予算特別委員会の質問等 第5日目(3月10日)午前

鈴木秀三郎議員


平和事業、2中跡地、住区センター有料化等


○鈴木(秀)委員 おはようございます。
 きょうは3月10日、ニュースでもいろいろお話を聞いていると思うのですが、東京大空襲のあった60年目に当たる日ということです。まず、平和事業についてお伺いしたいと思います。
 7日の日には日比谷公会堂で歌手の谷村新司さんとか、落語家の笑福亭鶴瓶さんとか、エッセイストの海老名香葉子さん、こういう方々が反戦の集会といいましょうか、集いを催しました。反戦のアニメも上映するとか、あるいはまた「東京大空襲60年メモリアル10万人の青空」、こういうことを銘打ってイベントがされました。海老名香葉子さんは、記念碑を建立したという話もされておりました。
 また、墨田区では「東京大空襲3月10日の記憶展」ということで、既に展示が始まって、4月10日まで行われるというニュースも伝えられております。
 平和と安全の都市宣言をしているこの足立区として、戦後、この節目の年にふさわしい事業の取り組みが求められていると思います。平和に関する平和事業の総予算は幾らになっているのでしょうか。
○総務課長 35万円を計上しております。

東京大空襲60年目にふさわしい平和事業を

○鈴木(秀)委員 35万円という答弁ですけれども、やはり節目の年にふさわしい平和事業として、平和と安全の都市宣言をしている足立区、この足立区としてはちょっとお粗末過ぎると、本当にふさわしいそういう取り組みをするべきではないでしょうか、どのような事業をやるのでしょうか。
○総務課長 私どもは平和と安全の都市宣言を行いまして、平和を守っていくためにはいろいろな啓発事業が必要だと、そのように考えております。
 ただ、お金をかけてやることが啓発事業の効果を生むということでは必ずしもないと思っておりまして、さまざまな団体の方、それから、学校等の教育の中とか、私どものイベントの中とか、いろいろなところで分担をしながら、ご相談させていただきながらやっているということで、お金をかけて何かをつくる、それから、講演会をするという形ではなくて、もう少し地道にやっていきたいと考えております。
○鈴木(秀)委員 協働という言葉がありますから、そういった点では区民と一緒に地道にやるということ、いまいろいろと考えているようですけれども、やはり一定の節目の年にふさわしい事業を展開するという点で見れば、ちょっと35万円というのは本当にお粗末過ぎると思います。
 平和事業として原爆展への助成などは当然ですけれども、戦後60年の記念誌を発行するとか、あるいは広島、長崎原爆慰霊祭への中学生や子どもたちの代表を派遣するとか、あるいはまた被爆で長年苦労してこられた被爆者団体の方々の墓参の交通費、こういうものも援助してあげるとか、もっと多彩なことができる、こういうことをやるべきだと思いますが、その点ではいかがですか。
○白石委員 東京空襲で10万人も死んでいるんだ、原爆より多いんだ。
○総務課長 いろいろなやり方かあろうかと思います。本当に東京大空襲、きょう3月10日ですけれども、この1時から黙祷をさせていただきますし、それを記念日といたしまして、10万人の方が亡くなっているということがあります。広島、長崎も非常に悲惨な状況であったことは事実ですが、私どもとしては、身近なところで語り継いでいただくとか、例えば先ほど委員の方がお話になりました海老名香葉子さんが上野の公園のところに母子像を建立をしたという、そういうところに子どもたちを連れていきながら、戦争の体験、それから、お話等をしていただくのもいいのかなと思います。
 広島、長崎に行って、代表団を送って、わずかな方が見てくるよりも、みんなで身近なところで経験を語り会っていただく方が、効果が厚いという場合も考えられるかなと思います。いろいろな方法があるかと思います。
○鈴木(秀)委員 ぜひ節目の年にふさわしい事業を展開していただきたいと思います。

2中跡地利用には様々な区民要望が寄せられている

 次に、区立第二中学校の跡利用、金八記念館構想について質問をさせていただきます。
 区は私の本会議質問に対して、売却も選択肢の一つということを述べたり、あるいはまた、残した場合には耐震補強に大変お金がかかるとか、年間の維持費が大変だとか、こういう費用の面での答弁というか、そういったものが重立ったかなと思うのですけれども、ひとつ視点を変えて伺いますが、この二中の跡を売却せずに金八記念館などに活用した場合の効果といいましょうか、そうした点はどのように考えているのか、お伺いしたい。
○政策課長 ご提案いただいた金八記念館の事業の枠組みでいきますと、自主的な経営が、施設の維持管理も含めて行えるような内容であるかということについては、なかなか難しいのではないかと我々判断しております。したがって、あの計画で二中の跡を活用するとなりますと、その波及効果というのは、余り大きいものは期待できないだろうと考えております。
○鈴木(秀)委員 計画の中身がもう少し見えないということかなと思うのですが、ただ、具体的にかなり詳しく出されている。この施設の効果が生かされる……(「何が」と呼ぶ者あり)こういうことが必要だろうと思うのです。やじがうるさいのですけれども……(「やじじゃない」と呼ぶ者あり)、金八記念館推進委員会、このインターネットオフィシャルページがございますけれども、ここを見て本当に私も驚きました。たくさんの書き込みがありましたけれども、2月14日の書き込みを見ますと、インターネットでとったのですけれども、こういうものなのですね。
 ここでは、2月14日だけでも20件、そういったさまざまな声が寄せられています。二、三紹介しますと、「金八先生は日本が生み出した最高のドラマシリーズだ」と、こういうことで評価をされて何とか残してほしいと。さらには「国民的ドラマの舞台、決してなくすことがあっては視聴者の心に穴をあける、こういう気がする、ぜひ残してほしい」とか、「毎週金曜日テレビで楽しく見ている。金八記念館ができたら、ぜひ行きたい、頑張って実現させてほしい」とか、たくさんの声が寄せられています。
 地域の住民、町会の役員の方とかにこういったお話を聞きましても、売ってしまえばなくなってしまう、観光資源として育てていけば地域の経済活性化ということにも役立つ、そういうことになる、いい話ではないかという声が寄せられていますけれども、地元のそうした声については、どう感じていますか、思っていますか。
○政策課長 確かにこれがより大きな観光資源に育てばという、地元の皆さん方の夢といいますか、期待といいますか、こういったものについてはある程度理解できる部分もございますけれども、現実の問題として、先ほど申し上げたような経営が果たして成り立っていくのかどうか、そういった夢や何かの実現可能性が大きいのであれば、事業者なりの積極的な計画の説明なり補強なり、こういったものがこの間、あってもいいのではないかと考えておりますけれども、そういったアプローチというのは、残念ながらいまのところございません。したがって、実現可能性という観点から考えますと、かなりこれは難しいのではないかというのが、いままでの判断でございます。
○鈴木(秀)委員 そうした提案者あるいは地元の推進委員会のメンバーだけではなくて、そこの中にはNPO法人の小山内さんのグループとか、あるいはドラマの製作者の会社の方々もおられますし、そういった、もっと具体的な突っ込んだ相談があれば、それにこたえていくという道もある、そういうふうに理解してよろしいのでしょうか。
○政策課長 たしか昨年の5月過ぎぐらいからの提案だと思いますけれども、ほぼ1年近くの間に、そういった提案をやろうと思えば、恐らくチャンスは幾らでもあったのではないかと思いますけれども、現実としてそういった提案がなかったということであります。
 この土地などの有効活用についても、いつまでも現状で放置しておくというわけにもいきませんで、いまはまだ子どもたちが通っておりますので、具体的な動きは差し控えている状況ではございますけれども、4月以降については、なるべく早い時期に具体的な検討をしなければならないということでございますので、そういったタイムスケジュールも踏まえて対応していかなければならないだろうと考えております。
○鈴木(秀)委員 昨年の何月ごろでしたか、8月、9月でしたか、新聞報道によれば、議長の方にそうした嘆願書署名なども要請したという報道もされています。そういった中で、推進委員会の責任者の方は、インターネットで一定の声も集めていると、実際にそういうことで取り組んでおられるわけですから、そういった相談については積極的にこたえてほしい、臨んでいくべきと思います。
 角度を変えて、またちょっとお伺いしますけれども、地域の高齢者の中には二中の跡を、高齢者が使える施設も欲しいな、あそこはこれがなくなったら何もなくなってしまう、曙町にはなくなってしまうと。東の住区センターに行くにはちょっと遠いという話があります。また、役員の方は、交流や集いができれば、孤独、閉じこもりがちの高齢者の方も、ぜひ支え合ってそうした施設が使えるという期待もできるという、ボランティアの声もございます。
 また、若者の居場所づくりの問題でも、二中にあれだけの施設、耐震補強するなり一定の設備が整えば、若者の集える施設も十分使えると、残すことによってこういう効果も期待できると思いますが、その点ではどうでしょうか。
○政策課長 高齢施設、それから、若者の居場所、いろいろな可能性は選択肢としてあるかと思いますが、いずれにしましても、それ相当の耐震補強などの経費もかけなければならないという状況もございます。
 また、今後のさまざまな改築費用等も含めますと、あの施設について売却という線も一応選択肢の中に含めて、より具体的な策を今後詰めていきたいと考えております。
○鈴木(秀)委員 もう一つ、大震災での対応というのが問われています。中越の大震災で学校の施設は多く利用されるということがありましたけれども、この地域で唯一公共の施設の二中がなくなると、これまでは地域の避難所運営会議とか町会などを中心に、災害対策という点で、そういう備えを進めてきた。ところが学校そのものがなくなってしまう。こういうことになれば、地域の方々にとっては不安だという点が言えると思うのです。 こうした点で施設を残す。耐震補強とか、せっかくある施設をするのは当たり前、住民の、区民の願いにやっぱりこたえていく、そのことが必要だと思います。
 あそこの地域の避難所としての活用、こうしたことも考えるべきだと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○政策課長 地元のいろいろな要望があると思います。いずれにしましても、売却するにしても、活用するにしても、地元の皆さん方の、いま委員のご指摘のあった防災といった観点も含めながら、要望も十分に伺いながら、その活用について有効策を検討してまいりたいと思っております。
○鈴木(秀)委員 ぜひ、売却ということではなくて、効果ある活用の仕方を検討していただきたいと思います。

高齢者住宅改修給付事業―給湯器も対象に戻せ

 次に、高齢者住宅改修給付事業の問題について伺います。
 この設備改修は、日常生活に低下が認められる方に、在宅生活の継続ができるように、必要な設備の改修を行うというものです。介護保険認定の要介護、要支援の方及び非該当、自立と認定された方、こうした方を対象にして介護保険の住宅改修給付、この枠にははまらない、枠にはおさめられないということで、設備改修として、上乗せと施策として行われていたというものです。
 これは他区からも高く評価されて、注目されていた施策ですけれども、この事業を変更して、9月いっぱいでなくしてしまったわけですが、その理由はどういうことなのでしょうか。
○高齢サービス課長 いま「なくした」とおっしゃられましたけれども、別になくなったわけではございませんで、変更を加えたということでございます。
 実はこの住宅改修にかかる経費でございますが、平成12年には1,700万円でありました。ところが平成15年の決算ベースでは9,100万円ということで、5倍ということになっております。その中で最も伸びが多かったのが浴槽の改修でございまして、浴槽の改修の中には給湯器も含むということでやっておりましたので、給湯器といいますと、いまの給湯器は一般的におふろだけではなくて、おうちの中全体の給湯も賄っているということでございますので、ここら辺は優先順位が低いということで対象外にしたということでございます。
 また、高齢施策全般としては、この住宅改修としてできるだけ給付していきたいというのは、それは山々ではございますけれども、我々も別に特別養護老人ホームの整備であるとか、介護予防であるとか、さまざまな新しい施策に展開していかなければいけないということもございますので、見直しをさせていただいた次第でございます。
○鈴木(秀)委員 そういうお話ですけれども、この設備改修、これは介護保険に上積みした介護保険外のサービスとして、別枠として行われていたわけですが、費用が、使われる人が大変ふえたと、予算が大変になってきたということであるならば、補正予算を組むなりで対応すべきです。
 また、ほかの住宅のリフォームにある意味では転用してしまう、正しい事業に沿った使われ方がしていなかった。この点では、きちっとそうした制度の趣旨を伝えて改めさせると、このことをさせればいいわけであります。
 利用者がふえて予算がなくなったからやめてしまう、やめてしまうというのはごめんなさい、あるいは制度を変えて、その部分の設備改修工事を対象外にするということですけれども、この補正予算については、課長さんは当然要求したのかなと思うのですが、対応はどうだったのでしょうか。
○高齢サービス課長 委員ご指摘のように、補正予算につきましては、平成16年度にさらに6,000万円ぐらい計上いたしまして、制度変更したとしても平成16年度の補正後の予算ベースとして1億5,000万円程度の予算を確保しているところです。前年から比べると1点六、七倍ぐらいになろうという全体予算を確保している状況でございます。
 また、来年度におきましても、平成16年度予算よりも平成17年度予算は2,700万円の増計上ということで対応しているわけでございまして、制度変更しても、相当程度のこういうサービスについては財源を投入しているというのが現状でございます。
○鈴木(秀)委員 予算としてみれば、対象者がふえるということで、そういう伸びは当然だと思いますが、この給湯器の設備工事を対象外にしてしまったと、しかも自立の方も対象であったのに、これも対象外にすると。つまり、介護保険の住宅改修20万円の枠と全く同じ、介護保険外のサービスということでは意味がない、施策そのものが介護保険の中に吸収されてしまうということではないでしょうか。
 やはり、部別包括予算というか、そうした枠に縛られている、そのしわ寄せの一つのあらわれではないかと思うのですけれども、この枠を乗り越えて、足立区の高齢者施策として、本当に他区からも足立区の良心が示されていると評価されていたこういった施策、どうでしょうか、復活すべきではないでしょうか。介護保険外のサービスとして引き続きやるべきだと思うのですが、この予算の枠を超えるという点でも、区長にその見解をお伺いしたい。
○助役 そういう考えはございません。
○高齢サービス課長 いま包括予算だからというお話も出てきたと思うのですけれども、実は包括予算だから、逆にほかのところの課の部分であるとかを回していただいて、この伸びに関してやっと部の中で賄ってきたというのが現状であると思います。
 今回の6,000万円の計上についても、福祉管理課の方には非常に財源手当につきましてお世話になったなというのが、私の印象でございます。
○鈴木(秀)委員 しかし、予算が伸びたから、結局その年度途中でこの対象工事を変更してやめてしまう、対象外にするんだ、やるなら自己負担でどうぞという変更ではないですか。
 しかし、そこに区の施策、予算がだんだんふえて不足する見通しが出てくると、結局制度を変えてしまう、そういうことになっていく、実態はそうだと思います。その点では、部別包括予算、これは部ごとの予算ですから、部の中の課でやり繰りするということは当然あるだろうと思いますけれども、結果としてそういう一定の枠の縛りのもとで切り捨てられたと、言わざる得ないと思います。

住区センターの団体利用料金の有料化はやめるべき

 次に、住区センターの利用について伺いたいと思います。
 この利用について、最近、町会連合会、地域の運営協議会、運営会議の方に施設の使用料の有料化について説明をしているということのようですけれども、これは事実ですか。
○住区推進課長 住区センターの団体利用の有料化については、各住区センターの管理運営委員会、これは主に町会長さんを初め地域の皆さんが入っている委員会ですけれども、その委員会に説明して、その中で何回かのキャッチボールをしているという現状でございます。
○鈴木(秀)委員 現在の住区センターの条例の9条では、原則無料という、原則と言いましょうか、学童保育の保育料以外は無料になっているのですね。これは制度発足のときに無料にした根拠、理由があると思うのですが、それはどういうことでしょうか。
○住区推進課長 住区センターそのものは、児童の健全育成とか高齢者の生きがいづくりや地域住民相互の交流ということで、地域の拠点としての利用ということでご利用していただくということで設立されたものでございます。
 有料化の対象としますのは、基本的なこういった事業については対象外ということで、それ以外の有効利用ということに有料化の対象ということを考えてございます。
○鈴木(秀)委員 先ほど課長が言われたのは、住区センターの第2条の設置の目的に基づいておっしゃられたと思いますけれども、この設置目的は、地域住民相互の交流及び学習の推進のため、こういう集会施設の利用は当たり前のこととして使われてきたと、これがさまざまな、例えばビーチバレーのグループの団体が大会を開くに当たって、こういう施設を借りて使うとか、あるいは商店の有志といった方々が活性化問題で会合をするとか、あるいは工場跡地の再開発などでまちづくりについての勉強会をするとか、こういう団体利用もあるわけですけれども、事業の目的に沿ったということは、どういうことなのでしょうか。
○委員長 簡便に。
○住区推進課長 先ほど申し上げたような条例の理念に基づく事業が官の事業でございまして、それ以外の、官以外の事業についての有料化ということで検討してございますけれども、一定の免除規定も当然想定してございますので、その形で調整できるのかなと考えてございます。
○委員長 鈴木(秀)委員、最後です。
○鈴木(秀)委員 コミュニティーの形成にふさわしい住区センターの役割があったわけですけれども、利用する団体によって色分けして有料化する、こういうことはないのだろうと思うのですが、あってはならないと思います。本当に住区センターが地域の核となって利用が促進される、そういうことを望んで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。