2004年度足立区一般会計予算、国民健康保険特別会計予算に対する反対討論
三好すみお議員 |
私は日本共産党足立区議団を代表して、第7号議案、足立区一般会計予算、第8号議案、足立区国民健康保険特別会計予算について反対討論を行います。 自民党・公明党政治のもとで、リストラの推進、中小企業・業者の切り捨て、社会保障の負担など、個人消費の冷え込みで、商店街やまちそのものの衰退が進み、区民の生活を圧迫しています。予算委員会の中でも明らかになったことは、約20年前には高齢者の医療費はすべて無料、年金は60歳から支給され、介護にかかる費用も、住民税非課税の人は無料で、消費税もなく、国民年金だけでも何とか生活ができたのに、度重なる社会保障の改悪などで、今では医療費、入院代の負担が増え、5%の消費税、年金は65歳支給に繰り下げられ、介護保険料の徴収と利用料の1割負担導入で、必要な介護サービスを受けられない人が増えています。足立区では納税者が28万7,000人、区民人口の45%にすぎず、平成11年度からのこの5年間で100万円以下の収入の人が1.3倍にも増えることが明らかになり、貧富の格差が広がっています。 今、大事なことは、足立区が地方自治体の本旨の精神を発揮して、不安を抱え、生活に困っているこうした区民の暮らしを守り、支えていく自治体本来の役割であります。 区長は平成16年度予算について、子ども施策、高齢社会施策,まちづくり施策、都市型産業・雇用施策、環境施策、電子自治体施策の6つの重点施策に安全と安心の視点を加え、安心と明るい未来を育む予算と言っていますが、実際には一層区民に痛みと負担を強いるものとなっています。 予算論議の中で明らかになったのは、平成16年度を構造改革戦略の仕上げの年と位置づけ、財政が厳しいとしてお年寄りに喜ばれ、区内商店街振興にも効果のある生きがい奨励金を4,000円に減額することを初め、学校の貴重な宿泊行事、集団生活、実際の自然の中で学ぶ体験学習の機会を奪う塩原林間学園の閉鎖、塩原自然教室の廃止、区民の福利厚生施設として喜ばれている伊豆高原区民保養所の廃止、売却、社会教育団体の活動をより一層困難にする社会教育団体施設使用料減額処置の廃止、住区センターのお風呂の全廃、伊興前沼保育園の民営化、国民健康保険料の値上げなど、区民の安心と明るい未来を育む予算とはほど遠いものとなっていることでした。 一方で、文化芸術劇場「シアター1010」を運営委託する民間の株式会社コミュニティ・アーツには、毎年莫大な区財政を投入しなければならないことや、区内産業振興、地元業者支援につながらないPFIやPPP方式の導入によって、大手ゼネコンに手を差しのべることについては、優先することも明らかになりました。 このように鈴木区政の16年度予算は、財政不安をことさらあおり、生活保護費に代表される扶助費の増加をやり玉にあげ、区民施策を次々に切り捨て、区民の生活を脅かす予算となっています。 しかし、区長がやる気になれば、区民を支える財源は十分にあります。予算委員会の議論で明らかになったように、三位一体改革の影響で、来年度の公立保育所運営費補助、介護保険事務費国庫負担金で20億円の削減が予想されるものの、所得譲与税、株式等譲渡所得割交付金、不足分の財政調整交付金が歳入として見込まれること、70億円もの減債基金の積み立ては必要性がないこと、さらに最終補正から出納閉鎖までの間に生まれる繰越金も、通常30億から50億円決算で積み立てられており、こうしたお金を区民本位に使えば、これまで進めてきた区民施策を廃止、削減する必要性は全くないどころか、十分に区民の暮らしを応援することができます。 わか党はそうした立場から、新年度予算を一つでも二つでも区民の苦しみを取り除き、暮らしを応援する予算とするために、予算の裏付けを示した予算の編成替えを求める動議を区長に提出しました。 それは第1に、自治体本来のあり方を追求し、生存権を守り、福祉と産業対策を重視し、区民の要求を実現する。第2に、これ以上の福祉、教育の切り捨てを行わない。第3に、反区民的な新たな政策変更にストップをかけ、不要不急、浪費型の歳出を改めるとともに、借金を減らし、財政再建に道を開く立場であります。 そうした立場から、いざというときに役立つ緊急生活支援制度の創設、介護保険料の減免、住宅リフォーム工事への助成、少人数学級の段階的実施、東綾瀬アイススケート場の復活など、37項目に及ぶ編成替えの提案をしました。これらの内容は、区長がやる気になれば、一般会計予算のわずか0.75%の増額でできることです。予算委員会では、このわが党の提案が自民、公明、民主の委員の反対により否決されてしまいましたが、こうした区民要求に根ざした施策は、今後の区政に必ずや生かされるものと確信をしております。 国民健康保険特別会計予算については、国の補助金削減や医療費対応方式への変更などにより、区財政を厳しいものにしてきた中で、保険料の値上げに対する区長の姿勢が問われておりました。区長は予算委員会で、こういう問題は一区長が言ってもだめだと答弁し、国への姿勢を示すことなく、区民の願いに背を向けています。区長がしっかりと区民の立場で区長会に臨み、国に対して意見をあげていくことを求めるものであります。 改めて区長が区民の立場に立って、区民の暮らしを応援することを求めまして討論を終わります。 |
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