可決された意見書
日暮里・舎人線の平成19年度完全開業を求める意見書

 日暮里・舎人線は、平成19年度開業に向け、地域住民の期待に応えるべく鋭意事業が進められているところである。
 平成16年8月現在の事業進捗状況を見ると下部・支柱工事全238基については、完了あるいは工事着手済みであり、桁工事についても総延長9,820mのうち、8,472mが完了及び工事中である。
 また、駅舎は13駅のうち3駅が既に工事の発注がされており、残りの駅舎についても平成17年度早期の発注を目指し進められている。 さらに、日暮里・舎人線にとって、心臓部ともいえる車両基地整備事業については、本年4月に東京都地下鉄建設株式会社によって着工式典が執り行われ、整備に向け着実に事業が進捗している。車両基地については、上部を覆土したうえで、公園として整備することとなっている。
 地域住民は、この公園整備について、車両基地上部の覆土や、園路等のバリアフリー設計、車両基地北側から公園南部への十分な動線を確保すること、舎人公園を中心とした緑豊かな地域環境との整合を図った整備内容とすることなどを要望している。
 平成19年度開業に大きな期待が寄せられている本事業を、今後とも確実に推進させるためには、安定的かつ継続的な日暮里・舎人線関連予算の措置等が重要不可欠である。
 よって、足立区議会は東京都に対し、地域住民の期待に適う整備を要望するとともに、平成17年度予算に日暮里・舎人線の開業に向けて、十分な予算措置等を講じ、計画どおり実現されるよう強く求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

   平成16年10月22日

                 議  長  名

東京都知事    あ  て

生活保護の国庫負担率の引き下げに反対する意見書

 生活保護は、憲法第25条に基づく国の責務として、国民の生存権を守り、国民に健康で文化的な最低限度の生活を保障するための制度である。長引く不況の下で、生きる糧を失い、この制度を必要とする国民が増え続けている。
 ところが政府は、生活保護の給付に占める国庫負担率を引き下げようとしている。これに対し、全国知事会と全国市長会の会長は、「国庫負担割合の引き下げは、単なる地方への負担転嫁と言わざるを得ず、到底受け入れられない。仮に国の負担割合の引き下げが強行されるようなことがあれば、我々としては事務を返上する。」と抗議している。
 仮に、国庫負担率が現行の4分の3から3分の2になれば、全国で約1,900億円の負担金が削減され、足立区では約24億円の財政負担を強いられることになる。このように、国庫負担率の引き下げが強行されれば、地方自治体の財政に大きな影響を及ぼすことは明白である。
 生活保護費国庫負担金は、国民の最低限度の生活水準を保障するための義務的な補助金であり、その見直しにあたっては、国の責務の明確化と地方分権改革の本旨に適ったものでなければならない。
 よって、足立区議会は国会及び政府に対し、政府が計画している生活保護の国庫負担率の引き下げを中止するよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


    平成16年10月22日
                 議  長  名

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣   あ  て
財 務 大 臣
厚生労働大臣

消費者保護制度の拡充を求める意見書

先の通常国会(第159回国会)において、消費者保護基本法の一部を改正する法律が成立した。これは消費者保護基本法の制定以来、36年ぶりの大改正となったもので、「消費者の権利の尊重及び自立の支援」を基本理念として新たに加え、「消費者基本法」として施行された意義は、極めて大きいと言える。
 しかし、近年、不当請求や架空請求に代表される消費者トラブルが急増し、消費者生活の安全と安心が脅かされている。このように消費者問題が多様化・複雑化する中で、消費者が真の主役となり適切な意思決定を行えるような環境を整備する必要がある。特に、多発する消費者被害を効果的に防止・救済するためには、一定の消費者団体に消費者の利益を代表して訴訟を提起することを認める制度「消費者団体訴訟制度」の導入が不可欠である。
 すでに、国民生活審議会消費者政策部会では「消費者団体訴訟制度検討委員会」を設置し、具体的な制度設計に関わる検討に着手し、年内に委員会報告書をとりまとめるべく論議が進められている。EU(欧州連合)加盟国では、消費者の権利を守る重要な手段として20年以上前から導入され、消費者保護や消費者契約の適正化に重要な役割りを果たしている。
 よって、足立区議会は国会及び政府に対し、消費者保護制度の更なる拡充のため、下記事項の整備を早期に実現することを強く求めるものである。

1、 消費者基本法の理念を踏まえ、消費者団体訴訟制度の早期導入を図ること。
2、 近年、不当請求、架空請求が社会問題化している現状から、携帯電話、預貯金口座の不正利用防止策を講じるとともに、その対応に関係省庁が一体となって取り組むこと。
3、 国民生活センター等の機能強化及び電話相談の名称・電話番号の統一化等を推進するなど、消費者施策の拡充を図ること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出する。

    平成16年10月22日
                 議  長  名
衆議院議長
参議院議長             あ  て
内閣総理大臣
経済・財政政策担当大臣