平成16年度足立区一般会計予算、足立区介護保険特別会計予算の
編成替えを求める動議の提出理由の説明

針谷みきお議員


○針谷委員 ただいま提出いたしました第7号議案 平成16年度足立区一般会計予算及び第9号議案 平成16年度足立区介護保険特別会計予算の編成替えを求める動議について、提案理由をご説明申し上げます。
 小泉構造改革の推進は勝ち組と負け組を生み出し、圧倒的多数の国民にとっては痛みが強いられる政治が実行され、区民の暮らしはますます深刻になっております。このようなときだからこそ、足立区が区民の暮らしと営業を守るという自治体本来の立場に立ち、あらゆる手だてを尽くすことが求められています。ところが、鈴木区政の2004年度予算は、乳幼児医療費助成制度の所得制限撤廃など一定の改善は見られるものの、予算全体は将来の財政不安をことさらにあおり、区民生活を支える姿勢に欠けた予算案となっております。予算特別委員会の審議で我が党委員が、国による三位一体の改革による不当な国庫補助金の削減等が実施されたとしても、区長がその気になれば区財政は切実で緊急な区民要望にこたえることは可能であることを明らかにいたしました。我が党は、新年度予算が一歩でも二歩でも住民の苦しみを取り除き暮らしを応援するため、区長に予算の編成替えを求める動議を提出するものであります。地方自治の本旨に立てば改善したいことは多々ございますが、区政を区民の求める方向へ転換させる上でまずこれだけは踏み出すべきという最小限の項目に絞り込み、本委員会で可決されれば直ちに実行可能な財源対策も示した予算編成替え案であります。
 一般会計では、区長提案に歳入歳出とも15億2,949万4,000円を増額し、歳入歳出とも2,136億2,949万4,000円とするものであります。
 その内容の第1は、福祉を初めとする生存権を守る区民施策を充実させるというものであります。リストラ、倒産などの影響等で立ち行かなくなった区民の生活防衛に資する施策として国や都のセーフティネットのはざまで救済できない区民に対して、生活費や高校、大学の入学金、住宅ローンの返済などに対応できる離職者支援資金貸付事業に準ずる直貸し制度の創設と国の制度の保証人に区がなることや利子補給を行うことを含む仮称緊急生活支援制度を創設いたします。
 また、高齢者福祉手当がなくなったもとで介護度の高い高齢者に月額1万円の激励見舞金を支給します。
 育英資金は、貸付額をふやし年度途中からも借りられるようにします。
 また、生業資金の貸付対象を非課税世帯に限定せず、従前の制度に戻します。
 介護保険は、第1、第2段階の保険料について預貯金要件を緩和し、利用料は都の軽減策を活用し、事業者負担分を区が保証することで生活困窮者の負担軽減策を徹底促進させます。また、紙おむつ支給の所得制限を撤廃し、高齢者住宅改修は、必要であれば上限を超えて品目も含め柔軟に適用できるものとして介護の不安と負担の軽減を図り、特養ホームの運営費補助は削減せず、現行水準を維持し事業者を支援いたします。
 障害者のあだち日曜教室は、回数を減らさず毎月実施します。
 元気な高齢者の支援策として、いつでも自由に入れる無料入浴回数を5回ふやします。
 また、生活習慣病予防検診は、一次予防だけでなく、早期発見・早期治療の二次予防も重視し、過去の健診で高血糖、高血圧、高脂血症などで要医療とされた区民を受診から排除せず、全員に個別通知を行います。
 第2は、教育と子育て支援をさらに充実させるものです。子どもたちが基礎学力を身につけ伸び伸びと成長できるように、行き届いた教育を実現するための条件整備を進めます。
 10月から35人学級実施の準備のための講師を採用配置するとともに、全小中学校に5カ年計画でクーラーを設置することとし、初年度は小学校206教室の整備をいたします。
 第3は、区内業者を応援し不況から暮らしと営業を守る産業振興策を充実するものであります。
 まちの活性化のかなめとなる商店街に対し、高齢者の買い物を初め日常的に生活のよりどころとなる事業を拡充する商店街に対し、休憩所やトイレの設置、段差解消、ファクス貸し出しによる宅配買い物代行などの事業に補助する仮称高齢者サポート商店街支援事業をモデル事業として行います。
 住宅改良助成事業は、リフォーム費用の上限を44万円とし、耐震診断に基づく耐震補強工事をセットで行う場合や自己資金での戸建てやマンションのリフォームも助成対象とします。
 第4は、平和で文化的な誇れる足立区を目指し、社会教育団体の施設使用料減免制度を復活して、サークル活動や生涯学習を支援するとともに文化・スポーツ活動を支援するものです。
 青少年が気軽にスポーツを楽しめる環境を目指し、中高生も参加する青年の居場所づくり計画策定委員会を設置し計画を策定します。平成16年度は、ストリートバスケットボール場を整備するとともに、小学校音楽室の改修で防音機能を高め、太鼓やロックバンドなどの音楽練習ができる場所を計画的にふやします。
 青年に夢と希望を与え、足立区の観光資源として東綾瀬アイススケート場を復活させます。
 また、広島の平和記念式典に中学生の代表を送るなど、平和事業の拡充をいたします。
 なお、いまある施設は区民の財産として有効活用する立場から、塩原自然教室、伊豆高原あだち荘を存続します。
 第5は、むだを省き不要不急の事業については、必要ではあってもいますぐ予算化しなくて済む事業費を削減し、優先順位をつけて先送りするものです。
 株式会社コミュニティ・アーツへの貸付金と管理運営費を減額します。
 北千住駅西口道路の隅切り工事の一部先送り。
 頑張る学校支援制度は、教育現場に競争原理を持ち込み予算配当に差別をつけるやり方で、教育の機会均等の精神にも反するものであり、削除いたします。
 一部先送りについては、決算で生じる繰越金や契約差金、財調の再算定など、補正予算で十分対応できます。同和対策事業も削除します。
 区民の生活が困難な中、議員報酬は10%削減します。
 また、財源対策として予備費は平成13年度同様の2億円とし、1億円削減します。
 これらによって、真に安心と明るい未来を育む均等のとれた予算となると確信をしております。
 以上、編成替えの規模は一般会計のわずか0.75%程度ですが、区がこの方向に踏み出すことは必ずや区民の願いにこたえるものになると確信するものです。
 委員の皆さんがこの予算の編成替えの動議にぜひご賛同いただきますようにお願いを申し上げまして、提案理由の説明といたします。