予算特別委員会の質問等 第3日目(3月5日)午後

橋本ミチ子議員


生きがい奨励金、平和事業について


○委員長 次に、共産党から質疑があります。橋本委員。
○橋本委員 区立の身障学級を卒業した生徒はほとんどが養護学校に行き、養護学校を卒業した後の施策としてどのようなものがありますでしょうか。
○福祉管理課長 例えば法内の施設ですと、あしすとの生活体験室、神明福祉園、その他の作業所、その他法外施設でもひまわり作業所等ございます。
○橋本委員 そうですね。通所施設、授産施設、福祉作業所などですが、その中で賃金が支払われる施設といいますか、不況のもとですがどの程度、賃金という言葉が正しいかどうかわかりませんが、どうでしょうか。
○福祉管理課長 一般就労されている方とあと作業所等に通所されている方がいらっしゃいますが、通所の作業所等につきましては平均しますと月1万円までいかない程度でございます。
○橋本委員 1万円、今のような不況のもとで毎日仕事があるわけじゃありません、1万円いけばいい方と。私も調べてみましたらば、ある作業所では3,000円だと、こういう大変な実態がありました。
 これらの施設に通っております比較的障害の軽い方たちが楽しみにしております障害者の日曜教室というのがあります。これはどのような内容の教室でしょうか、簡単にご説明ください。
○青少年センター所長 私ども青少年センターの方で、昭和51年からこの事業をやらさせていただいています。簡単に言いますと、自己自立への研修と、もう一つは仲間づくりというような事業をやらさせていただいています。
○橋本委員 重なるかと思いますが、知的障害を持っている方たちを対象とした事業ですが、30年以上もの歴史があって、自立の目的、今おっしゃられたと思いますが、再度伺います。自立の目的は……。
○委員長 橋本委員、審査区分が福祉ですね、それは。
○橋本委員 大丈夫です。この後、教育です。
○委員長 この後、変わるのですか。
○橋本委員 はい。
○委員長 そうですか。
○橋本委員 青少年センターですから教育です。
○委員長 じゃ、続けてどうぞ。
○橋本委員 じゃ、もう一度、設立の目的といいますか、おっしゃってください。
○青少年センター所長 私どもがやっていますあだち日曜教室の設立の目的でございますが、今、橋本委員が言われた身障者の青年が教育の機会が少ないもので、それを趣旨として、自己の自立また仲間づくり、そういうようなものを目的でこの日曜教室を立ち上げさせていただいています。
○橋本委員 今お答えにありましたように、日曜教室は青年部と成人部の二つのコースがあります。青年部は年齢29歳までで約40人、そして成人部は30歳から34歳までで定員は30人、昨年まで月1回年間12回実施してきました。
 障害者をひとりぼっちにしない、日常生活を少しでも豊かにするために、食事のマナー、電話のかけ方、手紙の書き方など、生活に即役立つものや、またハイキング、宿泊教室など実施してきました。今回の平成16年度予算案で教室が半分の6回に減らされる予定でした。区からの説明を聞いたある母親は、うちの子は18歳から10年間ここに通ってきていますと。ふだんは何も話さないけれども、教室のある日は朝から生き生きとしていると。教室はやめないでほしいと私のところに訴えがありました。また、教室はやめられない、継続することが障害者の場合特に重要と、今までかかわってきました講師の方やボランティアの方たちがグループをつくり、自主的に4回実施することになりました。ボランティアグループが実施する月は何月でどんな行事が予定されているでしょうか。
○青少年センター所長 今、橋本委員がご案内いただいた部分で、12回、平成15年度までは青年部、成人部両方ともやっていただいておりました。
 私どもとしても、昭和51年からこの事業をやっておりますもので、青年の自立もそうなのですが、このやっている日曜教室も、自立もしてほしいというようなものを平成15年の9月ごろから、ここに通ってくる子どもたち、またボランティアの講師ともどもといろいろ協議しながら、何とか自主運営できないかというようなものでやったわけで、その結果がこういうようなものになったということです。
 また、今言ったように、平成16年度どういう自主事業をやるのかという部分に関しては、大きく分けて、例えばピクニックとか宿泊研修、こういうものに関しては自主事業としてできないでしょうかというようなご提案をさせていただいて、一応それも了解を今得ていると私どもは考えております。
○橋本委員 今おっしゃいましたように、4月の開校式、5月の親睦ピクニック、それから9月の宿泊学習会、そして3月の閉校式、これをボランティアグループ、自主グループの実施で行うということになったわけですが、受講生はピクニックや宿泊の際に交通費などが実費負担となるわけです。宿泊施設は多分区の施設を手当していただけるのかというふうに思いますが、4月の開校式も3月の閉校式も事の始まりと終わりを宣言するけじめの行事ですし、ハイキングや宿泊学習は最も楽しみにしている行事です。しかし、ボランティアの自主事業になったために交通費が自己負担となってしまいました。障害者の賃金は、先ほどもご答弁がありましたように非常に低いものです。自己負担が増えると行事への出席が困難になり、楽しみを奪いかねません。障害者のあだち日曜教室を今までどおり予算で12回行えるよう求めまして、次の質問に移らせていただきます。
 次に、生きがい奨励金の問題なのですけれども、以前は70歳以上が5,000円、75歳以上7,500円で現金が支給されていました。2年前から共通商品券に代わりましたが、商品券の活用状況はどのくらいでしょうか。
○産業振興課長 まず、商品券の活用状況でございますが、まず1点は区内に流通している総額金額で申し上げると、およそグロスで3億7,000万円余、利用率は、すなわち償還率ということで申し上げると96%余の利用率でございます。
○橋本委員 なかなかなものですね。
 このうち、いわゆる共通商品券、これはどのくらいになりますか。
○産業振興課長 生きがい奨励金は私の所管ではございませんが、3億7,000万円余のうちおよそ3億5,000万円程度、生きがい奨励金に基づく区内共通商品券、こういうことになっております。
○橋本委員 そうしますと、商店街振興に直接効果がある。商品券が少なくなると商店街に多大な影響が起きるのじゃないかと思いますけれども、どうですか。
○産業振興課長 大変難しいご質問でございまして、生きがい奨励金の区内共通商品券分がじかに現金と、または本来支出するべきものと差しかわっていないとすれば、まさに3億5,000万円が一定程度縮減することによってその差分についてはマイナスの影響があるというふうに言えるのかというふうに思いますが、そこら辺の交換率がどのくらいかということについては把握ができないものですから、一概に効果がどの程度あるなしということについてはなかなか申し上げられないというのが実情です。
○橋本委員 かなり苦し紛れのご答弁のようですね。マイナスなんですよ、やっぱり。
 私の家の近くの呉服屋は、うちは高齢者を相手にしているということで、遠くから商品券を持って買いに来られると言っていますし、本当に商店街はこの商品券に大いに期待を持っているのです。
 実は、私も美容院へこの間行ってきました。ちょうどそうしましたら、商品券を持ってこれ使えますかと言って入られたのです。どうぞご利用くださいと言ってパーマ屋さんは快く受け取って、その方もきれいになってお帰りになりました。もっと使える店が増えるといいですねと言っていました。
 共通商品券に代わってから、コンビニだとかマーケットなどでも使えるように努力をされてきたようですけれども、まだまだ区内全域とはいっていませんが、その辺でさらに増やす考えはありませんか。
○産業振興課長 事、生きがい奨励金にかかわらず、区内共通商品券を広く区民の皆様方に使っていただく、こういうことは、私どもそれを進めていくことについてやぶさかではないのでございますが、ほぼ、今利用店の拡充については飽和状態という状態になってございまして、この生きがい奨励金を導入するに当たりまして、コンビニでありましたりとか、それから、今ご紹介がありました理髪店、美容店、それからクリーニング、それから浴場組合等、ほぼ手を入れ尽くしたというのが実情でございます。
○橋本委員 昨年もいくつかの電話があったものですから、ぜひそういう努力をしっかりやっていただきたい。
 この事業といいますのは区内商店街の振興策につながりますし、まさに一石二鳥、三鳥にもなる事業です。ところが、平成16年度予算では生きがい奨励金で使われている共通商品券が5,000円から4,000円に下げられる。その話をしたところ、ある方はそんなの困ると。今度渡されるときを本当に楽しみにしていた。年金が少なくなり食べるのがやっと、この券で冬の下着を買うつもりだったと言っていました。こういうお年寄りの気持ちをわかりますか。区長、どうですか。
○産業振興課長 大変それは、冬の下着が買えなくなった方については誠に残念至極というふうには思うわけでございますが、先ほど申し上げたように、本来支出すべき部分との差しかわりの部分が多少なりともあろうかと存じますので、ぜひ、その差分については、区内の商店街で現金でお買い求めいただくようにお勧めいただければありがたいと思っております。
○橋本委員 現金がないから使うのです、そうでしょう。年金は昨年から、そしてことしのまた4月減らされるじゃありませんか。医療費も介護保険料も上げ、年金はさらに下げる。その上、1年1度の楽しみにしていた生きがい奨励金まで減らすのですか。区は本当に年寄りいじめじゃありませんか。この方は本当に怒っていますよ。国の施策が余りにもひどいから、本来なら区がそういう悪い施策の防波堤になって区民を守らなきゃいけない、そういう立場にあるんじゃありませんか。今度は、お年寄りが増えれば、条例を改正しなくとも生きがい奨励金を減らすとんでもない改悪じゃありませんか。
 次に、平和事業について伺います。昨年8月1日から4日まで、区役所1階のフロアで足立区原爆被害者団体協議会が原爆・平和・戦争を考える展示会を開きました。私も見せていただきました。真剣に見ていた男性が、初めて原爆の写真を見た、本当に恐ろしいですね、実際はもっとひどいものでしょうね、死ぬのは一般国民ですよね、やはり核兵器はなくさないといけませんねと私に話しかけてきました。4日間というわずかな日程ですが、大勢の方が真剣に、また目にハンカチを当てながら見ていました。この中でご覧になった方いらっしゃいますか。
〔挙手する者あり〕
○橋本委員 3人、4人……。本当に見てください。毎年同じというふうに思うかもしれませんけれども、心新たに平和の大切さを本当にかみしめられます。区長どうでした、ご覧になって。
○区長 恐らく戦争の体験のある方はこの中に少ないと思いますけれども、我が家も戦災で焼けました。そういうことから、写真等を見まして、確かに戦争というものはあってはならないものだ、そう思いました。
○橋本委員 本当に戦争はあってはならないのです。それなのにまたイラクでやっている、本当に許せないじゃないですか。
 平和と安全の宣言を足立区は宣言いたしました。この立場から被爆者団体と協議し、ことしも写真展などが計画されていると思いますけれども、いつごろで、そして場所はどこでしょうか。
○総務課長 被爆者の会の方にご協力はいただきましたし、ご本人たちが発案してはいたのですが、これは必ずしも原爆のためだけではなくて、広く戦争について考えるという、そういうふうな趣旨での催し物になっております。
 時期としては、昨年と同様8月の第1週で、1日たしか多くしてあったと思います。ウィークデーの5日間というような形で今のところ予定しております。
○橋本委員 4日間ということは昨年と変わりない。たしか、この被爆者展が行われてから各党にお礼に訪問されたと思いますけれども、そのときに、もう少し長い期間来ていただくといいですけれどねという、こんな話もされていましたけれども、その点でどうですか。
○総務課長 先ほど私は5日間というふうに申し上げました。わずか1日ですが、多分多くできるというふうに思っております。
○橋本委員 1日でも多くの方に見ていただく機会を得る、大事なことです。
 それで、写真展などで訴えることも大切です。また、中学生や高校生が広島や長崎に行き、実際に爆心地を訪れ、被爆の現状を知ることは、核兵器をなくし真の平和を守るためにも重要だと思いますが、いかがでしょうか。
○総務部長 以前もそういったご質問を受けましたが、やはり、戦後の日本が平和であったということを趣旨にして私どもはこの平和展というものを考えていきたいと考えております。
 したがいまして、橋本委員のおっしゃる点はわからないわけじゃないですけれども、非常にありきたりだなと、こう思っております。
○橋本委員 ありきたりではありませんよね。
 この戦後の平和を守ってきた憲法第9条を破って、今イラクへ自衛隊を派遣している、こういう事態があるじゃありませんか。とんでもないと思います。
 昨年、長崎で開かれた原水爆禁止世界大会に参加した高校生は、原爆資料館は私にとって大きなショックでした。黒こげにされた子どもの写真、両親らしき人の死体の近くに…
○委員長 残り1分です。
○橋本委員 たたずむ少女の写真、曲がってしまった小銭や瓶や弁当箱、58年前とはいえ、もうとっくの昔の話では流されません。広島に続き長崎にも原爆が落とされ、たくさんの命が奪われ、その後遺症に苦しんでいる人がいるのにまた同じことを繰り返そうというのかと怒りが込み上げてきましたと、高校生の方が感想文を寄せてくれました。
 足立区は平和と安全の都市宣言を行いました。美しい地球、水と緑に囲まれた歴史と伝統のある郷土を核兵器の危険から守るために、中学生や高校生を広島、長崎に平和使節団として送る平和事業を創設する気はないか。さらに、もう一度。
○委員長 橋本委員、質問時間はもう終了です。
○橋本委員 そうですか。