決算特別委員会の質問等 第2日目(10月5日)午後 三好すみお議員 |
特別養護老人ホーム建設、障害者福祉について ○三好委員 こんにちは、三好でございます。よろしくお願いいたします。 私は、介護保険の基盤整備、とりわけ特別養護老人ホームの建設をぜひ進めていただきたいという観点、それから、障害者の施策、これも充実してほしい、こういう観点から質問をさせていただきます。 まず初めに、区民要望と必要に応じた特養ホームの建設についてであります。 特別養護老人ホームは平成14年度の時点で11カ所、1,066床の施設でありました。区は平成19年度までに1,674床にする計画をもって増設を行っていますけれども、現在の到達度と今後の見通しについてお尋ねいたします。 ○福祉部副参事(高齢計画) 私からは、19年度までの建設目標についてご説明申し上げます。 まず、17年の11月に扇一丁目に1,096床のものができます。続きまして、18年の2月に上沼田に1,150床のものができます。次に、18年の11月に東保木間に30床の小規模、それから、旧三中の跡地を利用しまして1,100床。それから、20年の2月に旧竹北小の跡地を利用した100床のものができます。これはあくまで予定でございます。 すべての地域に特別養護老人ホームを ○三好委員 大分進められてきて、計画に近づいてきていると認識をしておりますけれども、老人保健福祉計画との関係で若干質問したいと思うのですね。 要介護、要支援の認定者の数が、見込みよりも多くなってきているのではないかということです。区の老人保健福祉計画、平成15年に作成したものですね、19年度までのこの資料によりますと、要介護、要支援の認定者の数について、平成14年の1万4,900人から、平成18年には1万9,800人、19年には2万800人と見込んでおりますけれども、この平成14年、15年の2年間の実績といいますか、推移はどのようになっていますか。 ○介護保険課長 平成14年度でございますが、実数が1万5,976人ということで、1,083人ほど予定数がふえてございます。 平成15年度でございますが、実数が1万8,364人、2,080人ほどふえてございます。 ○三好委員 入所待ちの方が、去年4月には1,600人でした。ことしの6月では1,903人ということで300人ふえております。さらに、8月の末にはさらにふえて現在2,034人と伺っております。この入所待ちの方がふえ続けているというこの実態については、どのように考えておられますか。 ○高齢サービス課長 2,000人を超えているということを受けとめているかということででございますが、まずは、本当に入れない方々に対して大変申しわけないという気持ちがいっぱいでございます。 ふえている理由といたしましては、後期高齢者がふえ続けていく中で、要介護度の重い人も出てくる。また、ひとり暮らしであるとか、家族の中で支えていく機能というものが少しずつなくなってきており、どうしても施設への希望がふえているというのが実態ではないか、こういうふうに考えております。 ○三好委員 区は昨年ですね、優先入所評価基準というものを設けましたけれども、A、B、Cがありますけれども、優先度が高いとされているAランクの入所待ちの方は、どのくらいいらっしゃいますか。 ○高齢サービス課長 日々時々刻々と動いておりますが、たしか800人程度はいるかと思います。 ○三好委員 この問題では、介護保険の専門部会でも議論をされているようです。介護保険の専門部会で会長が、このように質問されたわけです。「Aランクの方々が区内の特養に全部入れるまで、どのくらい時間がかかりますか」と伺ったそうです。それに対して区の方の答弁は、「確約はできないと、早期に入所される方で優先システムの効果が5カ月ぐらい、待機者解消のため施設整備を進めてはいるけれども、2カ月間で100人くらい新規に申し込みがあり、待っている方のうち、50人ぐらいが亡くなられる。入所できるのは30人程度で、2カ月でその差に当たる20人から30人の待機者がふえているのが現状だと。増設してもなかなか追いつかない」、このように答えていらっしゃるようですけれども、これは間違いないですか。 ○高齢サービス課長 間違いございません。 ○三好委員 早い人で5カ月かかって、2カ月間で二、三十人の待機者といいますか、入所待ちの方が、このAランクの方でもふえていくということであります。 もう一つ、これ入所待ちの方のケースを紹介したいのですけれども、60歳前の息子と老齢の母親の二人暮らし、日中独居、建設業の息子が昼食分も準備して、すべて世話をして仕事に出かけるが、痴呆が進み、一人のときに家にあるものを何でも食べたり、粗相もしてしまう。だめと言っても火も使ってしまう。こういう方が、先ほどの優先度で言いますと、中程度のBランクという状況ですから、大変事態は深刻だと言えるのではないかと思うのです。 せめて、Aランク、この800人ぐらいいらっしゃるAランクの人が入れるように、施設の整備を進めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○高齢サービス課長 先ほど副参事が申し上げましたように、現在計画を五つ動かしておりまして、都内では多分最大値の計画を動かしていると思います。そういうぐあいに、精いっぱいの努力を進めているというのが現状でございます。 ○三好委員 もともと在宅でも施設でも安心して暮らせるようにするのが、この介護保険導入の建前だったと思います。そのように、介護保険整備をする条件を整えていくことが行政の役割だろうと思うのです。要介護者がふえている、入所待ちの方がどんどんふえている。何とかしなければいけない。ですから、実態に即した受け皿づくり、これが必要だろうと思っています。 視点を変えて質問したいと思うのですけれども、先日、第三中に特養をつくる問題で、近隣の住民の方に説明会が開かれたそうであります。参加された地域の人たちは、自分の地域にこんな立派なものができるのだから、将来は入りたいと言ったそうであります。こう思うのは当たり前だと思うのですね。ところが、入所待ちが2,000人と聞かされて、入りたくても入れないと一抹の寂しさを感じたということです。 しかし、事業者の話を聞いているうちに、だんだんと自分と特養ホームとの関係のイメージがわいてきて、身近に感じることができたと、こう感想を述べているのです。 どういうことかと言いますと、その事業者は説明の中で、地域の在宅のお年寄りへの宅配サービスのほかに会食サービス、地域のひとり暮らしのお年寄りなどにも来てもらって、低廉な料金で栄養バランスのある食事をしてもらいたい、こういうサービスもしていきたい。なかなかひとり暮らしのお年寄りは、栄養のバランスを考えて食事をするというのができにくいということがありますから、一食でもバランスのよい食事を食べさせてあげられればいいと思うというお話です。 そして、軽食サービスといって、スパゲティーやカレー、飲み物、こうしたものを用意して、ご近所のお年寄りだけではなくて、地域の人にも来てもらって交流を図る、そして、できればそういう人たちにボランティアになってもらって参加をしてほしい。こういうものです。 こういう話を聞いて、その地域の方は、以前は特養ホーム、老人ホームというと何か暗いイメージがありまして、地域から反対運動が起きるようなイメージを持っていたのだけれども、いまの話を聞いて、一つこういう特養ホームが地域にできることによって、この地域の介護環境が大きく変わってくると、入所する人だけの問題ではなくて、デイサービスやデイケア、それから、ボランティア活動の活発化、交流、こういったものを通じて、その地域全体が光が当たるような、そういうものだということがわかったそうです。 それで、地域の方たちにこうした明るい見通しを持たれるように説明された事業者の考え方もすばらしいと思いますが、こうした施設が地域に開かれた特養として根づいていくという点で、いまの話をどのようにお受けとめになりますか。 小規模多機能型特養ホームで対応します ○高齢サービス課長 大変住民の方からいい話をいま委員ご紹介いただいたと思っております。 私どもも、これは三中の特別養護老人ホームの事業者は8法人から選んだわけでございますけれども、大きく考えたのは、この法人が特によかった部分の一つが、その地域と交流していこう、それも多世代と交流していこうという視点でございました。 それから、もう一つ、先ほど午前中来からもお話ございましたけれども、高齢者の防災拠点としての意識というのも大変すばらしいものがありまして、この法人にしたわけでございます。 今後とも、特別養護老人ホームは小規模多機能型と言われていますけれども、大規模多機能型の施設として特別養護老人ホームは整備していく必要があるだろうと思っております。 ○三好委員 こうした特養という施設が地域で果たしていく役割、これを考えると、やっぱり身近な地域にこうした施設が必要だと思うのです。そのことによって、新たな地域の活性化が図られると考えます。 足立区では、この施設の配置について、区内を幹線道路、鉄道、河川、こういったものによって13のブロックに分けておりますけれども、先ほどの説明を私、特養の建設状況についてプロットしてみたのです。ちょっと見にくいのですけれども、プロットしてみました。これは区民事務所のある地図に、黄色とオレンジでプロットしたのですね。黄色は従来からあった11カ所、オレンジは今後の建設も含めてふえるであろう5カ所ということで、16カ所プロットされております。 この13のブロックの中で特養がない地域があるのですが、どこだかおわかりになりますか。 ○高齢サービス課長 どこまで分割して、ない地域と申し上げるのか、それは明確には言えませんけれども、保木間、平野、一ツ家あたりの地域、それと、新田、宮城、そこら辺の地域、こういうところにないだろうと思っております。 ○三好委員 区の方がこの施設を配置するに当たって、13のブロックに分けているわけで、それを参考にということで私もプロットさせていただいたのですが、実は第4ブロックの梅田、関原、この地域にないのです。ちょうど真ん中あたり、一つのブロックで見ると、この地域は4万7,000人以上の人口がありまして、75歳以上の高齢者の割合が、柳原地域がある第1ブロックですね、これについで2番目に多い地域なのですね。この梅田、関原という地域は。この地域からも特養建設の要望が出ているわけですけれども、足立区全体のこういった地域偏在、地域偏在をなくすという点で、この梅田、関原の地域、第4ブロックの地域にぜひこの特別養護老人ホームをつくるという点では、お感じにならないかどうか、お答えください。 ○高齢サービス課長 実はそこら辺をカバーする特別養護老人ホームとして、足立4丁目の計画、そのブロックの中には入っていないのですけれども、極めて隣接するということで足立4丁目の計画を進めていたわけですけれども、諸般の事情によって頓挫してしまっている状況でございます。 ただ、その地域については老健として、老人保健施設しらさぎが、かなりその地域の介護についてのバックアップ機能を持っていると理解しておりまして、必ずそこに何がなんでもなければならない、千住にないというのは非常に困った状態だと理解していたわけですけれども、そこまでの状態には至ってはいないだろうと思っております。 ○三好委員 そういう認識であろうかと思うのですけれども、やはり、先ほどの例に示したように、特養ホーム、先ほどの事業者のようなホームが、その地域、地域にできることによって、その地域が活性化されると、入所される方だけではなくて、そういうことがありますので、ぜひそういう方向で、そういう視点でも考えておいていただきたいと思うのです。 このプロット図を見て、改めて足立区というのは広いなと感じました。13のブロックに分けて、第4ブロック以外は、計画も含めれば1カ所は必ず配置されるという状況でありますけれども、しかし地域的に見ていくと、いま橋本課長がおっしゃられたように地域偏在があります。例えば新田地域、ここは川に囲まれており、島のような独立した地域になっているわけですね。これからまちづくりが進んでいきます。そういう中で人口もふえていくということですので、ぜひまちづくり計画の中で特養ホームを建設する、この検討をぜひしていただきたいと思うのですけれども、どうでしょうか。 また、もう一つ、区内で一番お年寄りの多い千住の柳原の地域でございます。この常東地域でございますけれども、いま金八先生の記念館をぜひつくってほしいという要望も出されておりますし、地域で使える体育館を残してほしいという要望も出されておりますし、また、特養ホーム、グループホームが地域にないので、ぜひつくってほしいという要望が出されているところであります。 二中のところに限定してつくってほしいということだけではなくて、ぜひこの常東地域にも検討していただきたいと思いますが、この2点についてお答えください。 ○高齢サービス課長 大規模開発にあわせて特養をという話でございますけれども、何分地域として、ある意味、そんなに高齢者人口がその地域の中に集中して住んでいるという状況ではございません。したがいまして、今後、大規模な特別養護老人ホームは来年度以降、いま国の概算要求の動きであれば、東京都に審査権限が移る、それから、小規模な特別養護老人ホームについては区に移るというこでございます。そういう小規模型の多機能型の施設の新田地区についての誘導配置については、考えていきたいと考えております。 それから、二中の跡地でございますけれども、私が申し上げるべき話ではないと思いますが、二中については、特別養護老人ホームというのは駅前につくるようなものではないだろうと思っています。駅前の土地というのは、やはり高いわけですので、高い地域に特別養護老人ホームをつくるというのは、土地の利用効率の問題からしても、補助制度の関係からしても不利な状況になってまいりますので、余り考えられないと思っております。 ○三好委員 いまの二中の話は、金八先生の話もあるし、体育館を残してほしいという話もあるという中で取り上げたわけですけれども、必ずしも二中にということではなくて、常東の地域につくっていくという方向で、これは民間で誘致していこうみたいな話が出ていますけれども、行政がどういう計画を持つのかということが非常に大事だと思います。 きのうの答弁の中でも財政課長が言っておりました。中長期的に財政を見ているんだという答弁もありましたけれども、平成19年、20年というところで建設をしていくというスタンスに立つのであれば、いまから計画していくと、区が率先して計画をしていくと、こういう姿勢が重要だろうと思います。 次に、提案したいことがあるのですけれども、先日、101歳になられるお年寄りが特養に入りたいということで、何とかならないかという話がございました。人生一番いいのは長生きをして、そして家族に見守られながら自宅で全うするということだと思うのですけれども、実際にはいろいろな事情があってそうはならない。特養に入りたいが、あと何年かかるかわからない。こういうことで途方に暮れているお年寄りがほかにもいらっしゃるのではないかと思うのです。こうしたお年寄りを、待たないで入れるようにしてあげたい、普通の手続より入りやすくさせてあげることができないか、こうした要望が来ております。 そこで、提案したいのですけれども、何歳以上がいいのかというのはわかりません。80歳がいいのか90歳以上がいいのかわからないのですけれども、少なくても100歳を超えるようなお年寄りには、希望があれば長寿特例という形で、何とか入所できるような制度を考えてみてもらえないかと思うのですが、いかがでしょうか。 ○高齢サービス課長 確かに私も101歳の方の話を施設の方と話をしたときには、100歳を超えたら入れてもいいのではないかと、最優先してもいいのではないかというご議論がありました。確かに足立区で一番長生きの人は106歳ですので、101歳で3年も待つということになると、先ほどもお話したように、亡くなられる可能性が非常に強いとはっきり言えば、したがって、そういうものも検討する余地はあるなと思っております。ただ、これは施設にその人を入れれば、ほかの人が入れないという関係になるわけですので、施設連絡会の方々ともども慎重に検討して、結論を得たいと。 優先的にまず入れるというだけ、点数を加点するというやり方というのもありますので、どこの時点でどういう段階で落ち着かせるのか、これはいま軽々には申し上げられませんけれども、そういう考え方は十分あろうかと思います。 ○三好委員 ぜひそういう方向で検討していただきたいなと思います。 お金のあるなしで差別は許されない低所得者対策を 次に、新型の特養ホテルコストの導入の問題について質問いたします。 我が党はこれまでも特養ホームの個室化、それ自体は、プライバシーや人権という高齢者の人間としての尊厳を大事にする上からも必要だと、このように言ってまいりました。問題なのは、ホテルコストという新たな負担を導入することによって、低所得者が入居しにくくなる、こういう問題です。区はこの間の答弁で、従来型と新型とにすみ分けるんだと言ってきましたが、改めてお伺いしたいのですが、これはお金のある人とお金のない人を分けるということですから、高齢者に対してお金のあるなしで差別を持ち込むことにならないか。同時に、施設そのものの差別化につながっていくのではないか、この2点をお尋ねいたします。 ○高齢サービス課長 いま現在でも有料老人ホームに入れる程度の財力のある方、特養を金銭で考えなければならない方、いろいろ相談があったときに、財力によって対応策はかなり違ってくるわけでございます。これは、一つのこの国の社会全体がそういう仕組みによってやっているわけですので、高齢者の問題だけをとって、これをもって差別という形にはならないだろうと考えております。 もう1点は何……。 ○三好委員 施設間の……。 ○高齢サービス課長 施設間の移動の問題ですか。 ○三好委員 移動じゃなくて、差別化につながるのではないの。 ○高齢サービス課長 それも別に、その施設自体、施設の中でいまでも低所得の方と所得の多い方が入っているわけですが、その中で所得の多い方に対して有利な温かい介護をして、低所得者には冷たい介護をする、こんなことやっていないわけでありまして、施設が別々になったとしても、それはあり得ないと思います。 ○三好委員 実態としてホテルコストがどんどんできてきて、こちらの従来型には結果的に低所得者しか入れない、ホテルコストの方はそれなりに所得のある人が入っていくとなれば、やはり地域の見る目というのは、そういうふうに見るのではないかと思うのです。 いずれにしても、今後10年、20年たちますと、いまある従来型の特養も当然リニューアルしなければならない、建てかえをしなければならない、そのときにはホテルコストという形になっていくわけですね。そういった意味では、ホテルコストを払えない人の対策を練っていくことはどうしても必要だと思います。 足立区が高齢社会対策基本条例の中で区の責務として定めた第3条第5項には、経済的事情等で援助を必要とする高齢者に対して、適切な援助を行うことと定めております。現在ある制度の活用も含めて、利用料の継続を図ること、そして、区としての独自の対応が求められているのではないかと思うのです。この基本条例との関係で、区として責任を持って対応する必要があるのではないかと思いますが、この点ではいかがですか。 ○高齢サービス課長 いまある従来型の特養についても、将来はホテルコストという話がございましたけれども、きのう申し上げましたように、おとといぐらいの毎日新聞の報道によりますと、介護保険の今回の2006年度の改正におきまして、特養の家賃は従来型も自己負担にと、ホテルコストを入れるという形を言ってきております。その中でも減免策について幾つか述べておりまして、低所得者につきましては、自己負担分を光熱水費にとどめるなどの対応をとると。それがいまの光熱水費は取るということですけれども、光熱水費に限定すると。このようなことが書かれているわけでございます。これがこのような形で正確に報道され、これが本当の実態としてこういうふうに進んでいくかどうかわかりませんけれども、既にホテルコスト対策というのは、従来型を含めて目の前に来ているんだという認識はしているわけでございます。 それから、足立区の低所得者について、必要な援助をという話でございますけれども、特別養護老人ホームに入っている方で相当程度、生活保護の方がいらっしゃるわけです。必要に応じて生活保護を適用していますし、介護保険から5年たちました。5年たつと、措置で入っていた方々について減免というのがなくなります。ゼロで入っていた人が5万円、6万円払ってくださいという話になるわけで、こういう部分については適切に福祉事務所と共同いたしまして、低所得者を救っていくという活動を今後強化していくと、今年度中にやっていくということになろうかと思います。 ○三好委員 大変前向きな方向で検討されているということで安心いたしました。この低所得者の問題では、介護保険の専門部会でも議論されていて、学者や協議会の会長からも意見が出されています。 どういう意見かと言うと、今後の特養ホームの一番の問題点は、厚生労働省は低所得者の方の入所問題にきちんと返事をしていない。国が対策をとっていないということですね。また、国や都に対して地方自治体から早目に声を出してほしい。五、六年先には必ず大きな問題として浮上してくるのでよろしくお願いしますと、このようにも述べておられます。庁内の議論もいろいろあると伺っておりますけれども、足立区だけの問題ではありませんので、国に対してこうした専門家の助言、あるいは足立区の行政の現場としての状況を踏まえた意見を、国に対して上げていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○高齢サービス課長 既に東京都の方で意見をまとめて、中間報告と本報告とわたって2回ぐらい、介護保険見直しについて厚生労働省の方に出しております。 区といたしましても、東京都のまとめている内容についても、若干異を唱えるところもありましたので、またそれをさらに進める部分もありましたので、そういうことを幾つか何点かその中に入れて、都を通してやっている。各区ごとにやっても、それは単に右から左に流されるだけというのは実態だと思っていますし、効果はないものだと思っています。都の中に十分意見は反映されていると思っております。低所得の方々への対応についても、その中に記載されていたと記憶しております。 今後も、先ほどのホテルコスト自体について、私は取るべきだという認識を持っておりますけれども、低所得者対策をきっちりやった上で取れば、それは決してまずいことではないだろうと思っておりますので、そういう意見を事あるときについて、国の方、都の方に上げていきたいと思っております。 ○三好委員 次に、障害者の入所施設の建設の状況、それから、グループホームの増設の必要性について質問をいたします。 竹の塚にできる入所施設、これの進捗状況についてお伺いいたします。 ○福祉部参事(障害福祉担当) 竹の塚に身体障害関係の療護施設及び知的障害者の入所更生施設を計画しております。 現在、ことしの4月に法人を決定させていただきました。区の土地をお分けする法人を決定させていただきまして、7月に都の方に法人の方が協議書を上げたという段階でございます。 今後は、11月に都の方から国の方に協議を上げまして、来年の6月か7月ごろ国の方から内示が出るという状況でございます。 地域で暮らすことのできる障害者福祉施策を ○三好委員 この入所施設については、足立区でも初めての取り組みということで、いろいろ困難な点はあろうかと思うのですけれども、何としても実現をさせていかなければならないと思うのです。 そして、名実ともに足立区の地域の中核的施設として、区内に点在するグループホームと連携をしながら、障害者が地域で暮らしていける施設にしていかなければならないと思います。 そこで、お尋ねしたいのですが、この知的障害者グループホームの整備については、足立区の地域保健福祉計画の計画目標は達成しているということですが、いま現在何人ぐらい入所されているのでしょうか。 ○福祉部参事(障害福祉担当) 施設といたしましては、月ごとに若干ふえておりまして、現在19グループホームが足立区内で設置されております。たしか11月にも設置される予定だということで、時間的な問題でございますが、人数に関しましては、後ほど説明したいと思います。 ○三好委員 大体障害者の場合は4人から7人ぐらいのグループホームですから、平均6人としたって90人ぐらいかなという予想なのですね。 東京都が緊急3カ年計画でグループホームをつくるということで、全都で2,315人分のをつくりましょうということで出しておりますけれども、これを足立区に案分すると、20分の1として案分すると大体105、6が目安になると思うのですが、これにあわせた形で区の計画を見直していくという考えはございませんか。 ○福祉部参事(障害福祉担当) 既に18から19ございますので、いま委員がおっしゃいました4から7ですか。そうしますと、既にほぼ110から20程度の数ができております。それで、人数が入っておりまして、今後も法人として設置意欲非常に盛んでございますので、その数に達するものと思っております。 ○三好委員 足立区は知的障害者が、23区の中でも一番多いと聞いておりますけれども、何人ぐらいいらっしゃるのですか。 ○福祉部参事(障害福祉担当) 3,000人をちょっと超える数でございます。 ○三好委員 私が聞いたところでは、知的障害者は全国で36万人、そのうち3分の1の12万人が施設に入所していると。足立区に換算すると約1,000人ぐらいに相当する数でありますけれども、施設の法人の方の話では、いま現在500人ぐらいは入所したくてもできない、こういう方がいらっしゃるのではないかと伺っています。 今後、この入所施設の建設が困難になる中で、入所施設の建設を成功させて、そして、地域で暮らしていけるという障害福祉の施策を充実させていくことが求められていると思うのですけれども、この入所施設と一体となったグループホームの建設はどうしても必要だと思うのですが、その辺の認識はいかがでしょうか。 ○福祉部参事(障害福祉担当) 委員おっしゃるように、地域で障害者の方が暮らすというのが、いまの福祉の方向でございます。そのためには基盤を整備しなければいけないと、その中核になる施設が24時間の入所施設と位置づけております。 現在、計画しております入所施設自体が、入所を60ということで計画を立てておりますが、委員おっしゃるように、希望する方は500人になるかどうか、はっきり統計とっておりませんが、かなりの数がございます。ただ、現状におきまして、入所施設をどんどんふやせるという、国の方としてもそのような状況ではございません。そのために、やはり中核的になる24時間施設の周りにグループホームをつくっていくことが重要であると考えております。 ○三好委員 次に進みます。 支援費の問題で若干質問したいのですが、私は6月の議会で支援費の供給量の問題について質問をいたしました。答弁は、目安は設けているが、上限という意味ではないと。このように福祉部長がおっしゃられたと思います。改めて確認をしておきたいと思うのですが、いかがでしょうか。 ○福祉部参事(障害福祉担当) 必要なサービスに関しては、当然必要だということで認定しているところでございまして、必要でないものは出さない、その基準をはっきりさせながらやっているところでございます。 ○三好委員 目安はあるんだけれども、それは上限ではないと、上限という基準ではないという答弁をしていただいているのですよ。そのことに答えてください。 ○福祉部参事(障害福祉担当) どうも失礼いたしました。 当然上限は設けない、ただ、当然必要なケアマネジメントをそれなりにやっておりますので、その中で必要なサービスを認定するということでございます。 ○三好委員 最近、知的障害者の移動介護について相談を受けたのですけれども、重度の知的障害者が通所の施設から戻ってきて、自宅に帰るまでの間、精神的に気持ちを落ち着かせるために、もやもやした気持ちを発散させていく、そういうことが必要だということで、1時間ほど散歩をさせているということです。ところが、この移動介護については、月に16時間しか認めないよと言われていて困っているんだということなのですね。そこで確認をしたいのですけれども、これも福祉事務所の方と実態をよく相談をして、そして認められれば1日1時間、月に22日で22時間ということを言っておられますけれども、これは可能ですよね。 ○西部福祉事務所長 一応基準をオーバーする場合、いろいろそのときの状況、その人の生活状況、そういった環境の問題を踏まえまして、こちらサイド、それから、受けるサイド、両方で協議しまして、ある一定の両方が納得できるところで、一応オーバーすることもあるかと思っております。 また、これについては、そういった場合、どうしてそういうオーバーをしたかということについて、事務所できちっと判断基準を設けていきたいと思っております。 ○三好委員 いま「基準」と言われたけれども、私は「目安」と言っていて、そこをきちっとしないと、基準というとこれが決められたものですよ、目安というのはあくまでも目安なのだから、それは福祉部長が答弁されたように、上限ではないんだということをきちっと認識していただきたいと思います。 やはり、どんなサービスをどれだけ供給すればいいのかという問題、いまはケアマネジメントの話が出ました。この問題は、ケアマネジメントができるシステムをつくっていかなければならないと思うのですね。これは地域保健福祉推進協議会の委員であります筑波大学の奥野さん、専門家でいらっしゃいますけれども、この方が推進協でこういうふうに発言されているのです。「昨年4月から支援費制度が始まったけれども、支援費制度が発足するのに障害者ケアマネジメントの予算がつかなかったということで、非常にびっくりしたと。大多数の障害児及び介護保険の対象にならない障害者、圧倒的多数の人を支援する方法として障害者ケアマネジメントの方法で支援していくことが重要だと思う」。そして、こう言っているのですね。「足立区は障害者のケアマネジメントの実施方法については、先駆的な取り組みをされている」と述べておられるのですけれども、この足立区の先駆的な取り組みについて、若干報告というか、お願いします。どんなことをやられているのか。 ○障害福祉センター所長 足立区におきましては、障害者ケアマネジメント事業を障害福祉センターで本格的な本来事業として取り組んでおります。 ○三好委員 もう少し具体的に、この専門家の奥野さんが、本当にすばらしい実践をしているんだと言っておりますので、もう少し具体的な中身はありませんか。 ○障害福祉センター所長 障害者の地域生活支援におきまして、さまざまなその方のライフプランがありますので、その方のライフプランに応じて総合的なサービス提供を行えるような支援をしております。 ○ 三好委員 いずれにしても、いま、あしすとで東京都のモデル事業としてやっておられます。これは非常に評価が高いものですので、これをさらに全区的に広げていくということが必要だと思います。福祉事務所との連携、福祉事務所は決定をする方ですから、なかなか難しいということは聞いておりますけれども、連携をしていく体制をぜひつくっていただきたい、そのことを要望いたしまして、質問を終わります。 |
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