決算特別委員会の質問等 第4日目 10月7日 午前 鈴木秀三郎委員 |
○鈴木(秀)委員 私は、区内業者支援という問題を中心に質問させていただきたいと思います。 東京都の統計調査資料をもとに、足立区がまとめた「平成13年度事業所・企業統計調査報告書 足立の事業所」があるのですけれども、これはいま前の方も活用されていたように思いますが、これの調査によって出された資料を参考に、最初にお聞きしていきたいと思います。 13年度の事業所は2万8,985、8年度の統計の調査では3万2,866ということで、大幅に事業所が減っている。3,881の事業所が減っている。これは、統計の文書にもありますけれども、平成3年度調査以降、連続して減少している。主な事業所の数を若干見てみたいと思うのですけれども、卸、小売、飲食店という分類では1,714件、製造業では1,390事業所が減っている。建設業では367事業所が倒産、縮小している。区内業者の倒産、廃業が相次いでいる。特に、建設業は、区内業者を中心として本当に厳しい状況が続いているなと思っています。 14年第1回定例会での区長のあいさつでは、区長は、日本経済の長期化する不況、地域経済の低迷の中にありまして、必死の努力を重ねている区内産業に活力を取り戻してもらうため、産業経済部を新設いたしますと述べているのですが、長期化する経済不況の中で、必死で頑張っている区内業者を支援し、活力を取り戻してもらうことは区政の重要課題だと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ○産業振興課長 公共経済の一つの究極の目的は、完全雇用水準の達成や経済の安定化といったもろもろの目的があるわけでございまして、地方自治体が行う公共経済も同じような目標に向かって全力を尽くすことが主体としての役割であると認識しております。 ○鈴木(秀)委員 区内業者の活力を取り戻すことは、とりもなおさず業者の営業が活性化していく。そのことによって、本会議での代表質問でも触れましたけれども、税収も上がっていく。区民税の収入も上がっていく。関連して、そういう方向が生まれてくるといった点でも、区内業者の支援は非常に大事であると認識しているわけですが、この「足立の事業所」によると、従業員1人から4人の事業所は、例えば建設業では2,320のうち1,241の事業所ということで、半数以上を占めているわけですけれども、これらの業者はいわゆる孫請などと言われたり、末端の事業所で、請負単価も低く抑えられる。単価の引き上げを要求すれば、次の仕事が来なくなる。率直に言って、こういう厳しい状態に置かれている状況にあります。 区内には、このような小規模事業所が相当ありますけれども、こうした地域の業者に仕事を提供し、営業を守ってもらおうと、最近では各自治体でさまざまな取り組みが広がっています。いくつかの点をお伺いしたいのですが、いま、学校での小破修繕がありますけれども、聞き取りでいくつか聞いたところ、ある学校では14年度に37件の小破修繕があった。他の学校でも、34件の小破修繕があった。また、ほかの学校では、46件もの小破修繕を行っている状況が次々とわかったわけですけれども、この小・中学校の小破修繕、小口修繕は、50万円までは学校長の裁量で業者に依頼できることになっているようです。14年度の小学校、中学校の修繕件数は、それぞれ何件ぐらいあったでしょうか。 ○教育委員会事務局参事 小破修繕のお尋ねでございます。件数で申し上げますと、小学校で1,768件、中学校で1,401件、あわせますと3,169件といった格好でございます。 ○鈴木(秀)委員 年間3,169件、相当数の件数の小破修繕があるわけですけれども、区では指名競争入札参加登録制度がありまして、区の公共事業をやる場合には指名競争入札制度に参加することが前提になるのですが、これらの学校修繕などは入札参加業者から工事の見積もりなどをとっているのでしょうか。 ○教育委員会事務局参事 そのとおりでございます。 ○鈴木(秀)委員 先ほど学校でいくつか聞いたということで、その中には、緊急の場合もありますけれども、町場といいましょうか、地域の業者の方に頼んでいるところもあると聞いております。こうした小破修繕は学校の校長の裁量で行っているのですけれども、区の方で各学校に業者の名簿を渡しているのか、それとも学校のサイドで地域の業者ということで調査して活用しているのか、その辺のところはどうでしょうか。 ○教育委員会事務局参事 各学校には、区に登録されている業者の名簿の一覧を差し上げてございます。したがって、基本的にはその中からということですが、一般的に申し上げますと、学校の周辺ないしは従前からのおつき合いのある業者を重点的に指名している状況ではないかと思っております。 ○鈴木(秀)委員 まちづくり公社で小破修繕などを扱ってまいりましたけれども、この小破修繕や小口修理が今年度から各所管のところへ移行されたことになっているようですけれども、そのまちづくり公社で扱っていた小破修繕が所管課に移管されて、そこでの小破修繕の工事の見積もりをとる業者はどのような形でやっておられるのでしょうか。 ○契約課長 毎年4月になりますと、各所管課、特に施設等を持っている課に対しましては、登録業者の一覧表を送付して、できるだけこの中で発注をしていただくようにお願いしております。 ○鈴木(秀)委員 各部、所管課の方に聞きたいと思っていたのですけれども、契約課長におっしゃっていただきまして、土木部の方の公園の関係で小破修繕的なものはどのような形でやられていますでしょうか。 ○水と緑の課長 公園の管理事務所で発注する工事につきましても、区内登録業者等の一覧から見積もりをとって発注しているということでございます。 ○鈴木(秀)委員 大体が指名競争入札参加登録されている業者からと言えると思うのですけれども、そこに参加できない、資格上、なかなか登録できない業者も非常に多いということです。こうした小規模業者、地域の業者の仕事確保、営業を守っていこうという点で、川越市で行われているとか、荒川区、台東区といったところでも小規模業者の仕事確保ということで取り組みを始めているものがあるのですけれども、こういう制度についてどなたかご存じでしょうか。 ○契約課長 台東区ではことしから、荒川区ではもう少し前だと思いますけれども、少額事業の契約のために簡易な登録制度を設けておると聞いております。 ○鈴木(秀)委員 その一つを紹介しておきたいなと思いますけれども、福島県下の町村も含めて全県に広がってきているということですが、福島市では2002年10月に小規模修繕契約希望者登録制度をスタートさせているようであります。この制度を利用できるのは、市内に主たる事業所を有する者で、入札参加資格調査申請による登録業者は対象としない。50万円未満の小規模な修繕、修理で、ここでは登録業者は建設関係と設備関係、土木関係で希望者を募集しているということで行っているようであります。 この市の総務部の担当者の方は、当初の見込み額は、10月スタートですから、半年で2,500万円と思っていたら3,772万円で、予想を大幅に上回った。これを見ても、制度をつくった成果があったと評価をしております。さらに、登録業者の中でも、なかなか仕事がもらえなかった業者も少なくないということで、総務部の方では地域の行政担当者の方に知らせて、そういう業者にもできる限り仕事が回るようにしてもらえるよう配慮していきたいということで計っています。さらに、もっと活用してもらいたいということで、この9月にも業者の追加登録を行うということで、先月にやっているようです。 区内の主な事業所を、先ほどの統計資料で見て、あるいはまた指名競争入札参加者の数を比較してみたのですけれども、業種別で言いまして、建設工事関係、区内の事業所が約461事業所、指名競争入札参加登録されている業者は、区内では121、区外が282、塗装関係などで見れば、区内の事業所は151事業所あって、指名競争入札参加登録されているのは、区内では32、区外では30、電気工事関係で見ると、区内の事業所数256事業所、指名競争入札の登録業者が、区内で84、区外で267、このように指名競争入札に参加したくても資格上できない小規模業者がかなりある。いま、こういったところへの支援が求められているのではないかと思います。工務店や電気工事業者、お店を持っている方に聞いてみたら、30万円ぐらいの仕事でも本当に欲しいと切に言われました。 足立区でも、区内の小規模業者の営業を守っていく、支援していく立場から、指名競争入札参加登録の業者以外の業者を対象にした(仮称)小規模修繕契約希望者登録制度をつくって支援していくことを実施すべきと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○契約課長 各区の状況をお聞きしておりますけれども、まず一つは、技術レベルが不明で履行が確保できるかどうか、なかなか確認できないという点があります。もう一つは、他区の状況では、いずれにしても見積もりで競争しますので、価格競争になかなか勝てない実態もあるということです。ですから、もう少し他区の状況等をお聞きしながら研究をしていきたいと思っております。 ○鈴木(秀)委員 いま契約課長から答弁がありましたが、区長、こういう制度についてはどうでしょうか。小規模事業者を支援していくという区長のあいさつもご紹介しましたけれども、区としても、その点でのこういう取り組みをぜひ研究して早急に実施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○産業経済部長 いま鈴木(秀)委員がお尋ねのところは非常に難しいところでございまして、役人だけで考えてもできないという一番の原因であります。先ほど渕上委員のお尋ねにお答えしたときに、技術革新と修復のバランスと申し上げたのですが、産業の科学技術の革新だけではなくて、いまのはやりの言葉で言うと、コミュニティビジネスも含めたビジネスモデルの革新をやっていかないと構造改革はできないだろうと言われているようです。したがいまして、いまのお尋ねにあったような内容を、いかにどのような方法で区が支援できるかを先ほど申しましたような新しくつくりました経済活性化推進協議会の中におられるそれぞれのご専門の民の方々と協議をしていきたいということでございます。 ○鈴木(秀)委員 先ほども、事業者が高齢化しているとか、いろいろなお話がありました。現在、営業している中で、本当に厳しい状況に置かれている。特に、いま、そういう事業者に対しての支援策をとるべきだと、その一環として話しているわけであって、そういった新しい事業を起こす、それはそれとして大事だと思うのですけれども、いま苦しんでいる業者の支援を強めていただきたい。先ほど契約課長の方からの答弁にもありましたので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 次に移りますけれども、まちづくり公社運営の経費で、この決算書で区施設営繕工事費8億9,851万円余りが計上されておりますが、この不用額が1,606万円という額で公社の方から区に返還されています。公共施設の維持管理についてお伺いしたいのですけれども、区の建物の維持管理は、計画的に行う計画修繕と緊急対応としての修繕もあると思います。これまで、特に緊急対応的な修繕はどのように行われてきたのでしょうか。 ○総務部副参事(まちづくり公社派遣) 緊急工事ですが、本年度から基本的には130万円未満の工事が各所管課に移りましたので、そこでやることだと思っております。私どもは1,000万円以下の工事を担当しておりますけれども、この工事は、すべて一件算定でございまして、緊急工事用の金額はございません。私どもでやるとすれば、緊急工事の一件算定の予算の各部の金額でやるものでございます。 ○教育委員会事務局参事 私どもの学校関係で申し上げます。現在、50万円未満につきましては、先ほど鈴木(秀)委員ご指摘のとおり、ほとんど学校長権限で対応してございます。それから、130万円未満につきましては、その間は各主管課工事になりますので、緊急工事におきましてもほとんどがこの範疇に入るだろうと思いますが、私どもの施設管理課の中で発注している状況でございます。 ○鈴木(秀)委員 小破修繕ということを最初に聞いていた関連もあって、小破修繕だけに限らず、緊急修繕や対応すべき修繕についても聞いたつもりだったのですが、ちょっと言葉足らずで、改めて聞きなおしますけれども、例えば建物の維持管理ということでは、特に経年の変化によっての側壁のひび割れ、あるいは屋根の劣化などによって、建物そのものの寿命で骨格となる鉄筋や鉄骨の腐食も起こっていく。そういった点で、修繕という全体のことを見ていただきたいのですけれども、建物の緊急修繕といった点で見れば非常に重要かなと思うのですが、その辺の認識はどうでしょうか。 ○営繕課長 毎年、施設点検を行っているわけですけれども、その施設点検を通じまして、施設の安全面、衛生面、施設の劣化度、法的な要件、福祉のまちづくりの点から、総合的に判断して仕事の優先順位を決めております。 ○鈴木(秀)委員 緊急な修繕、緊急と言うと、事故が起きるとか、そういったことだけではないと思うのです。 具体的にお伺いしますけれども、関原の在宅介護支援センターや中部児童館や老人館、併設して中部保育園があるのですが、ここの建物がどんな状況になっているかということはご存じですか。 ○地域振興部長 中部老人館につきましては、築37年たつわけでございますが、8月の大雨によりまして非常に漏水が激しかった。また、それに加えて溢水の現象も出てまいりまして、現在、一部の施設が使用不可能になっておるということでございます。 ○鈴木(秀)委員 いま地域振興部長に答弁いただきましたけれども、そうなのです。ものすごい状況なのです。この保育園の方では雨漏りがあって修繕をしたということですが、これはいつごろやられたのですか。 ○福祉部長 保育課長がいませんので、時期については不明でございますが、大雨による雨漏りは防げたという報告を受けております。 ○鈴木(秀)委員 そこの保育園の上を見せてもらったのですが、塗装されておりました。しかし、その周りのひさしの部分が、ここは特殊な建物になっていて、屋根の先の方にへこみがあって、そこを水が流れるようになっている。屋根の上の方はちゃんと修繕されているのですけれども、溝のところは塗装がはげて、その塗装の中に水が入って大きく膨らんで、いまにも風船がはじけるような状況です。 もう一つは、児童館と老人館がある方の建物の屋根も本当にひどい。修繕なんか何十年とやったことがないのではないかという状況です。ちょっと見せてもらったのですが、上に陸屋根ですから張ってあります。そこのところがはがれて、何か布製の繊維が見えている。ぼろぼろとはげてくる。そういう状況なのです。台風のときに大雨が降ったせいもあって、漏水がかなりひどくて、子どもたちが遊んでいる児童館の天井に大きな穴があいている。いまは使えないという状況と言われたようですけれども、本当にひどい状況です。ここの修繕をどうやってきたのか。建物の維持管理をどうやっていたのか、本当に不思議でしようがないです。30年もたっているから、もう無理なのだという意識なのでしょうか。 ○高齢サービス課長 私は、いまは介護支援センターが入っておりまして、昔は住区推進課長ということで、そちらの施設を管理しておりましたけれども、毎年毎年相当程度の何百万、何千万単位のお金を入れながらやってきたことは事実です。しかしながら、施設自体が非常に古い状況の中で、今回の雨漏りのようなことも起こっているということでございます。それから、ずっと昔、児童館もございましたけれども、児童館に手を入れることにおいては、そういうことによってどうにもならないということで、たしか取り壊しをした経緯もあったのではないかと思っております。 ○鈴木(秀)委員 何百万、何千万円をかけてやってきた。屋根の修繕もやったのですか。 ○営繕課長 屋根は、保育園、老人館のシート防水をやっているわけですけれども、ここ数年、応急処置でやって、全面的な改修はやっておりません。 ○鈴木(秀)委員 いまの答弁は、一方は何百万、何千万をかけてやってきた。しかし、いまの屋根の修繕はほとんどやっていないという状況ではないですか。現場の職員から、多分、何回も修繕要請があったと思うのです。こういう事態は見てくればわかりますけれども、区長もあいさつの中で足立の文化力とか、いろいろと語っています。しかし、実際に子どもたちやお年寄り、あるいは、介護支援センターの方々が本当に一生懸命に働いている現場がそういう状況ですよ。そういう状況の中で、先ほど衛生上の問題もあるということがありましたけれども、カビが発生する状況ですよ。衛生面から見ても、本当に問題がある。区は、こうした利用者や働いている方々の健康、安全を守る義務があるのではないですか。もう1回、答弁してください。 もう1点、現に使われているわけですから、緊急に少なくとも雨漏りする屋根を修繕する。内装をきちんとして、子どもたちが使えるようにすべきではないですか。 ○高齢サービス課長 そのような話は進めております。 ○鈴木(秀)委員 では、よろしくお願いします。 |
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