2、本会議質問 代表質問―質問と答弁 さとう純子議員 |
○さとう純子議員 私は日本共産党足立区議団を代表して質問します。 区民保養所「湯河原あだち荘」委託事業者選定事務をめぐる汚職事件について はじめに、区民保養所「湯河原あだち荘」委託事業者選定事務をめぐる汚職事件について区長の政治姿勢を伺います。 公明党の忍足和雄元議員は、区民保養所をめぐるあっせん収賄罪とあっせん利得処罰法違反で起訴されました。しかも忍足元議員は、逮捕直前まで区を監督・検査する監査委員でもありました。新聞報道では、区民の血税である受託契約金から300万円の賄賂が支払われたというのですから、許されるものではありません。報道では、委託事業者変更の最大の理由であった食事について、区のアンケートでも「改善されていた」とあり、5月19日の区民環境委員会で、区も「食事については改善されていた」と答弁したように、業者を変更しなければならない根拠はなかったことが明らかになりました。なぜ業者の変更がなされたのか、解明されなければなりません。 区は新たな契約業者を決めるために、食事の工夫、衛生管理、見積金額などの企画書を事業者に提出させ、420点満点で採点するプロポーザル方式で行いました。区は見積金額を1億4,500万円から1億5,500万円を適正価格として100点を配点し、「勇駒」は1億5,435万円と、上限ぎりぎりの金額を提示し、100点満点を得ています。 区民環境委員会で「適正価格の情報が事前に漏れていた場合は有利に働くと思うがどうか」の質問に、区は「漏れていれば有利に働く」と答弁しています。「勇駒」は設立わずか2カ月の有限会社で、保養所運営の実績、経営の安定では低い得点でしたが、区内業者ということで50点が加算され、2位との差は僅か5点で受託業者となったのです。この点の質問に区は「問題があっただろうということは推測できる」と答えています。 新聞報道でも、「新契約方式を悪用」「区幹部は、選考会に使われる採点表や採点方法を忍足容疑者に伝えた」「幹部職員は『副議長室で何度も聞かれ圧力を感じた』と話している」などなど、この事件は区幹部職員が関与しなければ起き得ない事件です。 ところが、区民環境委員会で総務部長は「職員は1人も起訴されていないし、誰がどういうあっせんを受けたのか聞いていない」と、事件を招いた区の責任を否定するような発言をしました。区長も総務部長と同様の考えなのか、伺います。 区は「コンプライアンス(法令遵守)推進委員会」を設置して、再発防止策の検討を始めました。なぜ推進委員会を設置しなければならなかったのか、その原因となった今回の事件の職員の関与について、再発防止のためにも、真相解明に全力を尽くすことこそ区長の責務ではないでしょうか。 区長は事件発覚の4月25日に「担当から調査経過を速やかに報告させ、事実を明らかにする」とコメントしていたではありませんか。ところが、区長は今議会のあいさつで「事件の真相解明は、捜査とそれに引き続く司法の場での判断に委ねる」としています。司法はあっせん収賄事件についての判断は示しますが、委託事業者選定事務をめぐる疑惑や議員と執行機関の関係で癒着はなかったのかなど、事件の背景や原因、再発防止策などを解明するものではありません。区長は職員の関与についてどこまで調査し、事件の背景及び原因を明らかにしたのか、明快な答弁をお願いします。 負担増から区民を守れ 次に、国や都の福祉施策の削減、負担増から区民生活を守るための自治体の責務について伺います。 「区役所から手紙が来ると、今度は何を引かれるのかと暗い気持ちで開封する」、これが区民の声です。自民・公明の小泉内閣のもとで進められる税制改悪などの国民負担増路線に加え、自民・公明・民主などオール与党が推進してきた都政では、5年間で高齢者福祉手当の廃止、難病・高齢者医療費助成の廃止・縮小、シルバーパスの有料化など、全国で例を見ない徹底した福祉切り捨てをしました。その結果、都は「902億円の財源を捻出した」としています。これらが今、区民には痛みとなって現れているのです。 第1回定例会で我が党の「国の定率減税縮小・廃止などによる住民負担増から区民生活を守るため、自治体の長としての責務をどう果たそうとしているのか」との質問に対し、「そのような環境変化から区民を守ることも自治体の責務である」と答弁しました。 区民に及ぼす影響を月16万4,000円の年金生活者のYさんを例に、2008年度にはどうなるのか試算しました。税控除の縮小・廃止により、所得税はゼロから2万7,090円に、住民税はゼロから1万9,000円に、国民健康保険料は3万200円から7万1,620円に、介護保険料は2万8,800円から4万8,000円に、都営住宅家賃は月額1万4,050円から2万2,480円に、シルバーパスは1,000円から2万510円にと、これだけでも負担増は年間22万8,600円にも及びます。 税制改正で実際の収入は変わらないのに、課税対象者になったとたんに負担が発生する施策は多々ありますし、紙おむつの支給、高齢者福祉電話料金への助成は対象外になってしまいます。区長は、課税世帯になったからと、すぐにおむつの支給を止めてしまうのでしょうか。1日1,000円の食費しか使えず、人工透析の病院の食事600円を食べずに帰る方に更に負担を強いるのでしょうか。区長はこのような暮らしに及ぼす環境の変化からどのように区民を守り、自治体の責務を果たそうしているのか、伺います。 また、このような区民に対して、区独自の負担軽減策を講じれば、多くの区民生活を支援することができます。区として何らかの策を講じる考えはないか、伺います。 中期財政計画について 次に、足立区中期財政計画について質問します。 区長は中期財政計画で、扶助費問題については、「国の社会保障制度の設計上の制約があるものの、持続可能な財政運営のためには、区として引き続き最大限の努力が必要」としています。 運営指針では「義務的経費については、これまで扶助費の増大分を人件費の抑制と公債費の減によってある程度緩和してきた」と言っていますが、「人件費については、これまでのような抑制効果を発揮することは難しくなってきた」とし、公債費については、「大型プロジェクトの事業着手で、これまでの「公債費は逓減化していく」という方針を修正する」としています。このことからみると、区長の言う「社会保障経費への新たな取り組み」とは、扶助費を削減するということに最大の努力をすることなのか、伺います。 計画は、本格化する学校などの施設更新を最大の理由にあげ、十分対応できる基金残高が必要として「平成20年度までに500億円の基金残高の回復が不可欠」としています。しかし、学校改築は265億円でできると試算する一方で、「大規模プロジェクトは、足立区のまちづくりにとって大きなインパクトをもたらすもの」として、総事業費640億円、そのうち区の一般財源での負担は300億円と試算しています。区長は、これらの事業の財源に充てるものとして、基金残高500億円の目標を立てたのか、伺います。 計画では「区財政は計画を着実に推進すれば財政健全化が図れる」として@ペイ・ゴー・ルール「予算見合いの原則」を導入して、新しい事業を起こしたい部局は自己責任で財源を確保する。A減量型行革の新たな試みとして、保育園の民営化など更なる外部化・協働化を図る。B資産の再編として、土地開発公社用地や学校統廃合の結果生まれた跡地について、原則「利活用」とともに「売却」を検討する。C補助金交付制度の見直しでは、区民活動を支援する補助金も含め、見直しの基準と新たな補助金制度を再構築するなどあげています。しかし、これまで区がやってきたことといえば、子育て支援策のためにと同じ子育て世代に負担を強いる保育料の値上げをする。1,000人の人件費の抑制を目標に学校の安全が叫ばれているのに、警備員を全廃する。金八記念館や地域住民の活動の場として活用が望まれる学校跡地の売却を検討する。社会教育団体の施設使用料減免制度の継続が望まれているのに、全額徴収するなどです。このような計画を進めれば、区の財政は健全になるかもしれませんが、区民の暮らしは健全にならないと考えます。答弁を求めます。 介護保険について 次に、介護保険制度改革関連法(案)について、区の基本的な考えを伺います。 政府案は介護に対する国の財政負担抑制を口実に介護サービス利用を制限し、総額3,000億円の大幅負担増を高齢者と家族に転嫁するという「給付減と負担増」が法案の本質といえます。政府は要支援、要介護1の方への介護サービス抑制のために、島根県内の一部地域の介護状況を示し、「軽度者へのサービスが要介護度を悪化させる」としました。国会論議の中で我が党が「軽度者へのサービスをしっかりやれば、要介護の進展を抑えて重度の人が比較的少数にとどまる」ことや、138万人の調査結果で84%の人がホームヘルプサービスを受けて「よくなった」「維持されている」との調査結果を示し、政府もこれを認めました。また、日本医師会前常任理事の自民党議員は、「介護保険法案は財源論がまずありき、ということで出た」として、新予防給付による軽度者へのサービス抑制、筋力トレーニングなどについて懸念を述べており、法案の根拠が崩れています。 足立区で要支援と要介護1でホームヘルプサービス利用者は約3,000人です。例えばエレベーターのない都営住宅の4階に住む要介護1の方は階段の昇降が困難で、買い物はすべてヘルパーにお願いしています。ここにヘルパーが行かなくなったら生活は成り立ちません。 区は第1回定例会の我が党の質問に、「今まで以上に介護の基盤整備や福祉サービスの充実が必要であり、区政にとって極めて重要な課題であるという認識は変わっていない」と答弁しています。新法の内容が明らかになったもとでも、「今まで以上に介護の基盤整備や福祉サービスを充実させる」という考えを示すものかどうか、伺います。 次に、ホテルコスト導入への区の考えについて伺います。 法案には、施設に入所している人に、部屋代や光熱費など居住費と食費を原則として全額自己負担にすると盛り込まれています。足立区で施設利用者が一番多いのが特養ホームの4人部屋などの多床室ですが、入居者や家族から、「支払いのお金がどれだけ増えるのか」と不安の声があがっています。 国はきめ細かな低所得者の軽減策を設けるとしていますが、今より負担が減るのは年収80万以下の方だけで、それ以外はすべて月額1万5,000円以上の負担増です。また、入所している方に収入がなくても、世帯で1円でも税金を払うことになれば第3段階となり、例えば1,000万円以上の収入のある方と同じように月8万7,000円の費用負担をしなければなりません。 対象施設は特別養護老人ホームだけでなく、介護老人保健施設、介護療養型医療施設などで月に15万円以上にもなる試算もあり、利用者は「これでは金持ちか生活保護世帯しか施設に入れない」「有料老人ホームと変わらない」と言っています。また、現在、施設での必要性から個室に入っている方は準個室扱いとなり、月12万7,000円の負担をしなければなりません。事業者からは「家族がいても、虐待老人など支払ってもらえない場合はどうしようもない。出てもらうしかない」など、怒りの声があがっています。区長は国の大負担増をそのまま区民に押し付ける考えか、伺います。 国会で十分な審議もないまま、法案ではホテルコストの実施は10月からとなっています。我が党は予算組み替え案も示しましたが、区独自の補足的給付を行う考えはないか、伺います。 次に、介護保険外の施策について伺います。 軽度生活援助、生活支援ホームヘルパーの派遣などは、介護予防・地域支え合い事業として、国から4分の3の補助金を受けて、介護保険外の対象になっても実施してきました。今後は介護保険内の地域支援事業に統合するとも言われています。区民がこれまで受けてきたサービスを継続、充実する必要があると考えます。軽度生活援助、生活支援ホームヘルパー派遣の拡充など、セーフティネット策を検討すべきと考えるがどうか、答弁を求めます。 日常生活用具は高齢者住宅改修とあわせ、介護保険外の支援策として区民から喜ばれています。しかし区は利用者負担をこれまで3%負担の住民税非課税世帯にも、6%負担の本人住民税非課税者にも10%の負担を求めています。区は軽減策廃止の理由を「都が補助対象外にするというような動きもある」としていましたが、実際には予算の減額はありませんでした。ましてわずか400万円で継続できる施策であり、すぐにでも復活できると考えるかどうか、伺います。 孤独死高齢者は東京23区だけでも、平成15年度は約1,400人と年々増加しています。高齢者福祉電話はこのような高齢者の安否確認と孤独感の解消を図るために重要な役割を果たしています。 足立あんしんネットワーク、緊急通報システム、おはよう訪問など、安否確認事業を充実させることはもちろんですが、「夜、眠れなくなり、横浜に住む息子の声を聞いたら安心して眠れた」など、みずからが孤独感を解消するために効果が高いのが高齢者福祉電話です。料金助成を要介護3以上に限定せず、元に戻すべきと考えるがどうか、伺います。 シルバーパスは閉じこもりになりがちなお年寄りに社会参加を促すためにつくられました。同時に高齢者の重要な足の役割も果たしています。お医者さんも「新介護予防で効果の不明な筋力トレーニングを勧めるよりも、シルバーパスを使って外出して社会参加した方がよほど介護予防になる」と話しています。 東京都の試算によると、非課税から課税になる高齢者は足立区だけでも1万人近いと言われ、2万510円支払わなければ受け取れなくなります。都議会で我が党の「所得に応じた負担軽減や分割払い」の提案に、都は「慎重な対応を行う」と答弁しています。 区としても、所得に応じた3,000円、5,000円、1万円パスや分割払いなどの改善を再度求めるべきと思うがどうか、伺います。また、日暮里・舎人線でも使えるように要望すべきと考えるがどうか、答弁を求めます。 銭湯は高齢者の憩いの場・交流の場ともなっています。我が党の区民アンケートに、「現在5枚の入浴券をせめて10枚に」「100円負担となったゆ〜ゆ〜湯入浴を無料に」「半額の割引券でいつでも利用できるように」との要望と、「地域ミニデイサービス」の充実を求めています。区として公衆浴場の活用を介護予防事業として重視し、事業者とも相談して改善すべきと考えるがどうか、伺います。 約3,500世帯の新田地域から公衆浴場がなくなりました。「公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律」には、地方公共団体の任務として「公衆浴場の経営の安定を図る等、必要な措置を講ずることにより、住民の公衆浴場の利用の機会の確保に努めなければならない」としています。区は新田地域住民のため、公衆浴場利用の機会確保をどのように図ろうとしているのか、伺います。 戦後積み上げられてきた障害者施策を根本から改悪する「障害者自立支援」法 次に、障害者自立支援法(案)について伺います。 今、国会に上程された法案は、これまでの障害者施策を大きく変え、障害者の福祉サービスの利用負担をこれまでの所得に応じた定率負担から、サービスを利用すればするほど自己負担が増えていく応益負担にする内容で、戦後積み上げられてきた障害者施策を根本から改悪するものです。法案に反対する声が広がり、障害種別や立場の違いを超え、障害者の歴史でも初めてといわれる規模の集会が開かれたのも当然です。 現在は障害者のヘルパー利用者の95%が自己負担はゼロです。しかし、厚生労働省の試算では、全体の利用料は平均月額約4,000円にはね上がります。通所施設の場合は、月約1,000円から約1万9,000円にと、何と19倍にもなるのです。 精神障害の作業所では、1カ月の工賃が3,000円から5,000円なのに、利用料は1万2,000円にもなります。応益負担と言いますが、障害者は決してぜいたくをするために支援を受けているのではなく、普通に暮らすスタート地点に立つためのものです。「健康な人が道を歩くのにお金を取られるでしょうか。私たちが外出することはぜいたくでしょうか。」「普通、働いたら賃金をもらうのに、私たちは働くためにお金を払わなければならないのでしょうか」との声にあるように、施設やヘルパー利用の応益負担は、働きたい、自立して暮らしたいという障害者の希望の芽を摘んでしまいます。 法案はまた、育成医療、更生医療、精神障害者通院公費負担など、これまで公費の医療保障がされていた制度が「自立支援医療」として一本化され、加えて1割以上の自己負担が導入されてしまいます。その対象は子どもの斜視やそしゃくの矯正手術、人工透析やペースメーカーの手術、HIVの治療など、ありとあらゆる医療の公費助成の制度を根こそぎ崩し、負担増を押し付けるものです。これについては、法案が決まれば早速今年10月からの実施予定としています。 こうした負担増は受診抑制・中断につながり、健康破壊や命の危険を招きかねません。区はこれらの負担増をどのように考えるのか、法案に対する基本的な認識を伺います。 国に対して費用の応益負担の導入を行わないように求め、東京都に対しても、これまでの障害者福祉事業の継続を求めるべきと思うがどうか、答弁を求めます。 30人学級の実現を 次に、少人数学級実施について伺います。 少人数学級にいまだ踏み出さない自治体は香川県と東京都のみとなりました。都議会では石原都知事に追従する自民、公明、民主が30人学級実現に反対の態度を示しています。 我が党はこれまで本会議質問や委員会で、世界や全国の実践をもとに、30人学級をはじめとした少人数学級が学習面だけでなく、社会性を養う上でも極めて高い効果をあげていることを明らかにしながら、少人数学級実現を求めてきました。全国の少人数学級の取り組みや運動が反映され、中央教育審議会会長が「30人学級を中心とした手厚い教育が必要」と発言し、文部科学省は習熟度別学習などの推進を目的とした第7次計画を本年度で終了し、教育条件の充実を目的として、段階的に35人学級を実現する第8次教職員定数改善計画を発表しました。国や都の動向を注視するとしてきた区教育委員会は、文部科学省の35人学級実現の計画をどう受け止めたのか、伺います。 我が党は文部科学省からの事務連絡にある「TT、少人数指導の加配定数の弾力的運用」を活用すれば、小学校では1年生から3年生まで、中学校では全学年で35人学級が実現できるとして、今年度予算でも組み替え案を提出しました。この提案を実行すれば、国の実施を待つまでもなく、区として実施できると考えます。答弁を求めます。 都営上沼田アパートの建替えについて 最後に都営上沼田アパートの建替え計画について伺います。 都営上沼田アパートは、建替え対象団地に指定されているため、エレベーター設置や住宅改修がなされないままとなっており、住民は不自由な暮らしを強いられています。計画が遅れている最大の理由は、民有地が含まれている都市計画決定の整理ができていないことにあります。東京都は全体の計画案も示さないまま、200世帯を千住桜木一丁目アパートへ移転をする説明会を行い、住民からは「今後のことがわからず、不安で眠れない」との声があがっています。建替え計画は基礎的自治体である区との協議・合意がなければ進められず、区の責任は重大です。早急に東京都との協議を進め、全体の計画を示す必要があると考え、以下質問します。 建替え計画は団地住民だけの問題ではなく、地域全体に大きな影響を及ぼします。全体のまちづくりを踏まえ、近隣住民も参加できる仕組みをつくることが必要と思うがどうか、伺います。 石原都政になってから、都営住宅の新築は1戸もなく、空き家の募集に入居希望者が殺到しています。建替え戸数は現状戸数1,612戸を確保することが必要と考えるがどうか、伺います。 近くには「江北3丁目第3」としての都営住宅建設予定地があり、東京都との協議事項になっているにもかかわらず、放置されたままになっています。早急に上沼田アパート建替えの仮移転先として建設計画を進めることが必要であると思うがどうか、伺いまして、この場所での質問を終わります。 答弁 ○鈴木恒年区長 さとう純子議員の代表質問のうち、湯河原区民保養所委託事業者選定事務をめぐる事件についての質問に一括してお答えいたします。 区民保養所の事業者選定をめぐる事件につきまして、私は事件の全容が明らかになるよう捜査への積極的かつ全面的な協力と、業務執行のあり方について再点検させるための検討組織の設置を、直ちに命じたものであります。事件における職員の関与につきましても、記者会見における私のコメントは、捜査への協力を前提としたものでありまして、公判が開始され、事件の全容が明らかにされた時点で、厳正に対処すべきものと考えております。また、区民環境委員会での総務部長答弁は、捜査と引き続く公判を踏まえた認識を述べたものでありまして、区の責任を否定するものではありません。 なお、先ほど吉岡茂議員にお答えしたとおり、刑事事件としての性格上、公判の行方を見極める必要がありますが、コンプライアンス推進委員会としての検討と並行して、行政監察の立場から職員の対応についても調査を進めております。 他のご質問につきましては、参与から答弁をいたさせます。 ○石川義夫政策経営部長 私からは、区民生活を守るための自治体の責務及び中期財政計画についてお答えいたします。 まず、区民の暮らしを守ることは、自治体の当然の責務でございます。その責任をどのように果たすかについては、区民の皆さんや議会のご意見をいただきながら策定いたしました基本構想・基本計画にその骨格をお示ししたとおりであります。税制改革や医療保険制度の改革は、国家レベルで検討し、結論を出さなければならない重要課題であります。地方からの声をこうした議論に反映させるべく、区長会、全国市長会など、地方の声を糾合する場がございますので、その中で意見をあげるべきものと考えます。 次に、税制改正が国家レベルで結論を出したとすれば、国民全体の共通ルールとしてその内容を実施することは、これもまた自治体の責務であります。地域特性を踏まえるということも重要な政策選択でありますが、そうであるならば、むしろ足立区の所得構造を変革することに政策の力点を置いて、持続可能な社会を確立すべきであり、多くの区民の皆さんはそうしたことを望んでいると確信しております。 次に、中期財政計画についてお答えいたします。 「社会保障経費への新たな取り組み」につきましては、「将来に対し責任ある行政を展開するには、長期的な視点から拠って立つところを明らかにした上で、当面の財政運営のあり方を示す」ために中期財政計画の計画期間を含めた「今後10年間の対応」としての考え方や方向性を示したものであります。 区有施設の更新問題につきましては、新たな公共施設の配置基準も必要になりますし、扶助費につきましては、平成5年度決算から10年間で228億円増加しております。 計画期間の最終年次である平成24年度には、更に261億円の増加が予測されるなど、人口減少社会の到来を目前に、現行社会保障関連制度を継続した場合、扶助費はますます増大するものと思われます。そうした中で自立支援施策の取り組みを進めていくとともに、保険者の再編統合を働きかけることも必要なことと考えております。 次に、基金残高の目標についてお答えいたします。 平成15年度決算数値から見ますと、歳入に占める借金の比率である負債比率は、足立区の場合0.43となっております。これは23区の平均値0.20に比較して高くなっております。中期財政計画では、平成20年代に16校の学校改築を初め、膨大な施設更新需要に対応するため、当面の負債比率の目標値を23区平均値と設定し、区債残高から考え、平成24年度までの基金残高目標を500億円といたしました。このうち減債基金につきましては、単年度の公債費支出相当額となる150億円を確保したいと考えております。 次に、中期財政計画策定の基本的な考え方でも触れておりますが、1,000兆円近い国・地方の債務残高、三位一体の改革など、地方行財政制度が大きな負荷を受けている中で、区財政の構造改革を進めることは喫緊の課題と認識しております。 一方でますます多様化する行政需要に対応していくためには、施策の効果の検証や優先順位を明確にしつつ、計画的な財政運営が必要です。長期的に安定した財政運営の確保が区民サービスの安定供給につながり、ひいては区民の暮らしの健全化につながるものと考えております。 私からは以上でございます。 ○丸山 亮福祉部長 介護保険制度についてのご質問のうち、まず、新法のもとでの基盤整備や福祉サービスの認識についてお答えいたします。 第1回定例会で「今まで以上に介護の基盤整備や福祉サービスの充実が必要であり、区政にとって極めて重要な課題であるという認識は変わっていない」と答弁いたしましたとおり、認識は変わっておりません。 今後は地域保健福祉推進協議会において、委員の皆様にご議論いただき、また区民の皆様のご意見を参考に、介護の基盤整備や福祉サービスを進めていきたいと考えております。 次に、ホテルコストについてお答えいたします。 施設入所者へのホテルコストの導入について、国は介護保険と年金給付の重複の是正、在宅と施設の利用者負担の公平性を図る観点から導入するとしておりますので、重複性の是正や公平性が図られるものと考えております。 次に、補足的給付についてお答えいたします。 低所得者に対する措置として、国では食費、居住費の負担に、所得に応じた上限額を設けて補足給付を行うこと、また、高額介護サービス費の見直しや旧措置入所者の経過措置の延長等を予定しており、区といたしましても、これらの軽減措置により対応してまいります。 なお、区独自の「補足的給付」は保険料増への要因ともなり、導入は考えておりません。 介護保険外についてのご質問のうち、まずヘルパー派遣についてお答えいたします。 このたびの介護保険法の改正は、予防重視が柱となっております。要介護1と要支援の方に対するサービスの内容といたしましては、生活機能の維持・向上の観点から、既存の訪問介護事業につきまして、介護予防の効果が上がるよう、サービス内容、提供方法、期間等を見直して提供するとしております。 また、介護認定で非該当となった方へは、区では介護保険外サービスとして、ヘルパー派遣を行っておりますが、今年度より本事業に対する補助金が一般財源化され、今後、高齢者の増加が見込まれる中、区の財政負担が増大するなど、大変厳しい状況です。 いずれにいたしましても、介護保険制度改正の具体的な内容につきましては、国会で法案が成立後、政令や省令で定めることとなっておりますので、区といたしましては、国の動向を見守りたいと考えております。 次に、日常生活用具などの負担軽減の復活のご質問についてお答えいたします。 東京都が住宅改修について利用者負担分として1割分を差し引いて補助対象といたしました。また、生活支援ヘルパー派遣事業の補助金や高齢者緊急通報システム設置の補助金も削減されております。 このような補助金をめぐる厳しい状況と、原則1割負担である介護保険制度に合わせ1割負担とし、3%、6%負担を撤廃したことは妥当と考えております。なお、引き続き生活保護世帯や非課税世帯の老齢福祉年金受給者及び介護保険料の所得段階が第2段階B・Cの方は負担なしとするという低所得者に対する負担軽減措置を継続いたします。 次に、高齢者福祉電話についてお答えいたします。 高齢者福祉電話につきましては、今後は、外出が困難で、地域社会との交流が乏しい方に限定して事業を実施していくこととし、対象者要件として新たに要介護3以上であることを加えたところです。 既に電話貸与をしている方につきましては、そのまま継続するという措置を設けた上で、普通に外出可能な方や要介護度の低い方につきましては、本事業が本来、経済的な援助を目的としたものではないことから対象外とさせていただきました。 また、本年度から本事業については、事務経費の一部分のみが都の補助対象となり、ほぼすべての事業費が区の負担となることなどの状況を踏まえると、対象者要件を元に戻すことは困難であると考えております。 次に、シルバーパスの改善についてお答えします。 現在、シルバーパスは、高齢者の社会参加を助長する機会拡大のための外出支援策として、東京都が東京バス協会に委託して行っている事業でございます。 したがいまして、あくまでも東京都が主体的に行っている事業でありまして、ご提案のような改善を求めていくことは考えておりません。 また、日暮里・舎人線におけるシルバーパスの使用につきましては、区民の方々のご要望をお伝えしているところでございます。 次に、公衆浴場の活用についてお答えいたします。 高齢者入浴事業につきましては、公衆浴場を高齢者相互及び地域の人々との交流の機会の場とすることを目的として、月2回実施の「ゆ〜ゆ〜湯入浴事業」と5枚の入浴券の支給を合わせて、年間29回の入浴機会をご提供しております。 「ゆ〜ゆ〜湯入浴事業」については、適正な利用者負担金を求めることが東京都の補助の要件とされております。この補助金は、段階的に削減されてきておりまして、来年度以降、大幅に区の負担が増大する予定です。 また、5枚の入浴券の支給については区の単独事業となっており、高齢者数の増大により、同様に歳出額が伸びてきております。 このような状況の中でも、介護予防事業の拠点として、現在実施している地域ミニデイサービス・公衆浴場型や公衆浴場を活用した健康体操などにつきましては、介護予防事業として重視しておりますので、限られた財源の中でさまざまな工夫をし、改善していきたいと考えております。 障害者自立支援法案についてのご質問のうち、まず、定率負担の導入についてお答えいたします。 法案の重要な柱である定率負担の導入につきまして、国は「サービス量と所得に着目した負担」を求めるものとしておりますが、その詳細はまだ示されておりません。現在、国会で審議中であり、今後の国の動向を見て適切に対応してまいります。 次に、国及び都に対する要望についてお答えいたします。 藤崎貞雄議員のご質問にお答えしましたとおり、特別区障害福祉課長会は、厚生労働省に対して、「きめ細やかな軽減措置や経過措置を設けること」、「費用負担者は、世帯構成員に及ぶことのないよう」等について要望しております。 また、東京都に対しても、都単独事業の継続などを含め、都の福祉サービスの水準を落とさないよう求めているところでございます。 ○神谷達夫衛生部長 私からは新田地区の公衆浴場についてお答えいたします。 平成16年5月に新田地域にあった公衆浴場が廃業しております。区といたしましては、公衆浴場の経営安定のために設備助成や施設改善利子補給等を実施しておりましたが、施設の老朽化等により、やむを得ず廃業になったと聞いております 今後につきましては、公衆浴場業協同組合足立支部を通して、新たな事業者による開業を働きかけていきます。 ○佃 朝明都市整備部長 都営上沼田アパートの建替え計画についてお答えいたします。 当団地の建替えにあたりましては、都市計画として、地区計画を決定することが必須となりますので、都と協力の上、説明会の開催等により、近隣の方々の意向の把握に努めてまいりたいと考えております。 次に、建替え戸数につきましては、都としては、現居住者の居住の安定を確保するとともに、都営住宅の総戸数の抑制を図りながら建替えを進める考えと伺っております。 区といたしましては、23区内での都営住宅の偏在解消の視点から、区内の都営住宅の再整備を進める中で、当団地での必要戸数について都と十分協議してまいりたいと考えております。 また、江北3丁目第3団地につきましては、都として早急に建替えたい意向と伺っておりますが、現在、具体的な協議は行われておりません。 ○内藤博道教育長 少人数学級についてお答えいたします。 中央教育審議会の義務教育特別部会では、少人数学級を導入する考えで大筋一致したと聞いております。しかし、導入の方法、効果などについてはさまざまな考え方が示されており、文部科学省が有識者を交えた専門的な見地から検討を行っていると伺っております。 教育委員会といたしましては、引き続き国や都の動向を注視しながら、総合的な観点から検討してまいります。 次に、教育委員会では、教育に関する全体の施策を勘案して予算編成をしております。このような中で、これまで少人数指導により一定の成果を上げているところであり、当面、国・都の加配に加えて、区独自のステップアップ講師を各校に配置し、少人数指導により充実を図ってまいります。 再質問 ○さとう純子議員 何点か再質問をさせていただきます。 先ず第1にあっせん収賄事件、この事件については、先ほども申しましたけれども、区の職員が関与しなければ起き得ない事件というふうに考えるのです。私が質問しましたのは、総務部長が発言した言葉をもう一度言いますが、「職員は1人も起訴されていないし、誰がどういうあっせんを受けたのか聞いていない」、このように言っているのです。区長の答弁は、これを認めるかのような発言に聞こえたのですけれども、区長は4月25日の時点で、「速やかに調査して皆さんに知らせる、真相解明について、調査を速やかに報告させて事実を明らかにする」とおっしゃっていたにもかかわらず、5月19日の区民環境委員会で、全く聞いていないからわかりませんということを、同じ考えだということに私には聞こえたのですけれども、もう一度答弁をお願いいたします。 次に、福祉施策、いわゆる今の税制改革の中で、区民に及ぼす影響を何らかの支援策を講ずれば多くの区民が救えるというふうに私は考えて質問したのです。答弁が大変すれ違っておりまして、大変あいまいな答弁だと私は受けました。具体的に何らかの策を講じる考えはないかということは、例えば課税対象でないときには受けられたサービス、いろいろな施策を、課税になった、1円でも税金を払うようになったら、すべてが負担がかかる。この施策を何らかの工夫をすれば救えるじゃないかという考えなのです。その辺では具体的にどういうふうに考えているのか、また、考えがないのであればないというふうにおっしゃるしかないと思うのですけれども、その辺をきちんと答弁をしていただきたいというふうに思いました。 次に、障害者自立支援法についてなのですけれども、確かに今まだ国会に上程されたばかりです。しかし、医療の関係については、今年の10月から実施と言っているわけです。国の動向を見ているという答弁でしたけれども、私はこの法案に対する区としての基本的な認識はどうなのかというふうに伺いました。ですから、このことについて基本的な区としての認識を答えてください。 最後ですけれども、30人学級。国がこれまで動きを示しているにもかかわらず、区としての考えが持てなくて、これもまた国の動向を見ていくというような答弁でしたけれども、文部科学省がこのように動き出したにもかかわらず、第8次の計画というのは、来年度から始まるわけです。第7次は習熟度別授業ということもありましたけれども、環境の整備を目的としてやるわけですから、その辺について国の動向はずいぶん変わっているということですので、その辺でもう一度答弁をお願いいたします。 再答弁 ○鈴木恒年区長 私は、事件が発覚したときに、まず、それをはっきりさせなければいけないだろうという考え方から捜査には全面的に協力しましょう、協力しなさい、ということを職員に指示をいたしました。そして、法に触れる部分と言いますか、犯罪の部分につきましては、司法に委ねる以外にはないわけであります。そしてこういうのは今回、初めての経験でありますから、書類等がみんな押収されてしまっているのです。ですから、そういう関係もあります。ただ、私が申し上げたいのは、そのほかに職員が関わっている、これは当然です。関わらなければできるわけないのですから。その職員の関わり方に問題があったかどうかについては、今、監察を通じて調査している。ですから、総務部長が言っているとか何とか、そういうことではなくて、ちゃんとやっていますよというご答弁を申し上げたということであります。 ○石川義夫政策経営部長 さとう議員の、区独自の負担軽減策を講ずればということでございますが、そういう地域特性を踏まえるということも重要な政策選択ではありますけれども、そうであるなら、むしろ足立区の所得構造を変革することに政策の力点を置いて、持続可能な社会を確立すべきであり、多くの区民の皆さんはそうしたことを望んでいることを確信していると申し上げましたので、何らかの策を講じる考えは今のところないということでございます。 ○丸山 亮福祉部長 障害者自立支援法案に対する基本的な認識についてでございますが、先ほど私は、「現在、国会で審議中であり、今後の国の動向を見て適切に対応してまいります」と答えましたので、国の動向を見ていくのが区の認識ではなく、適切に対応していくというのが区の認識でございます。 ○内藤博道教育長 35人学級の導入にあたりましては、小学校1年生を中心にという論議が今されているというふうに伺っております。そしてまた、導入にあたっては、地方自治体の裁量権を最大限に尊重する、そういう方法で導入ということも論議をされているというふうに伺っております。いずれにしても、いろいろな論点でまだ議論がされている最中でございますので、そういった意味でしっかりと注視をしていきたいということでございます。 |
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