予算特別委員会の質問等 第2日目(3月4日)午後 鈴木秀三郎議員 |
高齢者福祉の充実、介護保険ホテルコスト等 ○鈴木(秀)委員 どうも、午後のトップバッターです。ひとつ、よろしくお願いいたします。 私からは、高齢者施策と介護保険事業にかかわっての質問をさせていただきます。 昨日の質疑でも明らかになってきましたけれども、生活保護者の増加とか就学援助の拡大、あるいは高齢者の生活の負担増や給付減、こういうことで、区民の暮らしは本当に大変な状況になってきている、こういうことが明らかになってきたというふうに思います。 高齢者の暮らしを支える施策の拡充を求める いま、区民の暮らしを支えるために区はできる限りの施策の充実を図る、こういうことが求められている、このように思います。 そこで、高齢者施策の一つであります高齢者入浴事業についてお伺いしたいというふうに思います。 これは70歳以上の高齢者を対象にした事業だと思いますけれども、現在、無料入浴券は何枚支給されているのでしょうか。 ○高齢サービス課長 5枚でございます。 ○鈴木(秀)委員 元気高齢者への支援策の一環として、この事業は、高齢者の閉じこもりを防止する、こういう上でも一定の役割を果たしてきています。何年ぐらい前から5枚なのでしょうか。 ○高齢サービス課長 たしか4年ぐらい前ではないかと記憶しております。 ○鈴木(秀)委員 いま、住区センターのおふろが廃止されてなくなりました。比較的元気な高齢者の方がみんなで住区センターの老人館でカラオケをやったりおふろにも入ったりして交流を深めながらお互いに励まし合う、そういう状況も見られましたけれども、残念ながら住区センターのおふろがなくなるという状況にあります。 おふろ屋さんには1回400円かかるわけですけれども、おふろに入るのも実態を言えば少し切り詰める、こういう状況が生まれてきています。 もう4年も続いている入浴券5枚ということですけれども、これを倍にふやす、少なくとも10枚ぐらいにはするということは、当然、施策の拡充の点からもできるのではないか、このように思います。その点では要望をしておきたいというふうに思います。 次に、紙おむつの支給事業についてですけれども、現在、要介護の高齢者の方に紙おむつの支給、あるいは、入院をされている方などを対象ですけれども、費用助成も行ってきている。現状はどういうふうになっているでしょうか。 ○高齢サービス課長 現状、要介護3以上の方につきまして無料入浴券を送っているわけでございます。たしか、年間ベースで、高齢者が延べ2,100万円程度、障害者につきまして1,900万円程度の全体の補助をしているところでございます。 ○鈴木(秀)委員 この対象者は、非課税世帯、こういうことですよね。 ○高齢サービス課長 そのとおりでございます。 ○鈴木(秀)委員 非課税世帯が対象ということで限られていますけれども、生活の実態あるいは介護の実態、こういうことを見ると非課税世帯だけに限るということは合わないのではないかという声も寄せられています。そういった点では、やはりそういった一定の条件があるわけですけれども、要介護3以上、そういう方に対してはやはり支給を拡大していく、非課税世帯ということで限定せずに拡大して支給されるよう、要望をこれもしていきたいというふうに思います。 次に、国の介護保険制度の改定の準備が進められています。この件で伺いますけれども、介護保険制度の本来の趣旨、これは、家族介護や老老介護の深刻な事態を解消する、ここにねらいがある、介護を社会的に支え合うんだと、こういうふうに言われてスタートいたしました。 足立区の老人保健福祉計画、これは第1期、第2期とずっと続いているわけですけれども、第1期の最初のところで、介護保険制度は国民の共同連帯の理念に基づいて要介護者を社会全体で支える仕組みとして創設されたと。次に示すような大きな意義を持っていると。3点ほどあるのですけれども、そのうちの2点目では、介護サービスを利用する高齢者の視点に立った制度であり高齢者自身がサービスの種類や提供者を選択することができる。それから、3点目は、サービス提供の拡大と利用者の選択肢が大きく広がる、こういう意義がある、こういうふうに指摘されています。 介護を社会的に支える、こういう趣旨であったというふうに思いますが、そのとおりでしょうか。もう一度確認しておきたいと思います。 ○介護保険課長 委員ご指摘のように、介護保険制度は介護の社会化を目的としております。 ○鈴木(秀)委員 本会議での私の質問に対して、区は国の制度改革について、制度の持続可能性を高め予防重視型のシステムに転換を図るものですという国の言い分をそのまま答弁しています。 しかし、昨日の質疑でも明らかになりましたが、国の制度改定は本当にひど過ぎる。現在の要支援、要介護1の訪問介護など、在宅サービス、これが非常に大きく広がってきている。介護保険給付が増大する。大変だから制度を変えてしまおう。こういう流れであります。 本会議の答弁で、訪問介護について、区は、今後、厚労省から基準が示される、こういうことを予定しているとしながらも、例えば病院退院直後の方や認知症の方などは従来のサービスは受けられる予定と答弁しています。しかし、これでは現在の要支援、要介護1の大半の方が従来のサービスは受けられなくなる、こういうことだと思います。大半の方は新予防給付の新メニュー、このサービスを受けてください、こういうことになると思うのですが、いかがでしょうか。 ○介護保険課長 従来のサービスにつきましては、廃用症候群の方、生活不活発病の方について制限されます。その他の方につきましては、その方に合ったサービスということで新予防給付が提供されるということで、今回の制度改正はサービスの質の転換を図るものであるということでご理解いただきたいと思います。 ○鈴木(秀)委員 いま、廃用症候群という言葉が言われましたけれども、本当にひどい言葉ですよね。廃用症候群、人間としての扱いの言葉ではないというふうに私は思います。厚生省、国は、こういう言葉で、虚弱高齢者といいましょうか、そういったことをあらわしているのかというふうに非常に怒りを覚えます。 ところで、国が現時点で示しているような新予防給付の新しいメニュー、筋トレとか口腔ケア、栄養指導、こういうことになるというふうに思いますが、どうでしょうか。 ○介護保険課長 筋力トレーニング、転倒予防教室、それから、栄養改善、歯磨き励行、義歯調整等でございます。 ○鈴木(秀)委員 そうすると、例えば掃除や洗濯、調理、あるいは買い物などのサービス、いま、要支援のHさんという方にしますけれども、この実態を示してみたいと思いますけれども、この方は76歳、ひとり暮らしです。2年前に倒れて、その後、腰がどうも痛くなり事実上持病みたいになっていて、家の中でも外でもつえをつく生活が強いられている。この方は、ヘルパーさんが週3回来て、掃除や洗濯、買い物などを援助してくれている。自宅のおふろに入るのにもヘルパーさんがいるときしか入らない。ヘルパーさんにも言われています、注意してください、何かあると困るからということで、ヘルパーさんがいるときに入るという状況でいます。 こういう方は、新しいメニューになると家事援助というのは受けられなくなる、こういうことになりませんか。 ○介護保険課長 年齢によりまして、要支援の場合には新予防給付になります。そうして、要介護1の場合に新予防給付と従来の介護サービスが受けられる。ですから、介護度によって変わりますけれども、要支援の場合ですと、一緒にやる、自立支援に向けたサービスは提供されるということでございます。ですから、その人の生活実態に合ったサービスが提供されるものと理解しております。 ○鈴木(秀)委員 自立支援に合ったサービスということですけれども、実際に家事とかあるいはそういう支援を受けられるというのは特定の方に限られてしまう。 例えば、病院からの退院直後の方とかあるいはまた骨折して治らない、そういう状況の方とかあるいは痴呆の方とか、そういうことで、家事援助的なサービスを受けられる方は限られるというふうになるのではありませんか。 ○介護保険課長 骨折、それから退院直後、それから認知症の方、このような方につきましては従来どおりのサービスでございます。 それで、それ以外の方につきましては、料理を一緒につくるというような形でその人の自立を促すという形になっております。協働するということでございます。 それから、洗濯等におきましても、洗濯物を一緒に干すということが筋トレにつながるということで、一緒にやるということが新予防給付の考え方でございます。 ○鈴木(秀)委員 つえをついている方、腰が持病で痛むような状況の方、一緒にどれだけできるのでしょうか。実際には切り捨てられる、こういうことにならざるを得ないのではないかと懸念します。 そういったことへの区としての対策が今後求められている、こういうふうに思います。その点では、ぜひ工夫していただきたいというふうに思います。 特養ホームのホテルコスト年間一人約40万円の負担増 次に、ホテルコスト(個室料金)の問題ですけれども、本会議質問での私の質問に対する答弁で、施設給付の見直しは、保険と給付の重複の是正、在宅と施設の利用者負担の公平性の観点から導入されるものだということを述べています。 本会議でも指摘しましたけれども、国民年金を満額受けても生活費は賄えない、そういうのが実態です。また、施設に入所しても、自宅の維持費、あるいは借家の方は家賃がなくなったり、あるいは光熱水費が少なくなったりということはあり得ません。家族が入所しても、食費がその分比例して下がる、こういうことでもありません。給付の重複とか在宅と施設の公平性、こういうことは負担を押しつけるための口実に過ぎないのです。 ところで、このホテルコストの導入、国は、ことしの10月に実施する、ホテルコストを徴収する。こういうことが強行されれば、区民の負担は本当に大変になります。足立区の特別養護老人ホームの多くは準個室、こういう状況になると言われていますけれども、この準個室でいま国が示している基準で負担を見てみるとどういうふうになるでしょうか。特養ホームの入所者の内訳を見ると、現在の所得段階で見ると、第3、第4、第5、この入所者数は152人です。これらの方は、現在、費用は月額5万6,000円、ホテルコスト込みで約1.6倍、8万7,000円に引き上がります。現第2段階、A、Bの方ですけれども、この入所者数は849人、これらの方の費用は、現在、月額4万円ですけれども、約1.4倍の5万5,000円、こういうふうに引き上がります。 高齢者に新たな負担が生じる、こういうことは何としてでもやっぱり避けていく、このことが大事だというふうに思うのです。区も何らかの形の支援策を、厚生省ですと補足的給付云々と言っていますけれども、こういった支援策を図る必要があるというふうに思うのですが、いかがでしょうか。 ○介護保険課長 今回のホテルコスト等につきましては厚生労働省の方が施策を行っておりまして、老齢年金の受給者の方につきましては3,000円ほど下がっております。そして、新型の個室につきましても、老齢基礎年金6万7,000円くらいで入れるような対策がなされております。 したがいまして、現状ではこのような形で充実していくもので、現在のところは考えておりません。 ○鈴木(秀)委員 準個室で見てこれだけの負担が上る。これは基準ですから、本人非課税、こういう方が対象になるわけです。本人非課税でも、例えば先ほど示したお年寄りの実態の方もありますけれども、家族でだれか1円でも税金を払っているということであればこの負担になるのです、本人非課税という状況の中で。 やはり、足立区は所得が少ない人が多い。そういった点で見れば、足立区の特養ホームに入っているこれらの方々の負担がかなり大きなものになるということは明白です。この点では、区が独自の支援策を図っていく、このことが本当に求められていると思いますので、対策を要望しておきたいというふうに思います。 次に、利用者負担軽減の問題に関連して質問しますけれども、現在、東京都の制度を活用した生計困難者の負担軽減策を推進しているわけですが、これは事業者の善意といいましょうか、事業者の負担は持ち出しが必要になって……。 ○委員長 鈴木(秀)委員、これは来週の介護保険の分野に入っちゃう。民生費に絞ってください。 ○鈴木(秀)委員 わかっています。各党も質問をしていますから私もさせていただいているのですけれども、この事業者負担、こういうことがあってなかなか進まない。以前に調べたときには、こうしたことで負担軽減措置をやっている事業者は4割程度、こういう状況にありましたけれども、これはそう変わっていない。低所得者がどこの事業者を使ってもやはり平等にサービスが受けられる、こういう仕組みにする必要があります。その点では、どこの事業者でも差別なくやはり負担軽減措置が図られるように、こういう点ではその趣旨としてはどうでしょうか、異議ないでしょうか。 ○介護保険課長 趣旨はそのとおりだと思います。 ○鈴木(秀)委員 事業者の善意とか事業者の資力によってこれが扱えたり扱えなかったりということがあってはやっぱりならないというふうに思います。その点では、負担の軽減という点から見れば、区全体から見ればわずかな事業者の負担、この部分を区が補助をする、そういうことで、より使いやすい、本当に生活が困難なそういった方々の負担軽減措置をしやすくする、そういった点では、区がそういう支援をすることが求められているというふうに思います。このことも要望をしておきたいというふうに思います。 介護保険料の減額―預貯金要件の緩和を諮問すると答弁 次に、保険料の負担軽減策です。 介護保険料を決めるのは保険者としての足立区であります。現行でも第2段階を二つの区分に分けて独自の軽減策をとっている、いま、そういう状況で進められています。 平成18年度、これが保険料の改定時期、こういうことで、私の方の本会議の質問でも、これに向けて一定の審議会への諮問なども考えているようですけれども、これについては、少なくとも、いま、区には預貯金要件というものがあって一定の制限をしております。年度途中でもこの預貯金要件を撤廃して、こういう条件をつけずに軽減策を図っていく、このことが求められています。 先ほども触れましたけれども、国は10月からホテルコストの負担増を強行する、そういう状況で、本当に許しがたい、そういう中にありますけれども、その国が行おうとしている補足的給付、ここについては預貯金要件はないのです。その点では、区も積極的に、18年度を待たずにこの預貯金要件の撤廃を行うべきというふうに思いますが、いかがでしょうか。 ○介護保険課長 預貯金要件の撤廃でございますが、厚生労働省の三原則にありますように、収入のみに着目して減免を行うということは正確な負担能力を考慮せずに減免を行うということで、不公平であるとの見解でございます。 財務省の財政制度審議会におきましても、負担軽減を行う対象者の範囲につきましては、低収入で低資産の者に限定すべきとの提言をしております。 ○鈴木(秀)委員 国の三原則は耳にたこができるほどその都度聞かされている。しかし、そういう国の三原則の中にあっても、各自治体によっては、その努力でやはり全額免除とかそういうことをしている自治体は、70自治体でしたか、全国的に見ればあるのです。だから、国のその枠があっても、区民の暮らしをどう支えるのか、こういう視点に立って見れば、区でできる、そういう範囲に該当するわけです。 だから、そういった点では、この預貯金要件の緩和、当然、国はもうそういう方向を示していないわけですから、預貯金要件を国は新制度では考えていないということですから、当然、撤廃されるべきだというふうに思うのですが、本会議での答弁では、第3期の介護保険料については足立区の地域保健福祉推進協議会に諮問するというふうに答えています。その諮問に当たってですけれども、預貯金要件を撤廃する、そういう立場から諮問をするのかどうか、その点はいかがでしょうか。 ○介護保険課長 先ほど申しましたように、預貯金要件を緩和するということについては諮問する考えにつきまして検討するということでございますが、撤廃ということになりますと、先ほど言いましたように三原則に反しますので、いかがなものかと考えているところでございます。 ○鈴木(秀)委員 だから、あくまでも三原則に縛られる、そういうことはもう取っ払うべきだというふうに指摘しているわけですけれども、この預貯金要件の緩和、しかし、預貯金要件といっても本当にわずかなのです。だから、本当に大変な負担が大きく重なる中で、本当にわずかな条件をつけて制限をするということについてはなくすべきである、こういうふうに思います。 その点では、諮問に当たっては、そういう条件をなくす、そういう立場からの諮問を改めて要請しておきたい、このように思います。 ヘルパー養成講座は区の責任で要望に応えて実施すべき 次に、ヘルパーの養成講座にかかわる問題ですけれども、国の緊急雇用事業としてホームヘルパーの養成講座が進められてきた。しかし、これは社会福祉協議会なども含めて年間3回ぐらいやってきたというふうに思うのですが、このヘルパー養成講座はどういう状況で何回ぐらいやってきたのでしょうか。 ○高齢サービス課長 平成16年度におきましては、区が社会福祉協議会において委託するのが2回80名、それから、緊急雇用を使って事業者に委託して行っているものが40名ということで3回の120名で平成16年度においては行っております。 ○鈴木(秀)委員 新年度の予定はどうですか。 ○高齢サービス課長 新年度予算といたしましては、区の社会福祉協議会への委託2回分80名を計上しているところでございますが、実は、決算特別委員会の際に公明党の委員さんの方から、もういい加減、2回もやることはないのではないか、また、1回ぐらいにして、それで、むしろヘルパーのフォローアップ研修、そこら辺のところに重点を移すべきではないかという意見をいただいております。私もその意見の方に賛成でございます。というのは、ホームヘルパーの育成につきましては、社会福祉法人であるとか民間事業者におきまして相当程度いま行われているのが現況でございまして、そういうものとの差別化を図り、いま区の中で働いているヘルパーさんの力量を上げていただくことの方が私も大事だろうというふうに認識しております。 ○鈴木(秀)委員 これまでのヘルパー養成の講座については、かなりの数の応募者、申し込みがある。いま、なかなか仕事につけない厳しさが広がっている、そういう状況の中で、仕事を探す上でも一つの大きなチャンスになっているということで、また、実際にこれを通じて仕事についた人もいる。何倍にもなっている希望者がある中で、そうした就職の機会にもなるということですけれども、やはり支援を図っていく、そういった点ではこの講座を引き続きやっていく必要がある。1回に減らすということはしないで、いままでどおり一定の回数、3回ですか、社協も含めて開けるように努力していただきたいというふうに思います。 これは要望で終わらせていただきたいというふうに思います。 では、以上で終わります。 |
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