予算特別委員会の質問等 第5日目(3月10日)午後

松尾かつや議員


塩原林間学園、青年雇用対策等について


○松尾委員 きょうもよろしくお願いいたします。
 私の方から、まず最初に旧塩原林間学園について触れたいと思います。
 中学校で実施されていた塩原自然教室を廃止し、この施設が閉鎖されてから、間もなく1年になろうとしています。昨年の第1回本会議の場で、私はこの廃止に反対する立場で共産党足立区議団を代表して討論を行いましたが、その際に三つの点について指摘してきました。

塩原林間学園を区民のために有効に活用を

 第1に、小中学生の楽しみの場であり、貴重な成長の場を縮小することにつながるという点。そして第2に、この塩原林間学園だからこそ持ち味を失うことになってしまうという点。そして第3に、区民利用の場を縮小することになると、この3点でした。
 与党議員からも、先日、もったいないという発言が飛び出ていましたけれども、まさにもったいないという一言に尽きると思います。もとから、この売却自体、我が党としては反対の立場ですけれども、その売却の見通しも立たないならば、本来ならばすぐにでも中学校で実施されていたこの塩原自然教室を再開し、塩原林間学園を復活しろと言いたいところですけれども、当面この売却を中止し、この施設の活用方法を検討する検討委員会を設置すべきと思いますが、いかがでしょうか。
○教育政策課長 塩原林間学園の施設につきましては、従来どおり売却の方向でいきたいと考えております。
○松尾委員 この塩原林間学園、これは私は新人議員の郊外施設の視察の中で、実際に現地に訪れました。広い芝生に広い施設と、行ったときにはちょうど吹奏楽部の合宿も行われていました。
 また、当時は芝生があるからと、サッカーの練習のためにわざわざ合宿で利用する、そういう子どもたちもいました。
 昨年の予算委員会では、我が党のぬかが和子議員が、この施設の廃止後も利用する方向について取り上げましたが、その際に区の方の答弁では、「施設が売却等を前提としていますが、その間、むだに放置しないということは、やはり活用の観点からも、それから、地域の皆さんのサービス利用の観点からもできる限り温存したい」、このように答弁していました。この答弁から今日までの1年間、この塩原の活用状況はどうだったのでしょうか。
○学務課長 一般利用についてのご質問でございますが、今年度一般利用したいという問い合わせとか利用実績はございません。
○松尾委員 あくまで問い合わせを待つというやり方だったのでしょうか。
○学務課長 特段の周知というものは行ってございません。
○松尾委員 昨年の答弁のときに、廃止後も活用するよう、内規の方で定めながらも考えていきたいみたいなことだったと思うのですけれども、問い合わせとかが来るのを待つのではなくて、広く暫定利用でも青少年グループなどに呼びかけて利用させるべきと思いますが、どうでしょうか。
○学務課長 考えられる使用の仕方でございますが、現在は水道とか電気はあるのでございますが、ガス等撤去してリースで契約しておりましたふとんもございませんので、考えられる使用の仕方というのが、グラウンド利用とか自炊ということで考えてございます。
○松尾委員 ということは、グラウンドは暫定利用というのは可能ということですよね。
○学務課長 その限りにおいて使用可能でございます。
○松尾委員 次に、私は区議会最年少議員ということで、20代議員ということにふさわしく、青年雇用の問題について質問させていただきたいと思います。

青年雇用についての区の認識を問う

 この問題については、我が党としても毎年区への予算要望をまとめるに当たって、区内のさまざまな団体の方から、呼びかけを行って懇談を行っております。昨年の青年団体の皆さんとの懇談も行いました。その中で寄せられている声ということで、例えば彼氏が引きこもりになってしまい、アルバイトをしながら面倒をみている、こういう声も寄せられています。また、バイトで国民年金がとても払えない、貯金もないと、貯金をしている人がいるとすげえと言われると、こういう話も言われました。足立区としても、産業経済部を中心に青年雇用の問題は重要との認識という中で、さまざまな施策をこの間、積極的に行ってきました。区として、こうした青年の実態、つかんでいることはどのようなことでしょうか。
○経済観光課長 私ども区の就労政策でございますけれども、専管ポストに副参事を置いたり、あだちワークセンターのリクルートの若者対策をしたり、また、来月でございますが、(仮称)あだちヤングジョブセンターの運営など、先進的な取り組みを実施していると思ってございます。
 また、高校連絡会を設置いたしまして、その会の際に、高校生の実態を把握していると。さらに、ハローワーク足立の就職ガイドブック等でも青年の集いやアンケートを聞いてございます。
 これらで把握できると考えておりますので、別途のアンケートというのは、いまのところ考えていないということございます。
○松尾委員 私は把握というより、青年の実態をつかんでいるということはどういうことですかという意味で聞いたのですけれども、つかんでいる内容ではなくて、そういう意味で何かない。
○経済観光課長 非常にいま問題になっていますのはニートの問題でございまして、特に収入の面でかなり親がかりと言いましょうか、親御さんの負担にかけている、収入が非常に少ないのではないかということを、私どもで把握してございます。
○松尾委員 区としても、それなりにつかんでいるなということを感じました。
 区として、先月の2月15日と16日に足立荒川仕事総合相談会をシアター1010、ギャラリーで実施しました。ここで青年雇用の問題、大分力を入れておられたと思いますけれども、この相談会の状況とか反応とか概要はどうだったのでしょうか。
○経済観光課長 2月の15日、16日とシアター1010でもってやらせていただいてございます。
 1日目が100名、2日目が150名ということで、人数的にはちょっと寂しかったのかなと考えてございます。
 キャリアカウンセリング、就職支援セミナー、保護者向けの講演会、それから、各種座談会でございますが、総合労働相談、職業相談、職業診断、キャリアコンサルティングというものを、国の機関、東京都の機関、区、都でもって実施したという内容でございます。
○松尾委員 こうした取り組みというのは、今後も大事だと思うのですけれども、ぜひ継続してやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○経済観光課長 労働相談の関係が非常にいま少なくなってございまして、そういった面がございますけれども、関係機関との調整を行いまして、東京都の方がいま現在は前向きに検討している状況もありますので、実施時期、特に今回はPRの問題がございましたので、そういったことを検討して、来年度に向かって関係機関と再調整を行いまして、できれば実施したいと考えてございます。
○松尾委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 先日の特別委員会、この場でもヤングジョブセンターの問題が出されておりました。国の事業として行っていたヤングジョブスポット、これが今月の15日、正式は16日に終了してということで、渋谷のヤングジョブセンター東京というところに、渋谷に統合すると。区としては、千住ミルディスのモデルルームに区営のヤングジョブセンターを設置するということでしたけれども、いつごろのオープンを目指しているのでしょうか。
○経済観光課長 区立のヤングジョブセンターでございますが、まだ最終的にオープンの正式な日付は決まってございませんが、5月の連休明けを目途に開設できないかということで、努力してございます。
○松尾委員 5月連休明けということですけれども、3月15日にいまの、現在のヤングジョブスポットが閉じて、それから、間があいてしまうということもありますので、ぜひ若者に発信しながら就労に結びつけるということ、いつぞや答弁しておりましたので、ぜひそのPR等、目に見える形でやっていただきたいと思います。
 その先日の答弁の中では、このヤングジョブセンターでは、今までヤングジョブスポットで行われていた事業にプラスして就労支援を行うと答弁していました。このプラスしたという就労支援、具体的な概要について、いまの段階で考えている構想とか内容とか、わかっていたら教えていただきたいのですが。
○経済観光課長 いまの段階で明確に就労支援についてのお答えができるかという問題がございますけれども、ヤングジョブスポット自体の問題は、職業につなげることができなかったというのが最大の問題だと私ども思っておりますので、ただ単に来所していただいて、その職業教育というものしかできなかったという状況がございますので、ハローワーク等の協力等々いただきながら、そういったことにつなげられるのかどうかということを検討していきたいと思ってございます。
○松尾委員 具体的に言うと、就労支援というのはハローワークと連携ということで考えてよろしいのですか。
○経済観光課長 ハローワークまたはリクルート等ということですね。
○松尾委員 そういう方向でいくということですね。
 就労支援については、去年おととしになりますね、2003年の10月の決算特別委員会、この場所で、当時はヤングジョブスポットでしたけれども、せっかく設置されるのだから、職が探すことができるような設備を整えることはできると思うがどうかということで、決算の場で質問させていただきました。当時はなかなか難しいという話でした。 それが、今度は区立のヤングジョブセンターになるに伴い、就労支援もできるようになると。これは本当に頑張っていただきたいなと思っています。
 同時に、当時の決算特別委員会の場所で、私は時間に制限なく入れるように、夜遅くまで開くとか、土曜日とか休日の開所についても検討を求めました。その際、区の方ではまさに検討に値する内容と、当時の雇用促進担当の産業経済部副参事が答弁されております。
 当時は、ビルの開閉管理とか、そういう理由で難しいということでしたけれども、今回区営で千住ミルディスのマンションルームだったところに移動するということで、北千住駅前のまさに一等地と、暫定利用ではありますけれども、そういう場所に移設するわけですから、閉館時間の検討とか、つまり、この際時間帯の延長とか土日の開館とかを検討していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○経済観光課長 基本的に人がやっている施設にお願いすることと、区の施設として運営していくということと根本的に違いますので、そういった意味では、これまた断定して言えるわけではございませんけれども、やはり若者が来やすい時間帯、24時間営業などは考えませんけれども、10時から8時ぐらいの時間帯で、できれば土日等についても開設するようなことは考えてございます。

区立ヤングジョブセンターは相談から就労支援につながる機能を加えよ

○松尾委員 次に、若年雇用問題における若者の心のケア、カウンセリングについて質問したいと思います。
 以前、渋谷のヤングハローワーク、この場所に共産党区議団として調査を行いました。その際、ヤングハローワークの所長さんは、実はこれが大事なんですということで、小さな小部屋を指さしました。いわゆるカウンセリングを行うための施設です。その部屋なのですけれども、さまざまな要因、困難にぶつかる中で、心の病などを抱えている若者は非常に多いと、そうした若者の悩みを聞いて相談にのる中で、就業まで結びつけていくと、これが本当に重要だと思います。
 昨年の12月、私は本会議でこの独立行政法人労働政策研究研修機構の移行の危機にある若者の実像と無業フリーターへの若者へのインタビュー調査、中間報告の中身を取り上げて、若者の心のケア、カウンセリングなどを行えるように、医療機関との協力が必要ではないかと指摘しました。 まさに、こうした機能も区営でやるということで、このヤングジョブセンターの機能に加えてはどうかと考えますけれども、どうでしょうか。
○経済観光課長 それだけ多方面に恐らくできないと思います。
 私ども、フリーターですとかニートにつきまして、当然のことながら専門的な知識が必要でありまして、かつ継続した対応が求められています。
 現在、既にニートやフリーターとなってしまっている若者の雇用対策について、基礎的自治体である区がそれを補完すべきなのかどうかと疑問を持っているというのが、正直なところでございます。やはり区の役割は、フリーターですとかニートにならないための職業観教育というところにあるのかなと思ってございます。
 雇用という新たな行政ニーズに、少ない財源で対応していくということが必要でございますので、国ですとか東京都との連携、雇用促進協議会の活動を通しまして対応していきたいということでございます。
 医療機関との連携等については、今後の課題と思ってございますけれども、国や都に要望していきたいと考えてございます。
○松尾委員 今後の課題ということは検討していくということの確認でよろしいでしょうか。
○産業経済部長 社会と医療というのは非常に近接しているわけでございますけれども、さまざまな制度の違いが非常にありますし、また、そこに医療機関を開設するということも、これまたぜんぜん検討したこともない課題でございますので、なかなか時間がかかるであろうと、研究はしていきたいと考えております。
○松尾委員 話は変わります。
 次に、港区では、ビジネスマンインターンシップ事業というものをことしからやるということは、ホームページでも公開されております。就職難で就職できなかった若者など、半年で5名ずつ、年間で10名を区で時給900円で雇用すると、こういう事業だそうです。これは中身を見ると、港区への就業体験を通じて、区の仕事そして自分の適性を知っていただき、今後の就職活動への指針にしていただきたいと考えます。これはホームページに書かれている内容です。
 こういう中身で港区では積極的に若者就労支援と、区も積極的に、半年の雇用ということですけれども、そこの場で学ぶ中で就業への機会をつかんでもらおうと、こういう積極的な姿勢を示しているようですけれども、足立区としてもやってはどうかなと思うのですが、いかがでしょうか。
○経済観光課長 当区では、現在インターンシップの受け入れにつきましては、職員課、それから、産業経済部で要綱をつくりまして、体制を整えまして、今年度数回実施してございます。
 港区の場合ですと、卒業した若者を対象ということでございますけれども、その前段階で、卒業したら就職できるような形の体制がいいと思ってございますので、まず、高校等の職業観教育の一環としてインターンシップを受け入れていきたいと考えてございます。
○松尾委員 確かに高校とか大学とか、卒業の前の段階で網をすくうような感じで支援していくと、その姿勢も大事なんだけれども、現実には、いま現在に仕事が本当に見つからないと悩んでいる青年、卒業した後でも困っている青年も非常に多いわけです。ですから、そういった意味では、この港区の姿勢というのは本当にいいのかなと。
 この対象を見ると既卒で、まだ卒業していない人、アルバイトは就業には含みませんよと。既に就職予定見込みのある人は対象から除きますよとは言っていますけれども、当然卒業した後で仕事に悩んでいる青年、探し方を求めている青年、そういう人をどう救おうかと、こういう姿勢がここからあらわれているのかなと感じますけれども、ぜひこういったことも、卒業した後の青年の支援ということも考えていただきたいなと思うのですが、いかがでしょうか。
○経済観光課長 支援を考えておりますので、ワークセンターとヤング関係のものをやっているということでございまして、やはり雇用の関係の施策も、実績に意味のあるものを打っていきたいと考えてございます。
○松尾委員 きょう、私の控え室で新聞の投稿を見ていましたら、これは福島市の青年の投稿ですけれども、「いまの会社へ入って5年になりますが、仕事が忙しく(三勤交代のため)好きな遊びもできません。殻に入ったカタツムリのような生活の毎日です。親から離れてひとり暮らしを望んでいますが、いまの給料ではとてもそのようなわけにもいきません。会社もいまは不況のために昇給もなく、その挙げ句、残業、残業の毎日、たまには町に出て飲みたい心境にもなるのですが、心と裏腹になかなか思うようにいきません。異性の友達もいないありさま。だれか彼女を紹介してくださいと背中に張って歩きたいようないまの私です」、こういう投稿です。
○白石委員 どうして不況で残業があるんだよ。
○松尾委員 愚痴っぽいというけれども、いずれにしても、この青年にとっていま仕事について、本当に就職について悩んでいると、こういうのは新聞の投稿の中にもあらわれているのかなと。
 私も片思いの女性はいますけれども、それはともかくとして、こういう悩んで彼女も見つけられない青年もいるんですよ。そういう青年に対して、いかに行政が青年の就業についてしっかりと支援していくのか、そういう姿勢というのは非常に大事だと思います。青年自身が彼女とかに目を向けられる心のゆとりを持てる、そういうことにまでなれば、それは将来にとって明るい未来が出るじゃないですか。そういった意味で、ぜひ青年雇用頑張っていただきたいと思いますけれども、その決意についてどうでしょうか。
○委員長 簡明に。
○経済観光課長 いまかなり就業体制が変わってきておりまして、その方が戦力ですぐ働けるのかどうかわかりませんけれども、区とすれば青年に対しての雇用等の対策について、できるだけのことをやっていきたいと思ってございます。
○委員長 ご苦労さまでした。