平成16年度足立区一般会計補正予算(第2号)に対する反対討論

鈴木けんいち議員


○鈴木けんいち議員 ただいま議題となりました第87号議案、平成16年度足立区一般会計補正予算(第2号)につきまして、日本共産党足立区議団を代表して反対の立場から討論を行います。
 10月23日夕刻、新潟県中越地域を襲った直下型地震は、大変大きな被害をもたらすとともに、防災対策の強化の必要性を改めて示すものとなりました。
 本補正予算は、法改正に伴う児童手当の支給対象の拡大や、私立幼稚園児保護者負担軽減及び就園奨励の補助対象者数の増加、介護保険特別会計への繰出金の増額のためなどの予算もあります。しかし、私立幼稚園児関係の補助金増の中でも示されているように、区民は引き続き所得が減少し、生活の困難が増大しています。
 こうした区民生活を支える施策の拡充は、優先的に予算化されるべきでしたが、区が独自に区民の期待と要望に応える施策はほとんど盛り込まれませんでした。例えば家具転倒防止器具の取り付け助成や、住宅耐震補強工事への助成などは、わずかなお金ですぐ実施でき、効果も高い事業ですし、悪化する生活と営業を支えるために、生業資金の貸付要件を緩和して受けやすくするなどは、緊急重要な課題として盛り込むべきでした。
 また、教育費の契約差金1億4,000万円を活用して、クーラー設置をはじめ維持補修を行えば、子どもたちの教育環境の整備とともに区内業者支援策となり、地域経済活性化にもつながるものですが、盛り込まれていません。
 区は高齢者住宅改修給付事業の対象や上限を年度途中の10月1日から縮小する削減を強行しましたが、今回の補正予算で、申請増に伴う増額補正を行っています。このように、包括予算制度の中でも、必要な場合は補正予算で対応できることが改めて明らかになり、年度途中の縮小削減の道理のなさが改めて明らかになりました。
 本補正予算では、歳入が見込まれる都区財政調整交付金が15億円ほどありますが、全く計上されておらず、53億円の平成15年度決算剰余金のうち、半分は減債基金に積んでいますが、それを取り崩すこともしません。お金がないからと、区民施策を縮小・廃止するほどの厳しさを強調する一方で、このような財政運営は整合性があるとは言えません。
 さらに言えば、保育料の値上げ条例を、議会との信頼関係をも踏みにじって提出する強引さもさることながら、優先すべき施策に優先的に予算を配分するのではなく、区民の負担増で乗り切ろうとする政治姿勢が一層明らかになっています。
 今回の補正予算は、財政の厳しさを理由に、こうした区民の安全確保や年末年始にかけての区民の暮らしや営業を支える施策には消極的な政治姿勢を反映した予算であり、賛成できません。区民生活重視の区政への転換を求めて反対討論を終わります。