用、あるいは本年2月から本格実施いたしましたホームヘルプサービス、そのほか、保健総合センターの保健師が行いますふだんからの相談でしたり、あるいは生活保護の方が多うございますので、福祉事務所のケースワーカーによる指導もございます。 そのほか、医療機関からの訪問看護といったような支援施策があるわけでございます。 ご指摘の、元入居者に対してのグループホームを中心とした支援につきましては、その必要性は理解しているところでございますが、いま申し上げました精神保健サービスとの関係、あるいはいま進んでおりますグループホームの運営母体の法人化、その法人化された後の非営利法人あるいは社会福祉法人等の役割といったあたり、かなり環境の変化がいま激しゅうございますので、そういったほかのサービスとの関係について調査、研究していきたいと思いますので、今後このグループホーム運営当事者等の方からお話を伺ってまいりたいと思っております。 ○鈴木(秀)委員 現実にはこういう事態が起こっているということですので、その実態をよく調査して、対応していただきたいと要請しておきます。 次に、こうした状況は、なかなか定住して安心して住める状況がないということから、グループホームを3年で退所して民間のアパートを利用する際にはそういう状況が生まれると。抜本的な対策としては、そういう精神障害者が安心して暮らせる入所施設が、グループホームであればそれでもいいのですけれども、そういう入所施設を計画的につくるということを検討すべきではないかと思うのですが、その点ではいかがでしょうか。 ○健康推進課長 グループホームの計画的配備につきましては、地域保健福祉計画において増設計画を持っているところでございますが、現段階で5カ所のグループホームにつきまして、入所希望者があるたびに、これは公募でございますので、入所審査を行っております。 その入所待ちの方について、決して1人あいたたびに10人、20人お待ちいただいているということではございませんで、計画立案段階と現在において受給バランスがちょっと変わってきているなと。先ほど申し上げましたように、ホームヘルプサービスといったほかのサービスの充実に伴いまして、グループホーム本体への受給バランスが、計画を立てたときとちょっと変わってきているというところにございますので、その辺を踏まえまして、次期計画策定時にまた検討していきたいと思っております。 ○鈴木(秀)委員 先ほどの、グループホームの周りに住まわれる方がふえているということとあわせて、そういうほかの、おっしゃられるような施策がなかなか十分対応仕切れていないということが、そういう事態が生まれていると思うのですね。グループホームの安心して暮らせる施設も、この見直しの中でぜひ、3年で退所しなければいけないということではなく、安心して暮らせるような施設についても見直しの中で検討していただきたいと思います。要望しておきます。 次に、精神障害者を持つ家族の悩みの一つでもありますけれども、障害の個人の程度によりますが、精神的に不安定なときに、家族の弱い者、自分から見て弱い者に対して暴力を振るうという状況がままあります。いままでは、障害者を強制的に入院させるなどしてきたわけですけれども、この障害者が暴力を振るう家族の対象が、一時いなければおさまっていくという状況もかなり見られるということで、そういう暴力を受けやすい、お母さんとか、子どもとか、自分より下の子どもとか、そういった家族が一時避難できる施設といいましょうか、そういう措置が必要ではないか。 そこでお伺いしたいのですけれども、例えば火災に遭って焼失された家族の方に対して、いま一時的に宿泊施設を借用して提供していると。かつては青少年寮などを使っていたわけですが、それがなくなりまして、そういった宿泊施設を借用して提供するということを現実にやっているわけですけれども、こうした精神障害者の家族に対する一時避難的な宿泊場所の提供というものを、区でも検討してはどうかと思いますが、その点ではいかがでしょうか。 ○健康推進課長 鈴木(秀)委員ご指摘のように、精神障害者が精神的に不安定になった場合に、同居家族に対して攻撃的になることがしばしばございます。それは、入院に至るような激しい不安定さではない状態でございますが、こういった場合に一定の冷却期間を置くことは、鈴木(秀)委員ご指摘のように有効である場合が多うございます。こういったことへの対応につきましては、精神障害者本人が利用できる施設としては、ショートステイという制度が法律に入りまして、当区におきましても現在設置を検討中でございます。 ただ、鈴木(秀)委員ご指摘のご家族のための一時宿泊施設というのは、これは法律でも想定していないところでございますので、今後検討していきますショートステイにおいて、本人だけではなくて、障害者のご家族も、そういったシェルター的に使えるような使い方ができないのかどうかといったあたり、ほかの自治体等の試みも調べまして調査、研究していきたいと思っております。 ○鈴木(秀)委員 ぜひ、精神障害者のショートステイの具体化の中で検討していただきたいと思います。 次に、重度の全身性障害者のための居宅介護事業の研修について伺いたいと思います。 社会的には障害を持ついろいろな方がおられますけれども、この重度の全身性障害がある方は、本当に大変な状況です。全身性障害者を介護している80歳の家族の方からも訴えられています。足立区には2002年度、介護者派遣対象の全身性障害者数は180人いるということを聞きました。区指定の基準該当事業者で全身性障害者を含め日常生活支援を行っている区内の事業者は、23事業者と伺いました。 ところで、ことしの4月支援費制度が始まりました。この支援費制度が始まった中で介護従事者の要件が厳密になられました。そのためにさまざまな事態が起こっているわけですけれども、しかし、重度の障害者の介護に従事する従事者の技術面というか、そういう質の面とかで不十分さが見られると。 東京都は7月25日、東京都障害者居宅介護従事者養成研修事業実施要綱というものを施行いたしました。この重度障害者の居宅介護従事者、いわゆるホームヘルパーの技術や質的向上を目指したフォローアップ研修という部分もあるわけですが、この中には全身障害者移動介護従事者養成研修、全身性障害者のための日常生活支援従事者養成研修というものも含まれています。 足立区の中でも区の指定業者もたくさんおられるわけで、都の要綱が施行されてから既に2カ月以上がたっているわけですけれども、区ではこの都の要綱に基づいての養成研修という計画を検討をしておられるのかどうか、お伺いしたいと思います。 ○福祉部参事(障害福祉担当) 都の方で、視覚障害者及び全身性障害に関する移動介護従事者の研修自体の要綱をつくっているということは存じております。 現在、足立区も含めて23区におきまして、この研修におきましては、都の方で全面的にやるべきだということで、23区の課長会をもって都の方に要請している段階でございます。ちなみに、視覚障害者に関しましては9月と11月に、都の方で9月に研修を行いまして、11月に行うということですが、数的には非常に少ない数で、これに関しましてもっとふやせという話はしております。 ちなみに、全身性に関しまして支援費制度が実施されまして、日常生活支援ということで支援費制度の中にのるようになりました。一般の障害の関係の1級から3級のヘルパーに関しましても、日常生活支援に関しまして行えるということになっております。 また、従前、この全身性障害者に関しましてヘルパー活動を行っておりました従事者の方は、障害の級を持たなくてもみなし規定ということで、支援費施行後も実施できるという状況にございます。 私どもといたしましては、いまのところ日常生活に関しまして、それで充足しているという認識をしておりまして、都の要綱もございましたが、日常生活に関します研修は、いまのところ考えていないという次第でございます。 ○鈴木(秀)委員 全く前向きではないですね。東京都が遅ればせながら出したということですけれども、本当にいま答弁にもありましたみなし規定とか、あるいは1級から3級ということで、いろいろと支援費制度に移り変わる中で努力されて養成をしてきていると。しかし、そういう中でも、技術面も含めてまだ必要だという実態があるわけですね。だからこそ、東京都は改めてこの7月にこういう要綱も制定して出すと。東京都はなかなか進まないという現実も、それは確かにあるでしょう。しかし、東京都がやらないから足立区もいいんだと、東京都の責任なんだということでは、済まないのではないですか。 区の該当事業者の指定業者が23事業者あるわけですけれども、東京都の指定業者は東京都全体で10業者、そういう状況ですよ。東京都の責任でやるというのは当然ですけれども、区としても、こうした養成研修は、みなし規定でできるのだからいいんだという、そういう程度の話ではないと思います。 こうした研修、養成講座を開くべきだということで出されているわけですから、区はこうした関係機関との協力をして、区内でも13年度、14年度にフォローアップ研修をやりましたよね。それと同様に、区としても率先してそういう研修を行うべきであると思いますけれども、その点はいかがでしょうか、もう一度お答えください。 ○福祉部参事(障害福祉担当) 鈴木(秀)委員ご指摘のとおり、確かにみなし規定の従事者に関しまして、なかなか技術的に、資格を持っている介護人の方との違いは出てきております。ただ私どもとしては、みなし規定の方も一般の1級なり2級なり3級の資格を取る、単なるフォローアップというよりも、そちらの研修の方で対応してもらいたいと、今考えております。 そういうことで、一般の障害の方の研修に関しましては現在実施しておりますので、そちらの方の対応をまず考えていただくということで、いま考えている次第です。 ○鈴木(秀)委員 この東京都の要綱は、少なくても2級の資格を持っているヘルパーを対象にしての養成研修なのですね。よく中身を見て検討、研究していただきたいと思います。 こうした研修を区としてやらないということで、なかなか次の質問がしにくいのですけれども、研修を受ける従事者は、資料代とかを入れると、民間の研修を受ける場合には結構お金がかかると、3万円ぐらいかかるといわれています。これについては、そういう研修に参加されるヘルパーへの何らかの補助がされてもいいのではないかと思うのですよ。そういった点ではいかがでしょうか、検討してみるべきではないかと思うのですが。 ○福祉部参事(障害福祉担当) 都の方の要綱でございますが、都は指定業者で行えという形で出されているのですが、これに関しまして、都の方は一切財源的な措置はされていないと、区の一般財源の中から支出しろということになりますので、これは十分に検討しなければならない問題だと考えております。 いまのところ、出せる、出せないはお答えできないところでございます。 ○鈴木(秀)委員 研修講座をやるかやらないかということもそうですけれども、ぜひ私はやってもらいたいと思うのですが、もし東京都で仮にやる場合、あるいは民間業者が率先してやる場合もあるだろうと思うのですよ。そうした場合に、ヘルパーが研修を受けるときに、これは自腹で研修を受けるというのだから出すのはしようがないのかなと思うのですが、3万円も資料代がかかると言われているのですけれども、その一部補助とか、そういう施策を充実する上で、ぜひ研修に参加される方々への支援がされるべきではないかと思うのですが、その点ではどうかと聞いているのです。 ○福祉部参事(障害福祉担当) 研修に関しまして、人の問題ですか、講師等の派遣、そういうものがあれば十分検討できますが、いまのところ資料費の一部、いくらということ、総枠としてどのくらいかかるか自体がはっきりつかめません。あと、私どもの予算の中でできるか、できないか、いまのところまだここでお答えできる段階ではないという次第です。 ○鈴木(秀)委員 ぜひフォローアップ研修といいましょうか、そういった障害者の福祉の向上のためにも、区でも積極的な対応を検討されるよう、ひとつよろしくお願いいたします。 ショートステイの問題に移りますけれども、障害者の中には医療的ケアが伴う方がおられます。この医療的ケアを要する場合には、一般のショートステイ、いま区内に4カ所ありますけれども、これらを利用するとか、あるいは団体同士で預け合いという事業も区としては援助しておりますが、そういう事業が利用できない医療措置をしている方、あるいは点滴での栄養補給をしている方、吸引器を使用している方等々があるといわれております。そういう方のショートステイが行われる措置が必要になってきているのではないかと思うのですが、そういった点では何か検討されておられるでしょうか。 ○福祉部参事(障害福祉担当) 重度の方のショートステイの問題だと思いますが、いま現在、北区の方に1カ所ございます。それから、江東区に、間もなく施設ができるという状況でございます。これは都の仕切りの中で、医療に伴うショートステイに関しましては、都の方で対応するという仕切りがございまして、私どもとしては、それ以外のショートステイに関しまして受け入れているのが現状でございます。 ○鈴木(秀)委員 北区で北医療センターというのがあって、そこを利用するということになっているわけですけれども、その分園の城北分園といったものが区内にあるわけですが、この北区のを利用する場合に、環七を通ると車で行くということでも大変な渋滞とか、医療的に必要な重度の障害を持っている方ですから、本当に大変なのですね。そういった点では、こういう方のショートステイというのも整備をされてしかるべきだと。 城北分園の医療的機能は、昼間だけしか診療の対応ができていないということで、この医療的機能の充実というか、そしてまた、ここでのこういう重度障害者のショートステイのベッドの確保なども含めて、東京都に積極的に働きかけを行うべきだと思うのですけれども、その辺では要請していただけますでしょうか。 ○福祉部参事(障害福祉担当) 私どもも城北分園の機能拡充に関しましては、従前から都の方に働きかけているところでございます。ただ、江東区の方で東武ができるということで、なかなか東京都の方でいい返事がもらえないというのが現状でございます。 ○鈴木(秀)委員 ぜひ努力していただいて、足立区はかなりの大規模な区でありますから、そういった意味ではこういった施設があっても当然だと思いますので、努力していただきたいと思います。 あと、巡回入浴サービスの件ですけれども、この巡回入浴サービスは、現在、年32回と、これは都の制度で行われていると思いますが、間違いございませんか。 ○福祉部参事(障害福祉担当) 実施は私どもの方で行っております。費用に関しまして補助金等をもらっているという現状でございます。 ○鈴木(秀)委員 年32回、月にして2回から3回では、しかも、こういう入浴が必要な障害者の方々はおふろ屋に行けないわけですから、自宅で入浴させるというのは当然のことで、10日にいっぺんとか15日にいっぺんの入浴のサービスでは、区の実施要綱の最後の部分ですけれども、健康の増進を図り身体障害者の福祉の向上に資することを目的とするという実施要綱の目的に、本当に沿うものになっているのかどうか。そういった点では回数を区が上乗せして、月3回、4回とか努力をすべきだと思うのですが、時間だということですので、ぜひその点だけ一つ答弁していただきたい。そういう努力をお願いしたいということ、どなたでしょうか。 ○福祉部参事(障害福祉担当) 現状の財源の問題からなかなか厳しい問題だと認識しております。 |
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