1、本会議の質問等

○代表質問  鈴木秀三郎議員

○鈴木秀三郎議員 私は、日本共産党足立区議団を代表して質問いたします。
 初めに、区長の政治姿勢について伺います。
 一つは、政府・与党による年金制度改悪の問題であります。
 与党は、衆議院に続いて参議院でも我が党の質疑を打ち切り、年金制度改悪法案を強行可決しました。審議は尽くされず、国民の7割が反対している中での強行であり、国民への背信行為であります。政府・与党の「百年安心」、たった二つのうたい文句であった「保険料の上限固定」「5割保障」が、もろくも崩れました。
 さらに重大なのは、いまでも低い国民年金や障害年金などを一律に下げることであります。例えば、国民年金は満額でも月額6万6,000円、これが15年後には、現在価格で5万8,000円まで下げられます。国民年金受給者の多くは3万円から4万円の方ですが、この方々も一律15%下げられます。どうやって暮らせというのかとの我が党の質問に、小泉首相は、「年金以外に蓄えもある」と言っていますが、高齢者の生活実態を全く無視した無責任な話であります。

年金改悪は憲法25条の生存権への侵害

 政府・総務省の家計調査によれば、高齢者の無職世帯の預貯金は2001年では毎月3万3,000円減り続け、2002年には毎月4万1,000円も減り続けています。また、取り崩す貯金のない世帯は2割を超えているのです。憲法第25条の国民の生存権を保障する政府の責任を投げ捨てるものであり、許すことはできません。
 社会保険庁の平成13年度の事業年報を見ると、足立区では国民年金保険料の未納者は約5万5,000人にもなっています。区も区民の受給権確保に努めたいと答弁していましたが、掛け金が毎年上がれば、未納者がさらに増大することは明らかです。老後の安心どころか、生活の糧を奪うことではありませんか。これで、どうして持続的で安定的な年金制度といえるのでしょうか。社会保障としての年金制度の改悪は、国民の生存権をも侵害する重大な改悪と考えます。
 区長は、住民の命と暮らしを守る自治体の長として、今回の改定について憲法25条の立場からどう考えているのか、見解を伺いたい。
 二つ目は、有事法制の問題です。
 自民、公明の政府は、昨年成立した武力攻撃事態法の内容を具体化したものとして、有事法制関連の7法案と3条約案件を国会に提出し、5月21日、衆議院で民主党の賛成も取りつけて採決を強行しました。
 これらの法案は、米軍に武器や弾薬、燃料を提供し、米軍と自衛隊の軍事行動に公共施設を提供し、優先使用を認めるものです。また、海上規制や捕虜等に関する条約は、日本が戦争をすることを前提にしたものです。さらに、国民保護と称して、国民の権利を制限し、訓練などを通して戦争への協力体制を確立するというものです。これは、日本が攻撃されていない段階でも発動できるもので、まさに戦争法です。
 昨日、区長は「外国の攻撃から国民を守るために、国や自治体、国民の協力を定めたもの」「国の存立の基本を定めておくことは当然」と言い、「区の責務として区民の安全確保、避難、誘導のため国民保護計画を策定する」などと述べました。しかし、国民保護法案は、政府〜都道府県〜市区町村へとトップダウンで、住民の避難など大変な仕事はすべて地方自治体に押しつけるものです。地方自治体の自主性は無視され、首相などの要請や指示に従って活動することが義務づけられます。住民の生活や権利が犠牲にされ、住民の安全や福祉、環境を守るべき地方自治体の役割や職員の仕事が無視されることになります。自然災害に備える訓練と有事・戦争に備える訓練とは全く異質なものであります。戦争は、私たち国民が努力すれば防げます。何よりも戦争をしない努力こそ、いま求められているのではないでしょうか。
 区長は、2003年第2回定例会で有事法制に関する質問に、「今後、議論となる国民保護法の動向など具体的な状況を注視しながら、必要があれば、特別区長会または全国市長会を通して意見を表明する」と答えていますが、国民保護法を含む具体的な法案が提出されたもとで、住民の安全や福祉、環境を守るべき自治体の長としてどう行動しようとしているのか、改めて見解を伺います。

 介護保険料や利用料の負担軽減策の充実を

 第2は、介護保険料や利用料の負担軽減についてであります。
 ことし1月、厚生労働省は、来年度の介護保険法本格見直し実施に向けて、介護制度改革本部を設置し、7月にも報告をまとめようとしています。そこでは、保険料増収のため、被保険者の20歳への引き下げや、障害者支援費制度との統合。保険給付の範囲について要支援や要介護1を介護保険から外し、予防プランでの対応。特養ホームなど施設の利用者負担の見直しと在宅の利用料負担の見直しが検討されています。また、財政制度等審議会は、介護サービス費用本人負担を2割または3割負担とすることを提言にまとめるなど、一層の国民負担増が懸念されます。
 昨年11月、全国市長会は、介護保険制度に関する要望書を提出し、国の低所得者対策については、保険料及び利用料の軽減策が十分でない。抜本的に検討し、国の制度として財政措置を含めて総合的・統一的な対策を講じることを要求し、足立区もこの立場に立っていることを答弁しています。そうであるならば、区は保険者としてできることはやるのが当然であります。
 そこで、まず、利用料の負担軽減策について伺います。
 いま、介護保険サービスを利用している高齢者の実態は本当に大変です。少ない年金受給者ならなおさらです。東京都の生計困難者に対する介護サービス利用者負担軽減措置事業に基づいて、区は生計困難者の利用料負担軽減を進めています。区はこの制度をどのように評価しているのか、まず伺います。
 また、この都の事業は2004年度末までの期限措置となっていますが、都に事業の継続を求めるべきと思うがどうか。また、区独自にでも事業の継続を図るべきと思うがどうか、答弁を求めます。
 4月1日現在、区内の介護保険サービス事業所で利用者負担軽減措置を実施しているのは、訪問介護は109中46、訪問入浴は12中7、訪問看護は30中9、通所介護は48中16、通所リハは11中4、短期入所生活介護は12中7、短期入所療養介護は10中3、訪問リハはゼロというのが区内事業所の実態です。このように、事業者負担があるため、対象となるサービスを受ける生計困難な利用者のすべてが軽減策を受けることができない仕組みとなっています。そこで、利用促進のための事業者負担分を区が保証すべきと思うがどうか、答弁を求めます。
 次に、保険料の負担軽減策についてであります。
 ご主人を亡くしたKさんは93歳、ひとり暮らしで介護度4、寝たきり状態です。国民年金は月額2万3,500円、ここから介護保険料2,400円が天引きされています。介護サービス利用料は月平均1万5,000円です。Kさんは、葬式費用にと蓄えてきた貯金を取り崩し生活しています。ヘルパーさんの介護だけでは生活できず、他県に住む退職した息子さんが泊まり込みで世話をしていますが、この息子さんの負担も本当に大変です。住民税免除の方や所得のない人などが介護保険制度から排除されないようにと、我が党が繰り返し要求してきた保険料の負担軽減策が、昨年4月からスタートし、その第一歩が踏み出されています。
 現在、区が低所得者の介護保険料負担軽減策を行っている理由は何か、まず答弁を求めます。
 2003年度から2005年度までの第2期介護保険事業計画における介護保険料設定で想定していた生活困難者対策適用予想人数は、合計で2,350人、このうち第2段階では2,200人としていました。しかし、ことし3月末、第2段階の保険料負担軽減措置を適用されている人数は733人であります。この第2段階の保険料負担軽減措置を実際に適用されている人数は、区の予想より大幅に少ない、この原因はどこにあると見ているのか、伺います。
 先の第1回定例会で、我が党は預貯金要件の緩和については、収入だけに着目した一律減免は適当でないという、いわゆる厚生労働省の3原則にかかわるものではないことを指摘しました。区は、答申を尊重して決めたので、現在、預貯金の要件緩和は考えていない。必要があれば地域保健福祉推進協議会に諮問すると述べています。
 来年度は保険料見直しを検討する年であり、2006年度からの第3期介護保険事業計画とあわせて地域保健福祉推進協議会に諮問することは可能であります。これに向けて預貯金要件を見直し、大幅に緩和すべきと思うがどうか、答弁を求めます。
 次に、特別養護老人ホームの運営について伺います。
 4月30日の地域保健福祉推進協議会では、施設の責任者などから「黒字だから減らすと厚生労働省の言い方なのですが、施設を運営している以上は赤字を出すわけにはいきません」「必死になって節約してちょっと残ると黒字だから減らす。全国の特養は本当に困っている」「正規職員がやめると、かわりにフリーターでやっている」などの発言があり、他の方も「都税事務所が固定資産税を課税すると言ってきている、まるっきり踏んだり蹴ったり、これから特養運営はどうなるのか」、「これを区はどう受けとめてくれるのか」など、率直に出されていました。そこで伺います。
 特別養護老人ホームの介護報酬が下がり、さらに介護保険法の見直しにおいて、給付抑制の立場から施設運営への逆風が懸念されています。特別養護老人ホームが安心して運営できるよう、運営補助の復活など助成制度を拡充する考えはないか。
 また、公設民営の特養ホームを運営する法人への運営補助について、2000年度4億1,340万円を基準に、毎年20%ずつ削減し、2005年度末で廃止の予定でした。しかし、2002年10月に足立区高齢者福祉施設連絡会から出された公設施設(特別養護老人ホーム)運営補助金の継続の請願が議会で採択された中で、減額に歯どめがかかりました。
 ことし2月の介護保険専門部会などで、区は現在支援体制を継続する予定と述べています。同時に、新たな補助制度を構築したいとも言っていますが、具体的にどのように考えているのか、答弁を求めます。
 また、同じ足立区高齢者福祉施設連絡会から、東京都に対して要請してほしいとして出された特別養護老人ホーム運営補助金に関する請願も議会で採択されました。民設民営の特別養護老人ホームに対する都の経営支援補助についても継続を要請すべきと思うがどうか、答弁を求めます。

子育て支援の施策―認可保育園の増設を

 第3は、子育て支援の施策についてであります。
 昨年、政府は次世代育成支援対策推進法を制定し、自治体と企業に行動計画の策定を義務づけました。足立区はこのモデル自治体であります。同時に、改正児童福祉法では、待機児童の多い自治体に待機児童解消の保育計画を義務づけており、また、地域の子育て支援事業が法定化されました。
 伺いますが、政府は地方自治体に、子育て支援強化のため次世代育成支援計画をつくれと言いながら、保育所運営費など子育て支援にかかわる補助金を削減しているのは、国の方針に逆行するものと思うがどうか、答弁を求めます。
 足立区は保育所入所待機児が最も多い自治体の一つです。区は保育所の定員弾力化と称して詰め込み、子どもと保育士にしわ寄せ、また、児童福祉法のただし書きを理由に、認可保育所以外の方法、つまり、保育料が高い認証保育所や保育室、保育ママなどでの臨時的措置で待機児を解消するとしてきました。しかし、認可保育所入所の待機児童数は、昨年509人、今年度502人となっており、待機児童解消にはなっていません。
 こうした事態を招いている原因の一つは、認可保育所増設で待機児童解消を図ろうとする区の姿勢が全く見えてこないことであります。区は、次世代育成支援行動計画の中で解消計画を示すと言ってきましたが、これまでの臨時的措置を計画に入れただけで、抜本的な解消策である認可保育所の増設・数値目標は全くありません。そこで伺います。
 次世代育成支援行動計画に認可保育所増設の数値目標がないのはなぜか。また、区は大規模開発にあわせて認可保育所設置の方向を示していますが、それさえ計画に入っていないのはなぜか、答弁を求めます。
 5月6日、都の児童福祉審議会は、認可保育所に都が独自に行っている都加算補助の削減や公立保育園の民営化推進などを盛り込んだ最終報告書を都知事に提出しましたが、これはいまでさえ安定した運営が困難になっている私立の認可保育園に追い打ちをかけるものです。
 伺いますが、国の公立保育所運営費負担金が廃止され、都負担金もなくなっている中で、公立保育所の民営化を進めることは、区がこうむる国庫補助の削減の痛みを民間に肩代わりさせ、乗り切ろうとするものではないのか、答弁を求めます。
 東京都が行ってきた職員の経験年数に基づくサービス推進費補助は、質の高い保育を確保する上で欠かせないものでした。ところが、都はこの私立保育園への支援・補助を大幅に削減しています。これでは、いままでの私立保育園での質の高い保育サービスを提供することが困難になることは目に見えています。伺います。
 民間福祉施設サービス推進費補助をもとに戻し、改悪を行わないように都に求めるとともに、区立保育所の民営化計画はやめるべきと思うがどうか、答弁を求めます。
 先の定例会で設置された足立区子育てサービス利用者負担適正化審議会について、昨日、区は「在宅の子育て世帯と保育所利用者との間で不公平感を生じないような料金体系、また、保育料について、従来の応能負担に加えて、応益負担を組み合わせた料金体系を構築したい」などと答弁しています。
 もともと保育事業とそれ以外の子育て支援事業は、目的も施策の内容も別のものです。それぞれに必要で、それぞれに一層の充実が求められており、片方を削って片方に回せばいいというものでは決してありません。国や地方自治体は、保育に欠ける子どもを保育する義務があると児童福祉法に定められ、そのため予算措置もとられており、行政の責務とされているものであります。いま、女性の社会進出や夫のリストラなど、収入減で母親が働かなければならない状況も増えています。また、子どもへの虐待問題など、子育ての不安も広がっています。そこで伺います。
 保育所に預けたくても入れず、保育に欠ける状況が放置されていることを解消するための子育て施策のあり方こそ検討すべきであり、子育て世帯への負担増となる保育所の保育料値上げの検討はやめるべきだがどうか、答弁を求めます。

少人数学級は全国的な流れー実現の立場に立つべき

 第4に、学校の少人数学級についてであります。
 区は児童・生徒一人ひとりに基礎的、基本的な内容を確実に定着させ、確かな力を身につけさせることを教育改革第2ステージの目指すところと言っています。しかし、区はこれまで学校選択の自由化、開かれた学校づくり、二学期制など、次々と熱心に議会に報告するのに、こと少人数学級についての検討結果の報告は全くありません。子どもたちの学力向上でも、学校生活の面でも、少人数学級の効果が明らかになっている中で、全国の実践から学ぶべきではないでしょうか。
 今、少人数学級は、国民的な運動の広がりを示しています。現在、区も認めているように、全国43道府県で実施されるところまで広がっています。関東甲信越では、少人数学級の未実施は東京都だけとなっています。
 少人数学級の実施校での実践報告として、山形県の第4回少人数学級編制研究会報告もその一つです。3年間の実践に基づく追跡調査アンケートは、少人数学級編制が実施された4つの学年の児童2,890人、保護者2,506人、実施した学校長66人、全学年の担任598人から回答が寄せられています。その効果と教訓をまとめたものであります。
 保護者は「教育効果は上がっているか」との問いに、「上がっている」は平成14年10月の41%から、平成15年12月では54%に上がっています。児童の回答では、「毎日の学習はどのように変わったか」の問いに、「先生の丁寧な指導」が67%から78%へと伸びています。また、「毎日の学級生活はどう変わったか」の問いでは、「係の仕事に頑張る」が69%から75%と大きな変化。ここでは少人数学級が特別活動の領域にも効果が見られると評価されています。
 学校長の回答では「子どもの姿から感じる教育効果」の問いに「欠席の減少」43%から70%と大きく伸び、また、「学級のまとまり」では、67%から80%となったのも大きな特徴です。担任からの回答は「少人数学級で向上したと思われる基礎・基本」の問いに「学ぶ意欲」が43%から67%と大きく伸びたこと。このように、3年間の実践での教訓、効果が示されています。
 ところで、昨年11月、文部科学省は少人数指導のための教職員の定数加配を少人数学級に振り替えることを認め、各都道府県教育委員会に希望校の調査を依頼しました。都教育委員会は、区市町村には連絡もせずに、該当なしと返答しています。区教育委員会は、都の対応に遺憾の意を表明しています。そこで伺います。
 区教育委員会は、少人数学級実施についての希望校調査が来たらどのように答えるのか、答弁を求めます。
 区教育委員会は、文教委員会などで少人数学級について、都と同じ立場だとも述べていますが、これは都に実施権限があるからということか。あるいはまた、都が実施に踏み出さないから、区も実施しないということなのかどうか、答弁を求めます。
 現在、区は特別講師の採用と配置を行っています。この特別講師を活用すれば、少人数学級の実施は可能です。我が党の予算組み替え案にも示したように、例えば少人数学級の第一歩として段階的に小学校1学年から35人学級で実施すれば、約8,000万円の予算で踏み出せます。特別講師を活用した少人数学級に直ちに踏み出すべきと思うがどうか、答弁を求めます。

住宅リフォーム助成の創設を

 第5に、住宅リフォーム助成の創設についてであります。
 区の住宅基本条例は、第1条の目的で、「区民の住生活の安定及び向上を図り、もって生活の豊かさを実感できる住宅及び住環境の実現に寄与すること」とうたい、また第9条では、「区は、区民の継続した居住及び住生活の安定を図るため、区民自ら居住するための住宅の建設、購入又は整備を行えるよう適切な支援を行うことができる」と規定しています。
 ところが、区は2002年12月住宅改良助成条例を改定し、これによって自己用住宅についての対象工事としていた増築、改築、改修を、高齢や障害による身体機能の低下に対応した改良や家族構成の増加による改良に後退させました。また、共同住宅、マンションについても、廊下、階段、屋上、給配水管などを対象工事としていたのに、廊下、階段の工事のみと、大幅に制限しました。改定した条例に耐震診断費の助成を加えたものの、耐震改修を対象工事から除外し、さらに、助成金額の点でも戸建て住宅、共同住宅、それぞれ限度額を大幅に引き下げています。この結果、条例改定前の98年度から2000年度の3年間での利用は150件でしたが、その後、事業凍結を経て、条例改定後の2003年度の利用はわずか3件となってしまいました。
 区民の住環境を整え、安心して安全に住めるようにすることは、区政の重要課題であります。住宅改良助成事業は、区のこうした基本姿勢の具体化の一環であると考えています。
 伺いますが、条例改定後、一般区民の住宅改良助成事業の利用が極端に少なくなったことは、こうした基本理念の実現の方向に逆行する事態だと思うがどうか、答弁を求めます。
 区民が自ら住む住宅を改良するときに助成することは、住宅基本条例第9条にいう、住宅の整備のための支援を行うことであり、区民の住環境の整備促進に寄与するものと思うがどうか、答弁を求めます。
 また、事業凍結前の98年度から2000年度の3年間の予算総額は4,663万円、助成額は1割でしたから、工事総額は約4億6,630万円にもなります。経済波及効果は大きなものでした。伺いますが、住宅リフォーム助成は、区内業者の育成支援や仕事確保につながり、経済効果を生み出すものと思うがどうか、答弁を求めます。
 住宅基本条例に基づき、住宅改良助成事業を発展させ、新たに住宅リフォーム助成制度を創設すべきと考えます。そこで、次の施策を実施すべきと思うがどうか。区内業者の施工による住宅リフォーム、マンションのリフォームを含め、助成すること。自己資金による場合も助成の対象とすること。耐震診断とともに耐震補強工事も対象にすること。

地域商店街の振興策をはかれ

 最後に、地域商店街の振興策についてであります。
 今年2月に丸井がオープンしました。ある商店主は、通行している人の3割が丸井の袋を下げていると語っていましたが、丸井のオープンは千住地域の商店街に大きな影響を与えています。伺います。
 先の第1回定例会で、区は「丸井出店に伴う来街者数や動向を把握し、今後の商店街活性化支援策の立案資料とするために歩行者通行量調査を実施する」と述べていますが、いつ、どのように行うのか。
 昨年第2回定例会で、区は「商店街の空き店舗対策事業としてコミュニティ施設活用商店街活性化事業を推進している」と答えていますが、商店街を活性化するために、今年度の商店街空き店舗対策の計画はどのようになっているか、答弁を求めます。
 また、柳原のある商店会は、60店の会員が、今では約半数の30店に減っています。この1年間だけでも5店が消えており、不動産屋さんのテナント募集の張り紙がシャッターに張られています。商店街は相次ぐ大型店の出店による衰退を何とか食い止めようと、必死で頑張っています。
 例えば柳原のある商店は、東京都の輝け店舗支援事業を活用し、お休み所をつくって頑張っています。これまで都は、「商店街支援」、「個店支援」、「人材育成」を商店街振興の三つの柱として位置づけ、その一つとしていた個店支援事業を1年で打ち切ってしまいました。この問題について、都議会で、我が党の質問に都は「今後も各個店に対しても振興ができるよう区市町村とも協議していく」と答えています。そこで伺います。
 区は個店支援策についてどのように考えているのか。また、区は個店支援策について東京都と協議をすべきと思うがどうか、答弁を求めます。
 千住地域の大型小売店出店は、イトーヨーカ堂やダイエーのトポス、駅ビル・ルミネ、そして丸井と続き、地元の商店街ではこれ以上の大型店は困るとの声があります。ところで、北千住駅東側の日本たばこ社宅跡地の活用について、足立区は日本たばこと都市基盤整備公団と勉強会を行っていると聞いております。区はどのような考え方で臨んでいるのか答弁を求めて、この場からの質問を終わります。ありがとうございました。

答弁

○鈴木恒年区長 鈴木秀三郎議員の代表質問のうち、有事法制に関するご質問にお答えいたします。
 有事法制につきましては、昨年6月に成立した武力攻撃事態対処法の成立から1年が経過し、今国会に国民保護法関連7法案等が提出され、参議院で審議されております。
 自民党の新井ひでお議員の代表質問にもお答えいたしましたが、国民の生命の保護と国民生活への影響を最小にする国民保護法案は、我が国が外国から攻撃を受けた場合に備えて、国の国民保護に関する基本指針、地方自治体の国民保護計画、指定公共機関等の業務計画などを、あらかじめ定めておくことなどを骨子としたものでございます。
 私は、こうした事態が起こることがないよう願うものでありますが、平素から国家存立の基本である国の備えのための法的手続をあらかじめ定めておくことは当然のことと考え、東京都の計画策定等の推移を見ながら、足立区としての国民保護に関する計画の準備を進めてまいりたいと思っております。
 他の質問には、参与よりお答えいたします。

○佃朝明区民部長 年金改革についてお答えいたします。
 年金改革関連法案につきましては、6月5日、国会で成立いたしました。今回の年金制度改革は、国民年金及び厚生年金保険について、社会経済と調和した持続可能な制度を構築し、国民の制度に対する信頼を確保することを目指したものであります。
 具体的には、少子化が進む中、将来の所得や賃金の変動に柔軟に対応し、長期にわたり年金財政を安定させることであります。加えて、将来の現役世代の負担が過大とならず、適正な給付水準を確保するとしております。
 このような大きな枠組みの中で、限られた資金をいかに配分し、多様な生き方や働き方、女性と年金の問題、次世代育成支援などに対応した制度としていくことが主な内容となっております。
 今後は、区民の皆様に内容の周知を図ってまいります。
 次に、介護保険料と利用料の軽減についてお答えいたします。
 まず、介護保険利用料の負担軽減につきましては、東京都の生計困難者に対する介護サービス利用者負担軽減措置事業は、国制度を拡大した独自の軽減措置として評価しております。昨年7月から法施行時の訪問介護サービスの本人負担が、3%から6%に変更になりました。この制度適用により、利用者の負担が3%に据え置きとなり、利用料軽減として有効な対策と位置づけております。
 次に、この事業は制度施行時の激変緩和措置として実施されたものであります。したがいまして、区独自で継続することは考えておりません。
 また、本事業は国や東京都の補助事業と連動した事業であり、国や都の枠を超えて区独自に実施することは考えておりません。
 次に、介護保険料の負担軽減につきましては、収入や蓄えの少ない、いわゆる生活困難者対策として実施しているものであります。
 適用されている人数が見込みよりも少ない原因は、まず、申請主義であり、また、収入のみでなく資産状況も要件にあることによります。今後も、区広報紙及び65歳以上の方全員にパンフレットを郵送するほか、保険料通知書郵送の際の封筒裏にも案内を載せるなど、さまざまな手段を講じて周知に努めてまいります。
 次に、預貯金要件の緩和につきましては、介護保険制度について国が抜本的な改正を検討しているところであります。低所得者対策についても検討課題に上がっており、それらを注視しながら、新介護保険制度において区独自の軽減措置が必要である場合には、要件見直しも含めて検討してまいります。

○石川義夫福祉部長 私からは、特別養護老人ホームの運営費補助と子育て支援施策についてお答えします。
 まず、特別養護老人ホームの運営費補助についてお答えします。
 介護報酬が減額になり、都市部の特別養護老人ホームの経営が厳しい状況にあることは、理解しているところでございます。しかしながら、財政状況が厳しい中、数多くの入所希望者の期待に応える新規施設の開設に財源を投与すべき状況であり、新たな運営費補助については考えておりません。
 次に、旧公設特別養護老人ホームについての運営費補助についてでございますが、ご指摘のように、議会の請願採択を受け、現在も運営費補助を継続しております。今後は、補助のあり方について一層実態に見合い、かつ良質な介護を誘導する内容にするよう検討してまいります。
 次に、東京都の民設民営の特別養護老人ホームについての経営費支援についてですが、この継続につきましては、これまでも都に要望してまいりました。これからもそうしてまいりたいと思います。
 次に、子育て支援施策についてお答えいたします。
 国の負担金である公立保育所運営費の一般財源化に当たりましては、補助金の削減に見合う税源移譲等の財政措置が講じられると伺っております。実際どれだけ影響があるかは不透明な部分もございますが、今後の子育て支援施策の実施には、影響は少ないものと考えております。
 次に、数値目標についてでございますが、厳しい財政状況の中で、認可保育所を区が主導で計画的に設置していくことは難しいと考えております。したがいまして、財政上の裏づけのない数値目標を示すことは困難な状況でございます。
 次に、大規模開発にかかわる認可保育所の設置につきましては、区としましても積極的に取り組んでまいりますが、開発事業者のスケジュール等に不確定要素が多く、そのため、計画に取り込んでいくのは厳しい状況と考えております。今後、日程等、事業の詳細がもう少し具体化してから検討してまいりたいと思います。
 次に、公立保育所の民営化についてでございますが、現在ある公立保育所の民営化を進めることは、新たな雇用を創出し、多様な保育サービスを供給するとともに、それにより生み出される財源と人的資源を、保育サービスだけでなく、さまざまな子育て支援施策に投入していこうとするもので、国庫補助の削減を民間に肩代わりさせるものではございません。今後とも計画に基づき、民営化を進めてまいります。
 また、民間社会福祉施設サービス推進費助成の再構築につきましては、東京都と施設代表者の間で最終合意に達し、平成16年4月1日より施行されていると伺っております。
 次に、足立区子育て支援サービス利用者負担適正化審議会についてお答えします。
 急激な少子化の進行を踏まえ、限られた家庭だけでなく、すべての子育て家庭における児童の養育を支援する施策が、今、強く求められています。地域における子育て支援施策を充実強化するために適正な利用者負担はどうあるべきなのか、審議委員の皆様に十分論議いただけるよう、努力してまいります。
 また、子育て施策のあり方についても、審議会の中で各方面から論議されていくものと考えております。

○佐野宏明都市整備部長 私からは、住宅改良助成事業につきまして、お答えいたします。
 区民の住環境を整え、安心して安全に住めるようにするため、行政が一定の支援をしていくことは重要と考えます。このために、厳しい財政状況下ではありますが、バリアフリー化の助成等、限られた予算を最大限に住宅政策に生かせる視点に立った施策としてスタートさせたものでありますので、住宅基本条例の基本理念に沿ったものと考えております。
 次に、区民の住環境の整備促進については、環境整備指導要綱により住宅の整備条件を整え、総合的な魅力あるまちづくりを進めることにより、「住んでよかった 住みつづけたいあだち」の実現を図ってまいりたいと考えております。
 このことが、区内の住宅市場を活性化し、区内業者の方々への仕事確保につながることと思われますので、多額な費用をかけないで経済波及効果を生み出すことが期待されるところでございます。
 次に、住宅改良助成事業は、住宅政策の中で総合的に検討し、昨年スタートしたばかりでありますので、現在は制度を活用していただくよう普及に努めているところでございます。
 このため、ご提案の区内業者の施工による住宅リフォームへの助成や、耐震補強工事への対象拡大は考えておりません。
 また、自己資金への助成の提案については、この事業が手持ち資金の不十分な方々に対してご支援申し上げる趣旨でありますので、対象にすることは考えておりません。
 次に、北千住駅東口にある日本たばこ産業の敷地の活用についてでございますが、この敷地は営業所、スポーツ施設、社宅等を合わせて約3.3ヘクタールと、大規模な敷地でございます。北千住駅東口周辺は、駅前広場や都市計画道路の整備、大踏切への対応、商店街の振興等、まちづくりのさまざまな課題がございます。
 検討会の中では、現在のところ集合住宅や道路整備などを中心に検討が進められております。
 区としましては、日本たばこ産業や都市基盤整備公団の協力を得て、東口周辺の都市基盤整備や商業の振興を図り、地元の活性化につなげていきたいと考えております。

○坂本寛文産業経済部長 私からは、地域商店街の振興策についてお答えいたします。
 お尋ねの歩行者通行量調査につきましては、丸井への来客数が平準化する本年9月期に調査の実施を予定しております。本調査では、平成13年度に実施した前回調査と同一の地点に加え、新たにペデストリアンデッキから町への流れの状況もあわせて調査し、駅から地域への回遊実態も把握する予定であります。
 次に、商店街空き店舗対策の計画につきまして、まず、学童保育需要が現在も引き続き高い東和地区や花畑地区の商店街において、本年度末の開設を目途に具体的な検討をしています。
 この空き店舗を活用したコミュニティ施設の整備に当たっては、地域のニーズや学童待機児の実態、事業主体としての商店街やNPO等の力量などを総合的に考慮する必要があり、その他の地区についても調査中であります。
 柳原の「お休み所」については、個店の活性化が商店街の活性化につながった一例として、一定の成果があったと認識しております。しかしながら、商店街の活性化が主目的であるとはいえ、個店の財産形成に都や区の補助金を投入することに対する否定的な意見があることも事実です。
 したがいまして、区では特に商店街の空き店舗を活用した「お休み所」といった、コミュニティ施設による商店街活性化の方策として、今後もコミュニティ施設活用商店街活性化事業を積極的に推進していく所存であり、都に対しても同旨の事業についての充実を、課長会等を通じて求めてまいりたいと考えております。

○江口由紀夫教育改革推進担当部長 私からは、少人数学級の実施についてお答えいたします。
 教育委員会としましては、学級編制については生活集団として40人学級を維持しながら、学習集団として少人数指導に力を注いでまいりました。現時点で調査があった場合には、少人数指導の充実を図っていく方向で回答してまいりたいと考えております。
 次に、都と区の立場についてお答えいたします。
 現在、都教育委員会では、40人学級を維持しつつ少人数指導を充実させるという方針を示しておりますが、区教育委員会は学級を学校生活の場である生活集団としてとらえ、授業の場である学習集団については、学級という概念にとらわれずに弾力的に考え、少人数指導等を進めております。
 今後も、都教育委員会の動向を見守りながら、区教育委員会の判断で対応していきたいと考えております。
 最後に、特別講師による少人数学級の実施についてお答えいたします。
 区の特別講師は、少人数指導の充実のために区で採用しており、少人数学級への対応については考えておりません。

再質問

○鈴木秀三郎議員 今、本当に、まともに通告を検討していただいているのかなというような、ひどい答弁だなと聞いたのですが、改めて、引き続き全体として聞いていきたい。
 ただ、例の有事法制関連の問題では、区長は本当に法案の出されている内容を、七つの法案、そのほかもありますけれども、内容をご存じなのかなと、今までのあれを大きく変える危険性があるわけです。そこで、トップダウン方式で首相よりの指示、国の指示でそのまま追従してやるということについて非常に心配がある。そういう立場で提起しているのですけれども、答弁を聞いていると、全くそういうことが、ごらんになっていないのでないかと思えてなりません。
 ただ、年金の問題では、私は憲法25条、今、本当にひどい状況になっているのに、安定的な、あるいは一定の水準を確保するとか何か答弁がありましたけれども、区長が、私聞いているわけですけれども、憲法25条の立場から見て、あの改正が、改悪ですよね、本当にひど過ぎると、3万円か4万円の国民年金、現在よ、そういう人たちが15%これから下がっていくわけですよ。そういう点で生存権が侵害されていると、憲法25条の立場から見てどうなのかと聞いているので、いろいろありますけれども、その点、答えていただきたい。再答弁をお願いします。
 私は区長に聞いているんです。

再答弁

○佃朝明区民部長 国民年金制度は、そもそも自営業者を対象に始まった年金制度でございまして、老後生活の一部を補助していく仕組みでございます。確かに、年金だけでは生活補助できない方につきましては、他の社会保障制度を活用して対応していく方法があろうかと考えます。

再々質問

○鈴木秀三郎議員 憲法の立場から見てどうなんだと聞いているのですよ。
 今回の政府案が、憲法25条の立場から見てどう考えているんだと、そこが区長の見解としてどうなんだと聞いているわけです。そこがはっきりしないんです。
 もう一度お願いします。

再々答弁

○佃朝明区民部長 先ほどご答弁申し上げましたとおり、今回の改革の中身の大きな枠組みでは、今後、限られた資金をいかに配分するとか、多様な生き方や働き方、女性と年金の問題等々、それに対応できる制度としていくということでの改革内容になっておりますので、ただいま鈴木秀三郎議員のご指摘のその中で、この対応はされていくものと考えております。