1、本会議質問

○代表質問  鈴木けんいち議員

○鈴木けんいち議員 私は、日本共産党足立区議団を代表して区政の根本問題や区民要望の強い問題などを中心に、区長初め執行機関の見解を問うとともに、改善を求めて質問します。
 初めに、足立区の新基本構想について質問します。
 想像もしがたい痛ましい殺傷事件の続発、引き続く経済変動と生活不安の拡大、イラク戦争を初めとする平和の危機など、私たちは、本当に大きな社会的変化のただ中にいます。こういうときにつくられる基本構想は、こうした変化に対応するとともに、真に希望を与え、展望を開くものであることを願わずにはいられません。私は、まず、新基本構想を策定するに当たっての基本的な考え方について伺います。
 足立区には、現在、12年前に策定した基本構想があり、目標年次は2010年までとなっています。目標年次終了まであと6年残されているわけですが、いま新たな基本構想をつくる理由として、区は、12年前にこの基本構想がつくられたときは「バブル経済が破綻し始めた年ではある」が、「社会全体は基本的に経済成長が持続することを前提」としていて、その後「社会経済の大変動」が本格化したからだと述べています。
 もっぱら“社会が変わったから基本構想も変える必要がある”という説明ですが、92年につくられた基本構想は、既に「ハードからソフトへ」「物の量を求める時代から、生活の質を大切にする時代へと移りつつある」と指摘。バブルがはじけた後のあり方を示しながら、「一人ひとりがまちづくりに参画し協働して取り組んでいくことが大切」と述べて、今回の新基本構想で強調されている「協働」の仕組みづくりも提唱されていました。

基本構想の前提ーこれまでの区政運営の反省が必要ではないのか

 しかし、この間行われた実際の区政運営はどうだったでしょうか。94年度から98年度で130事業、6,894億円を投入するという第三次基本計画が、93年に策定され実施に移されました。建設費だけでも511億円、関連経費を含めると700億円を超す新庁舎建設が始まり、大規模な土地購入も進められました。急速に膨れ上がったこれからの経費を賄うため、区は借金をふやし、わずか5年間で2倍以上になりました。
 一方、バブル崩壊のもとで経済的困難に直面する区民が広がりましたが、区は税の再配分機能を生かして支援の手を差し伸べるという、本来の自治体らしい自治体としての区政運営には消極的でした。こうした姿勢に、多くの区民が転換を求め、吉田区政を誕生させたのではないでしょうか。
 どんな基本構想がつくられても、実際の区政運営に反省がなければ、また同じことになるのではないか。いままでの「社会経済の大変動」にも、住民の福祉の増進や税の再配分機能の発揮など、地方自治の本旨にも十分対応してこなかった区政運営に、反省と検証がまず必要だと思いますが、どうでしょうか。
 次に、新基本構想案は、広く区民から公募した委員による「新基本構想策定区民委員会」を設置し、9つのグループに分かれて基本構想を考えるという方法がとられました。区はこれまで、区民委員グループで話し合われた内容は、そのまま「9つの構想素案」として扱うと表明してきましたが、今回の新基本構想案の中では、わずかに「それらを踏まえて基本構想審議会で検討を進めるという手法をとった」と述べられているだけです。
 「新基本構想策定区民委員会検討結果」を読みますと、例えば「空き地になったところはマンションにしないで公園などをつくる」「理想:金八先生社会!」「福祉関連産業を誘致して税収増につなげる」など、イメージも、また希望もわくような新鮮で豊かな内容が書かれています。「新基本構想策定区民委員会検討結果」を、基本構想と一体のものとして位置づけるべきと思いますが、どうでしょうか。
 また、新基本構想は、「地方分権の推進」など、地方自治体を取り巻く環境が大きく変わったことも策定の理由とされています。確かに、国が地方にさまざまな制約を設けて中央集権的な支配を行ってきたあり方を改め、地方自治体の自主性や自立性を高めることは必要であり、当然な改革です。
 しかし、国がいま、「国から地方へ」を合言葉に誘導しようとしている方向は、自治体の「自立」の名のもとに、国の責任を放棄して、福祉や教育の最低水準を保障してきた地方への財政支出を大幅に削減しようとするものであります。「三位一体の改革」と称して行われようとしている義務教育費国庫補助負担金の削減・廃止や、生活保護費の国庫負担率引き下げは、その最たるものです。こうした国の姿勢と闘わなければ、地方分権の推進・確立は展望が開けないと考えますが、新基本構想は、地方分権の推進とはかけ離れた国の「構造改革」の流れを取り入れ、積極的に進めようとしているのではないか、答弁を求めます。
 次に、新基本構想は冒頭部分で、「この基本構想は何よりも区民生活に根ざしたものであることを目指した」と述べています。私たちも、本当に基本構想はその立場でつくっていくべきであると考えています。そういう立場から、以下、質問します。
 第1に、新基本構想は、第5章「構想の実現に向けて」でも示されているように、「新しい公共」という手法に貫かれているのが大きな特徴です。「新しい公共」とは、ニュー・パブリック・マネージメント(NPM)の日本語訳で、アメリカ、イギリスなどで採用された「行政サービス部門」の改革手法の一つです。企業経営の効率化を図る管理方式を、公共部門に移植・適用しようとする内容で、自治体のスリム化を目指した行政の「効率化」と「市場化」を特徴としています。「新しい公共」は、もともと効率化を図るための手法に過ぎないため、自治体の公共性・公共目的に沿った政策立案とか政策の優先順位を決める論理を持ちません。
 また、営利を目的とする企業の経営効率化の手法を、公共目的を持った自治体に適用しようとすれば、「効率化」の名のもとに、採算のとれない施策は切り捨てられていくのではないでしょうか。
 生活に根ざした基本構想を目指したと言いますが、「新しい公共」それ自体は、生活に根ざした政策の立案や、諸政策の優先順位などを決める基準とはなり得ないのではないでしょうか、お伺いをいたします。
 第2に、新基本構想は「新しい公共」手法のお手本どおり、公共施設の外部委託や民営化の推進、施設の建設や運営におけるPFIやPPP手法の導入、指定管理者制度の積極的な活用方向を示しています。「より低いコストで質の高いサービスが受けられる」ことがうたい文句ですが、そもそも自治体が担う公共サービスとは、もうけや採算が得られなくても、住民にとって必要であれば提供されるというところに存在意義があり、コストや効率になじまない特徴があります。こうした特徴を無視してコストを削減すれば、質の低下が起きかねません。
 また、これまでの外部委託や民営化などでサービスの質が向上したと言われる部分は、実際にはサービスの「多様化」であって、これは行政の努力で実現できる種類のことであります。

低賃金と不安定雇用の拡大、区内業者しめだしを促進するのか

 そして、低いコストの大半は人件費の削減であり、低賃金と不安定雇用の拡大です。また、PFIやPPP手法のもとでは、技術力は同じでも、資金力に勝る大手企業に市場が開放され、地元区内業者は排除されます。このように、低賃金労働と不安定雇用の拡大、区内業者締め出しを促進する政策を、区が効率化の名で今後どんどん進めるレールを敷いていいのか、答弁を求めます。
 第3に、新基本構想は「基本理念を協働で築く力強い足立区の実現」とし、「協働のもとにこの基本構想と基本計画の内容を着実に実施する」と述べて、「協働」がキーワードになっています。協働とは、本来、立場や分野が違う者が、その違いを乗り越えて一つの目的に沿って、お互いに協力し働くということであり、大前提として対等平等の関係と、それぞれが自己の責任・役割を果たすことが必要です。
 しかし、近年「協働」が強調されるようになったのは、主に行政が行ってきた公共サービスの提供を、行政以外の個人・団体が無償で担う方向へ転換を図り、行政を身軽にするという「新しい公共」(NPM)手法の一つとして脚光を浴びてきたからであります。
 いま、国の「構造改革」や景気低迷の直撃を受けて体力の弱っている中小業者や、また行政の支援を求めている区民がふえていますが、そういう人も「協働」の荷を担えというのでしょうか。それで、本当に力強い足立区が実現するのでしょうか。新基本構想で言う「協働」の名のもとに、区の責任や役割をあいまいにし、本来自治体が行うべき事業・業務を住民や民間団体に肩がわりさせることがあってはならないと思いますが、どうか、伺います。
 第4に、現基本構想には「援助の必要なときはいつでも手が差し伸べられる」ことや「低所得者などに生活支援を行う」ことなどが明記されています。生活に根ざした基本構想というなら、過去最多となった自殺者や進行のとまらない少子化など、広範で深刻な社会問題に共通する、住民の経済的困難を打開する決意と展望を太く示す必要があると考えます。我が党がいま行っている区民アンケートにも「生活がどんどん苦しくなってきた。借金だらけです。」「いまのままだととても悪循環。2人目はとてもつくる余裕がありません。」などの声がたくさん寄せられています。新基本構想は、こうした経済的困難に直面した区民に対して支援とするという考えはあるか、お伺いをいたします。
 また、区民はだれもが平和を望んでいますが、21世紀になって戦火はおさまるどころか、激しさを増しています。憲法9条を守り、平和の意思を明確にした基本構想とすべきと思いますが、どうか。
 また、基本理念の項で「区政の主役は区民である」と述べられています。そういう理念の実現を区民とともに図ろうとするなら、憲法、地方自治法に基づく行財政運営を基本に置き、自治体らしい自治体を目指すべきと思うがどうか、答弁を求めます。
 次に、来年度の予算編成方針など、区政運営の基本方針である2005年度足立区行財政運営方針(依命通達)に関して質問します。
 区はこの中で、「年金制度の改革のように国民生活に大きな影響を与えるものが動き始めようとしている」と述べていますが、年金制度改革については、8割の国民が認めておらず、実施の中止は区民も望んでいるところです。また、「三位一体の構造改革」は、「当区においては財政運営に大きな影響を与える懸念がある」と述べているように、「三位一体」とは名ばかりで「三位ばらばら」の地方財政削減策です。国は税源移譲と引きかえに、国庫補助負担金や地方交付税の削減を打ち出しましたが、「三位一体改革」実施初年度の今年度、予算の総額は地方への財政支出が3兆9,000億円減らされ、増えた税源は4,500億円でした。結局、足立区も2億円以上削減されていることが、今回の区の補正予算で明らかになっています。地方は、こうした国の横暴理不尽な態度と闘うことが求められていると考えます。区長の見解と決意をお伺いいたします。

来年度予算編成方針は区民生活を支える姿勢にたつべき

 来年度予算編成方針は、自治体予算編成の原則とされている「単年度主義」を投げ捨て、今後5年間の歳出枠組みの目標を設定するという「複数年方式(目標設定方式)」を大きく打ち出しました。その具体化として、「受益者負担の適正化」という名の公共料金値上げ、区民がどんなに要望しても「新規事業」及び「既存事業の拡充」は原則行わない、例外的に行う場合は何かを廃止する、などが明記されています。「財源確保先にありき、区民生活は後回し」と言わざるを得ません。
 そして、投資的事業予算は増大の方向を示しながら、包括予算制度のもとでは、決定的に重要とされている部ごとの予算配分枠は示されていません。投資的経費など、開発関連経費を確実にため込む方向を確立するとともに、トップダウンで「お金のある範囲でしか区民施策は講じない」と、区民施策削減を進める姿勢の宣言ではないのか、答弁を求めます。
 いま区政運営で重要なことは、不況や国民いじめの「構造改革」で市民が体力をなくしているときに、少しでも区民の生活や区内業者の営業を支える施策を行うことだと考えます。区はこの10月1日から、高齢者住宅改修事業の一部を縮小する決定を行いましたが、これは年度途中の突然の削減という乱暴さとともに、この事業の効果を無視した誤った判断だと言わざるを得ません。
 高齢者住宅改修事業は、高齢者の日常生活を支援するとともに、中小建設業者の仕事確保策にもなっており、施工業者の大半は区内業者で、地域経済への波及効果の大きい事業です。しかし、区は、「予算額を大幅に超える利用がある」という理由で、この中の浴槽取りかえ工事のうち、給湯器の取りかえを対象外にすること、助成限度額を37万9,000円から20万円に引き下げること、「自立」の人は対象外にするという削減を強行しました。利用が多いということは、それだけ高齢者にも、区内建設業者にも役に立っているということであり、当初の予算で不足するなら補正予算を組んで対応するのが普通です。まして、今回提出された補正予算では48億円もの財政調整交付金が入り、それをほとんど貯金に回すという余裕も明らかになっています。高齢者住宅改修事業は縮小せず、継続して実施すべきだと思いますが、どうでしょうか、答弁を求めます。
 また、この高齢者住宅改修事業を含む介護予防施策の費用負担割合は、一律1割ではなく、所得に応じて0%、3%、6%、10%の利用者負担となっています。区民負担増の方向で見直すようなことはすべきでないと思いますがどうか、答弁を求めます。
 区は、「人口減少社会」を強調していますが、区も少子化対策に取り組んでいるところです。少子化にはさまざまな要因が考えられますが、少なくとも、子育て世代の経済負担を増やす保育料の値上げは行うべきではないと思いますがどうか、答弁を求めます。
 次に、区は、担税力のある人々の区外への流出を嘆いていますが、どうしたら定着を図り、また区外から呼び込むことができるのかの立場に立った、分析と施策の展開が必要だと思います。その立場から幾つかの施策を提案します。
 まず、子育てがしやすく、住み続けたい足立区とする視点から、@待機児が多く要望の強い認可保育園の増設を進めるべきと思うがどうか。A子育てサロンをふやすとともに、子育て機能を持たせ、専門員の配置も行うべきと思うがどうか。B他の自治体でも行われるようになってきている、子どもの医療費助成の小学生までの拡大を進めるべきと思うがどうか。C小中学校の暑さ対策は、23区内では大半の区で普通教室にクーラーや扇風機など、何らかの暑さ対策が講じられています。ことしは夏休み前日の7月20日が最高気温を記録しましたが、とりわけ足立区は東京で一番暑くなり、江北では42.7度になりました。二学期制の全校実施のもと、7月20日も5時限、6時限まで授業。子どもたちはぐったりして帰ってきて、「もうだめだあ」と家に倒れ込んだと言います。9月1日も34度の暑さの中で、5時限授業を行いました。とても学力向上どころではないと声が上がっています。足立区でも普通教室にクーラーなど、何らかの暑さ対策を行うべきと思うがどうか、答弁を求めます。
 また、区内業者を支援し、地域経済の活性化、雇用の拡大も図っていく視点から、@あだち産業会議では会議参加者の報償費として、足立区内共通商品券を渡していますが、足立区内共通商品券の普及と活用を進めるため、区の関係機関全体を調査し、必要な対応をとるべきと思うがどうか。
 A特養ホームや障害者施設の建設など、公の補助金が入る事業は区内業者が優先して受注できる仕組みを確立すべきと思うがどうか。B良好な住環境の整備促進とともに、区内業者の仕事確保など、幾つもの効果がある住宅リフォーム助成制度を創設すべきと思うがどうか、答弁を求めます。

介護保険の見直しにあたり改善策を提案

 次に、介護保険について伺います。
 政府は介護保険制度の改定作業を進めていますが、財政論を最大の理由に、軽度の要介護者を保険から外し、一般施策に置きかえようとするなど、住民負担増、サービス低下の方向で進められています。そして、実施主体である地方自治体に一層の財政負担を負わせようという態度です。こうした改定方向には、多くの国民や関係団体から、不安と反対の声が上がっています。今月初めに区内で開かれた学習討論集会でも、「ケアプランをつくるとき利用者にまず言われるのは、1カ月使うと幾らですか、何とか安くしてくださいということです。今後、利用者負担がふえるようなことになったら大変」「要介護1の人がデイサービスに行くようになって元気になった。保険から外されたら、こういう人はどうなるのか」「特養ホームの運営は本当に厳しくて、常勤が退職すると非常勤で補わざるを得ないので、サービスの質を維持できない状態」などの声が次々出されています。7月30日、社会保障審議会介護保険部会の報告書がまとめられ、いよいよ法案作成に向けて、厚生労働省案が提出される予定です。区は保険者としても、また住民に一番身近な行政機関としても、しっかり声を上げていくことが必要だと考えます。これまで区は、第1回定例会での我が党の質問への答弁で「保険者の代表である全国市長会(足立区を含む)が、国の公費負担割合の引き上げを検討すること、低所得者対策を国の制度として財政措置を含めて総合的、統一的対策を講じることなどの意見を国に上げている」と述べています。そして、「今後とも全国市長会を通じて国に要望する」とも答えていますが、いつ、どのように要望したか、まずお伺いいたします。
 次に、今後次のような内容については特に強く要望していくべきと思うがどうか。
 ア)国として保険料・利用料の減免制度を創設すること。特養ホームなどの施設入所者から食費全額と居住費を徴収することは行わないこと。
 イ)軽度の要介護者が利用する一定のサービスを保険から外し利用を制限することはやめること。
 ウ)保険料徴収対象年齢の引き下げと、拙速な障害者支援費との統合は行わないこと。
 エ)介護給付費の国の負担を2分に1にふやすこと。以上、お伺いいたします。
 足立区で特養ホームへ申し込んで入所を待っている人は、6月の時点で1,903人でしたが、8月末では2,043人となり、増える一方です。国は、建設補助をいきなり前年度の3分の2に減らすなど、特養ホームの建設を抑制する態度ですが、区は、こうした国の姿勢とも闘って、入所希望の多い特養ホームを増設するために、あらゆる努力を行うべきと思いますが、どうでしょうか。
 また、介護保険の改定の内容はまだ未確定ですが、少なくとも、現行水準の後退はすべきではないと思うがどうか。区は保険者として、区民が介護を受けられなくなるような事態を回避する措置を講じるべきと思うが、どうか。区は、厚生労働省の言うままに、一般財源の投入は行わないと繰り返し言ってきましたが、これまでも介護保険は特別対策で一般財源が投入されてきました。必要な場合は、一般財源を投入することも視野に入れ対応すべきと思うがどうか、以上、答弁を求めます。

電動車イスで移動できるまちへ

 バリアフリーが叫ばれて一定の前進が見られますが、町はいまだ障害者にとって「バリア」にあふれています。例えば、電動車いすで梅島にある「あしすと」の就労支援センターに通う障害者が、歩道の傾斜しているところでひっくり返りそうになり、やむなく車道を通ったら車と接触。けがをしても車いすは歩道を通るものだと言われました。軽い接触でしたが、頸椎を痛め3カ月たったいまでもリハビリを続けています。私は、現場を一緒に見に行きましたが、その障害者の方は、傾斜している歩道を怖がって、後ろで押さえているからと言っても、上がることはできませんでした。
 95年に東京都福祉のまちづくり条例が公布され、それ以後つくられる道路・建物は、こうした傾斜や段差などは基準以内に設計されるようになりましたが、条例制定以前に整備された道路などは、障害者が歩けない状態で残されているところもあります。住民からの指摘があったり、全体の改修が行われるときには改善されますが、そうでなければ放置されているのが現状です。私が調査したところでは、花畑街道や車検場通り、中央本町四丁目と五丁目の間の通りなどは、危険な場所が多いという声もあります。
 足立区は、障害者基本計画が既にありますが、既存の道路、建物を車いす対応にバリアフリー化するという計画・方針は入っていません。電動車いす利用者も増えており、予定されている2005年度中の改定の中で、まちのバリアを解消する計画をぜひ盛り込むべきと思うがどうか。
 区として、道路を初め「まちのバリア」調査を行い、マップにするとともに、可能なところから改善に乗り出すべきと思うがどうか。
 当面、「あしすと」に通う障害者の声に基づき、梅島三丁目9番の歩道部分など、緊急に対策をとるべきと思うがどうか、以上3点、お伺いをいたします。

「金八記念館」構想の実現を

 最後に、テレビドラマ「3年B組金八先生」の撮影ロケに長年使われてきた区立第二中学校について、区が売却の方針を固めたと報じられている問題で質問します。
 区立二中は、区教委の統廃合方針に基づいて、来年3月をもって58年間の歴史に幕を閉じ、閉校となります。この10月16日には、最後の同窓会総会が開催される予定ですが、いまから25年前、校舎から荒川の土手が見えるほど川に近く、柳原など下町情緒あふれる町並み、鉄道の低いガードをくぐる道などが、作家の長内美江子さんの目にとまり、数カ所の候補地の中から、ドラマ「3年B組金八先生」のロケ地に選ばれました。連続ドラマ6シリーズと、9本のスペシャルが制作され、同一の作家、演者によってこれほど長期に制作されているドラマは、日本のテレビ界にはありません。この9月からは、再び撮影が開始され、第7シリーズが10月15日から放送される予定です。プロデューサーの柳井 満さんは、一人の国語教師と30人の生徒たちとの交流を通じて、中学生が直面する問題を取り上げ、自分たちなりに解決法を示してきたことに触れながら、「同時にいまの中学生の可愛いさ、すばらしさも描いてきた」と述べ、これが25年間支持されてきた理由ではないかと語っています。二中の校舎は、多くの人々の心に希望の火を灯す役割も果たしてきました。緑の荒川土手を生徒たちが金八先生役の武田鉄矢さんと歩くシーンとともに、生徒たちが学ぶ「桜中」の教室や校庭、校門は、印象深く記憶に残り、遠くから地図を頼りにこの校舎を見に来る人もいます。
 今回、同校が閉校になるのを受けて、長内美江子さんらが校舎を「金八記念館」にする構想を掲げ、金八記念館こそ足立区にとって最高の観光資源となり得ると強調。例えば校舎をそのまま残して内部を改装。名場面の写真や衣装、脚本を展示し、ビデオ・DVDライブラリーなどを整えてはどうかと提案。地元でも、千住地域にはあちこちに撮影場所があり、これを回るウオークラリーなど企画すれば、千住の町を回遊するコースとなるが、学校を売却してしまえば、せっかくの町活性化の道が閉ざされてしまうという声が上がっています。
 また、二中の体育館は、多くの区民がスポーツ活動に使用しています。千住地域で相次ぐ学校統廃合のため、地域の体育館がなくなり、地元のスポーツサークルなどが使える場所がなくなったら、これまで多彩に行われてきた地域スポーツ活動ができなくなってしまうという声も上がっています。 既に千住常東地区の町会・自治会は、大半が売却すべきでないとの意向を示し、今月行われる旭町商店街イベントでは、ドラマ出演者たちや、「金八ソーラン」チームも登場して、二中の校舎を残してほしいとアピールするとのことです。二中跡は安易な売却ではなくて、例えば「金八記念館構想」などを生かし、観光資源として地域経済活性化につなげる方向や、区民の健康保持・地域コミュニティ形成の核である体育館存続の方向で活用方向を検討すべきと思うがどうか、答弁を求めて、この場からの質問を終わります。

答弁

○鈴木恒年区長 鈴木けんいち議員の代表質問のうち、新基本構想の策定に当たっての基本的な考え方についてのご質問にお答えいたします。
 新基本構想は、社会状況の大変動が本格化しただけではなくて、今後、人口減少社会の到来などの未曾有の現象が予測されるために、その策定に着手したものであります。現基本構想・基本計画におきましても、社会状況の変化に応じ、住民の福祉向上に対応をしてまいりましたが、今後の大幅な社会変動にさらに対応するためには、新基本構想策定が必要であり着手したものであります。
 新基本構想策定区民委員会の検討結果につきましては、今回の基本構想策定の素案となったものでありまして、重要な意味を持っていると考えております。この素案で示されました提案につきましては、構想に反映すべきものは反映し、具体的な事業提案などにつきましては、基本計画に反映することで審議会から答申をいただいておりまして、その考え方に則して、実質的な一体化を図ってまいりたいと考えております。
 また、国の改革に関するご質問でありますが、基本構想審議会の席上でも議論された問題でありますが、現在の地方分権の流れは、多くの課題を含みつつも、基本的には地方自治を推進する方向に進んでおり、足立区としましても、自律し特色ある自治体へと進化すべく、この流れを前向きに受けとめる必要があると考えております。
 他のご質問につきましては、参与から答弁をいたさせます。

○坂田道夫政策経営部長 私からは、基本構想についての一連のご質問にお答え申し上げます。
 まず、「新しい公共」についてお答えします。
 現在、日本は大きな変革期を迎えております。「行政と民間」の役割分担や「税とサービス」、「負担と受益」の関係も含めた、国民、団体、企業、政府間の「協働」のあり方と範囲が問い直されています。
 その中で、足立区においても、社会・経済環境の変化、行政ニーズの多様化、厳しい財政状況に対応して、区民と区がつくり出していく新たな協働関係、すなわち「新しい公共」を形づくることが求められています。
 足立区は、雇用、治安、高等教育、児童虐待など、直接的には区の行政領域でなかったことについても、経営資源を振り向けていく必要があります。そのために、行政運営に民間の優れた経営手法を活用して経営革新に取り組み、「政策の選択と集中」を進め、効率的で効果的な行政運営を進めていきます。
 自治体の役割は、社会状況の変化に伴って変わっていきます。足立区は、これまでの取り組みだけではなく、自治体として新たな課題にも対応していくことのできる、自己進化する自治体を目指して改革を進めているところであります。
 我が国における第三次産業の4分の1を占めるとされる公的サービス分野を、米国並みに民間へ開放すると、最大で800万人の雇用が創出されると推定されています。
 したがいまして、公的サービス分野の規制緩和を進め、引き続き「民間にできることは民間へ」と移行していくことにより、自治体として本来果たすべき役割を着実に遂行しながら、雇用の拡大と住民福祉の増進に努めてまいりたいと考えております。
 次に、「協働」についてお答えします。
 「協働」とは、区政の主体である区民が、責任意識を持って、互いの立場を尊重しながら、協力し合うことです。これは行政の責任を放棄することではございません。行政としての役割と責任を明確にしながら、できる限り民間の力を活用して、民間の優れた手法を取り入れることにより、区民との協働を進めてまいります。
 次に、区民に対する支援についてお答えいたします。
 新基本構想においては、目指すべき足立区の将来像として、「自立し支え合い安心して暮らせる安全都市」を挙げており、自助・共助・公助のバランスをとりながら、「やさしいあだち」の実現を目指していくことを述べております。足立区は、セーフティネットを維持し、満足度の高い福祉サービスの実現を図ってまいります。
 続いて、基本構想とは、区が総合的・計画的な行政運営を図るため、区のさまざまな計画のおおもととなるものとして定めるものです。言うまでもなく、憲法や地方自治法などに基づいて、自治体らしい自治体を目指していくための構想です。「協働により築く力強い足立区の実現」を目指して、足立区らしい行政の実現を図ってまいります。
 続きまして、「三位一体の構造改革」は、地方自治体の権限と責任を大幅に拡大することにより、住民の意向に沿った行政運営を可能とする改革でなければならないと考えております。厳しい内容もございますが、地方分権一括法後、初めて税源移譲について具体的な取り組みを行っている点につきましては評価しております。こうした取り組みが、地方分権改革の本旨にかなったものでなければならないことは言うまでもありません。
 さきの全国市長会等地方六団体は、「三位一体の改革」に関連して、おおむね3兆円規模(17年度、18年度)の税源移譲に見合う国庫補助負担金廃止の具体案をとりまとめ提示したところであります。
 さらに特別区長会を通して、基幹税による税源移譲の実現、国庫補助負担金の見直し、超過負担の解消等、国への要望を重ねて行ってまいります。 なお、年金制度につきましては、制度改革の趣旨を区民の皆さんに十分周知するよう努めてまいります。
 続きまして、予算の複数年方式につきましては、扶助費を含めた義務的経費の増大、本格化する施設更新に確実に対処していくために、平成20年度までに身の丈にあった財政運営を実現しようとするものであります。人口減少社会の到来といった、これまでに経験のない変化の中にあって、区民サービスの安定かつ継続した提供を確保して、初めて区民の皆さんの信頼に沿うものと思っております。
 また、実施に当たっては、収支内容、事業の成果など事務事業評価を徹底するとともに、総人件費の抑制、投資的事業の抜本的見直しなど、限られた財源を有効に活用してまいります。
 次に、二中の跡利用についてお答えいたします。
 二中を存続する方向で考えた場合、課題が多いのも事実であります。例えば、校舎は一番古いもので昭和35年に建築されており、このまま存続させるためには、耐震補強工事や大規模補修工事を実施する必要があります。
 また、校舎の建設等に際し、国庫補助金や起債を受けており、廃校するに当たり、これらをすべて精算する必要があるとともに、光熱水費、警備費用、樹木の剪定や雑草の処理等々の年間維持費がかかってまいります。こうした状況と現在の区の財政事情等を勘案し、売却も一つの選択肢として検討をしているところでございます。

○石川義夫福祉部長 私からは、高齢者住宅改修事業と子育て施策及び町のバリアフリーのうち、福祉部所管についてお答えいたします。
 まず、高齢者の住宅改修給付事業につきましては、介護予防や重度化の防止という観点から、重要な事業であると考えており、高齢者の身体状況に応じた給付を今後も行ってまいります。しかしながら、本事業の今年度の執行状況が予想をはるかに超える伸びを示し、やむを得ず、10月1日以降のバリアフリーに直結しない給湯設備につきましては、給付対象から除外をさせていただきます。
 また、厳しい財政状況の中、今後も高齢者の増加が見込まれることを踏まえ、介護予防施策の自己負担金につきましても、適切で応分の利用者負担を求める方向で見直しを検討してまいります。
 次に、保育料についてのご質問でございますが、限られた家庭だけでなく、すべての子育て家庭への支援施策が必要であることから、サービス利用者の負担はどうあるべきか、在宅子育て世帯と保育所利用者等との間で不公平感を生まないようなバランスのとれた料金体系の構築について、現在、審議会で議論していただいているところでございます。
 次に、認可保育園の増設についてのご質問でございますが、現在の厳しい財政状況の中では、公立の認可保育園を増設していくことは大変困難な状況でございます。したがいまして、認証保育所の誘致や保育ママの計画的増員等を図ってまいりたいと考えております。
 次に、子育てサロンについてお答えします。
 子育てサロンの増設については、平成21年度までに10カ所を目標としています。既に開設している子育てサロンでは、区が開催する講座を受講し、子育てサポーターとして認定したサポーターが育児相談に応じており、利用者の要望で保健師の巡回相談を行っているところもあります。今後も、地域の子育てサポーターと協働して運営する方針に変わりなく、各子育てサロンに専門員を配置する予定はありません。
 次に、乳幼児医療費助成については、保護者の所得制限を段階的に引き上げ、平成16年4月からは、乳幼児すべてが対象となりました。医療費の助成を小学生まで拡大することについては、区の単独事業となり、都からの補助金が見込めないことや、対象児童数が多いことなどから、現時点では考えておりません。
 次に、まちづくりに関する障害者のバリアフリーについてお答えします。
 地域保健福祉計画の障害者施策部分につきましては、障害者計画として平成18年度に向け改定をする予定でございます。その際、既存の道路・建物のバリアフリー化につきまして、すべてというのは困難でございますが、必要性の高いところからバリアフリー化を進めるという計画を持ちたいと考えております。
 次に、「まちのバリア」調査の件でございますが、全区の道路・建物の調査を実施することは困難かと思われます。区民の皆様の要望が高い箇所や、より多くの人が利用する駅や施設の周辺などから調査を行い、計画的に改善していきたいと考えてございます。

○坂本寛文産業経済部長 私からは、区内共通商品券の普及と活用についてお答えいたします。
 区では、平成14年度に「緊急経済対策検討会議」を発展的に解消し、新たに区長を本部長とする「足立区経済活性化推進本部」を設置して、区内経済の活性化のために全庁的に取り組んできました。平成15年度からは、区が実施する経済活性化施策を網羅した「経済活性化推進事業」を定め、区内共通商品券の普及活用についても、区内消費拡大の一環として、全庁的に取り組んでいます。

○西條直樹総務部長 公の補助金が入る事業の発注についてお答えいたします。
 区が発注する契約案件につきましては、区内業者が優先して競争に参加できるようにしております。公の補助金が入る事業につきましても、同様にしております。

○佐野宏明都市整備部長 住宅リフォーム制度の創設についてお答えいたします。
 住宅リフォームに対する助成につきましては、平成14年度までの住宅改良助成事業で行っておりました。しかし、厳しい財政状況下でありますので、限られた予算を最大限に住宅政策に生かせる視点に立って、バリアフリー化の助成等に限定した事業として開始したものであります。現在は2年目になりますが、制度を活用していただくよう、普及に努めているところであります。ご質問の制度については、創設することは考えておりません。

○佃朝明区民部長 介護保険に関するご質問に一括してお答えいたします。
 全国市長会には、本年1月に平成17年度の国の施策及び予算に関する要望の一環として、介護保険に関する改善要望を提出しております。
 次に、今後の要望事項についてでございますが、このたび社会保障審議会介護保険部会から、「介護保険制度の見直しに関する意見」が報告され、他方面にわたり改善への提言がなされております。ご提案の中の保険料・利用料の減免制度の創設や軽度要介護者に対する一定サービスを外すこと、介護給付費の国の負担に関することなど、介護保険制度の根幹にかかわることにつきましては、要望いたす考えはございません。
 なお、特別養護老人ホームなどのホテルコスト部分については、低所得者に対する配慮が必要であると報告書に盛り込まれております。また、障害者施策との統合は慎重に検討されたいと要望を上げております。
 特別養護老人ホーム入所希望者は、ご質問のとおり、増加傾向にあります。特別養護老人ホームを初めとする介護保険基盤整備につきまして、今後もできるだけ努力していく所存であります。
 今回の改定は、介護保険制度全体を予防重視型に転換する内容となっております。要支援、要介護1の被保険者を対象に、新・予防給付を創設するものであります。真に利用者の自立支援に向けた給付を行うものであり、現行水準を後退する、あるいは区民が介護を受けられなくなるような事態を招くとは考えておりません。
 また、厚生労働省の3原則は、介護保険財政の安定性を確保する上からも、遵守してまいります。したがいまして、一般財源を投入することは考えておりません。

○猪野秀明土木部長 梅島三丁目の歩道についてお答えします。
 梅島三丁目9番先の歩道につきましては、現地を早急に精査の上、可能な限り車いすが利用しやすい構造になるように対策を検討してまいります。

○内藤博道教育長 小中学校の暑さ対策についてお答えをいたします。
 特別教室には計画的に冷房機の設置を検討してまいります。また、改築する学校にはベランダの設置・屋上緑化など、清涼化を図ってまいります。しかし、普通教室は数が多く、クーラーの設置には多大な費用がかかり、現段階では困難だと考えております。
 なお、一部の学校で扇風機を実験的に設置し、授業への影響や効果を現在検証中でございます。

再質問


○鈴木けんいち議員 介護保険の問題とか、それから、クーラー、扇風機をつける気もないというぐらいの大変消極的な姿勢には、大変残念なのですが、再質問を三つほどさせていただきます。
 一つは、基本構想で「新しい公共」、これはNPMという手法だけれども、これ自体は自治体の公共性に沿った政策立案、あるいは諸政策の優先順位を決める基準とはならないのではないですかという質問をしました。これに対する答弁はなかったと思うのです。いろいろ述べられましたけれども、これが基準となるとかならないとかというご答弁はありませんでしたので、明快な答弁をお願いしたいと思います。
 それから、認可保育園の問題なのですが、公立保育園はつくらないというご答弁でしたけれども、私は公立保育園をつくってくれという質問ではありません。私立も含めて認可保育園を増設するよう、区としてイニシアチブをとるべきだということも含めてご質問しました。そういうことでのご答弁をお願いしたいと思います。
 三つ目、二中の問題ですが、いずれも財政的にいろいろかかるとか、大変だとかというお話だったのですけれども、ちょっとこれまで区が言ってきたことと違うのではないか。これまで区は、区の経済や財政問題を考えて、観光も含めて経済振興を図っていくということを言っておりました。ですから、財政問題を考えるのであれば、ここを観光化できるこうした金八記念館構想というのは、そういう面からは非常に有効なわけです。そういう点からの検討は全然されていないのか、ご答弁はありませんし、その一方で、公有地については売却というのは一番最後の最後だと、安易な売却はしないというのは、たびたびこれまで答弁されてきました。ところが今回は、何か一番最初に売却が検討されているような、第1順位だともなっておりますので、これまでの答弁と矛盾するのではないかと思いますので、明快な答弁をお願いしたいと思います。

再答弁

○坂田道夫政策経営部長 私からは、ニュー・パブリック・マネジメントのご質問でございますが、このNPMという手法は、ご案内のように、20年ほど前からイギリスで始まり、そして、ニュージーランド、オーストラリア、あるいは米国でも、特にクリントン政権時代のゴア副大統領が非常に熱心だったわけでございますが、そういったものが進んでおります。
 また、日本でも三重県ですとか福岡市等、改革を進めている自治体ではほとんどが取り入れているということでございます。
 先ほどのご指摘でございますが、自治体の公共性に沿った政策立案や諸政策の優先順位を決める基準となるかどうかということでございますが、このNPMの中には、例えばいま私どもがやっている行政評価という手法も入っておりますし、そういった意味では、公共性を、お題目ではなく、実際にマネージメントを可能なものにするといった意味で、優先順位を決める基準に、現在のところ最適な基準になり得るだろうと考えてございます。もう少しこの分野をいろいろ研究していただきたいと存じております。

○石川義夫福祉部長 認可保育園のことについて、ご答弁申し上げます。
 私どもは公立の認可保育園の増設ということでご答弁申し上げましたが、私立の認可保育園ということでございますが、普通の状態の中で私立の認可保育園を誘致するということになりますと、需要がかなり多くないと、そこの中での経営といいますか、成り立たないということから、普通の状態ではなかなか難しいのかなと思ってございますが、ただ大きな需要が見込まれます大規模開発の行われているところ、例えば旧公団の開発でございますが、そういうところにつきましては民設民営の認可保育所を誘致するということで、事業者の方に働きかけをしておりまして、ぜひそういう形で誘致していきたいと考えてございます。

○坂田道夫政策経営部長 二中の件でございますが、私どもは小山内先生とかいろいろお会いして、いろいろお話を伺っております。ただ、金八記念館だけで二中をフルセット使えるかどうかという問題ですとか、それから、この金八記念館、資料館が実際に経営上成り立つかどうかというあたりを、TBSの人たちともいろいろ話し合いをしているということでございます。
 あれが長期的な観光資源で自立するかどうかという点の議論もしておりますので、そういった中で、先ほどご答弁したように、区の財政事情もございますから、売却も一つの選択肢ということで、現在いろいろ詰めているということでございます。