決算特別委員会の質問等 第5日目(10月12日)午後 ぬかが和子議員 |
小規模修繕登録制度、保育園等について ○ぬかが委員 決算の中では、昨年の決算は、暮らしと産業のあすを開く予算、都市型産業雇用施策に重点を置いたということが決算特別委員会の中で繰り返し強調され、また、この委員会の中で、いまいる区民の人たちの雇用や所得の安定を図るためにもっと施策の展開が必要だということについても繰り返し答弁をいただいております。 私は、区内産業振興、仕事確保の立場から契約問題についてお伺いします。 まず、最初に公の契約についての考え方として、一つには、公共工事委託契約を含む公共サービスに働く方々について、下請適正化法などの立場から適正賃金を担保することが区内建設業で働く人たちへの支援につながる。 それから二つ目に、下請単価や賃金切り下げを前提として存在するダンピング受注や丸投げを排除することにより、地元業者の参入や下請業者の経営改善などを促して地域経済の振興を進める力になる。 そして三つ目に、それが欠陥工事などを防止して安全な社会資本を確立することにもつながるというふうに思いますが、いかがでしょうか。 ○契約課長 いま委員からご指摘がございましたように、下請契約の適正化、それからダンピング対策というのは、仕事の質をきちんと担保すると同時にそこで働く労働者の権利も示唆するものだというふうに考えております。 小規模修繕希望者登録制度―今年12月から募集を始め来年度から実施 ○ぬかが委員 こういった考え方を具体化した制度が実は公契約制度という制度なのです。 国連の国際労働機関ILOの94号条約というところでこういうふうに言われているのです。公共工事に働く労働者は、下請、再下請等に雇用されていても全員に適用される。また、賃金支払いの元請責任、これは区ということになるのですけれども、などがここでは規定されている、ぜひこういう立場で前進をさせていただきたいということをまず最初に申し上げておきたいと思います。 そして、去年の第4回定例会の代表質問の方で私たちはこういう質問をしました。 小規模建設業者の仕事確保策として、さきの決算特別委員会でも提案しましたが、学校を初め区公共施設の小破修繕、小口修繕の発注先として区内建設業のために小規模修繕希望登録制度をつくり受注させる仕組みを実施すべきと思うがどうかということに対して部長のお答えは、小規模修繕希望者登録制度は他区の状況を参考にしながら検討してまいりますと、こういうお答えでしたが、どうなったでしょうか。 ○契約課長 他区では台東区と荒川区が実施しておりますけれども、来年度から足立区は電子入札制度の導入を考えております。この時期に合わせて、入札によらない130万円未満の小規模な修繕につきましては小規模事業者登録制度を用いて区内の零細な事業者のあるいは個人のそういった仕事をされている方の参入の機会を設けたいというふうに考えておりまして、いま準備をしております。 ○ぬかが委員 いま来年度に向けて準備をしているというお答えだったのですけれども、その中で、いわゆる契約案件ではない130万円以下の部分ということが対象ということなのですけれども、そうしますと、実際にはいつごろそういう募集をされるのかということと、それから、要件についてはやっぱりほかの例で見ても登録要件というのはなるべく簡潔にして多くの区内業者に平たく仕事が回っていくということが大事なのだろうというふうに思っているのですが、どうでしょうか。 ○契約課長 現在、入札に参加される方の登録の有効期限が今年度末でございますので来年度の登録はきちんとやっていただくことになりますけれども、その時期に合わせて小規模登録制度を開始するためにことしの12月ごろに募集を始める準備をしております。いま決裁をする準備をしておりますので、間もなく募集の準備を整えて広報等でお知らせする予定です。 それから要件でございますけれども、基本的には簡易な登録ですので、法人事業者の場合には登記簿謄本、それから個人事業者の場合には住民票等で済むような登録を考えております。 ○ぬかが委員 ぜひ頑張ってやっていただきたいのですが、この制度をつくってさらに有効に活用していくということが非常に大事になりますので、ぜひそういうふうにできるようにしていただきたいと思います。 続きまして、議案対象の公共工事の契約保証に関連してお伺いしたいというふうに思います。 初日の決算特別委員会で履行ボンドを外すという答弁が部長の方からあったわけですけれども、ということはこういうことなのかなという2点、ちょっと確認させていただきたいというふうに思います。 1点目は、例えば10億円の工事で1億円の保証金が必要だけれども資金力の弱い区内業者には大変な金額だと。これを瑕疵担保期間終了までではなくて工事終了まででいいということになるということだと思うのですが、それが1点とそれから2点目は、公共工事についての契約保証というのはさまざまな保証の方法があるわけですけれども、いまの社会状況の中で、損保会社の都合もあって区内業者のものをなかなか損保会社が保証しなくなっている、そう言われる中で、契約保証金を直接区に納付する方法でもいいというふうになるということなのか、この2点についてお伺いしたいのですが。 ○契約課長 契約をしていただく場合には、契約を担保するための保証金をいただくというのが法令上の基本的な考え方でございます。ただ、保証金を出していただくのが非常に大変だということがありまして、それにかえて保険でありますとかあるいは金融機関の金銭保証等でかえてそれを行うことができるようになっております。 瑕疵担保でございますけれども、従前、議案対象のものにつきましては予定金額の30%の履行ボンドをつけていただいて瑕疵担保をつけていただく、こんな形になっておりましたけれども、これを10%に昨年の9月に下げましたし、瑕疵担保につきましては、今後履行ボンドをやめるということであれば通常の約款に基づく瑕疵担保になるということです。 ○ぬかが委員 2点目の方のお答えがなかったのだけれども、この契約保証についてというので契約保証はこういうふうに5種類ぐらい方法があるよということを出されていて、議案案件というのは一番上の履行ボンドじゃなきゃだめというのはいままで言われていたものだけれども、これを外すというお話の中で、そうすると五つの選択肢がありますよと。そういう中の一つとして契約保証金の直接納付というのもあると。実は、保証しなくなっている中では、一番大変だと思われる契約保証金を1割納付するということが一番実はやりやすいことなんだという声もあるのです。そのぐらいいまの保証会社というのは厳しくなっているということもあって、そういったやり方でもいいということなのですねという確認なのですけれども。 ○契約課長 先日のご質問の中で総務部長が答弁いたしましたように、今後は選択制にしたいということで考えておりまして、直接予定金額の1割を区の方に納付していただくということもありますし、また他の保険等でやっていただく、こういう方法もありますということです。 ○ぬかが委員 それから、よく言われる話でもあるのですが、区内の建設業者というのは技術力には自信はあるんだと、要は設計から工事までの準備期間が十分あればできない工事はないんだという自負を持ってらっしゃる。そういう点では、設計発注期間を極力早期化していくということで設計から工事までに十分に時間を見ていくということが大切になっていくと思うのですが、どうでしょうか。 ○契約課長 工事あるいは設計の期間につきましては基本的に必要な期間を十分とるということでやっておりますけれども、今後ともそういった期間はきちんと担保したいというふうに考えております。 ○ぬかが委員 それから、建築立てかえ払いと言われる部分が多いというのは、やはり技術はあっても資金力がない区内業者にとっては大変だという点で、現在、足立区では前払い金を40%、1億円を限度として契約事務規則の中で定めているわけですけれども、仮に15億の工事でも1億円なわけです。これによって材料購入をしということなのですが、契約事務規則の中でもう一つ、最高4回まで中間検査ができるというふうになっております、つまり、金額によってですけれども、4回まで検査をし、そして部分払いをするということができるようになっているということだと思うのですが、しかし、工期がかかる工事の場合でも4回が上限だと。 例えば、工期によっておおむね3カ月に1回ぐらいとか頻繁に部分検査を行い、立てかえ払いというのを少なくしていくということが必要だと思いますが、いかがでしょうか。 ○契約課長 事業者の方にとりましては立てかえ金が少ない方が仕事がやりやすいということは確かですけれども、区の方にしましては、中間検査もかなり時間も労力もかかりますし、それから財源的な確保もしなきゃいけないということがありますので、基本的には契約事務規則に基づいて執行していきたいというふうに考えております。 ○ぬかが委員 確かにその検査が大変という話はよく出るのですけれども、検査が大変だったら例えば訪問確認検査にするとか、回数が多いと逆に一つ一つの検査の重さといいますか大変さというのは軽減されているという話もあって、東京都の場合は工事の段階率表というのがあって、例えばサッシ工事まですると何パーセントとか、そんなふうになっているというふうにも聞きました。柔軟に対処しているということを聞いたのです。 ぜひ足立区でも柔軟に対処できるように今後検討していっていただきたいというふうに思っています。 こういうふうに区内業者の仕事確保や公正な入札制度のために、契約課や総務部それから各部ともいろいろな形では努力しているのだろうと、頑張っているのだろうというふうに私は思うのです。ただ、全体としてはPFIやPPPを初めアウトソーシングが広がる中で、当然、区の直営施設というのは余りつくらない。民設民営方針とか、また下水道工事の終了から久しいのですが、公共工事が極端に減ったわけです。保育園も誘致ですし、特養ホームも同様です。足立区のそういう構造改革路線が実質的には区内建設業者の仕事を確保する機会を減らしているというふうにいわざるを得ないと思うのです。区内業者の方からは、区の補助や承認のもとで行う工事や区内でやる公共工事をどうして区外の業者ばかりがやるんだと、区内業者は使ってもらえないのかと、こういう声が出されています。 大きな工事を振り返ってみますと、日暮里・舎人線は清水建設、もちろん区の云々かんぬんという部分じゃないですけれども、それから西新井の公団建てかえは清水建設、竹ノ塚駅の西口再開発も清水建設、北千住駅の西口再開発は戸田建設と清水建設、もちろんこの中には、JVの一番最後に区内業者がぶら下がっているという、そういうものもありますけれども、全体としては区内でやる大きな工事というのは本当に大手のゼネコンが占めているというのが実態だというふうに思うのです。そういう中だからこそ、公の補助金が入る民間が行う工事、こういうものに対して区内の建設産業の仕事確保につなげていく、そういう必要があるというふうに私たちは考えています。 そういうことで、実は今議会の代表質問でこういう質問をしました。公の補助金が入る事業は区内業者が優先して受注できる仕組みを確立すべきだというふうに質問しましたところ、答弁としては部長の方から、公の補助金が入る事業についても公共工事と同様に区内業者が優先して参加できるようにしていますというお答えだったのです。 そこで、改めて区長にお伺いします。 区にはさまざまな事業があり、そして、区のあらゆる施策を、契約要件とか区内業者活用をお願いするとか可能な限りこういう仕事確保に結びつけていく努力というのが当然各部でも必要だと思うのですが、いかがでしょうか。 ○総務部長 私が本会議で答弁しましたいまの件ですが、区の直営の事業に対する補助金について区内業者を優先してやっていくということを申し上げたつもりでございます。 ○ぬかが委員 部長、そうだとしたら重大な問題ですよ、これは。本会議の答弁で、ちゃんと本会議の表現で、ちゃんと通告したものに対して、区の直営の事業だ、そんなことは一言も言っていないのです。ここの本会議の質問では、公の補助金が入る事業に対して公共工事と同様に優先して区内業者が受注できる仕組みが必要だということを質問したのに対して、既にやっておりますというお答えだったのです。それは本会議のきちんとした、それこそ検討会をやった上での答弁なんじゃないですか。 ○総務部長 ですから、私は本会議でご質問を受けたときに質問の趣旨をそのように理解してお答えしたつもりでございます。 ○ぬかが委員 そうすると勝手解釈といいますか、本来の質問にちゃんとわかるように後で見直してください、通告も質問本文も見直してください。そうだとすると大問題だと思います。 私たちはこの答弁を大事にして、やっているということですから、やっぱりどんどん頑張ってやっていただきたいというふうに思いますし、それから、確かにいろいろな難しい点や限界があるのもわかるのです。でも、各部が努力して頑張っていくということが必要なんだというふうに思っているのです。 そういう点ではもう一度、済みません、区長、お答えお願いします。 ○区長 区内業者育成ということは、従来からずっとそのつもりできておりますし、そういう方針で進んでおります。ただ、いろいろネックがありまして、思うようにいかない面もあるのです。その辺はご理解いただきたいと思いますが、これからも方針は変えずにやっていきたいと思います。 ○ぬかが委員 そういうことで、それぞれ確かに苦労しながら頑張っているというのは、私、感じているのです。 例えば土木部ですけれども、今回初めて、報告資料ですが、区画整理課が協力をして上沼田地域で花と住まいと音楽とというイベントを行われるということですけれども、どういう目的と内容でやられるのか教えてください。 ○土木部次長 足立区活性化推進協議会、こういったものがございまして、その中に、建設不動産まちづくり部会、こういったものがございます。それで、私どもで仮入居住宅を上沼田南地区に2棟現在建ててございます。その中にNPO法人が入りまして設計、それから、地域の方々にその設計の趣旨等々の説明会を開いたり、それから、いま私どもで考えているのは、経済産業課とも協力しまして、建設に当たっての区内業者さんの活用、それから、当然ながら引っ越し等に当たる場合には運送業、それから、家具を購入すれば家具屋さん、かなり多方面にわたったそういった事業展開が区内業者さんの手でも可能ではないかというような視点から、こういった機会をとらえまして各業者さんに現地でブースを設けていただきまして積極的に地域の方々にPRしていく、このような事業目的を持っているものでございます。 ○ぬかが委員 このご案内で、区画整理課の課長がイベントの主催者の方と一緒に各控室を回られて、成功のためにぜひご協力をということで回られてきた姿を見て、本当に頑張っているなというふうに思いました。 実は以前、2・2・2住宅プランのときに区はこういうことを言ったのです。区内業者は住宅性能の最新技術を持っているというふうに言われました。私は本当にそのとおりだというふうに思っています。身近な業者ならばすぐに修繕も頼めるという点でもプラスにもなるという点では、区画整理事業はほかにも区施行の佐野六木地区、都施行ですけれども六町や花畑北部などがありまして、いままでも住宅相談会などをやってきたのはわかっているのですけれども、さらにこういったキャンペーンを充実してほしいというふうに思っています。 たばこを買うなら足立区でじゃありませんけれども、住宅を発注するなら区内業者へと、同じ頼むなら区内業者へということが本当にお互いに気持ちも通じ修繕も手軽にやってもらえるというようなキャンペーンをぜひやっていっていただきたいというふうに思っているのですが、どうでしょうか。 ○土木部次長 私どもで現在対応しているそういった事業につきましては、当然ながら、できるだけ区内業者育成の視点を十分持って今後とも対応してまいりたいというふうに考えております。 ○経済観光課長 ふるさと足立で買おう、食べよう、頼もうということでやってございます。 ○ぬかが委員 いま課長が言われたのを本当に全庁で徹底させて頑張っていただきたいというふうに思っているのですけれども、そういう立場で区全体でもやられているのだろうとは思うのですが、次に都市整備部の方ではどうか。 西新井駅前地区の防災都市づくりは、旧公団、いまの都市整備機構が事業を行い、住市総の国の補助というのは直接旧公団に入っています。公団がプロポーザルで民間事業者を募集して、今後、2,000戸に及ぶ住宅などをつくるわけですが、区の補助金は全くといって入らない中、覚書を交わした基礎的な自治体だということで事業者の決まったF1街区やG街区への区内業者の活用を働きかけていると聞いています。苦戦していると聞いているのですけれども、区内業者参画のためにどういう決意で臨んでいるのかお伺いします。 ○産業振興課長 決意ではないのですが、事業者の方には私どもの方で直接面談をいたしまして、公式の文書を取り交わして要望するということにはなかなか相至らないのですが、建設に当たっては、たとえゼネコンをセットするときでも、区内業者を孫請け、下請でも使っていただきたいという強い申し入れをしてございます。 ○ぬかが委員 ぜひ頑張っていただきたいのですが、実はこのプロポーザル要件とか覚書をずっと見ていったのです。そしたら、区内産業の育成とかそういった文言というのはなかったのです。 新田・西新井・東綾瀬への認可保育園誘致実現にむけ、区がもっと働きかけよ 今後も西新井や東綾瀬では公団の大規模な事業があるという中で、やはり、こういう中にきちんと区内産業の育成とか振興とかということがもし書き込まれていれば、単なるお願いじゃなくてこれをぜひ果たしていただきたいということでいけるのじゃないかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。 ○産業振興課長 やはり、そこら辺は事業者でございますそれぞれの関係があるものですから、区がそこに直接介在をして区内事業者をというふうな文言にはなかなか相至らないかとは思いますが、可能な限り区内事業者を活用していただくように今後とも申し入れを継続してまいりたい、こういうふうに思っております。 ○ぬかが委員 地域の開発の中では事業者責任というのがある中で、保育園の建設とかそういうのも全部条件に盛り込んで公団さんの責任で建てさせるということがあるわけですから、そういう中の一つとして地元の区内産業の振興育成ということを今後のものにはぜひ盛り込めるような努力もし、お願いや働きかけもしていっていただきたいというふうに思っています。 それから、次に福祉部なのですけれども、福祉部では施設建設というのはこれからメジロ押しだと。障害者の入所施設は、現在、基本設計が終了し実施設計に入り、来年10月に着工の予定だと。 それから、特養ホームは江北で説明会が終わり、扇、千住、東保木間とメジロ押しで、それぞれの課の方では、高齢者や障害者、それぞれの分野のために頑張っているというのは十分わかるのです。 しかし、区内業者参画という点でどうなのかという点でちょっと見ていきたいというふうに思っています。 9月22日に江北の特養ホームハピネス足立新築工事建設の住民説明会が2日間あったのですが、施行者は全く区内とは関係のない業者でした。たまたま参加をして不思議に思ったうちのさとう区議が説明会場で尋ねてみますと、足立区の業者は説明会にも問い合わせにも来なかったと。12社で指名競争入札を行い、9月16日、足立区役所で決定したと、こういうふうに言われたそうです。 福祉部にちょっとお伺いしますが、区内業者を指名してくれ、または競争に参加をさせてくれというように、指名といったって別に随契じゃありませんから、指名の中に入れてくださいということです。そういうことを頼みに行ったことがあるのか、また区内の事業者にこういうものがあるよという声をかけたことがあるのか、お伺いします。 ○高齢サービス課長 ハピネス江北についての動きでございますけれども、150 中、足立区でこれまでの最大規模の工事でございまして、基本的に、東京都の指導助言におきますと区内事業者が入るところは1カ所だけなのです、その基準を満たしているような水準のところは。その事業者は、現実には、いま現在ホスピア東和というイーストピア東和の横の老健施設を建設中ということでございます。 私どもの方としては、従来からもできる限り足立区内の業者を使っていただくようにという働きかけはいたしましたけれども、最終的にその工事をきっちりやって補助に合った工事をなし遂げていくというのは事業者の責任でございますので、最終的には事業者の判断であろうと思っております。 ○ぬかが委員 いま、基準を満たしているのは1社だけだというお話がありましたけれども、この基準はどこに明記されているのですか。 ○高齢サービス課長 東京都の方の指導助言の水準を満たしているということでございます。 ○ぬかが委員 東京都の指導助言の水準を満たしているというのは一体何なのでしょう。 実は、私も東京都の福祉局が発行した契約マニュアルというのを見せていただきました。そうしますと、先ほどの基準を満たしているのは区内で1社だというのは、実はこの経営事項審査の総合評点というのが1,000点以上行っているところというのが1社だというふうに、それは事前に契約課からもお伺いしたのですけれども。この経営事項審査の総合評点で1,000点以上じゃなきゃだめとかAランクとかそういった記載は一切ないのです、ここの中に。もちろん、これだけ全部契約について条件は都の基準ということで示しているのですよ。だけれども、Aランクとか1,000点以上、つまりさっき言った1社じゃなきゃだめだと、足立区で言えば、そんなことはどこにも書いていないのですけれども、どうでしょうか。 ○高齢サービス課長 確かにどこにも書いていないわけでございまして、ただ、順調に工事ができるにはある程度の規模が必要だろうというふうに考えております。 実は、前につくった伊興園につきましては、ランクダウンしたところで強力に私どもがお願いして、それと違った区内業者でやっていただいた経緯はあるのですけれども、工事のおくれに次ぐおくれで1カ月開設をおくらせたという経緯があるのです。 したがいまして、いま、特別養護老人ホーム建設については年度内に50%必ず完成しなさい、そうしなければ補助の対象にならないというふうに言っておりますので、そのようなリスクをあくまで私どもは事業者にとらせるわけにはいかないと判断いたしました。 ○ぬかが委員 そうしますと、ただ、いま言われたけれども、例えば20億からの工事になるのかなという気はしているのですけれども、小さな事業者だからだめとか、例えばJVはだめなのかとか、何だからだめだというできない理由ばかり探していることよりも、これは別に江北だけに限らず今後の問題も含めてですけれども、一歩でも区内業者が仕事の競争に参加できる、そういうふうに努力していくということが必要なんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。 ○高齢サービス課長 まさにケース・バイ・ケースだと思っております。我々も小さな施設については区内業者でぜひお願いしたいということで働きかけてきております。また、来年の三中のところの工事についても、事業者側としてはできる限り区内の事業者でやっていきたいという言質もとってあります。 そういうふうにできるものについてやっていきますけれども、いま申し上げましたように年度内に50%最大規模の施設をつくるというふうな条件があるときにそのリスクを犯すわけにいかないというのが現場、特にこの場合、特別養護老人ホームをつくる、この点が一番肝要なところだと思っていますので、この件については見送らせていただきました。 ○ぬかが委員 私、ぜひ認識をきちんと持っていただきたいと思っているのが、技術力という点では何のあれもないというのは、先ほどの1社しかないとか経営事項審査の総合評点というのがどうなのかというのは私もわからなくて勉強したのです。 そうしましたら、確かに日本国内で最高の点数のゼネコンというのは鹿島建設で、ここの点数はすごいですよね、1,500点軽く超えている。足立区内の業者というのは大体1,000からそれ以下というふうになっているのだけれども、これは全国共通の第三者の評価による基準だというふうに言われているのだけれども、実はこの点数のつけ方というのは企業の規模が大きければ大きいほど点数が高くなる仕組みになっているのです。純粋な技術力の問題じゃないのです。 例えば、これをずっと見ていきますと、工事の完成高とか、それから従業員の数がどうかとか、それから経営状況がどうかとか、そういうことが大きなウエートを占めるようになっているのです。 一方で、例えば建設福祉という項目があるのです。これも点数として見るのですけれども、工事の安全成績とか従事者の雇用保険とかそれから建退協などの加入状況といった社会性の項目なのです。これを見てみますと、鹿島建設はこの評点が933点だったのです。区内のある事業者は953点、それから別の事業者は927点という点では、こういった公平に審査できるような部分、社会性の項目というのはむしろ鹿島建設よりも高い部分だと。そうしますと、社会的にも区内の建設業というのは非常に貢献をしているということも言えるのです。 そういう認識をしっかりと持った上で、可能な限りJVで組めるものはJVで組むとか、それから、何よりも、私、今回思ったのは、事業者にしてみるとそういうお話がありますというのは一切情報としてなかなか入ってこない。公平に等しく入ってくるような仕組みをつくってほしいというふうに思っているのです。その辺については、部長、いかがでしょうか。 ○福祉部長 いろいろ制約とかがございまして難しい点等がございますが、今後いろいろな建設等がありますので、そういうときにはできるだけ区内業者をという、この大原則につきましては貫いていきたいと考えてございます。ただ、難しい面もございますということだけはご理解いただきたいと思います。 ○ぬかが委員 ぜひ、できない理由を探してあげるよりも、どうやってできるかという立場で頑張っていただきたい。 やはり、規模が小さくても技術力には引けはとらないと、社会的にも貢献、資金力や工事までの期間の問題さえ解決できればできない工事はないと胸を張って頑張っている区内の建設業者の仕事確保と良好な公共工事のためにぜひ最善を尽くしていただきたいというふうに思います。 続いて次の質問に入りますけれども、2日目の決算特別委員会で、区は、子育て世代の流入を図るのではなく、特殊合計出生率も23区では高い方なので、いまいる子どもをどうするかが大切だという答弁がありました。 いまいる子どもをどうするのかという立場で取り組むということは私も同感なのです。 そこでお伺いしますが、現在、保育園に入れないで待っている人は何人いるのでしょうか。 ○保育課長 いま現在ですとちょっとふえまして400人ぐらいかと思います。保育園というのは認可保育園ということですか。 ○ぬかが委員 はい、認可保育園ということです。 私たち、保育園の増設計画を持つべきだということを言ってきましたけれども、区の方は大規模開発時にあわせて誘導するというふうに言ってきました。 いまある保育園の定数増とか認可保育園誘致の具体的な計画はどうなっているのでしょうか。中部やまた開発関連も含めてお答えしていただきたいのですが。 ○保育課長 大規模開発ということになりますと、まず新田地区でございますが、これは近県の社会福祉法人が事業者として園舎建設の補助協議を国の方に申請していたのですが、結果的に認められなくなりまして撤退ということになりました。ただ、現在ここは3,000戸のうちの780戸が完成しておりますので、保育園計画がおくれるということについての影響があると認識しまして、都市機構の方に、急遽、既設の住宅部分の1階部分を保育所として建設していただくということになりました。都市機構としてはこれが直営で最後だろうという条件つきでございましたけれども。 現在は、都市機構が事業者を公募で募集をするという作業を進めておりまして、私どもにつきましては、社会福祉法人等を含めまして情報提供して推進しているところでございます。 日清紡につきましては、当然のことながら認可保育園の設置を要望しているところでございますけれども、この区域は保育園建設を条件に50年の定期借地権でデベロッパーを募集しまして、その結果、数社から応募があったということを聞いております。審査の結果、スターツという事業者に決定したということでございます。このスターツは不動産関係の業種でございまして、多分保育園については余り詳しくないだろうということもございますので、認可保育園とかそういうものがどういうものか説明をしたいということで、協議をしてもらうように区の方に来ていただきたいということで要望しているところでございますが、いまのところ電話で1回連絡があったきりで、今後、計画を見直してまた改めてお話を伺いたい、こういうことでございます。 ○ぬかが委員 そうですね、じゃあ西新井の方からちょっとお伺いしていきたいと思うのですが、いま、スターツと定借を結んでということで、どういう保育園になるのかというのを非常に私たちも心配しているのです。これも、先ほどのプロポーザル要綱でいきますと、原則として認可保育園とすると書いてある。スターツさんというのは不動産や宅建では専門かもしれませんけれども、保育園をつくるという点では専門家ではないわけです。 それで、一刻も早く私たちからすると区の保育課と話し合いをしていかないと、仮契約をした七つの西新井地域の募集地の中では一番早く工事が進むのがここのF1街区なのですよね。そういう点では、非常にスターツさんの連絡がないという動きがもどかしく感じるのですけれども、実際には、この西新井の問題では住市総ですから都市整備部が窓口になっている。スターツさんの方に早く保育園のことで区の方に相談に行くようにということで窓口の方では働きかけはされているのでしょうか。 ○都市整備部副参事 スターツでありますけれども、私の方からも保育課と相談するように申し入れはしておりますけれども、スターツの方ですが、いまは仮契約でございまして、11月下旬ごろに正式な借地の契約をするということでありますので、少しゆっくりやっているのかなというふうに思っています。 ○ぬかが委員 1回連絡があったと保育課の方でいまお話がありましたけれども、どういうお話だったのでしょうか。 ○保育課長 結局、保育園の種類といいますか、認可と認証保育所だとかそういった違いがありますので、その辺のことについての問い合わせがあったというふうに聞いております。 ○ぬかが委員 やはりこの事業全体の窓口は都市整備部ですけれども、保育園の問題で相談に、少しで も早くきちんとするように強く働きかけをしていただきたいというふうに思います。 それから、いま話が出た新田の保育園とそれから東綾瀬の公団の建てかえの中での保育園という、この二つは実は似たような問題があるのかなということを感じているのです。 新田の方では、場合によっては公団側が社会福祉法人などの事業者に賃貸料を払ってもらいたいみたいな話も言っていると。また、東綾瀬の公団の中では、用地を有償で公共用地として貸し出すから勝手にやってくれみたいな話もある。こんなことを聞きまして、やはりどちらも住民もふえるわけで、事業者の責任としてきちんとやってもらう、そのために区からも頑張って声をかけていくことは必要だと思いますが、いかがでしょうか。 ○保育課長 現在も引き続きまして使用料をできるだけ安く、極端に言えば無料化していただけないかということで要望をしているところではあります。今後とも継続してお話をしていきたい、このように思います。 ○ぬかが委員 東綾瀬の方も待機児がとても多い地域で、できるのは恐らく建てかえの後期の方ですから後なのだろうとは思うのですけれども、やはり事業者がきちんと責任を果たして、そして認可保育園をつくっていただく、そういう立場でぜひ頑張っていただくことを要望して質問を終わります。 |
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