3、決算特別委員会の質問等
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第一日目(10月3日)午前 ぬかが和子議員 区民施策の切り下げどころか充実もできたではないか ○委員長 次に、共産党から質疑があります。 ぬかが委員。 ○ぬかが委員 2004年度決算審議ですが、予算ではこういうふうにお金を使いたいという区長の姿勢があらわれたものだと思うのですが、それが実際にどう使われたかの結果である決算を今回検証するわけですが、やはり、この決算審議の内容を今後に生かしていただきたい。 区民の生活が悪化した一年 ―背景に政治的要因も― 決算では、区民税の税収が338億6,400万円ということで、前年度比2.7%マイナスですけれども、その要因をどのように考えますか。 ○区民部参事 長引く景気低迷で、特に足立区は都心区と比べてその回復の足並みが遅いということで、前年度と比べて納税義務者も減っている、また、一人当たりの所得も減っている、そういう結果があらわれているということです。 ○ぬかが委員 いまの景気の回復のおくれや、本人の収入の問題、まさに区民税収の減というところに区民の生活の実態があらわれているのと思います。 昨年は、配偶者の特別控除が廃止され、また、公的年金特別控除の縮小、老年者控除の縮小も行われました。 そういう中で、ことしになって、私たち、無差別で各戸に区民アンケートを配布いたしまして、いまの暮らしのことやいろいろなことを自由に書いてくださいという欄を最後につくったのです。そうしましたら、たくさんの意見が書き込まれてきていますので、ごく一部だけですがご紹介させていただきたいと思います。 59歳の女性の方からは、「配偶者特別控除の廃止により年末調整での戻り額が3万円ぐらい減りました。また、ことし定年を迎えるのですが、年金はどうなるのか、退職金はどうなるのか、不安は尽きません。消費税の増税や介護保険料のアップ等々がまたまた上らぬようにしてほしい。」 それから、45歳の女性の方なのですけれども、「2月1日よりいまの会社に落ちつくまで失業中だった。初めの3カ月はパート扱いで給料も時給扱い、いきなり税金の支払い請求など来て困ってしまった。年老いた私の父や主人の両親に迷惑をかけることとなった。うちの場合、借金も返済中、来年の秋にはやっと終わる。なので余計に大変だった。少しは生活の足しにと、知り合いのところで、奥さんの方ですが、アルバイトをさせてもらっているが、私の医者代にもならない。」 こういうような区民生活の深刻な実態がいまの税収減のところにあらわれていると思うのです。 そこでお伺いしますが、やはり、いまいる区民の暮らしを支えて支援をしていくこと、これが地方自治法で住民福祉の向上に寄与するというふうに定められている区政の役割だと思うのです。そのために、福祉施策やそれからいまいる区民の税収を上げるための産業雇用の施策が必要なのだと思いますが、どうでしょうか。 ○政策課長 おっしゃるとおり、区民の福祉向上を行うことが我々行政の役目であります。 ○ぬかが委員 本当に、そういう分野を重視してやっていっていただきたいというふうに思っております。 そういう中で、また生活保護費がふえているということで、決算説明のときにも、10年間で保護費が2倍になったということで説明をしておりましたので、私の方は、特別区の統計を見ながら平成5年度から23区と足立区とずっと一覧にしてみたのです、生活保護費を。そうしたら、驚きました。特別区の統計で言うと、この23区全体でも保護人員が2倍弱にふえている。足立区ももちろん2倍弱にふえている。それから、保護費の方は、やはり23区全体で2倍強、平成5年のとき1,163億だったものが平成15年には2,477億と、23区全体で2倍強にふえていて、足立でも132億から15年度は200億台ということで2倍強にふえてきている、全体としてふえているのです。 この要因というのはどういうところにあると考えていますか。 ○中部福祉事務所長 受給者増の最大の理由は、景気の長期低迷であるというふうに考えております。 特に足立区におきましては、景気の影響を受けやすい産業基盤、あるいは雇用状況、こういった状況によりましてふえていると同時に、足立区に集中しております都営住宅、この都営住宅に住まれている方につきましては、景気の動向に左右されやすい境界層が多いというふうに認識しております。 ○ ぬかが委員 やはり景気の影響だと思うのですが、この足立だけに限らず、やはり23区全体で、同じような、若干の差はあってもふえているというところを見ますと、もう私はこれは個々の問題だけないというふうに思うのです。 生活保護世帯が増えているのは足立だけでない、23区共通の課題 ○ぬかが委員 そこで、足立では、この10年前と比べて、高齢者世帯とか障害者世帯とか母子世帯、こういう世帯数で見るとどのくらいふえているのでしょうか。 ○中部福祉事務所長 現在、平成7年と比較しまして、世帯累計で見ますと、傷病世帯や高齢者世帯は引き続き同じレベルでございますが、ここにきてふえておりますのが、母子世帯、また、その他世帯と申していますが、実質的には、いわゆるDVあるいは犯罪等による拘留、こういった方の世帯、つまり困難ケースがふえている傾向にございます。 ○ぬかが委員 DV世帯や母子世帯がふえているというのも本当によくわかるのですけれども、では、高齢者世帯はふえていませんか。どのくらいふえていますか。 ○中部福祉事務所長 高齢者世帯の状況でございますが、平成7年は2,600世帯でございました。平成17年におきましては4,500世帯になっております。 ○ぬかが委員 1,900世帯以上、高齢者の分野でもふえているという実態がある、高齢者世帯は、当然、稼働年齢層ではない部分なのです。そうしますと、やはり、景気のことだけではない、社会的な要因が大きいと思います。 例えば1980年代は、いまよりははるかに社会保障がよかった、そういう時代だったわけですけれども、そのとき、調べてみましたら、年金でいうと86年では満額で5万1,000円、いまより少し少ないぐらいの年金額なのですけれども、そういう年金額でも、小さくても自分の家があって、それで貯金があれば、利息も高かったですからその利息で生活もできた。いざというときには、社会保障の分野はある程度しっかりしていましたから、医療費は高齢者は入院も含めて無料だったと。それから、年金は最低でも60歳から支給だと。それから、介護費用ですけれども、これは非課税者はすべて無料でした。それから、寝たきり手当といわれる高齢者福祉手当、こういうものも支給をされておりました。そういう点では、国民年金だけでも夫婦でも生活ができたのです。 ところが、いまはこういった制度がことごとくなくなっている。だから、一番最後のセーフティネットに頼らざるを得ないような状況があると思います。 これも区民アンケートでこういう声があったのでご紹介したいのですが、これは65歳の女性なのですが、「現在、アルバイトで働いていますが収入も少なく、その少ない分を年金でと思い60歳で年金をもらうことにしたのですが、それでも生活が苦しいのです。主人を亡くし主人の年金もなく年々年金も削られる状態だと、それに介護保険も負担、家賃も出さないとだめでは、年々年をとっていくものとしては先が思いやられます。少しでも負担金が少なくなることを祈っています。国民年金は月にすると4万にもならないのですよ」という女性の方の声です。私たちが受ける相談でも、こうやって細々と生活をしていた方が何かあったとき、入院のときとかそういうときに、生活保護を受けざるを得ない、そういう状況に追い込まれて相談に見える方が多いのです。もちろん、生活保護そのものは憲法25条の生存権で保障されているものですから、これは、当然、受けてしかるべき、本当に状況に合っている人は受けてしかるべきだけれども、やはり、区民のいまの生活を支える、そういう立場で区政運営をしていくことが本当に求められているというふうに思います。 生活保護については改めてお伺いしたいのですが、憲法25条の生存権で保障されているともに、どこに住むか、居住の権利、これも憲法の基本的人権に保障されてあるものですから、本人が希望している場合に足立区に来るのを拒むということはあってはいけないことだと思いますが、どうでしょうか。 ○中部福祉事務所長 本人が希望した場合、足立区に来ることを希望した場合、拒否するということはございません。当然、その権利は保障されているというふうに考えております。 ○ぬかが委員 本当に、そういうところはしっかりとやっていただきたいというふうに思っています。やはり、都営住宅を減らして出ていってもらう発想というのは私は行政がすべきことではないというふうに思います。 足立区が物価が安くて住みやすい、収入が多くなくても、昔からの下町で人情味がある、助け合って生活していけるというのが足立のよさなわけです。そういうよさを生かして足立の将来像を描いていく、ここは区も恐らく考え方は一致しているのではないかというふうに思っています。 〈自公民区政〉追い討ちをかけるように区民施策を削減 ○ぬかが委員 その上で、区民の生活を支えるという視点から昨年度の決算を見ていきたい、区民が元気に生き生きと過ごしていくという視点から見ていきたいと思うのです。2004年度のこの決算の中であらわれているものとしては、例えば生きがい奨励金は4,000円に削りました。 それから、高齢者の住宅改修、年度途中でしたけれども、介護保険のときに、拡充といいますか制度を見直したときに、導入したときに、転倒防止策で介護予防施策として重視するのだと当時の担当部長が私にこの場で誇らしげに語っていたのです。それを去年は年度途中で改悪をしまして、浴槽の改修費は助成をしてもふろがまをつける費用は出さないと、こういう制度になりました。 それから、障害者の日曜教室を削りました。知的障害を持ちながら働く青年の卒後対策として、障害者をひとりぼっちにしない、日常生活を少しでも豊かなものにするために、月に一遍、電話のかけ方、食事のマナー、宿泊教室、こういったものをやっていたのですが、これは総予算170万円なのです。わずか170万円なのですけれども、これも減らしました。 それから、塩原の林間学園の閉鎖、廃止、これでは子どもたちの体験学習の場を奪いましたし、また、唯一の芝のグラウンドがある施設で、夏にはスポーツ合宿にたくさん活用されていました。そういう利用できる貴重な区民の場がなくなりましたが、1年たってみますと、結局、入札でも応募がなくて区民の財産が宙に浮いている状態です。 それから、社会教育の登録団体、これは、まさに生き生きと元気に学習するために施設使用料の減免制度がありましたが、この年に減額制度が完全になくなりまして、10月から完全有料化によって使用料が2倍に上がりました。登録団体も大きく減ったことも明らかになりました。この社会教育団体の有料化によって、今度、いまは地域学習センターが有料だからという理由で住区センターまで有料にしようという議論もされているという始末です。 これら一つ一つが、区民が生き生きと元気に暮らしていくために私たちとしては意味がある必要な施策だったと思うのです。一つ一つについていま質問はしませんが、区長に伺いますが、こういった施策を削らなければならなかったのでしょうか。 ○区長 そのときどきによりまして施策は見直すべきものは見直さなければならないというのが私どもの立場だと、こういうふうに考えております。 ○ぬかが委員 やはり、いま申し上げた事業は、本当に今後の足立を考えると、いい方に見直すのならいいのですけれども、削るべきではない施策だったとに思うのです。 それから、昨年度は包括予算制度の完全実施の年です。各部が経常経費について配分枠の中でやりくりをすると。つまり、経常経費を抑えれば財源が浮くという関係にありまして、例えば福祉部関係の高齢者施策というのは施策項目がたくさんあります。これがもし利用が少ない方がいいなんていう発想に立つと、それでお金が浮くという、そういう変な話になってしまうわけです。そういう発想というのは当然あってはいけないことだと思うのですが、念のため伺います。 ○ 高齢サービス課長 委員ご指摘のような視点には立っておりません。 緊急通報システム支給要件緩和 検討を約束 ○ぬかが委員 そういう中で、以前から、私、実は、介護保険外の高齢者施策は、利用者が少ないのではないか、周知が足りないのではないか、要件が厳し過ぎるのではないかということで、ずっと指摘もしてきました。その中で、昨年の予算の目玉としては、六つの柱の一つの高齢者施策では、特養ホームとそれからこの安心ネットワーク事業の一環としてということでのやすらぎ支援員の派遣とそれからもう一つは高齢者緊急通報システムに加えて火災安全システムを導入すると、つまり、やすらぎ支援員と火災安全システム、この二つが区長あいさつで述べられたものなのです。やすらぎ支援員の実績は12世帯派遣です。、この決算額とそれから火災安全システムは何件あったのか、お伺いします。 ○高齢サービス課長 やすらぎ支援員そのものに対するいわゆる報酬としては、22万円ということです。 それから、火災安全システムに関しましては、16年度に契約したのが5件という状況でございます。 ○ぬかが委員 区長あいさつで、高齢者施策の目玉、特養ともう一つの在宅の柱として 予算化したものなのです。これは、ぜひ、もっとPRもするとともに、いろいろと支給要件に厳しい点もあるいうことで、1年間実施してみたわけですから、検証もしながら、ぜひ拡充をしていただきたいと思っておりますが、どうでしょうか。 ○高齢サービス課長 火災安全システムに関しましては、その対象者の要件として木造構造の建物に居住する方というのがあるので、なかなか、先ほどからお話がある都住の方とかというのは申請しにくいという状況にあるかと思います。 この部分に関しましては、現在、木造構造の建物に限定する状況でございます。ただ、緊急通報システムの方の条件につきましては、いま、緩和する検討をしている状況でございます。 ○ ぬかが委員 では、ぜひよろしくお願いします。 区民のために使う財源はある ○ぬかが委員 次の質問に入りますが、財源問題についてお伺いします。 最終補正から出納閉鎖までに毎年剰余金が生じるわけで、予算審議のときに大体30億円から50億円ぐらい毎年あるのではないかとお伺いしましたら、財政課長はそのとおりだと答えた、2004年度は52億円、これはその年の予算上には全く出てこない財源で、決算になってあらわれる財源だと思うのですが、この52億円のお金の流れはどうなっていますでしょうか。 ○財政課長 52億の決算剰余金でございますが、条例に基づきまして約半分の27億は減債基金へ即座に積まさせていただいてございます。 残りの25億のうちの10億は、17億の当初予算で収入として当て込みをさせていただきました。 残りのうちのまた5億は、先般、平成17年度第一次補正のご決定をいただきましたので、それで使わせていただいた。 残り、ざっくりでございますが約10億というところでございます。 ○ぬかが委員 まだ10億あるという。区民に対して区長あいさつでは財政状況が厳しいということで強調もされていたのですが、実際には、この最終補正から出納閉鎖までに生じた剰余金というのは52億円あったと、いままだ10億円あると。 それから、これとダブっているところもありますが、余ったお金などを積み立てる減債基金、これも78億円の積み増しで16年度末で170億円になっているという点でいきますと、我が党が指摘したとおり、年度当初も年度途中でも区民のために使えるお金はあったのではないでしょうか。 ○財政課長 ご指摘の減債基金でございますが、先ほどちょっと触れさせていただきましたように、当区の場合、ストック関連の財政状況というのは余りよくないという認識がございます。特に学校を初めとする施設更新につきましては、ざっくりではございますが、再構築費の約4割弱しか実はストックがないという状況がございます。 また、いまご指摘の減債基金にも同様でございまして、約1,200億の借金がございますので、そうしたことを踏まえますと、また今後の行政需要を踏まえますと、やはり、財源的にはなかなか厳しいものが続いていると、このような認識でございます。 今いる区民を幸せにできないで、将来の区民を幸せにできるのか ○ぬかが委員 恐らくそういう答えだろうなと私はもう予想していたのです。都市更新、起債の返還など将来の財政需要と。だけれども、起債の返還でも、一括返還しなければいけない時期だというときに、結局、借りかえで対応するとかというのができたりとか、毎年公債費は組んでいるわけですか。私が申し上げたいのは、やはり、いまいる区民を幸せにするという視点がなくて将来の区民は幸せにできないと本当に思うのです。 あともう一つ、特別区交付金の考え方についてお伺いします。決算説明でも最高額になったということで言っているのですけれども、この都区財調による特別区交付金基準財政需要額と収入額の差額分を受け取るというのは当然のことだと思うのです。首都を東京に置いたときから、都心部には主要官庁や企業の本拠地が集中し、周辺区部には公団住宅や都営住宅などを集中して建設した、こういう都市の成り立ちなどから、23区では都心部と周辺区部で求められてきた役割に違いがあり、財政構造に違いがあるのは当然のこと。だから、全国で唯一特別区という行政制度になっていて、その中で生活する区民に等しく行政水準を提供すること、ナショナルミニマムを確保するということは当然のことではないかと思いますが、どうでしょうか。 ○財政課長 そのように考えてございます。 ○ぬかが委員 何でこの話を申し上げたかというと、特別区交付金が多いから依存体質だというような発想に立っていきますと、この後、例えば都区制度改革では23区といま東京都の調整でやっていますけれども、これが一定の決着がつきますと水平間で調整をどうするかという議論になっていくわけです。そういう中で、やはり、こういう成り立ちが違うから当然だという、そういう強い気持ちで区も臨んでいくことが本当に必要だというふうに思いましたので、改めて確認をしました。 それから、特別区交付金が922億円余となったと、過去最高の額になった要因をどう考えていますか。 ○財政課長 2点ほどあると考えてございます。 一つは、市町村民税法人分がかなり当初の予想を大幅に上回って増加した。ちなみに、当初算定後約600億近い増収があったということでございます。 もう1点は、委員ご案内のとおり、三位一体の改革に伴います公立保育園の国庫負担分、この特財が消えてございまして、そういった意味では基準財政需要額を押し上げたというところでございます。 なお、三位一体の関連で申し上げますと、実は、所得譲与税が詳細算定が間に合わなかったという事由で収入認定されていなかったということで922億という数字が出たものと理解してございます。 三位一体の改革の影響は大きい ○ぬかが委員 法人三税の好調という点では、去年と同様です。もう一つ、三位一体の改革の影響という点も私は重視する必要があると思っているのです。 ある意味、公立保育所負担金の一般財源化というのは、23区で見れば金額の大小はあるけれども、総体的に足立区だけでなく特定財源が減って、それから一般財源である特別交付金がふえていると、そういう傾向にあるということだと思いますが、どうでしょうか。 ○財政課長 ご指摘のとおりでございます。 ○ぬかが委員 そうしますと、これは23区全体に共通の傾向がある。今後も一般財源化の可能性がある分野というのがあると思うのですが、いま、どういうことが議論に上がっていますか。 ○財政課長 今年度分につきましては、国保の国庫負担分の扱いがまだ決着をしていませんが、これはもう税源移譲の対象になってございます。 なお、細かい補助金等々については、いろいろ、いま議論をしてございますが、私ども、一番気にしていますのは、生活保護費の国庫負担、それから児童扶養手当の国庫負担、これまでも暫定措置等々で国庫負担割合の変動が何回か起こってございますので、そういった意味では、今後、最も注意しなければならない補助金であろうというふうに考えてございます。 ○ぬかが委員 生活保護費については、それこそ地方六団体との激しいやりとりの中で、当面、先送りにしたという話も聞いています。それから、義務教育費の国庫負担金の見直し、これは本当に私は国はひどいなと思っているのです。 三位一体の改革で地方六団体というのは全国の自治体の長とそれから議長会で構成しているわけですけれども、この地方六団体がずっと、やはり、本当の三位一体の改革をやってほしい、確実な税源移譲をやってほしい、それから、財政調整機能はちゃんと守ってほしい、こういうことを言い続けていたのです。 昨年、国は、地方六団体に「3兆円の補助金改革案というのを逆に出して見ろ」と出させた。その中では、全体として、税源移譲とか財政調整機能を確保する、こういうことがあって、その上で六団体は国庫補助の削減を含めた計画を出しているわけです。ところが、実際には、税源移譲は議論はされているけれどもまだ決定はしていない。一方で、国庫補助の削減はどんどん話が出てくるということで、これでは本当の意味の三位一体の改革にはならない。税源はおりてこないで、そして削減だけがされていくという、こうなると、しわ寄せを区財政も受けるけれども区民も受けることになるので、本当に今後も頑張っていただきたいというふうに思います。 お金はあっても貯金・(株)コミュニティアーツへの不透明な流れ お金の使い方を改めるべき 最後になりますけれども、いままでずっと申し上げてきた中で、区民の生活はなかなか大変、そういう中で、区民生活を支えることが本当に必要で、だけれども、私たちからすると、そういう必要なところまで区は切ってきたと。だけれども、財源がなかったのかといえば、財源がないわけでは決してなかったと思うのです。 一方のお金の使い方の問題として、シアター1010を運営する株式会社コミュニティ・アーツへの開館記念事業、管理運営費用と合わせて9億7,500万円もつぎ込む不透明なお金の流れについて、ちょうどこの予算審議のときに、私が株式会社でやる意味はないのではないのと聞いたら、株式会社だから効率的な運営ができるのだということをさんざん言われました。だけれども、1年たってみましたら私が指摘した以上の実態になっていて、本来、区に精算金として返還すべき入場料収入2億2,500万円のうち1億4,700万円もあげてしまうということで……。 ○委員長 時間が参りました。 ○ぬかが委員 また、明日やっていきたいと思いますけれども、本当にお金の使い方を改めていただきたいと思います。 以上です。 |
第一日目10月3日(午後) 三好すみお議員 子育て支援策の充実を提案 ○委員長 次に、共産党から質疑があります。 三好委員。 ○三好委員 皆さん、こんにちは。三好です、よろしくお願いいたします。 私は、子育て支援の問題について質問をいたします。 我が党は、毎年、区民アンケートを実施しております。区民の要望を聞いた上で、それをなるべく区政に反映させる、そういう努力をしてきております。ことし行ったアンケートには912通の返答がありました。子どもの施策にかかわってすぐに実現してほしい、この問題の第一位は小児救急医療の問題でした。続いて、医療費無料化の延長、学校の防犯対策、保育料の減額、保育園増設、学童保育室の増設、内容の充実、スポーツ施設の充実、学校の改修、学校図書館の充実などの順になっています。 ところで、先月、9月24日に東京新聞でこういう記事が載りました。子育て環境後進国、先進国中、日本が最下位、こういう記事だったのですけれども、これを読まれた方いらっしゃいますか。(手を上げる者なし) ちょっと紹介しておきたいと思うのですけれども、これは政府の男女共同参画会議の報告書に触れられている内容です。OECD加盟国のうち、1人当たりの国内総生産が1万ドル以上の24カ国の女性の就業と出生率の関係を調べた。見出しではこう書いてあります。女性の社会進出は出生率の低下を招くという考え方が根強いが、日本は女性の就業は進まず少子化だけが急激に進んでいることがわかる。つまり、欧米では働く女性がふえても出生率が上がっているのに日本は逆だということです。その違いは何かというと、日本の社会的基盤整備が欧米に比べておくれている、こういう指摘です。 男女共同参画会議の会長であります佐藤博樹東京大学教授は、この報告について、支援策を総合的に進める必要性を示しているが、まず、子育てしながら働きやすい環境が必要で、女性も男性も子育て中に限らず、短時間労働ができるなど、生活と仕事を両立させる仕組みが必要、このようにコメントしています。 労働問題や家族の支援、子育て環境の基盤整備など、幅広い問題を含んでおりますけれども、私は、地方自治体が努力すればできる、ぜひやっていただきたい、こういう思いを込めて子育て問題について質問をしたいと思うのです。 小児救急医療体制の一日も早い実現を図るために区の援助を まず、小児救急医療について伺います。 小児救急医療については、平成16年4月より副参事の所管にて専門的に検討する、このようになっていますけれども、その後の進捗状況はどうなっておりますか。 ○衛生部副参事 私の方で、平成14年度の4月、1年半前ですけれども、この課題につきまして、主に足立区の医師会と協議させていただいております。実現に向けて協議を引き続き続けておるところでございますけれども、医師会の先生方の中に、実際、動けるというようなところで10名前後の方しかいらっしゃらないということで、そのところをどうにかクリアしていこうということで、いま現在、協議しているところでございます。 ○三好委員 西新井のB街区ですか、あちらに総合病院の要請がありましたよね。その方はどうでしょうか。 ○都市整備部長 B街区につきましては、都市再生機構で公募を終わりました。一応、3件の申し込みがあったそうで、現在、審査中でございます。最終的には10月の下旬に入札をして決定するというふうに伺っております。 ○三好委員 そうしますと、そこでも、小児科の夜間診療、これが実現するということでよろしいですか。 ○衛生部副参事 先ほど申し上げましたように、足立区医師会だけの力ですと、どうしてもマンパワーというようなところで限界がありまして、いま現在、西新井B街区というところで総合的な医療施設ということで要望しておりまして、そこでそういった機関を利用しまして、小児の平日夜間、少なくとも10時ぐらいまでは診療していただけるようにということで条件につけさせていただいております。そういったところで手を挙げていただいた医療機関が3機関あるということですので、決まり次第、そういった医療機関とあと医師会と私たちとで協議をしてまいりたいというふうに思っております。 ○三好委員 そうしますと、足立の日光街道で分けた西の地域には、博慈会、そして、いまの西新井でも見通しが立つだろうと。それから、苑田第三病院でもやるのではないかという話も聞いているのですけれども、ただ、東の方がないわけで、この医師会を通じた医師会館での実現というのが求められているというふうに思うのです。 小児科医のなり手がないという中で、医師会も頑張っていらっしゃいますけれども、いまこそ、区として独自に小児科医を確保するぐらいの覚悟が必要なのではないか。区の責任で医者を確保する、あるいは医師会が採用する医者に対して区が支援をする、こういった努力が必要なのではないかというふうに思いますが、そういう点ではいかがでしょうか。 ○衛生部副参事 足立区の東部におけます小児夜間診療といったことでの前半のお尋ねでございますけれども、足立区と葛飾区の境に東部地域病院、ここで小児の二次救急を24時間体制で診療を行っているということがございます。 それから、慈恵医大の青戸病院が同じく葛飾区でございますけれども、そちらでもやっているという事実がございます。 それから、区で独自にお医者さんを、中でも小児科医の先生のことかなというふうに思いますけれども、これはなかなか非常に厳しい問題がありまして、あと都の方の中に、小児科に限らず内科医の先生が小児科の研修を受ければ小児夜間を充実してもいい、そういった補助要綱の規定がございまして、そういったものでなるべく、本人をそっちのけということでは決してありませんけれども、そういった制度があるというようなことは、常時、医師会さんの方へ伝えて協力を願っているところでございます。 ○ 三好委員 ほかの区では、市の病院だとか、あるいは区の保健所などの中にドクターがいて、そういう形の中で小児救急を充実しているという話も聞いておりますので、いま、これだけ医師会との話し合いも進めながら、なかなか前進をしない、困難を抱えているという状況ですので、やはり区が率先してこの医師会を支援する、小児救急医療を充実していくという立場で一層支援を強めていただきたいというふうに思います。 学童保育の待機児解消を 次に、学童保育の問題についてです。 待機児問題なのですけれども、先日の大島議員の代表質問の答弁で、基本計画の中間目標の3.7%を達成するために待機児解消に努める必要がある、このように答弁しています。 しかし、この3年間で待機児数は、172人、168人、そして、ことしは180人とふえてしまっておりますけれども、具体的にこの待機児をどのように解決しようとされておりますか。 ○住区推進課長 委員ご指摘の基本計画の待機児数の目標が3.7、中期の目標でございますけれども、この目標に向かいまして、現状では民設の導入ということで対応を考えていきたいというふうに考えてございます。 ○三好委員 民設で対応していくということなのですけれども、そもそも区長は、選挙の公約の中で、待機児ゼロを目指すというふうに言っていたわけです。 ことしの予算の中に、この待機児の解消予算が含まれていないというふうに伺っているのですが、これはどういうわけですか。 ○住区推進課長 待機児の解消につきましては、平成12年から17年までの間に約800名の定員増を図りました。初期の目標ですと対象学齢児の20%を定員率ということで目標を掲げておりまして、今年度その目標を達成したということで、投資的な経費の部分につきましては予算計上をしなかったということでございます。 ○三好委員 定員率が20%という一つの目標を達成したという話なのですけれども、実際には、ことし180人の待機児がいるということであります。 待機児にとっては、入れるか入れないかという、ゼロか100かという問題でありまして、とりわけことしの状況を見ますと、待機児が多くなっている千住、舎人、あるいは鹿浜、加賀、こういった地域は早急に対応が必要だろうと。民間に任せるということだけではなくて、区としての対応が求められていると思うのですけれども、どうでしょうか。 ○住区推進課長 委員ご指摘のいま申し上げた三つの地区につきましては、新線の開通とかの要因で待機児がかなり多目に出てきているということでございます。 ただ、待機児が多いといいましても10名をちょっと超えるぐらいということで、通常の例えば40定、30定への開設ということではなくて、小規模の運営の中でそういった民設の部分も含めて検討してまいりたいというふうに思っております。 ○ 三好委員 いまも言いましたけれども、待機児その本人にとっては入れるか入れないかというそういう問題だということで、10人という全体的に見ると数が少ないという、そういう問題ではないので、やはり区としても努力をしていただきたいというふうに思います。 直営のノウハウ活用し、専門性を確保 それから、足立区の学童保育室ですけれども、これは、区の直営が12カ所、それから、住区センターで運営しているものが66カ所、法人の運営が3カ所、それから、商店街など民営で行っているものが6カ所ということで、全部で87カ所の保育室があるわけですね。そして、直営で行っている先駆的な経験、あるいは実践、これを住区センターに普及をして、住区センターにおける児童館運営を一層充実していく、その役割を直営児童館や巡回指導員が担っている、こういうふうに位置づけがされていると思うのです。 先ほどのしのはら委員の質問の中にもありましたけれども、地域の人たちが職員を望んでいるというのは、17年間そういう関係があって非常に必要なのだという話もあって、これもやはりその職員と地域の皆さんのそういった形での協働というのが、いままでもあったし、これからも必要だということをあらわしているのではないかというふうに思うのですけれども、住区センターには児童館もあり老人館もあり、そして、地域住民の憩いの場でもあるわけですね。まさに地域のセンターとして地域全体の子どもを見ていく、そういう役割を担っているというふうに思うのです。 児童館では、最近、ADHDや自閉症など、いわゆる特別発達支援の必要な子どもがふえている。その対策も迫られています。最近、うつ病やDV、それから子どもへの虐待、学校では発見できないようなものも保育を通じて発見できるという、こういう部分もあって、そういう親の問題にも対応しなければならないということがあります。子育て支援のかなめとしての専門指導員、巡回指導員の役割がますます求められていると思うのです。 そこで質問なのですけれども、17年度の行政評価を見ますと、子育て支援の取り組みを推進強化していくためには、直営児童館における専門性の機能確保と拡充が不可欠である、このように分析されています。今後、どのように専門性の機能確保と拡充を図っていこうとしているのか、お聞かせください。 ○住区推進課長 委員がご指摘の専門性の確保という意味では、住区センターの児童館、老人館、こういった児童厚生施設については専門指導員を配置しなければいけないということを、私ども、直近の職員が巡回しているということで担保してございます。こういった意味も含めて、直営の部分での職員のノウハウの蓄積なりもしくは先駆的事業を行う過程でのそういったノウハウを住区センターの方に伝えて、より拡充していきたいというふうに思ってございます。 ○三好委員 それは、巡回指導員、あるいは直営館を担っている専門指導員を子育て支援の仕組みに位置づけていく、そういうふうに理解してよろしいですか。 ○住区推進課長 仕組みの問題もございまして、ただ、少なくとも直営の児童館の部分につきましては配置の予定がない部分もございますので、そういった場を活用しながら専門性を確保して指導していきたいというふうに考えてございます。 ○三好委員 現在、87の学童保育室があって、その多くが住区センターで行われているという実態があるわけですけれども、この住区センターの仕事というのは、パートさんの労働によって日がわりローテーションを組んで支えられているというふうに聞いているのですが、このパート職員の時給は幾らですか。 ○住区推進課長 時給は790円でございます。週24時間でローテーション勤務という体制をとってございます。 ○三好委員 時給790円ということなのですけれども、先ほども紹介しましたけれども、かなり専門的で経験が求められる、そういう人材が必要なのですけれども、こういう賃金レベルで人が集まってくるのでしょうか。 ○住区推進課長 住区センターの基本的な理念と申しますか、地域の子どもたちは地域で育てるということで、当初、有償ボランティアというような形でスタートしてございました。そういった意味で、地域に根差した保育ということでの住区センターの位置づけがあろうかと思います。 そういったことで、従事者の部分では、若干、景気の動向に影響されやすい部分がございますが、最低人員の確保はできているところでございます。 ○三好委員 かなり専門性がありますので、最低の人員といっても、その中身が変わってきているという点も、先ほど言いましたけれども、あります。 そういった意味では、この巡回指導員の役割というのは本当に大変な状況なのだなと。 いま、この巡回指導員の方は1人で3から5カ所の住区センターを回られているということで、何かセンターで問題があれば毎日のようにそこに入っていかなければならない、こういう状況にあると聞いています。 基本構想の中で、この直営児童館における先駆的な事業を住区センターに普及していく、このように書かれているわけですけれども、そのためにも、子育て支援の継続性を大切にして、経験豊かな専門性のある指導員、これをやっぱり住区センターに配置をしていくという、このことが一番いいのかなと。先ほどのしのはら委員の発言にもあったような、区の職員が、専門的な職員がそこにいるということによって、地域とのつながり、広がりもできていく、そういうことだというふうに思うのです。 そういう方向性、必要性についてはどのようにお考えでしょうか。 ○住区推進課長 現状では、専門性の確保という面はございますけれども、専門指導員を各住区に配置してすべて対応できるという状況は厳しいというふうに認識してございます。 ○三好委員 ごめんなさい、すべての……。 ○住区推進課長 専門員を配置して住区の運営をしていくというのは、現状では厳しいというふうに認識してございます。 ○ 三好委員 答弁の中で、その必要性については、やっぱり、専門性とか経験だとかそういうものはお認めになられているというふうに思うのですけれども、ぜひ努力をしていただきたいというふうに思います。 子育てサロンの拡大・充実に住区センターの活用を 次に、子育てサロン、この充実について伺いたいのですが、現在の利用状況、平成16年の利用状況はどうなっておりますでしょうか。 ○こども家庭支援センター所長 お尋ねの16年度の子育てサロンの利用状況でございますが、区内4カ所に設置してございます。綾瀬サロンにつきましては年間2万6,936名、六月サロンにつきましては8,969名、元宿サロンにつきましては4,610名、鹿浜サロンにつきましては8,636名、合計いたしますと4万9,151名でございます。 ○三好委員 結構な利用数と思うのです。 毎日は行けなくても週に二、三回行けるような、そういう使いやすいサロンであるべきだというふうに思うのですけれども、計画では、各福祉ブロックに2カ所配置をしていきたいというふうになっていますが、この見通しはどうなのでしょうか。 ○こども家庭支援センター所長 子育てサロンの今後の計画につきましてでございますが、今年度、3カ所開設をする予定でございます。ご案内だと思いますが、9月5日におおやたサロンを開設いたしまして、本日、竹の塚に子育てサロン竹の塚が開設しております。また来週12日には、千住サロンが開設する予定でございます。 次世代育成計画にあります10カ所の開設につきましては、予定どおり開設の方を進められると思っております。 ○三好委員 その上でちょっと提案させていただきたいのですけれども、住区センターでいま子育て広場というものも開催をしているということで、多くの利用者に喜ばれているわけですけれども、午前中に限られているということで、もっと利用の場を広げてもらえないかという声も寄せられているわけですけれども、この住区センターを活用しての子育てサロンを広めるということについてはいかがでしょうか。 ○こども家庭支援センター所長 住区センターを活用して子育てサロンをというお問い合わせでございますが、子育てサロンにつきましては主に0歳から3歳の年齢を対象としてございます。児童館につきましては0歳から中学生ということでございますが、午後になりまして、小学生、中学生が下校した後に、どうしても小さいお子さんの居場所がなかなか確保できないという部分、その場の確保が難しいという部分がありまして、いまのところ現実に至っていないところでございます。 ○三好委員 実際に、区内の住区センターの中で場所が確保できるところがどのくらいあるかというのはちょっとわからないのですけれども、センターに、そういう児童と分けることのできる、幼児だけがいる場所、そういう部屋とかスペースとかというものがあれば、それを活用していくということは考えられるのですか。 ○こども家庭支援センター所長 お尋ねの件でございますが、場の確保ということが一つございます。 あとは、10カ所のサロンということがございますので、地域のバランスを考えて、今後、検討していきたいと思います。 ○ 三好委員 子育てサロンについては、地域の要望が強いと思います。そういった意味では、10カ所という目標はありますけれども、要望に応じてぜひ取り組みも強めていただきたいというふうに思います。 保育園の待機児解消は待ったなし 次に、保育園の待機児の解消問題であります。 保育園の待機児の状況なのですけれども、昨年に比べてことしの状況はどのようになっていますか。 ○保育課長 平成16年度待機児、新規生でございますけれども264でございました。今年度17年度につきましては、残念なのですが427と待機児がふえている状況にございます。 ○三好委員 かなりふえてしまった、一気に163人ぐらいふえたというふうに見えますが、この要因についてはどのように分析されていますか。 ○保育課長 何点かあろうかと思っております。 一つには、希望の年齢とあきのクラスのアンバランス、また、どちらかというと保育料の安い認可保育園を待つ傾向といいますか、こういう傾向もございます。それから希望園を少しエリア拡大をしていただきますと入園可能なのですけれども、その辺をされていないということ、それから、もう一方で、認証等に入所をされていないという状況もあります。そういった中で、そういう方々はいろいろな工夫をされているとは思いますけれども、両親や親族等に保育を依頼していたりされている方が多い。また、もう一つの傾向として育児休業のまだ継続中の方もいらっしゃる。 全体としての傾向はそういうふうにとらえているところでございます。 ○三好委員 いずれにしても、認可保育園に入りにくい、それから、認証は高くて入れない、近くにそういう預ける場所がない、そういうような状況があって、なおかつ、やはり、働きに出て保育に欠けるので子どもを預けたいという人がふえているのではないかというふうに思うのです。 この間の待機児の経年資料を見せていただきましたけれども、新定義の数では、この数年、351人、302人、264人と減ってきて、ここで一気に427人とふえたわけです。ところが、旧定義の数字で見ますと、443人、509人、502人と微増横ばいで推移をして、そして、17年、665人と一気にふえたということがわかるのです。 これは、平成13年から四、五年というのは、ちょうど小泉内閣の政治と一致するのです。小泉内閣の発足で、リストラ、合理化、この嵐が吹き荒れました。賃金破壊、雇用破壊も進みました。待機児数というこの数字の上では、これがボディーブローとなって、二、三年推移をして、いま、一気にあらわれたというふうに見てとれるのです。このままこの政治が続けばさらにこの状況がふえていくだろう、こういう予感もさせるものであります。 そして、保護者の心理といいますか現状なのですけれども、2年前に私が質問したときも言いましたが、やはり、民間の保育施設、とりわけ公立保育園、これに入れたいというのが、この保育計画の資料の6、7を見ても2年前と同様の数字になっています。 私どもが行った区民アンケートにも次のような意見が寄せられているのです。 子どもが1人います。2人目と考えたことがありますが、やはり、経済的にかなり苦しい状態なのであきらめています。そういう人はたくさんいると思います。 これは31歳の女性の方の意見です。子育て環境後進国と指摘されているように、日本は子どもを産みにくい、育てにくい、こういう状況があるわけです。そのすべてを地方自治体に任せると、解決できるというものではないというふうに思いますけれども、できることは努力を尽くすということが求められていると思います。 今回出された保育計画、認可保育園を含め待機児解消策が計画をされているという点、また、それぞれの施策の計画が示されているという点で私は評価したいというふうに思うのです。その上で幾つか質問をいたします。 まず、待機児解消計画なのですけれども、定員枠の拡大として全体で827人ふやすということですが、これで足りるのか、こういう疑問があります。保育計画の資料で計算してみますと、現在、9,579の定員枠があって、495のあき状況がありながら264人の待機児がいる。単純計算し直しますと、827の定員枠を拡大すると1万406定員となりますが、538のあき状況が生じて入所可能数は9,868人ということになります。 資料5の保育需要出現予想によると、何と平成24年まで毎年待機児が続いていく、こういう状態なのですが、これで待機児解消の計画と言えるのでしょうか。 ○保育課長 先ほど、私の方で分析の中で申し上げていなかった部分がございますけれども、待機児の中の家庭の状況でございますけれども、求職の方というのが427名のうち52%を超えています。したがいまして、いわゆる本当に措置が必要といいますか、いますぐ必要だという方以外の方といいますか、求職、もし保育園に入れられたら勤めたい、こういう方々がおいでになるという状況にございます。 そういった中で、本当に必要な方についてどうにかしなければならないということから、認証保育所の増設や保育ママの増員等、そういう計画を立てさせていただいているところでございます。 ○三好委員 ちょっと答弁です。認可保育園の話をしているのに。 私が言いたいのは、そういう一定程度定数を確保するということがもちろん必要だし、同時に、いま、待機児の多い地域、とりわけ、私、2年前も言いましたけれども、ことしの資料で言いますと、第5ブロック、第6ブロック、綾瀬、青井の地域です。それから、第10、第11、伊興、西新井、六月、こういう地域が待機児が多い。私、2年前にも、綾瀬の地域が、第6ブロックが多いのでという話をしましたけれども……。 ○委員長 あと1分です。 ○三好委員 綾瀬地域については、どのように計画を考えてらっしゃいますか。 ○保育課長 綾瀬地区につきましては、今後、公団等の改築等も予定されておりまして、公団等に原因者の立場から認可保育園の増設等についても要望している、そういう状況にございます。 ○三好委員 わかりました。 2年前も同じ答弁だったので、ちょっと、もっと踏み込んで質問したいのですけれども、いま、綾瀬の五兵衛団地、都営住宅の建てかえが始まります。そこに地域住民が要望する施設を保育園も含めて誘致をしていくということで、都の方に働きかけていく考えはございませんか。 ○保育課長 現在、綾瀬地区については、東綾瀬の公団等の関係で2カ所のところについて要望しています。1カ所が現在の東綾瀬保育園の隣接用地のところを増設をいたしまして30人増、それから公団の第3期開発の方でも順次予定しています。 |
10月4日(第2日目)午前 橋本ミチ子議員 介護保険・高齢者福祉について ○委員長 次に、共産党から質疑があります。橋本委員。 ○橋本委員 皆さん、おはようございます。よろしくお願いいたします。 まず私は、障害者の補装具の修理基準の見直しについてお伺いしたいと思います。 わずか195万円の予算削って障害者の補聴器の電池代、杖の交換用ゴムまで廃止する冷たさ ○橋本委員 今回、国の補装具給付事業に関する改定に伴い、補装具修理基準が見直されました。その一部の消耗品が国庫補助対象外となったために、補聴器の乾電池の交換388人、人工喉頭用電池交換80人、歩行補助杖先のゴム交換50人が給付を廃止されました。予算はわずか195万3,000円です。補助金を打ち切った理由は何でしょうか。 ○福祉部副参事 補装具に関しましては、国の補装具の修理基準で交付しておりまして、その補装具修理基準が見直されたために、この品目については見直しをさせていただきました。 ○橋本委員 この3種類の補装具の見直しで518人の方が影響を受けるのです。補聴器を使っていたある女性は、寝るときにも、もちろんですけれども補聴器を外す。家にいるときも、近所への買い物に行くときにも外して電池を長持ちさせている。こう言っているのです。こういう節約をして使っている気持ち、わかりますか。 ○福祉部副参事 この電池につきましては、国の基準では410円ということで1個当たりやっているのですけれども、先日、大手量販店ですか、調査したところ、この電池につきましては1個100円程度で販売しているということでございました。そのご負担はわかるのですけれども、1個100円程度ということで、1個につきまして大体1カ月もつということでございますので、年間でも1,200円程度ということでございますので、そこのところについては自己負担ということでお願いしたいと考えております。 ○橋本委員 お金の問題だけではないと私は思っているんですよ。本来、この方は寝ているときも外す、買い物に行くときも外す、こういうふうに言っているのですけれども、寝ているときでも、災害を知らせる音とか声、歩いているときなどは、車のクラクション、こういうものが聞こえない。耳への負担がなければ当然つけていた方が安全なわけですが、こうして節約している。それを打ち切る。その前に、195万3,000円だったら、何とかならないのか。区長、どう思いますか、こういう問題。 ○福祉部長 16年度の決算で民生費が1,000億を超えてございます。それで、今回の補装具のことにつきましても、その一環で、自己負担のところはしていただこうと、こういう趣旨でございます。 ○橋本委員 昨日、ぬかが委員が、予算の中に顕在化されていないお金が10億あるということを明らかにしたじゃないですか。お金はあるんですよ。気持ちの問題なんですよ。 それで、この方たちは、難聴者にとっては、補聴器の電池交換は生活にとって欠かせないんですよ。それからまた、人工咽頭ですね、この電池がなければ会話もできないんですよ。こういう危険を訴えることもできない。生活に欠かせないものなんですよ。私はいま、ぬかが委員の発言をついて言いましたけれども、シアター1010には5億5,000万円も出しているんですよ。そういうお金の使い方をしながら、この障害者の命の危険性を訴える機器の補聴器の交換のためのわずか195万円、それを打ち切ってしまう。区長は重点公約に安心・安全と言っていましたけれども、それにちっともつながらないじゃないですか。私、それ一言言っておきます。 介護保険「ホテルコスト」について 次に、介護保険の問題についてお聞きします。 10月から、ホテルコストと称して介護施設入所者の居住費と食費が保険給付から外され、原則として全額自己負担にされました。この理由は何でしょうか。 ○介護保険課長 ホテルコストの導入につきましては、3点ございます。 第1に、施設におきまして、食費、光熱水費、室料をご負担いただき、介護保険料の急増を抑え、介護保険制度の持続可能性を高めることでございます。 2点目といたしまして、同じ要介護状態であれば、在宅でも施設でも給付と負担は公平であるべきとのことでございます。これは在宅高齢者の公平ということも含んでおります。 第3に、年金との重複支給の是正でございます。年金には食費が含まれており、施設に入ると食費支援と年金の両方が支給されるという理由でございます。 ○橋本委員 施設と在宅のサービスの不均衡を是正すると、こういうことをおっしゃいましたけれども、不均衡を是正するといいながら、在宅にだって負担かけているんですよ。こんな理由で自民党や公明党政権、そして、この法案に民主党も賛成したのですけれども、私、本当にこういう問題許せないなと思っているのです。こうして導入されて、もう10月から値上げが始まりました。自治体がどうしようとしているのかということが、姿勢が問われる、そういう問題だと思うのです。 例えば、千代田区では、入所施設の負担の増加分に対して、50から75%を助成し、少しでも負担増を和らげようとしています。荒川区や港区などでは、通所介護の食事代の負担の増加額を抑えるために、助成をすることに決めました。新聞報道によると、港区は、その理由として、在宅サービスを重視する以上、利用者の負担をふやすべきでないからだと説明しています。 足立区としては、どうしようとしているのか、それを聞かせてください。 ○介護保険課長 介護保険制度におきましては、制度設計上、一般会計の財源を投入するということにつきましては、国保の二の舞になるということから財政安定化基金がつくられましたので、一般会計の投入につきましては慎重にやるべきであろうと考えております。 現在、国や都の補助金を活用いたしました足立区の利用者負担軽減措置事業を活用していただきますと、4分の1軽減できます。それをご利用いただきますと従前と1食45円の差でございますので、この制度の活用を図ってまいりたいと考えております。 ○橋本委員 荒川区は一般財源でやるということを決めたんですよ。それで、いま、東京都の生計困難者対策ですよね、これを活用すれば45円の値上がりだと。それで活用してほしいと。こういうことなのですけれども、この事業については、利用者にも多大な負担を負わせるということになるかと思いますが、どうでしょうか。 ○介護保険課長 実質的に45円ほどのご負担を……。 ○橋本委員 利用者と事業者、両方に負担をすると。 ○介護保険課長 今回の事業の趣旨ございますが、利用者様、事業者様ともご負担かかります。 ○橋本委員 そうですよね。 最初に言ったとおり、いわゆる事業者に多大な負担をかける、そういうものなんだと。それでもなおかつ、それを進めようというふうにおっしゃるわけですね。 私は先日、介護保険専門部会を傍聴させていただきました。10月から実施されるデイサービス等の食事代の全額負担への補助について、活発な意見が交わされました。出席したある委員から、私は78年間足立区に生きてきて、こんな思いをするのは初めてだと。デイサービスに来る国民年金の人は、払っていけないと。弱い者いじめじゃないか。また、50人ぐらいの施設では、やっていけなくなる。こういう切実な訴えがありました。与党の委員からも、他区でやれて足立区でやれないのは財政的な問題だと思うが、また、デイサービスに来なくなり、そのために家に閉じこもるようになったら、その後の方のお金がかかる云々というような発言もありました。 区として、何とか他区が実施したような食費の補助を考えてくれというのが介護保険専門委員会の総意であったと思います。この声にこたえるべきだと思いますが、どうでしょうか。 ○介護保険課長 介護保険の専門部会でのご議論は、どちらかと申しますと、施設の方は経営が成り立たないという議論で進んでいたかのように思います。したがいまして、足立区の利用者軽減制度の方に私は言及しなかったわけでございますけれども、この制度を活用してやっていきたいと考えております。 ○橋本委員 先ほど言いましたよね。事業者に多大な負担をかけるものじゃないかと私は言いました。ほんとにひどい区政だというふうに、いまのお答え聞いてもわかりました。 保険料値上げのことまで介護保険推進協議会に諮問して決めさせようとしていますよね。その専門部会でみんながやってほしいという食費補助の願いにはこたえようとしない。ほんとひど過ぎますよ。 荒川区が早々にデイサービス利用者の食費負担軽減に踏み切ったのは、デイサービス等の食事代800円を全額自己負担にすることになれば、利用者は家に引きこもり、家族の負担も大きくなります。25%の負担措置は、本人と家族、介護施設にとって朗報ですと、こう言っているのです。荒川区の場合、都の生計困難者対策対象者を除いて、それに区独自に軽減策として、世帯全員が非課税の人が対象となり、利用者の約半分1,000人が該当し、一般会計で補正予算を組み実施することにしたのです。補正の総額は約650万円。私はいまこういう立場に立つことが必要だと思うのです。その足立区がこの施策を実施するということになれば、どのくらいかかるのでしょうか。 ○介護保険課長 大ざっぱな試算でございますが、1,500万ぐらいと推計しております。 ○ 橋本委員 荒川区の普通予算は足立区の3分の1なのです。そして、高齢者比率は20.6%で足立区よりも高いのです。荒川区でやれて、なぜ足立区でやれないのか。要は、やる気の問題だというふうに思うのですけれども、しっかりと対策をとるように要望したいと思います。 入所施設の問題について 次に、入所施設の問題について質問をいたします。 課税世帯で年30万円の負担増になります。非課税世帯の人でも年18万円の負担になる人が出てきます。何らかの軽減策を考えるべきだと思いますが、どうでしょうか。 ○介護保険課長 低所得者対策への減免制度といたしましては、国の方で利用者負担限度額に対して第2段階を設定、80万以下を設定したこと。また、特定入所者介護サービス費の支給ということで、補足給付を設定いたしました。それから、低所得者の方につきましては、高額介護サービス費を2万4,600円から1万5,000円に下げました。それから、課税世帯への食費、居住費の特例減額もやっております。それから、旧措置入所者への減免制度、社会福祉法人の減免制度ですね、国等は6項目の低所得者対策を行っておるところでございます。 ○橋本委員 第4段階になると、料金というのは青天井になっちゃうんですよね。場合によっては有料老人ホームと変わらないような、そういう状況になっちゃうんですね。ですから、何らかの負担軽減が必要じゃないかというふうに聞いたわけです。 そして、社会福祉法人の問題が出てきてますけれども、そうはいっても、法人ですから、やるところ、やらないところがあるのだと思います。先ほどから言ってますけれども、多大な負担を強いるものだ。だから私は何回も繰り返しているように、区としてやるべきじゃないかと聞いているのです。どうですか。 ○介護保険課長 社会的な使命があるということでこの事業に参加していただいていることと、厚生労働省の経営実態調査によりまして、それだけの余力があるという……。 ○橋本委員 この話を聞きましたらば、本当に社会福祉法人の方、怒りますよ。一生懸命やっているんですから。それでなおかつ今回の食事の負担は多く出さなきゃならない。そういう実態があるんですよ。こういう実態から物を見ていくということが必要だと思います。要望しておきます。 ところで、いまも社会福祉法人の問題が出ました。東京都の生計困難者に対する利用者軽減措置事業の対策は、年間収入で150万円以下。これでも前よりは10万円広がったのですけれども、 利用できる人は何人でしょうか。 ○介護保険課長 いま現在利用している方は200人ぐらいでございます。 ○橋本委員 200人ぐらいね。この対策じゃ不十分だけれども、まず200人でも受けられる。この周知はどのようにしようとしていますか。 ○介護保険課長 まずケアマネージャーと、それから、利用者の方ですね。また、家族会等において説明会等を行ってまいります。 ○ 橋本委員 ケアマネージャーの方たちに、そして利用者の方たちに、徹底して周知をしてほしいと思います。そして、いまのところ200人だけれども、この200人の人たちがきちっと利用できるように、そういうふうにしていただきたいと思います。 要支援・介護度1の家事援助サービスを削るな 次に、新予防給付の導入によって、要支援、介護度1の人が家事援助サービスを削られる問題でお聞きします。 現在、要支援の人が915人、要介護度の人が2,814人、訪問介護サービスを受けています。この人たち全員がこれまでどおりのサービスを受けられるのでしょうか。 ○介護保険課長 新予防給付におきまして家事援助を受けられる方につきましては、自力で困難な行為、掃除、買い物、調理等がございますが、それにつきまして、独居家族による支えや地域の支え、支援サービスや他の福祉サービスなどの代替サービスが利用できない場合、この場合にケアマネージメントによる個別の判断を経た上でサービスが提供されるとなってございます。 ○橋本委員 そうすると、要支援と要介護度1のうちの、今まで政府が言っていた心身の状態が安定していない人とか認知症の人たちはどうなっちゃうんです。 ○介護保険課長 要介護1の方の2割から3割につきましては、従来のサービスが受けられると。介護給付が受けられると。新予防給付におきましては、その2割は省かれております。 ○橋本委員 ということは、私がさっき要支援が915人、介護度1の人が2,814人というふうに言いましたけれども、これはもともと2割の方を除いてしまっている、こういうことになりますか。 ○介護保険課長 いま現在、要支援の方が915名、要介護1の方が2,814名いらっしゃいます。2,814名のうちの約8割の2,251名の方が要支援の方に移られます。 ○橋本委員 そうすると、結局、既に心身の状態が安定していない人とか認知症の方たちは、もう既にその2割の中に入っているんだということになるわけですね。それはわかりました。 あとの人はどうなるのですか。例えば、ひとり暮らしの高齢者、それから、高齢者のみの世帯、それから、日中独居の高齢者というのはどうなるのか、一つずつ言ってください。 ○介護保険課長 現在の厚生労働省の見解でございますが、適正なケアマネージメントに基づいて行われるものについて、独居と要介護者同士の夫婦につきましては家事援助が今までどおりできるというようになっております。日中独居につきましては、まだ見解が示されておりません。 ○橋本委員 ひとり暮らしの高齢者、それから、高齢者のみ世帯については、一応適正なケアマネージメントに基づいて、今までどおり家事援助が支給されるということですよね。だけれども、日中独居の人たちについては、何ですか、厚労省からまだきてないということですか。 ○介護保険課長 今のところきてない。 済みません。先ほどの新予防給付の人数でございますが、もう一度、済みません、答弁を訂正いたします。要支援の方が2,701名、要介護1の方が6,212名でございます。したがいまして、その8割を掛けますと……。 ○橋本委員 ちょっと待ってください。私が聞いたのは、この訪問介護の。だからそこの質問するときにゆっくりわかるように言ったんですよ。訪問介護を受けている、その人たちを対象にいま聞いたので。済みませんけど。 それで、日中独居の人については、今のところ厚労省から方針が示されていないということなんですね。日中独居といっても、いろんな方たちがいます。ぜひ私は、後からも言いますけれども、何とかしていただきたいというふうに思うのですが、このうち新予防給付の対象になるのは何人でしょうか。 ○介護保険課長 済みません……。 ○橋本委員 あのね、訪問介護のことで聞いてるんですよ。そこの中で、要支援の方が915人、時間が足りなくなっちゃう、要介護1の人が2,814人、合わせて3,729人いるんですよ、全体でね。その方たちのうち、高齢者のみとひとり暮らしの方は今までどおりですよと、適正なケアマネが必要ですがと、こう言っているわけですが、このうち新予防給付の対象になるのは何人ですかといま聞いたのです。 ○介護保険課長 3,166名でございます。 ○橋本委員 ああ、そうですか。そこでまた削られちゃう。そうすると、ひとり暮らし高齢者、日中独居、高齢者のみ世帯で今までどおりサービスを受けられる人は、何割で、何人でしょうか。 ○介護保険課長 まだ不明でございます。 ○橋本委員 不明ですか。 結局、ひとり暮らしの高齢者、高齢者のみ世帯、日中独居の高齢者は、みんな区は新予防給付に対象にしているんですよ。本当におかしいんです、これは。国会の審議を通じて、厚労省の資料でも、1年間在宅サービスを利用した要介護1の人の8割以上が維持改善していることが明らかになったこと、また、被爆者への利用料軽減などがあり、軽度者がサービスを利用しやすい長崎県では、重度の人の割合が他県よりはるかに少ない事実を示し、軽減者への介護サービスは重度化防止に効果があることを立証してきました。 また、城西国際大学の服部万里子教授は、生活援助をとることは、歩いている人の杖をとってしまう結果招くことだと。そして、家事援助による効果を指摘しているのです。 希望する人が今までどおり家事援助サービスが受けられるようにすべきです。少なくとも、ひとり暮らし、日中独居、高齢者世帯は、希望があれば積極的に家事援助サービスを受けられるようにすべきと思いますが、どうでしょうか。 ○介護保険課長 今回の趣旨は、軽度者の方の生活援助に対して適切でないというようなことからでございますので、適切なケアマネージメントによって行われるサービスについては行われるということでございます。 ○橋本委員 大変失礼な話ですね。適切な認定をされているから、必要だから受けているのです。その結果、国会答弁でもこういう方向が出されているわけですから、重く受けとめるべきだと思います。 それでは、仮に、仮にですよ、サービスが受けられたとして、限度額というのはどうですか。今までどおり受けられますか。 ○介護保険課長 いま国会の方でそのような審議がなされておりまして、そのような方向で進んでおると聞いております。 ○ 橋本委員 これもまだわからないということですが、10月から、改めて高齢者の方たち、自分が受けているサービスに大きな不安を抱えています。現場でも非常に不安を抱えています。そういう意味では、区がきちっとこういうものを対応していくことが必要だというふうに思います。 新予防給付について 次に、新予防給付事業についてお伺いいたします。 栄養改善や筋肉トレーニングのモデル事業を行ったと伺いましたが、結果はどうでしょうか。 ○健康推進課長 介護予防市町村モデル事業の栄養改善の結果についてご報告いたします。 昨年の11月からことしの5月にかけまして、要支援、要介護1、要介護2の方々に対しまして、毎月栄養指導等の実施をする栄養改善事業をしてまいりました。この改善の指標は血清アルブミンという栄養指標の値を使っておりましたが、この6カ月間では指標であるアルブミン値の改善を見ることはできませんでしたが、この事業に参加された方は37%の方が要介護度が改善されましたし、それから、31%が維持であったということで、QOLに関しては向上したというような結果が出ております。これは全国の中間報告等も同様の結果で、一定の効果がある事業であったと考えております。 ○高齢サービス課長 筋力トレーニングのモデル事業についてご答弁いたします。 昨年度、在宅サービスセンター西新井におきまして、3クール、4月からと、7月からと、11月からと、3カ月ずつモデル事業を行ったわけでございますけれども、修了者は39人でございます。そのうち、要介護度がついていた方、要支援の方も含みますが、その方が12人いらっしゃいました。その12人の状況を見ますと、改善された方が7名、維持が4名、悪化された方が1名という結果で、一定の効果があったという認識でございます。 ○橋本委員 栄養改善については、なかなか改善しがたい様子だなというのをうかがえますし、機械の方については若干の改善を見られたのかなと思いますが、私、昨年、関原の、NPOさんがやっている施設に行ったのです。大きな機械が取りそろえられておりまして、これで筋トレするんだって。えーっ、お年寄り、こんなの持てるんでしょうか。私だったら1回か2回でできなくなっちゃうなというふうに思ったのですけれども。今後、筋トレには、この重々しい機械を使ったトレーニングしか新予防給付事業として認められないのでしょうか。 ○介護保険課長 筋力トレーニングにおきましては、そういうマシーンだけではなくして、エスラバンド、チューブですね、チューブを使ったものとか、ダンベルとか、あと、その他の方法によっても可能という見解が示されております。 ○橋本委員 といいますのは、99歳になる女性がデイサービスに行って、タオルを使いながら歌を歌って体を動かす。すごく気持ちがいいなって言うんですよ。ところが、これから機械になっちゃうんですよって、こう言うんですね。とっても悲しそうな言い方するんですよね。それで、筋トレの範囲について、年齢とか、体力とかいうものに合わせてダンベル、チューブ、こういうものを使ってやってもいいんじゃないか。 また、事業者はこういうお年寄りをいっぱい見ているわけですから、柔軟に積極的に提案してきたものについても位置づけるべきじゃないかと思いますが、いかがでしょう。 ○ 介護保険課長 委員ご指摘のとおりでございます。 地域支援事業について ○橋本委員 地域支援事業についてお伺いしますが、法改正によって、高齢者の健康診査、この問題は、これまで無料で受けられてきたのですけれども、これはどうでしょう。 ○健康推進課長 来年から医療以外の老人保健事業がすべて介護保険に移る予定でございましたが、健康診査と健康手帳に関しては移行しないことになりました。それを受けて、有料化の方向では足立区ではないと考えております。 ○委員長 時間が参りました。 ○橋本委員 ありがとうございました。 |
10月4日(第2日目)午後 鈴木秀三郎議員 |
10月4日(第2日目)午後 ぬかが和子議員 |
10月6日(第3日目)午前 伊藤和彦議員 まちの宝にふさわしい業者支援を ○古性委員長 最初に共産党から質疑があります。伊藤委員。 ○伊藤委員 おはようございます。きょう初めての質問ですので、どうぞよろしくお願いいたします。 私からは、産業経済関係で質問したいと思います。区長は、04年度第1回定例議会で、区内中小企業をめぐる経営環境は依然厳しく、日々変化していると、都市型産業、雇用対策を6つの重点項目の一つといたしました。その決算を検証してみたいと思います。 平成16年度主要施策の成果報告書の都市型産業、雇用施策は、都市型産業を重点とした二つの事業で決算額は約8億円、21.56%、5分の1を占めております。内容は、シアター1010の運営管理を指定管理者に行わせ、これに要する維持管理経費を負担をしたとして、決算額4億2,600万余、区内産業の振興と活性化を図るとして、(仮称)足立新産業振興センターの整備に決算額3億8,000万余、新産業センターは、当初計画の段階から問題を抱えておりまして、その後さらに大きく内容は変貌いたしました。果たしてこれが区内産業の振興としての中核施設になるか、極めて疑問に思っております。 これら特定された企業、業者は喜ぶかもしれませんけれども、その一方で、約10年で区内事業所数は17.2%も減少しています。生鮮3品の店舗は3軒に1軒がまちからなくなっている、依然厳しいまま推移をしております。景気の影響を受けやすい足立区という指摘も、この決算特別委員会の中でありました。この決算特別委員会の初日に我が党のぬかが議員が、いまいる区民の暮らしを支え応援することが区政の役割、そのために福祉施策と産業振興、雇用の施策が必要、この質問に、おっしゃるとおり、それが我々の役目と答弁いたしました。この立場で、いまいる頑張っている業者を支え、支援することが大事だと思っております。 そこで質問いたしますが、足立区中小企業の平成17年度第1・四半期の景況について、概要版では、平成16年度企業倒産は101件、550億5,600万円、平成11年に81件の倒産がありましたけれども、それ以外は100件を超える倒産が5年連続です。この経営基盤を支えることが求められていると思いますが、いかがでしょうか。 ○中小企業支援課長 いまおっしゃられましたとおり、区内の中小企業を取り巻く状況は大変厳しい状況が続いていると。一部報道では、大企業におきましては景気が上向き傾向ないしは横ばいというような報道がございますけれども、やはり確かに中小企業を取り巻く状況は大変厳しいという認識でございます。 そういった点で、経営基盤を強化するという点では、私どもといたしましては、先ほどお話ございました足立産業センターが来年の4月にオープンいたしますので、その足立産業センターを拠点としまして、経営革新とか新事業分野進出等、新たな事業展開をしていただくための一連のサービス等を提供していきたいと。また、融資におきましても、利子補給率一部見直しはさせていただいているところなのですけれども、大型店対策資金は従来設備だけだったのですけれども、運転資金も加えた等、経営基盤の強化についてさらに取り組んでいきたいと考えてございます。 融資制度は縮減ではなく、拡充すべき ○伊藤委員 いろいろおっしゃいましたけれども、いずれにしても経営基盤を支えないと足立区はなかなか大変だということは共通していると思うのです。 それで、いま融資の話が出ましたので、私、融資のことでお伺いしたいのですが、平成16年度の主要施策の成果報告書、この中小企業融資の説明では、あっせん融資に対する信用保証料補助、利子補給を継続実施するとともに、特に経営基盤の弱い個人零細企業を支援するため、小規模特別融資の融資枠を拡充したといって、小規模特別融資、これは運転、設備あわせますと3,629件の申し込みがありました。平成15年度は2,356件ですから、前年と比べても非常に大きく伸びております。 ところが、今年、4月から信用保証料の補助を廃止、それから利子補給を削減をしてしまいました。私は、本会議の質問で、利子補給をもとに戻し、業者負担を軽くするように求めました。これに対して区は、創業資金を創設し、創業のみならず転業及び事業の多角化、大型店対策資金の資金使途に運転資金を加え云々と、それで、適正な負担を前提として補助制度にしたという答弁を行いましたが、大型店対策の資金、平成16年度申し込みはゼロ、それから15年度もゼロになっておりますが、これは間違いありませんか。 ○中小企業支援課長 はい、間違いございません。 ○伊藤委員 本当に使いづらい融資をふやしてもしようがないのですよ。それで、経営基盤の弱い個人・零細企業を支援するためというならば、区内業者にとって利用しやすい資金、これに利子補給を元に戻して業者負担を軽くすることこそ私は必要だというふうに思うのですが、どうですか。 ○中小企業支援課長 大型店対策資金につきましては、設備資金で、いま申し上げましたように件数、申し込みがなかったということで、やはり使いづらいのであると、設備というよりやはりいまの経営の安定化のためには運転資金が必要だろうということで、逆に今年度から運転資金を創設させていただいたところでございます。 また、信用保証料については廃止ではございませんで、2分の1の10万円限度ということで改正をさせていただいたということでございます。 今年度、融資につきましては、やはりこれからの経営の安定化等で中小零細企業の方々にも配慮しつつ、やはり新しい分野にも進出していただきたい、また創業といった面でも力を入れて、区内経済の活性化を進めていきたいというような状況で見直しをさせていただいたところでございます。 ○伊藤委員 創業というのは新しくつくろうということですが、そういう点での支援はやぶさかではないのです。やはり区内の業者を支えるのはこの資金の問題が非常に大事なので、いろいろおっしゃっていましたが、やはりこれは大事な点なので、もう一度検討してみてほしい、このことは要望しておきます。 それで、区は、かつて活性化センターに商業施策を委託をしてきました。この間の総務委員会ではその話が出ていまして、最高時で職員は24人派遣し、26億円も投下をしてきた。しかし、商店は衰退し続けて、都市型産業といってもこの既存の中小業者には、あっせん融資のいま言った利子補給でも自己負担を押しつけられるという点では非常に冷たい態度だろうというふうに思います。 そこで質問いたしますが、区はこれまで言っておりました、商店街はまちの宝、コミュニティの核という認識、これは変わりありませんか。 ○ 産業振興課長 おっしゃるとおりでございます。 専門家チームによる適切な商店街支援を ○伊藤委員 私は本会議で、区内商店をまちの宝、コミュニティの核と位置づけ、そして特色ある商店街づくり、これを進めるための区の職員と専門家スタッフによるチームを確立して支援をするべきだ、こういう質問をいたしました。区は、東京都中小企業振興公社で実施している専門家派遣制度を活用すると答えましたけれども、ことしの予算特別委員会の答弁では、商業系を中心として、例えば中小企業診断士、そういった者がおじゃますることになると思います、また、これまでも各商店街におじゃまをしてきたときにはそういったチーム構成でおじゃまをさせていただきました、今後ともそういうふうな要望があれば積極的に出向いていきたい、こういうふうに思っておりますと、ことしの3月8日の予算特別委員会で担当課長は答弁しているのですね。私はこの立場で商店街支援というのを行うべきだというふうに思うのですが、いかがでしょうか。 ○産業振興課長 私ども、東京都があるものに関してはその制度を活用していきたいという方針には変わりありませんが、いま言ったように、きめ細やかな商店街振興に関しては、区独自のものがあってもいいんじゃないか、これは考えております。 ○伊藤委員 本当に、いま課長が答弁されたように、非常に足立区特有の商店の成り立ちというのがありますから、やはり私は区の職員と専門家を派遣していく、それから東京都のいろいろな制度を利用することは別にいいと思いますが、特にそれに頼るのではなくて、区がそのことにきちっと位置づけてこの商店街支援を行っていただきたい。要はやる気の問題です。そういう点では新しい担当課長さんに大いに期待をするところです。どうぞよろしくお願いいたします。 それで、区の空き店舗対策では、商店街活性化に役立つ、千住や、友好自治体との経済交流が進む綾瀬の旬感プラザ、それから東和、青井で学童クラブづくりなどもやってきた。また、関原三丁目商店街では、お休み処、また高齢者のパワリハなども行ってきましたけれども、この空き店舗対策、その後の計画づくりはどうでしょうか。 ○産業振興課長 ことし3月に足立産業振興プランというものをつくらせていただきまして、その中で計画的にやっていく所存でございます。 ○伊藤委員 私もまちを歩きますと、ああ、ここのお店もなくなったかという、ちょっとどきっとするような場面があって、結構空き店舗が多くなっちゃったのですね。区としてもやはり積極的にそういう対策を講じていただきたいと思います。 また、チャレンジショップの事業を拡大してほしいということで質問したときに、西新井とか新田、ここに開設する計画をぜひ進めていただきたいのですが、いかがでしょうか。 ○産業振興課長 ただいまは北千住の方でやらせていただいているのですが、いまご指摘いただいた竹の塚、西新井等に関しては、私どもいろいろな部分を含めて、そういう機会がないかという部分を探しているのですが、何せ相手があることですから、なかなか難しい部分がございます。 ○ 伊藤委員 このチャレンジショップでは千住のところはかなり東京中、全国でも評判になった取り組みでしたので、ぜひ引き続きチャレンジショップの事業を進めていただきたいと思います。 次に、区は、現状をよく踏まえて商店街対策を講じることが求められていると思います。北千住駅西口のマルイ出店後、駅周辺は非常ににぎわいになりましたが、昨年11月に行ったといわれている歩行者通行量調査、これでは、ペデストリアンデッキの上と、地上部の通行量、平日、休日余り変わらないようなデータですけれども、流入、流出、この合計は、ペデとか地上部ですね、それぞれどのくらいですか。 ○産業振興課長 私ども、16年の11月に調査をさせていただきました。その結果をもとにご報告させていただきます。 ペデストリアンデッキの上では、大体平日休日ともに約7万人強、地上部が5万5,000から6万人弱ぐらいでございます。 ○伊藤委員 この調査結果から、区として今後の課題は何なのか、またこの調査結果を受けてどうやろうとしているのか、お伺いしたいのですが。 ○産業振興課長 大変難しいご質問なのですが、私ども、いまご報告した人たちが駅前だけでなく千住地域を回遊していただくという、そういう戦略を立てて事業を展開していきたい、このように考えております。 ○伊藤委員 確かにこれはたくさんお客さんが出てきた、しかしそれをもっといい意味で面的に広げていく、回遊づくりは前にも計画としては出されましたので、ぜひそれが実現できるようにお願いしたいと思います。 次に、西新井開発には東関東一のイトーヨーカドーの出店が予定されておりますが、該当する関原地域でもいろいろ調査したと聞いております。 この地域でも面的に商店街を元気にする対策、これは区として考えていらっしゃいますか。 ○産業振興課長 私ども、西新井地域にいまご指摘いただいた大型店が出店するという部分に関して、地元の商店街等といろいろ情報交換等をして、お互いに共存共栄ができるような形で今後進めないかというような部分で話し合いを持っているところでございます。 ○伊藤委員 いろいろ情報交換はしているということですが、区として具体的な何か、調査をしたわけですから、調査結果に基づいて支援策というのは打ち出せないのですか。 ○産業振興課長 私どもは、大店立地法という法律の範疇内で、いまいろいろと大型店舗等々やっておりますが、そういうものを活用しながら大型店の方に働きかけていきたい、このように考えております。 ○伊藤委員 何の支援策もないというのは困りますが、やはりここは関原と西新井大師への新参道というのでしょうか、こういうのもつくって支援をしていくとか、区が積極的に支援策を図る必要があると思うのです。これは地元の要望も出ておりますので、非常に大事だと思いますから、検討して、やはり区が乗り出せばやれると思うので、ぜひその点でお願いをしたい。 大型店への規制が必要 ○伊藤委員 それで、私は、本会議の質問で、いま足立では北千住駅西口に丸井が出店をして、亀有にイトーヨーカドー、そして西新井駅の日清紡跡地に大型店出店攻勢が続いている。例えば亀有では、地元商店街から既存商店街はつぶれてしまうという声が上がっていること、それから区内商店を初め中小商工業者は依然として開業率を上回る廃業が続いている。そしてそういう方向であること。そして大店立地法で大型店、量販店による無秩序な出店と営業時間の野放し状態が生まれ、まち壊しが現在も進んで、大型店栄えて区内商業枯れるという事態を招いていること、こういう点を質問いたしました。大型店規制については国に権限を求めない、求めるつもりはないと区は答弁をいたしましたが、いま各自治体では、持てる権限をフルに活用して大型店出店を規制しようという流れが広がっております。地域住民、商店街の要求に基づきまして、地方自治体で条例制定等の取り組みが進められている。 例えば福島県は、県が広域調整を行う形で大型店出店ルールをつくるための具体的な条例づくり。尼崎市は、「商業立地ガイドライン」で都市計画の用途地域別に市内を8種類のゾーンに分けて、まちづくりと商業機能の方向性を示し、大型商業施設について誘導、規制の考えを示すものとなっています。それから小樽市では、都市計画法を使った市の条例をつくりまして、ストップさせております。それから大阪・堺市では、住宅地で大型店の深夜営業を規制する条例も定めました。 区は、こうした各地方都市で進められておりますこの内容、こういう姿勢が必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○産業振興課長 産業振興に関してでございますが、いま言ったように、本会議等でもご答弁させていただきましたけれども、大店立地法の中で東京都を通じて国に具申していく、こういう考え方がございますもので、これに沿ってきめ細やかにやっていきたい、このように考えております。 ○伊藤委員 私の質問は、東京都のそれはわかっているのですが、各地方都市でもう進められていると、いろいろ持てる力を出しながら。こういう姿勢がいま求められているのですが、区としてこういうことはやるべきじゃないかと言っているのです。 ○産業経済部長 いまお尋ねの中にもあったわけですけれども、その事例の中でもそれぞれ県が中核になっておやりになっているところもあるようですし、市がおやりになっているところもあるでしょう。それは自治体それぞれのやり方があるわけでございまして、私どもの方としては、まず大規模店舗に対する規制そのものは東京都の規制権限とタイアップをしていく。それからまちづくりは、これはまちづくりということで足立区をよく知る各所属が、経済活性化推進本部の中で、それぞれさまざまな方策を出し合う、こういう形でやっておりますので、まだ形にはなっておりませんけれども、一つ一つ進んでいくというふうに考えております。まずはその地域の商業者の皆様方が積極的にご意見を上げていただくということも大事だというふうに思っておりまして、地域との情報交換というものも今後密にしていきたい、このように思っております。 ○伊藤委員 部長の答弁としては本当に情けないのですが、商店街はまちの宝だと、地域のコミュニティの核だというなら、この商店街、まちの宝をもっと担当部長としては光らせる必要があるんじゃないですか。この点はどうですか。 ○産業経済部長 勘違いしてはいけないのは、結局区が何らかの絵を描いてそこに誘導しようということはできないだろうと思っておりますし、現実的にそれらのまちの方が中心になっているわけですから。ただ、現在活動しておられる商店街が地域の核、コミュニティの核であることは、これは間違いないわけです。ですから、当然その地域の考え方をいうものを尊重しながら支援すべきところを支援していく。先ほど大規模店舗のイトーヨーカドーの例が挙がりましたけれども、そういうことがあるからこそ大規模店舗の対策資金の中に運転資金を入れたわけでございまして、一歩一歩それに対応していくというのが私どもの考え方でございます。 ○伊藤委員 私はさっき、各地方都市でいろいろ持てる力を出してやっているという例をお話いたしました。実は区は、他の自治体とは逆に、いま部長が答弁されたのでお話しますと、西新井には1万5,000平方メートルの敷地全体を使う建物、イトーヨーカドーのような巨大ショッピングセンターしか使えない地区計画を出したのです。本来そこに規制をかけるべき地区計画が大型店誘致策をするという、そういう点でも区の態度というのはひどいのです。中小企業4団体、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、全国商店振興組合連合会、これを4団体といっているのですが、このまちづくり3法、中心市街地活性化法、大店立地法、改正都市計画法、この抜本見直しを要求する要望が出されました。これは、要望の中に書かれているのですが、制定されて7年経過したけれども、当初期待された効果は得られず、中心市街地の衰退は一層深刻さを増しているといっているのです。それで、その中小企業4団体は、98年、大店法を廃止してまちづくり3法が制定された際にこれを容認する立場に立っていたのです。そうした団体が初めて見直し要望を表明したこと、これは私は大変重要だと思っているのです。それで、経済産業大臣も、まちづくり3法見直しを含め検討すると言わざるを得なくなっているのです。そもそも大型店出店をめぐる矛盾というのは、このまちづくり3法の下で大型店出店を調整、または抑制、この抑制する機能がなくなったことから始まったわけで、このことを区はどう考えていらっしゃいますか。 ○産業経済部長 いま伊藤委員さんがおっしゃられたのは、国の政策といいますか、国策に対して関係者が何かを主張されるということでありまして、それは当然重いお話でもありますし、それに対して国がどのように動くかということは非常に状況推移を見守っていかなければいけないと思います。 先ほど私が申し上げましたように、私どもがそういう状況変化をともすると見逃して、これまでの区の施策というものを、まちの方が考えていることと違って、いわば勘違いして、それで進めていくということがないようにしようという、これが大事でございまして、確かに総論的に国の政策が打ち出されるということは大事ですし、それを土台にしなければ区の産業振興施策というのは一歩も進まないわけですけれども、やはりまちの方々の声を聞いていく、これがやはり一番基礎的自治体としては大事なんだろう、こういうふうに思っているわけでございます。 そこで職員の思い込み等を最大限除去するためには、地域の方々とよく情報交換をして、そして庁内では経済活性化推進本部、それからまちでは協議会、そして漏れのないような案を打ち出していきたい、こういうふうに考えておりますから、総論的な部分と、それから足立区に個別具体的に合う部分とを両にらみしながらいきたい、このように考えているわけでございます。 「商店がやめてしまって遠くまでのお使いは大変です」 ○伊藤委員 推移を見るとか、勘違いをするとか、まちの声を聞くというなら、もっとよく調査をしていただければはっきり出ていますよ。これは内閣府の政府広報室が7月に発表した小売店舗等に関する世論調査、これは、「新たな大型店は不要だと思う」というのが50.6%を占めております。それから「大型店への規制必要」が60.4%、これは国の調査ですよ。新たな大型店で心配なことは何かというのも、交通事故や交通渋滞の発生、騒音公害の発生、周辺の中小小売店が寂れ、買い物が不便と指摘しております。 我が党が行いました第5回目の区民アンケート、これにはさまざま皆さん声を寄せていただきまして、一つ紹介いたしますと、コンビニや大型店がふえて小さな店は消えて、商店街が寂れ、人と人のつながりが薄くなっていく。これは50歳の女の方です。それから、商店がやめてしまって、遠くまでのお使いは大変です。これは80歳の女性、こうした声が寄せられています。 区民の暮らし第一にしたルールで大型店との本当の共存共栄を ○伊藤委員 我が党の大型店に対する立場は、大型店イコール悪というわけではありません。すべての大型店をなくしてしまおうというものでもありません。住民の暮らし第一にしたルールが確立してこそ初めて大型店と中小商店街の共存共栄が成り立つという立場です。先ほど課長も共存共栄なんて言っていましたけれども、これはルールがないのですから、こういうルールをやはりきちっとしてつくることが大事だと言っているのです。そうしてこそ、地域社会と住民の暮らしを守ることができると考え、その立場から我が党は政策や、あるいは予算要望の提案を行っているところです。 時間がなくなっちゃったのですが、現在の大型店の問題の特徴などは、東洋経済新報社がまとめておりますが、全国大型店小売店総覧、これによりますと、90年代は、初めは大型店の売り場面積は約3割だったと。それが現在もう6割近くなっていることを示している。大型店出店の特徴は、一つは郊外にショッピングセンターやモール形式の超大規模店、地方にこうした形態が多いわけです。二つ目には、都市部の工業跡地の進出、足立では西新井にイトーヨーカドー、亀有も同じ状況です。三つ目は、自治体がみずから保有する公有地に大型商業施設を誘致する、こういうパターン。 この深夜営業の激増の問題でも日経新聞が指摘をしておりまして、この点で商店街を守ること、それから深夜営業による環境の悪化、犯罪の増加、深夜労働の蔓延など、こうした面からも何らかのルールづくりが必要だと思いませんか。 ○産業経済部長 いま委員さんがお話になられたようなこともございまして、17年、ことしの3月25日、16年度でございますけれども、区民代表にも入っていただきまして足立区経済活性化基本条例、いわば制度をつくったわけでございます。この制度をつくっても魂が入りませんといけませんので、経済活性化基本計画をつくり、当初、私どもの課長が答弁しましたように、場の整備と、それから区民の皆さんからいろいろなお声をちょうだいして仕組みをつくっていこう、こういうことでございますので、この条例に基づきながら着実に進めていきたい、このように考えております。 ○伊藤委員 私が聞いているのは、何らかのルールづくりは必要だと思いますが、私の質問にきちっと答えてくださいよ。必要でないのですか。 ○産業経済部長 活性化基本条例というのは最高のルール、このように考えております。 ○委員長 時間がまいりました。 ○伊藤委員 ルールづくりをぜひしていただくことを求めて、私の質問を終わります。 |
10月6日(第3日目)午後 三好すみお議員 「Fビル」所有者に都合の良い竹ノ塚公共駐車場の運営 ○委員長 次に共産党から質疑があります。三好委員。 ○三好委員 最後の質問になります。私は、活性化センターにかかわる問題で、竹の塚公共駐車場の問題について質問します。よろしくお願いいたします。 大島議員の総務委員会での質疑や本会議での討論で次のことが明らかになりました。第一に、開設以来10年間で黒字はたったの2回しか出すことができなかった不良事業であること、第二に、赤字が続く不良事業を区が引き継ぐという問題点、第三に、適正賃料よりも高い賃料を払っていた事実、第四に、駐車場の利用はエフビルテナントとイトーヨーカドーが過半数で、特定事業者のための駐車場であること。第五に、したがって、区があえて購入をしてまで維持しなければならないものとは考えられないことであります。この駐車場の運営が特定の事業者、すなわち土地の所有者でありビルのオーナーである共同事業者の古庄たかお氏にとって大変都合のいいものになっていたことが明らかになりました。しかし、どうして特定の人に、特定の事業者に便宜が図られるようになったのかは不透明であります。その実態についても極めて不透明、グレーゾーンに包まれています。この不透明な部分を区民に明らかにすることが求められていると思います。 区は、今度この駐車場を2億4,000万も出して購入する、いってみれば、この駐車場建設のための借金の残額を活性化センターのかわりに払ってやる。需要が減り、ますます収入が減るだろうと見込まれる駐車場経営までやっていこうと決めたわけです。ですから、活性化センターがかかわってきたこれまでの経過や内容については、情報としてつかんでいかなければいけないし、区民に対しても明らかにしていかなければならないのではないかと思います。 この点についていかがでしょうか。 ○産業振興課長 先ほどご答弁させていただいたとおりに、竹の塚の東口の公共駐車場としては、先ほど申し上げたとおり、平成6年も、いまも必要性に関しては変わっていない、このように確信しております。ただ、いままで運用、また結果的にご指摘された部分に関しては、今後いろいろな角度から検討はしてまいりたい、このように考えております。 ○産業経済部長 後段の補足をさせていただきますけれども、区民にその経過が全然知らされていないというお尋ねですけれども、平成6年3月17日の区民委員会で、契約を結ぶに当たって共同事業者からある種の提案がなされています。時間の関係で読みませんけれども、それが報告されております。その結果、8月17日の区民委員会では、その事業者提案を顧問弁護士に相談したところ、権原が確保されないからそれはまずいということで、あえてその提案には乗らずに、実質的な解決を図るべく、地代と駐車場との一括処理ということで、これは当時の担当の管理職が答弁をしておりまして、これは区民委員会の資料として既に報告をされている、こういうことでございます。 ○三好委員 いま部長もお話されました。後で質問しようかと思っていたのですが。 平成4年6月に足立区における駐車施設整備に関する基本計画が策定されました。それに基づいて区は、この駐車場建設について、その年の12月、エフビルとの合築駐車場の実現可能性の検討を活性化センターに依頼をしたわけですね。どうですか、確認。 ○産業振興課長 そのとおりでございます。 ○三好委員 区が先にF氏とコンタクトをとって合築の話をした。そしてその手法については、資金の調達方法を株式会社である活性化センターを通じて、都区駐車場整備基金の特別融資を受ける、その後の運営についても活性化センターにお願いをしたい、こういうことですよね。 ○産業振興課長 その過程ではそのとおりでございます。 ○産業経済部長 ちょっと正確を期するために申し上げますが、ただいま産業振興課長が答弁したとおりなのですけれども、一度これは本会議で答弁させていただいております。これは本来あの地域の……。 ○三好委員 いま経過を確認しているからいいですよ、答えなくて。後で質問するから、中身については。 ○産業経済部長 いや、中身じゃなくて正確なお答えになっておりませんので、ちょっと補足させていただきます。 そのときに、あそこの駐車場がどうしても必要だということで、元来、区とこのエフビルとで合築をする、しかしそれが制度上、それは委員さんおっしゃられたように難しいので、活性化センターが動くようになった、こういうことでございます。 区の主導で起こした事業、区の責任は重い ○三好委員 そういう意味では、活性化センターが進めたのではなくて、そもそも最初は区が主導で始めたのだということで認識してよろしいですね。 そういう意味では、区の責任は大変重いのかなと思います。そして平成5年の9月に活性化センターの取締役会で承認されました。そして12月にはF氏の方から契約内容の提案がされていますね。それはどのような内容でしたか。 ○産業経済部長 そのときには、建設コストを下げるということと、それから地代等については免除する、それからまた受託料等についても応分の負担をする、こういう内容だったと記憶しております。 ○三好委員 建設コスト10億から7億へ、それから地代は30年間合計で1億9,530万、これをゼロにする、それから附置義務分の業務委託管理料、30年間で2億2,440万、これを活性化センターに払う、こういう報告がされたわけですね。その後の8月の区民委員会にはどういう報告がされましたか。 ○産業振興課長 現在、エフビルと活性化センターが契約している内容のご報告をさせていただきました。 ○三好委員 この3月から8月までの5カ月間で大分状況が変わってきました。エフビルからは払わなくていいと言っていた地代を払ってくださいと言われた。そして払うと言っていた附置義務分の業務管理委託料は払わないということになったということです。この問題に触れる前に、まず3月の委員会で報告された本件駐車場の建設コストを10億から7億に見直すというのはどういうことだったのか、お伺いします。 ○産業振興課長 10億から7億という部分に関しては、建設コストを下げるというような部分で考えられていました。 また、先ほど言っている無料だったやつが有料になったじゃないかと、土地代等に関してなのですが、その部分に関しては、私の方の記録で見ますと、無料にすると民法上の使用権が発生するけれども、借地借家法による法律的な要件が発生しないため、区の顧問弁護士の方からそういう指導を受けて現契約内容になったというふうに認識しております。 ○三好委員 当時の総務部参事がこの件について、建設単価の問題については報告しているのです。 平成6年3月17日の区民委員会。何というふうに報告しているかといいますと、現在、長引く不況によって非常に建設業の仕事が減ってきた。また、いわゆるゼネコン汚職等で公共事業から汚職をしたと言われているゼネコンさんに対する締め出しが全国的に行われているようなことで、ゼネコンの方から利益を度外視した上で建設単価という形で投げ売り的に建設単価を引き下げている部分があるということと、これは私どもの特別な事情によるというようなことがあって、これが一般化されているわけでは決してないということを述べているのです、総務部参事が。この特別な事情によるということはどんなことなのでしょう。 ○区民部長 その参事というのは私のことでございまして、特別の事情というのは、実際11億近い建設費、最初はそういう数字が出たのですが、この11億ですと、どうやっても補助金制度を土木でつくってもらわないと回らないという議論が相当ありまして、これは7億まで落とさないと事実上回らないという議論がありました。そのときに私が当時の古庄さんと議論した話は、たまたまあそこの土地だけが足立区では珍しく岩盤が地下30メーターにありまして、そこへ直置きで乗っているわけです。ですから、PCパイルは打ってないということで、古庄社長と、あなたのビルを我々の駐車場の底で支えているじゃないかと。あなたがPCパイル打ったら幾らかかるのかという議論とか、さまざまな議論をやって、11億近い金を7億まで落としたというふうなことが一番大きい要因でございます。 ○三好委員 大変おかしな話だなというふうに思うのですけれども、私、いまたまたまそこのビルのところが岩盤があるので安く上がったみたいな話でしたけれども、建築施工単価というデータファイルがあるのです。これは全国の平均的な単価なのですけれども、エフビルが建設された当時、94年から96年くらいまでを調べてみました。94年は1平米当たり20.3万円、95年は18.2万円、96年も18.3万円というふうになっています。これを駐車場の平米に換算しますと、94年が7億8,000万、95年は7億でぴったり一致するのですね。だから、7億というのは当時一般的な価格だったということになると思うのです。すると、10億という最初の見積もりは何だったのか。これは推測になりますけれども、地下駐車場のF氏が所有している31台分の価格、これを加えるとちょうど10億ぐらいになる。最初の10億という見積もりは、地下駐車場全体の値段だったのではないか。最初、F氏は、自分の持ち分も含めて活性化センターにつくらせようとした。ところが、議会の中ではいろいろ意見が出たので、これではまずいということで変更したのではないですか、坂田さん。 ○区民部長 これは事実の問題なので、間違った事実をデマとして流されると非常に困りますから、正確にご答弁したいと思います。 この当時、土木を中心に公共駐車場の調査をかなりやっておりました。当時は商店街も公共駐車場をつくっているという話がすごく多かったし、建設省も公共駐車場をつくれとずっとやっていたわけです。そういった中で、私の記憶では、例えば竹の塚にはないので、6号公園をつくろうという話になりました。6号公園を使いながら、地下に駐車場をと。当時たしか、試算したら、1台3,000万ぐらいになると。100台ちょっとで50億にいくということで、これはとても採算も何も合わないということで断念したり、あるいはその当時、総合スポーツセンターのところに実際に地下駐車場をつくっています。商店街駐車場ではございませんが。たしか、私の記憶では100台ちょうどぐらいで21、2億の金が全額税金で入っている。しかもランニングは回らない。こういった状況がずっとありまして、そういう中で、この地下駐については、民間と我々が共同発注で相当単価が落ちたというので11億です。さらに7億まで落っこったのは、さっきのような事情で古庄さん側と交渉したと。7億まで下げなければ我々は撤退するという話でずっとやってきた、そういう経緯がございます。 ○三好委員 私がいま申し上げたことも、このデータファイルという、建築施工単価という、これに基づいてお話しましたので、これも事実ですので、このことも知っておいていただきたい。 ところで、Fビル全体の建設経費というのは幾らだったのですか。 ○ 産業振興課長 Fビル全体で、活性化センターが先ほどご指摘されているように7億強出しております。それで、エフビルのオーナーの方から15億強、両方あわせますと22億強かかっております。 ○三好委員 Fビルは3分の1を活性化センターの資金で建てることができたということですね。 次に、平成6年8月の区民委員会に報告された内容についてお尋ねします。 3月の時点では、共同事業者は権利金をゼロでいいということと、同時に地代についても年額651万、30年間合計で1億9,530万をゼロにすると。そして附置義務分の業務管理委託料、これは初年度588万、30年間合計で2億2,440万、これを支払うと提案していました。ところが、今度は、先ほども答弁ありましたけれども、弁護士さんからの指摘があって、借地権との関係で地代を払うということになったわけですね、これは先ほど確認しました。そして附置義務分の駐車料金収入を活性化センターに帰属させることで実質的に地代を相殺することにしたのですね。どうですか。 ○産業振興課長 そのとおりでございます。 ○三好委員 ちなみに、その当時の駐車場全体の収入予想というのは幾らになるのですか。 ○産業振興課長 現在が収入が5,700万ちょっとですから、その当時はもう少しありまして、6,000数百万あったと思います。 ○三好委員 ビルをつくって駐車場を運営していく前の話で、どういう見通しで予想を立てたのかという質問をしたのですけれども、いまのこの活性化センターに駐車場収入を帰属させるというところで、150万というふうに報告されていますね、33台分の附置義務で。これは確認できますか。 ○産業振興課長 当時の資料で150万という数字は出ております。 ○三好委員 そうしますと、33台で150万ですから、130台では7,200万、年間で、そういう収入見通しを持って始めたわけですね。この報告資料を見ますと、この部分がさらっと報告されているのですね。私は、ここで大変大きな変更がありました。あったと思うのです。つまり、活性化センターにとっては払わなくても済むはずだった地代、これが1億9,530万、それから入るはずの附置義務分の業務管理委託料2億2,440万、合計4億1,970万がマイナスになってしまった、そういうことですよね。 ○産業振興課長 先ほどご答弁させていただいたように、借地借家法の法的なものを優先させていただいたために、先ほど来言っている、無料にすると民法上の使用貸借権で第三者に土地が渡ったとき等に関して……。 ○三好委員 いや、そういうことを聞いているんじゃない。 ○産業振興課長 そういうような部分がありますもので、総合的に判断していまの契約内容にさせていただきました。 ○三好委員 これは総合的な判断というふうに言われましたけれども、大変なことだと思うのですね。しかも実際には地代は月に90万から始めまして、3年半後の平成12年1月には106万に値上げさせられたのですね。30年間ではこれを合計しますと3億7,762万にもなります。これは先ほどの計算で差し引きをやりますと、6億になるわけですよ。 実は平成6年3月の区民委員会では、当時の総務部参事が報告しているのです。当時の坂田参事が報告している。何と言っているかというと、この三つの提案、これは最初に共同事業者から提案があったものですね、これを勘案すると、私どもとしては、区から補助金を一切いただかないで私どもの方の東京都、それから特別区の駐車場整備基金特別融資を借り受けることによって、途中、この返済等によって不足した分については、一時的には民間の金融機関から借り入れをするとしても、独立採算として何とかやっていける、こういう見通しが立ったわけである、このように報告しています。要するに、平成5年12月に共同事業者から提案された内容でやることで経営の見通しがついた、こういうふうに言っているのです。まさにこれはぎりぎりの線という認識ではなかったかというふうに思うのです。ですから、8月に報告されている変更された内容では、初めから経営が困難である、こういう予想がされていたのではないかと思うのですね。 ちなみに、最初の案で収支の経年変化を計算してみると、黒字だった平成11年まではもちろん、赤字に転落した平成12年から去年まで毎年黒字になる。これ、ちょっと表をつくってみました、ちょっと見にくいと思いますけれども。(「全然見えない」と呼ぶ者あり)済みません、前の方にいる人だけしか……。(発言する者あり)これを見ますと、収入と支出ということで、@が収支です。平成12年からはずっとマイナスになって赤字になっているということです。当初の案、地代を払わなくていいというふうにすれば、実際にこの収支は払っているわけですから、これにプラスをします。最初の年は1,080万、それから業務管理委託料、これはBと書いてありますけれども、これは向こうからというか、エフビルさんからくれる、業務管理委託料として、というふうな数字です。これを足してみますと、この一番下に@からBと書いてある赤の線ですけれども、ずっとプラス、黒字なのです。去年の平成16年、決算では1,600万の赤字と報告されておりますけれども、これでも390万の黒字になるのですよ。 先ほども確認しましたけれども、年間の収入が7,200万ですね、予想を立てたと思うのです。 33台分で150万ということで計算したわけですから。そうすると、これも実績なのですが、実績を見るとわかるのですけれども、総支出というのは、平成10年、これは残念ながら9年の実績がわかりませんでした。平成10年、8,190万、支出が。平成16年、去年は7,400万、まあ支出も減ってはきていますけれども収入ほどの減りではないわけですけれども。7,000万から8,000万の支出がかかるのですよ、もともと。収入は7,200万というふうに見込んでいたわけですから、これは初めから赤字ということは明らかじゃないですか。どうなんですか。 ○産業経済部長 せっかく計算をしていただいたわけですけれども、まず、立論の前提は、政策として公共駐車場をつくるというのがまず第1点だったわけです。そうしますと、これは当然営利性というのは限りなくゼロに近づいてまいりますから、先ほど当時の副参事が発言されたように、竹の塚の公園の下につくる云々ということになると、膨大な財政支出が必要になってくる。それをこの活性化センターの仕組みを使ってやったために、仮に赤字が出てもそれは非常に少なくて済むというのがまず第1点です。 それからもう一つ、仮に赤字と申し上げましたけれども、不動産の運営のもくろみでは、いま委員さんがご指摘になったようなことなんだろうと思いますけれども、当然それはお客の状況でありますとか環境の変化があるわけで、現在も既に共同事業者の方から価格については考えた方がいいんじゃないかという話が出ているわけですから、そういう是正措置というものを勘案すれば、それは当初のもくろみからいくと最終的に赤字になるんだというふうに決めつけるというのはいかがかというふうに私は思っております。 ○三好委員 事実を私は言っているのであって、しかも先ほども紹介しましたけれども、坂田総務部参事は、その当時、これで何とかやっていけるという、そういう報告をしているのですよ。何とかやっていける。というのは、これでというのは、要するに古庄ビルの方から、第1次案の中身でやって、何とかやっていける、これなら、ということでスタートしたんじゃないんですか。 ○区民部長 10年前ですので、完全に記憶があるわけじゃないのですが、たしか、そういうものを計算するとき減価償却費がありますね。これは税法上はある意味で支出の上に出ているのですが、実は違う。キャッシュフロー上は別にそれが出ているわけじゃないので、恐らく赤字か黒字は、キャッシュフロー計算にしているはずです。この間も産業振興課長が言われていたように、例えば固定資産税が五、六百万か何か。減価償却費がかなり大きいのです、1,000何百万。これは実際に支出するわけじゃないのです。再建築費で税法上認められて、支出とみなすことができるので、ですから、こういう事業は大体キャッシュフローがどうなのか、回るのかどうかという議論をしている。そういう議論では、あの当時は回ると考えていた。確かに一方で、バブルがあのころからざあっと崩壊していったという部分もありますけれども、十分あの時点では回るという、キャッシュフローの段階では回るというふうな計算をしてご報告をしたというふうに記憶しております。 ○三好委員 そうじゃないでしょう。減価償却の問題で言えば、通常、お金があって何か物を買えば、そこに物があって、それを使っていけば10年後にはなくなってしまうから、10年後に買うためにためていきましょうという話ですよ。ところがこの減価償却というのは、7億の借金をしてそれを返すためのお金じゃなかったのですか。違うのですか。 ○区民部長 減価償却というのはそういう仕組みになっているのではないので、あくまでも再建築みたいなものをある意味で企業として税法上支出扱いするという格好になっています。そうすると、実際には企業が30年後また再建築するときどうするか。普通はまた融資を受けるのですね。ですから、内部留保の格好で税法上優遇されている仕組みが、それが減価償却という意味で、公会計にはそういうものはありませんから、なかなかご理解いただけないのかもわかりませんけれども。 ○三好委員 だって、実際の中身はそうじゃないですか。借金をして建物を建てたと。それが30年後にはなくなってしまうから、30年後以上も継続するためには、そのときまた借金をしなければならない。借金をしなきゃならないということは、それまでに借金を返さなきゃいけないという、こういうことですよね。 ○産業経済部長 ちょっと私の手の挙げるのがおくれまして、区民部長の方へ行ってしまったのですけれども、繰り返しになりますけれども、そうではございませんで、これを例えば60年、90年というふうに駐車場を引き続きやっていくというときに、いま坂田部長が申しましたように、再築をするために、その分をいわゆる利潤の中から必要経費というふうに先に落としておく、こういうことですから、この契約の中では、30年たちましたらそのときの価格でこの共同事業者でありますFビルのオーナーに買い取っていただくことになっています。そうしますと、これは税法上のそのような措置があるわけですけれども、それを使わないで済むという、そういう仕組みなわけです。 ○三好委員 減価償却ということを解明するためにやっているのではなくて、実際にこの活性化センターの収支に基づいて私は質問をしているのです。 ところで、その当時の坂田参事は、どうして初めの提案ではなくて2回目の提案をのんでしまったのですか。 ○産業経済部長 これはルールでございまして、私もその当時は全くこの中身についてはあずかり知らないので、これは区民委員会に報告された資料に基づいて私はお話申し上げているわけで、その区民委員会の中で当時の総務部参事が答弁している内容でございますけれども、これは繰り返しになりますが、一つには、この弁護士に相談したところ、第三者に土地の使用権が対抗できなくなる……。 ○三好委員 それはいいですよ、もうわかっていることだから。 ○産業経済部長 それが1点ですね。それからもう1点は……、どこでしたっけ ○三好委員 それはいいですよ、そんなこと、報告文書はわかっていますから。 ○ 産業経済部長 いいですか。ですから、そこに書いてあることがすべてだということでございます。 「Fビル」のための事業だった ○三好委員 そんなことないでしょう。 今回の駐車場の運営の問題なのですけれども、区はこれからも黒字にするよう努力するといっています。Fビルとの関係では、附置義務分の駐車料を含む地代月額90万を平成11年度の年度途中から106万に引き上げておきながら、この赤字が続く中、改善の交渉もしてこなかった。契約の面でも、明らかに活性化センターに不利になるような提案に合意をしてしまった。こうしたことで区の税金を新たに億単位で投入しなければならないような事態を招いたことは、私は善管注意義務違反ではないかと指摘されても当然ではないかと思うのです。区の責任は極めて大きいと言わなければなりません。善管注意義務違反は違法行為であり、損害賠償など責任が問われる。活性化センターは倒産状態で、民間の法人であれば理事会、理事長に、株式会社であれば株主や社長にそこの責任が問われる問題だと思うのです。区は一体だれがこの問題の責任をとろうとしているのか、区長、お伺いします。 ○産業経済部長 これは当然株式会社ですから、活性化センターに対して資本を出捐した、10億のうちの92.3%、理論的にはそれを失うということで責任をとるわけです。それ以外責任のとりようがないわけです。しかし、そうならないように早い時期でこの会社を清算しようというふうにしているわけですから。 それからもう一つ、善管注意とおっしゃいますけれども、善管注意義務ということはそういう状況のもとで使う法律概念じゃないというふうに私は理解しているのです。これは会社の営業として行われていることですから、当然取締役会が責任を持つ話です。善管注意義務の話ではないというふうに理解しております。 ○三好委員 区民に対してどう責任をとるかということを私は聞いているのです。あなたたちは区民から集めた税金を使って返せばそれで済むじゃないかと……。 ○委員長 あと1分です。 ○三好委員 そういう問題ではないと思います。 この問題は、本来は30年で4億1,970万、年間で1,400万の収入があったのに、それをやめてしまった。支払う側のF氏にしてみればこんなにありがたいことはないと思うのです。F氏は、ビルを建てるのに自分でやろうとすれば22億円かかるところを15億円で済ましてしまった。実際には地代も受け取り、附置義務分の業務管理委託料も支払わなかったばかりか、逆に130台分の業務管理委託料をみずから受け取り、管理した。結局、7億の駐車場建設費用をそのまま活性化センターに肩がわりをさせて、30年後には建物全部を自分のものにしてしまうというエフビルのための事業だったということが言えるのではないかと思います。しかも、結局事業が成り立たなくなったために、2億5,000万の負債を区に負わせることで、その利益を継続させようとしている。 こんなことは到底区民のだれもが納得できる話ではないということを述べて質問を終わります。 |
10月7日(第4日目)午前 鈴木秀三郎委員 旧本庁舎跡利用 区が選んだ最優秀案の計画は会社言いなりで変更―地元商店街の活性化へ向けて区は責任を果たせ― ○委員長 次に、共産党から質疑があります。鈴木委員。 ○鈴木委員 私は、あだち産業芸術プラザ、このことについて、まず、伺っていきたいと思います。 最近、こういうパンフレットが配られて、見せていただきました。 足立区の行財政運営方針、いわゆる依命通達ですけれども、ここで、行財政運営の重点項目、これが幾つか並べられております。この中で、あだち産業芸術プラザを核とした総合的な地域経済の活性化、こういうことを上げています。 旧庁舎跡地に建設していますあだち産業芸術プラザは、来春オープンする、こういう予定になっていますので、この時期に改めてその経過と到達を見てみたい。 区が株式会社綜合商事と締結したあだち新産業振興センターの建設及び運営に関する基本協定、こういうものがありますが、これは同社が提出した第2次応募提出資料、つまりO案というものですけれども、このO案を基本とするこういう協定です。これに基づく基本協定は、合意した施設の機能及び内容については原則として変更しない、こういうことになっていますけれども、ただし書きがありまして、区と会社の合意があれば内容は変更できる、こういうふうになっています。 そこで、このただし書きを活用した会社側の変更を次々と区が認めてきた、それとも、区が最終案としてこのO案を決めたけれども、それほどよいものではなかった、こういうことなのかが問われている、こういうふうに思います。 我が党は、これまで、機会あるごとに指摘してきましたけれども、結局、O案は大きな変更が次々とされてきている。 まず、どんなに変わったのか、その概要を見ていきたい、1階のイベント展示ホール兼公開スタジオ、これがO案にありました。しかし、この公開スタジオは1階の広場のおはこ市場と一体で各種イベントなどに使えるというものでした。ところが、これがいまでは、天空のホール、21階、22階、そういう方に変更されました。そのかわりに1、2階に商業施設が入る、こういうことになっています。 2階部分にあった会議室のフロア、いわゆる産業振興にかかわるCADとかPC研修室とか映像音響設備の会議室など、これらは、空中歩廊を通じて北棟と連携して一体で使える、そういう構想になっていました。ところが、この空中歩廊は取りやめてしまいました。CADの設備もなくなりました。パソコン研修室は北棟の方に移された。会議室はどうなったかというと、20階に上げられて、天空ホールの控室、そういうものと一緒のフロアに移されてしまっている。2、3階には黒澤明シネマシティ、そういったスタジオが導入される、こういうことになっています。 3階から5階の3フロアにあったスポーツクラブ、これは4階、5階の2フロア程度になり、生活利便施設、こういうことに変わりました。プールは地下の駐車場と同じ地下に移されてしまいました。 主要な施設であったデジタルファクトリー、6階から9階の4フロアを予定していたわけですけれども、これが9階から11階の3フロア、11階は半分が区が借り上げるということですから、2フロアと半分、そういうことになって、しかも、スタジオオフィス、こういうふうに言い方もかわる。このしおりの中には、もうデジタルファクトリーという言葉は完全になくなっています。そういう状況にこのメインの施設がなっている。 SOHOは、賃貸事務所ですけれど、住宅兼貸し事務所、つまり住宅としても使える、こういうことになって、マンションみたいな扱いになろうとしている。 もう一つつけ加えれば、地下1、2階、これは駐車場を予定して、167台、こういうことになっていたのですけれども、いまは、この計画、地上11台、そして、地下1階のものと合わせて100台、こういうふうに変更している。 最終案、O案が地元商店街の活性化にと言われてきましたけれども、見事に施設がばらばらに配置される、こういうふうになってしまった。区は、地域経済の活性化とか商店街に活力を与える、こういうことでO案を選定した、こういうことではなかったのでしょうか。 ○中小企業支援課長 これは、目的は、委員のおっしゃるとおり、千住地域のにぎわいと区内経済の活性化ということが目的でございまして、当初のO案提案でいきますとデジタルファクトリーを中心としたということでございまして、確かに、委員ご指摘のとおり、階数の変更等でO案の提案とは変わっている点は多々ございます。 ただし、機能としてのもの、黒澤明等のデジタルファクトリーの機能、また、SOHOも、これは住宅ではなくて、資料を見ていただくとわかるのですけれども、ワンフロア的に、SOHO自体がスモールオフィス、ホームオフィスですから、住宅兼事務所で全くこれは問題ないということでございまして、この96室のSOHOからも新たな事業者が生まれる。また、デジタルファクトリー、黒澤明映像スタジオ等との連携で新たな新産業が生み出されていくという可能性を秘めておるということで、機能的には変わっていない、区とパートナーシップをとって連携して目的を達成していきたいというふうに考えてございます。 新たな事業収支計画を会社に求めるべきではないか ○鈴木委員 いろいろ言い方はありますけれども、実際には、会社の言いなりに変わってきている。 私どもは、議会でも議論はされて、こうしたことが危惧されていた。公共財産活用特別委員会、ここでは、異例なことですけれども、こうした問題に関連した附帯決議が採択されています。そういう事実を見れば、本当に全体としてそういう心配がされていた、そういう心配をしているということが明白だというふうに思います。 区は、綜合商事と一般定期借地権を設定して50年間という長い期間の契約を結びました。 ところで、綜合商事が区に支払う地代は年額幾らでしょうか。 ○中小企業支援課長 年額に直しますと1,984万円余でございます。 ○鈴木委員 区は、パートナーシップ事業、こういうことで、天空のホール、そして、その下の会議室、それから、借り上げの部分もありますけれども、このパートナーシップで20年間の契約をして事業を進める。この区の負担、年間、天空ホールと会議室では幾らぐらいにそれぞれなりますか。 ○中小企業支援課長 ホールと会議室で現在の予定でございますけれども、1億円弱でございます。 ○鈴木委員 天空ホールと会議室でそういう状況ということですけれども、このほかにパートナーシップ事業としてもう一つ、区が一括して借り上げる創業支援室、10室ありますけれども、この年間の賃料といいましょうか、委員会の報告資料に出されてきましたけれども、この額は年間幾らになりますか。 ○中小企業支援課長 区の借り上げる創業支援施設につきましては、今回の公共財産委員会で報告をさせていただく予定でございますけれども、現在のところ約1,200万円程度を予定してございます。 ○鈴木委員 そういうことで、かなり、企業からの土地代については1,984万、年間2,000万弱、それは区に入るけれども、区の持ち出し分としては1億数千万になる、そういうふうに言えると思うのですけれども、この20年間の契約期間で見ると、地代の収入は3億9,680万、ところが、区が負担する経費は、ざっと計算しても19億3,660万、そういうふうになるというふうに思います。 区の財政の負担は非常に大きい。あだち産業芸術プラザ、本当に、地域経済の活力、地元の商店街の活性化、こういうことに役立つものにしていかなければならない、こういうふうに思います。 ところで、O案の事業収支計画、これについて伺いますけれども、これまで区は、会社を信用しているから大丈夫なんだ、そういうような趣旨のことを答弁してきましたけれども、最優秀案として区が採用したこのO案、計画が大きく変わってきている。この事業収支計画が、結局、破綻しているということになるわけですけれども、改めてこの事業収支計画を求めるべきだというふうに思うのですが、パートナーシップの事業の一環としても区は責任があるというふうに思うのですが、いかがでしょうか。 ○中小企業支援課長 事業収支につきましては、事業者側の方から、やはり、これを出すテナント同士の賃料の問題等がございましてなかなか難しいという返事でございます。 また、綜合商事と区でパートナーシップでやってございますので、私どもが選んだ事業者ということで、もちろん信頼関係ということで結ばれておりまして、綜合商事側の方もバックの綜合警備保障等の関係を見まして安定している会社というふうに考えてございます。 ○産業経済部長 いま、ちょっと最後の部分で、綜合警備保障がバックにあるのではなくて、この綜合警備保障の持株会社が綜合商事ですから、現在、これは配当200%です。 それから、もう一つ、事業の推移でございますけれども、我々といいますか、少なくとも私、公務員として到底太刀打ちできないような経営の理念と実績でやられておりますので、何ら心配はしておりません。 ○鈴木委員 部長が心配しないということは、それはそれで部長の判断ですから、でも、区民としては、事業収支計画がきちっと出されていて、これが大きく変わっちゃっているわけです。 そこのところを区が何十年間これからつき合っていくわけですから、やはり、きちっとしていただきたい。懸念するということは当然な話です。 それで、このO案の事業収支計画を簡単に紹介しておきますけれども、事業投資総額87億4,100万円、このうち金融機関から借りる一つは55億4,300万円、3%の利子で20年間、それからもう一つの方は21億800万円、2%の利子で20年間、こういう中で、施設運営経費とか税金、地代、これは工事期間中は入らないけれども、年間21億8,600万円、こうした中で、借入金の返済とかを含めると、この事業計画では年間27億7,700万円が必要総費用というふうになっています。これに対して計画では、年間29億3,000万円営業収入が見込める、こういうふうにこのO案の事業収支計画はなっています。 しかし、この計画が破綻された。区民の貴重な財産、旧区役所跡地を安い地代で提供してパートナーシップ事業として税金も繰り出す、そういうことをやりながら事業収支計画の概要も示されない、これでは納得できるわけがありません。 このO案の事業収支計画の中にも企業名は入っています、入る予定のテナントの。交渉中ということですけれども、別に明らかにしても何ら変わりがない。しかし、こんな細かいことをあれこれ言っているわけではありません。全体の事業計画の収支バランスも含めてそういうことはちゃんと見ていく必要があるのではないか、そういうことで、私はこの間ずっと、こうした事業収支計画も少なくとも概要を示してもらう、こういうことが必要だということで求めてまいりました。 改めて、そうした事業収支計画の概要的なものも求めるというふうにはならないでしょうか。 ○産業経済部長 これまで、複数年にわたって、先ほど委員さんがお話になられました公共財産の委員会の中で幾度も共産党の会派の皆さんからそういうお尋ねをいただいて、そのたびに私が答弁をしておりますのが、素人の我々がその表を仮に見たとしても、これはなかなか読みこなすことは難しい。逆に企業に対して融資をしている金融機関がきちんとそれを判断をしているわけです。したがって、それを信じる。 それからもう一つには、これは、やはり企業の情報があるわけでございますから、それを勘案してこれまでも何度もお断りしているはずです。今後ともそれを求めるつもりはありません。 ○鈴木委員 部長さんもこれを見ればわかると思いますよ、この程度なら。見ているでしょう。素人がわからないなんていう問題ではないですよ。そんなに専門的なものではないですから。 そういう意味では、区の財産もつぎ込んで区民の税金も含めてつき合っていくわけですから、そういった意味では、事業が本当に順調に進展しているのかどうか、やっぱり知る必要がある、このように思います。 この地元商店街の活性化の問題としては、重要な問題ですけれども、区はよく透明性とか公開性、情報公開とよく言われております。こういう点からも少なくとも区民にも明らかにできる分野があるはずですから、していただきたい、このように要請しておきたいと思います。 それで、この建設の事業にかかわって地元企業の工事参入、このことについて綜合商事に申し入れを区はしてきました。会社側は建設方法がコストオン方式、そういうことで、元請はすべて大企業、そういうことになりましたけれども、区内業者の参加はどういう状況ですか、教えていただきたい。 ○中小企業支援課長 現在、報告が出ているのは7事業者でございます。 ○鈴木委員 わずか区内業者が7事業者、本当に、これだけの大規模な工事でそういう状況というのは、いままで言ってきた区内の事業者の育成とかそういった点でも不十分というふうに言わざるを得ないと思います。 この事業は、商店街の経済活性化に役立つ、そういう意味で言われてきたわけですけれども、地元説明会で綜合商事の社長さんがいろいろ懇談をしているわけです。その中で、綜合商事の社長と話した方が、にぎわいをつくりだすのは皆さん方だよというふうに言われてがっかりした、一緒にそういうにぎわいをつくっていくという姿勢が感じられないのではないか、そういうことも感想として漏らしていました。 やはり企業は、もうけ、これは当然ある意味ではそうですけれども、もうけをリスクとして出しながら本当に地元の活性化にどれだけ役立つ経済活動をするのかという点では区の役割は非常に大きいというふうに思います。 都営住宅地元割当の応募は227倍だ。建替え時に増設を求めよ 時間がなくなってきていますので次に移りますけれども、住宅政策の問題でお伺いします。 足立区はこれまで、行財政運営方針の依命通達にもありますけれども、重点項目の一つに、公営住宅の偏在解消とファミリー層の定住化、こういうことを言っています。しかし、この公営住宅の偏在解消というのは、足立区には都営住宅が多いから少なくしよう、こういうことなのでしょうか、お答えをいただきたい。 ○住宅課長 確かに、23区でもって18%、約19%ありまして、所得の方が低所得者向けですので、そういう意味では財政負担も多いというところから偏在を解消しましょうということで出してあります。 ○鈴木委員 そういうことで、偏在解消ということは少なくするという立場なのかなというふうに思うのですけれども、具体的にお伺いします。 綾瀬7丁目の地区の都営アパート、これは協議して建てかえていくというふうに報告はされました。この再編の中で、住宅を抑制していく、こういうことが出されていますけれども、戸数が減るということになるのでしょうか。 ○住宅課長 あそこの場では、たしか、東京都から数字的にはふえている形で来ております。 ○鈴木委員 都民住宅とかほかの住宅を併設する形が最近非常に多い。都営住宅については少なくなる、そういう傾向がずっと続いているわけですけれども、これについては後でまた教えていただきたい。 しかし、都営住宅も募集が全体的に見ても相当な倍率です。足立区の地元割り当てというものがあるのですけれども、この地元割り当てを見ると、花畑とかいろいろありますけれども、一番多いのが青井、ここでたった1戸の募集しかないのです、227倍。それから、西新井本町、扇地区、ここも1戸です、地元の募集は、105倍。それから、西保木間、竹の塚、ここは申し込みが116で2戸募集ですから58倍、倍率が。こういうことで、地元に住んでいる区民の方が申し込んでも入れない。 都営住宅は所得の少ない人を対象にしている住宅です、ご存じのように。都民住宅は所得の安定している人が対象なのです、一定限上の人が。 問題は、先ほど、住宅のお話で、全体として住宅がよくなっているような話もありますけれども、まだまだ、こういう募集倍率を見ると、一般募集の都営住宅を抑制するということについてはやっぱり考え直す必要があるというふうに思います。 そこで伺いますけれども、これまで10年間都と協議して、その協議事項に基づいて都営住宅の建てかえを進められてきました。今年度、10年目になって建てかえで新たな10年間の計画が持たれる、こういうふうに思います。この協議の中で、やっぱり区は、少なくとも、都営住宅、この建てかえのところでできる限りふやしていく、そういう立場に立つべきだろうというふうに思うのですが、いかがでしょうか。 ○住宅課長 東京都は、2002年の住宅マスタープラン、ここで管理戸数については抑制していくという方針を出していますし、昨年の3月でも抑制ということで合意していますので、要望していく考えはありません。 ○鈴木委員 石原知事が都営住宅をもう建てていかないということは知っています。しかし、区民の暮らしをどう支えるのか、この区の基本姿勢が問われる。都にそういう要望もできない、これでは本当におかしいのではないですか。 足立区は、少なくとも区営住宅を都から移管されて経営しています。しかし、独自に建てたものはないわけですけれども、この都営住宅を縮小する、もう建てない、そういう流れに乗るのではなくて、区民の暮らしを本当に支えていく、このことが求められている。もう一度答弁をいただきたい。 ○都市整備部参事 基本構想の中におきましても、23区の公営住宅の偏在解消に努めてファミリー層の定住化を図っていくということをうたっております。 ただ、本年度、新たな住宅マスタープランの策定に向けて住宅政策審議会の方に諮問をしております。ご議論をいただきながら区の政策の方針にのっとった形で政策を考えていきたいというふうに考えております。 ○ 鈴木委員 第3次住宅マスタープランをつくる予定になっていることは知っています。そのマスタープランをつくる上で、そうした公共住宅、公営住宅の増設計画についても見直すべきだ、これまでのプランの計画を見直すべきだと思いますので、その点については要請しておきたいと思います。 区は荒川土手に桜並木をと運動する区民と協働を! それから、次に進みますが、桜の木を植える会など、区民の皆さんが運動をしています。千住地域の柳原に見事な桜の並木がありますけれども、これと連動して荒川土手にどうだろうか、こういう提案もしている団体でもございます。 国土交通省にそうした方々が行かれて話をし、いろいろ聞いてきた。国土交通省では、条件として、土手が、腹付け工事というのですか、それがされているかどうかがまず大事だと。それから、桜の木は外来種でないこと、このことが前提だと。それから、区が窓口になっている、区民との合意も含めて区とよく相談してほしい、その三つのことが出されて、区にも話し合いに来ているというふうに思いますが、こうした区民の相談には積極的に乗っていただきたい。 足立区の観光スポットの一つにもしていく、そういうような立場でこの桜並木の問題については取り上げて、住民と協働して、そういうまちづくり、そういうものをつくっていこうという姿勢をもって臨んでいただきたいというふうに思うのですが、いかがでしょうか。 ○委員長 あと1分です。 ○公園緑地課長 荒川の土手の桜につきましては、既に堀之内1丁目に里帰り桜が20本ほど植えてございます。また、宮城ゆうゆう公園とか新田地区のスーパー堤防の整備にあわせて桜等を植えております。 ご質問の柳原1丁目の荒川土手の道路側の部分かと思うのですけれども、その部分に桜を植えてはどうかということだと思いますけれども、この部分は国土交通省の土地で区では占用しておりません。そういう中で、区が植えるとなると区が占用する形になりますので、そういう問題もありますし、あと、ここの場所は非常に道路側の部分の勾配がきつい、急になっておりますので、さっき委員の話にございましたけれども、腹付けみたいなものの整備が必要になってまいります。その費用も結構かかるということがございますので、現在の状況の中では桜等を植えることは難しいと思っております。 ○鈴木委員 ぜひ、腹付け工事というものがされているかどうかも含めて調べていただいて、相談に乗っていただきたいと思います。 ○委員長 この際、審査の都合により暫時休憩いたします。再開は午後1時といたします。 ご苦労さまでした。 |
10月7日(第4日目)午後 針谷みきお委員 シアター1010会社運営疑惑 乱脈経営で区民の血税をムダ使い ―株式会社のどこに効率性があるのか― ○委員長 次に、共産党から質疑があります。針谷委員。 ○針谷委員 ことしの総選挙は小泉劇場というのに効果があって自民党が大勝したと言われておるのですが、足立区の劇場であるシアター劇場はどうかということで、私はちょっとそれについてご質問をさせていただきたいと思っております。 まず、シアター1010がなぜコミュニティ・アーツを指定管理者として決定したのかという問題なのですが、条例によると、演劇を初めとする文化芸術の鑑賞機会と自主的な文化芸術活動の場を提供するとともに、舞台芸術の想像及び人材の育成等を行い地域文化の形成に寄与することを目的とするということで劇場ができたということですが、当時、文教委員会でも本会議でも、なぜ株式会社で運営するのかと問われて、当時、区は、株式会社なら赤字を行政が補てんをするのではなく経営責任を明確にできる、自由な経営の展開で収益性が高められて区に頼らないで自立してやってもらえる、こういう答弁をしていたのです。 ところが、いま起きている事態は全く逆で、自立どころか、区が毎年5億5,000万の管理運営負担金を見込まないとやっていけない、こういうのが実態だと思うのです。 教育長はこの問題で、だれがやっても5億円程度はかかるという答弁をしておりますけれども、それだったら何も株式会社じゃなくてはならないという根拠は既になくなったのではないかと判断できるというふうに思いますが、いかがですか。 ○教育長 誤解されていらっしゃると非常に困るのですけれども、まず、このコミュニティ・アーツという会社は、シアター1010の管理運営とその劇場を使って区にかわってあそこを拠点にして芸術を発信していく、そのために区が区民に直接呼びかけて株主になっていただいてつくった会社でございます。まずその前提をしっかりと認識をしていただきたいと思います。それから、管理運営費については、これは当然どこが管理をしてもかかるわけです。ただ、区が管理をするよりは株式会社に委託をしてそういった収益性を生かした管理をやってもらいたい、これが第1点です。 それから、もう1点は、これは、基本計画、それから文化芸術振興基本条例、こういうところにも、シアター1010を使って文化芸術活動が積極的に展開されるように区は必要な措置を講ずると、これも明記されているわけでございますので、当然、この経営に対する支援、指導は区がやっていく、そういう枠組みになっているわけでございます。 ○針谷委員 私の質問に答えていないじゃないですか、全然。 私が質問したのは、株式会社でなくてはならないという根拠は、現時点では、この収益性の問題にとっても、経営責任を明確にできるとか自由な発想で専門性云々とか、いろいろ言っている根拠は全部崩れているではないですかと。それについて、株式会社ではもう指定管理者としての役割というのはどうなのかという私は質問しているので、いいですよ、ゆっくりで、それを聞いているのではないから。 私はもうこれは明白だというふうに思わざるを得ないのです。 会社の経営責任の問題がいま問われているわけなのですが、この平成16年度、この本決算で検証しなければならないのは、コミュニティ・アーツに区が、負担金として開館記念事業で4億7,500万、管理運営に5億、合計9億7,500万を投入した。そして、区の負担金については概算払いということで精算により残金が生じた場合は区に返還をする、こういうことになっているわけです。管理運営業務は4億3,400万、先ほども出ましたが、6,500万の残金が出た。開館記念事業は5億4,500万余の支出で約7,000万円の赤字をつくってしまった。これをやはり区がどのように総括をしているのかということがいま問われなければならないと思うのです。 それで、なぜ赤字をつくってしまったのかということに関して、区は四半期ごとに負担金を支払うことになっていたのですから、本来ならば負担金を支払うたびに精査する必要があったが、できなかった。これは文教委員会の答弁ですね。できなかった。非常に微妙なのです。しなかったと言ったのではないのです。できなかったと言っているのです。そこで、文化課長が陳謝をいたしますという言葉まで述べているのですが、なぜできなかったのですか。 ○文化課長 委員会で陳謝申し上げたのは、指定管理者に対する適正な指導助言、その権限に基づいて適宜適切に執行状況についての報告を十二分に求めなかったという点について陳謝申し上げた、こういう内容であります。 ○針谷委員 いまの答弁だと、しなかったということですね。しなかったことも重大ですよ。区民の税金を投入しておきながら、結果、後でわかったというのは重大なのだけれども、この前の答弁はできなかったと答えているのです。できなかったということは、コミュニティ・アーツと足立区の関係が本当に正常に機能していたのかなという私は疑念を持っているのです、実は。 それはいいや、まともな答弁がこれ以上やってもあれですから話を進めますけれども、その後、6月13日の文教委員会で長塩委員さんがこの問題を追及をして、そして、私もいろいろな質問をさせていただきました。その後、陳謝をしたわけですから反省をなさったと思うのです。それで、その時点で、16年度の開館記念事業である12事業、約2億円の赤字をつくってしまったというこの12事業について収支はどうなっていたのかという検査はその後したのですか。 ○文化課長 実施をいたしました。 ○針谷委員 実施をした結果、赤字をつくってしまった要因は一体何だったのかということは、いまお答えできますか。 ○文化課長 ある面においては、やはり営業努力が不十分だった面。それから、もう一つは、顧客に喜ばれる演劇、これを重視しなかった、すなわち、先端の文化芸術情報を発信するということに力点を置いた。もう一つは、売上原価、すなわち演劇をつくる経費に相当程度、いま申し上げた最先端の芸術文化の情報を発信するために通常演劇を行うために必要な経費以上のものを投入した、こういうことだろうと思います。 ○針谷委員 まあ、そうでしょう。 私は、そこで少しこの問題については深く掘り下げなければいけないと思いますので、若干、具体的に立ち入ってお話をお伺いしたいと思うのですが、いま言った売上原価に必要以上の経費をかけ過ぎたという問題ですけれども、コミュニティ・アーツの第3期報告書で、いわゆる販売率50%という演目が何個かあるのですが、大半と言ってもいいぐらいなのですがあるのです。相対としてこれの制作費が非常に高い。 招待券を3割も発行―制作費に監督の儲け上乗せ― ○針谷委員 例えば、「楡の木陰の欲望」というお芝居にかかった経費は非常に高いのですが、これは支出経費が幾らだったのか、お伺いしたいと思います。 ○文化課長 支出経費総額が8,400万円余りであります。 ○針谷委員 では、入場者数とチケット収入はそれぞれ幾らでしたか。 ○文化課長 入場者数につきましては2,000名余でありまして、金額ベースで3,433万円であります。 ○針谷委員 違うよ。9,004名の参加で金額は3,600万余です。そういう報告になっていますよ。いま、読み間違えたのだろうと思いますけれども、いいや、それは。 ○文化課長 大変失礼しました、目が飛んでしまいました。 ○針谷委員 それで、この「楡の木陰の欲望」という事業はtptという会社でやられているようですけれども、いま支出が8,400万と言ったが8,800万と報告されていますよね。余り大きな変化じゃないからいいですけれども。8,828万、入ったお金は3,600万余、倍以上のお金を使ってしまったと、収入よりも。 これは、計算をすると、チケット代がS席が8,000円でA席が5,000円です。どう勘定しても、どんなに頑張っても8,800万には到底及ばないです。もう最初から赤字というのがわかっていたのだろうというふうに思うのですが、これは承知の上で企画をしたと、こういうことですか。 ○文化課長 およそ株式会社でございますから、当期の事業については当期の一番最初の株主総会で、事業計画、当然、事業計画はその中に投入する金額と収入の見込みを立てるということであります。 昨年につきましては、こけら落とし公演ということでありまして、この区の事業をみなお願いしたというスタイルでありますから、内容については区は一定程度承知をしていた、こういうことであります。 ○針谷委員 説明を求めているのではないのです、私は。赤字を覚悟だったのかと聞いているのよ。だから、その説明なんていうのはわかっているのですよ、私も。まあ、いいや。 これは、もともと赤字覚悟の、承知の上の話なのです。それでもこの収支報告はおかしいのです。 私、ちょっと計算してみたのです。8,800人入ったというふうになっていますが、収入が3,600万しかない。S席とA席の数の比率を計算してみると、このまま9,000人仮に本当に入ったとすれば、少なくとも6,700万ぐらいになるはずなのです。どうして3,600万しか入っていないのですか。 ○文化課長 およそこけら落とし公演でございますので、そのこけら落とし公演を通じて広く劇場の知名度を周知するということがこけら落とし公演の機能であります。したがいまして、こけら落とし公演においでになるお客様すべてに有料ということではなくて、およそ3割程度の方々に対して無料チケットを配布されたというふうに承知しています。 ○針谷委員 3割というと約3,000枚ぐらい無料のをまいたということだね。 これは、どうもほかの事業も計算すると3割から4割無料の券をまいていると思われるのです。最初からこれは、もうそういうことをやれば、先ほどの話ではないですけれども、収益性が高められて自由な展開だとか、経営責任を明確にできるなんていう、こんな話ではなくなるのはもう見えていたと、私はとんでもないことだろうと思っているのです。 しかも、先ほど言った売上単価も高いということなのですが、このお芝居は朝倉監督と市川館長が具体的にかかわったお芝居と聞いておりまして、朝倉監督が美術料というものを設定をして、この8,800万円の中に、私がつくったんだから美術料をいただきますよということで上乗せをしたというふうに聞いておりますけれども、この美術料というのは含まれているのですね。 ○文化課長 含まれていると聞いております。 ○針谷委員 おかしいと思いませんか。この朝倉監督というのは開館記念事業として人件費をいただいて美術料も私は含まれていると思うのです、約1,000万。週に何日来ているかは知りませんけれども、聞くところによると二、三日しか来ないということで1,000万のお給料をお支払いしているという、そういう人が自分の持ってきたお芝居だからといってまた美術料を上乗せする、 ある意味では二重に美術料を上乗せしていると理解せざるを得ないです。 本来ならば、そういう美術料を、我々は芸術監督としてあなたを雇っているのだから初年度の事業としては遠慮してもらいたいという交渉をすべきだったと思うのですが、したのですか。 ○文化課長 私ども教育委員会としてはいたしてございません。 ○針谷委員 私が聞いている話では、いろいろあったと聞いておりますが、これについては監督に押し切られたというような話も聞いています。 いずれにしても、こういう事業展開というか経営ぶりがやられていれば、もう当然ながら赤字になるのは当り前、こういうものが、この決算報告書を読むと、また、いただいた資料を見ているともうちりばめられている。これは私は一例として紹介しただけであって、まさにそういうことだろうというふうに思うのですけれども、先ほど、課長が三つの点にわたって答弁をしていただいたので、私はこれについて何らかの対応がどうしても求められるというふうに思っています。 しかも、このコミュニティ・アーツの運営に関しては、こういう基本的な舞台での見通しのなさというか、もう最初から赤字覚悟というか、そういう取り組みだけではなくて、経営についても非常に疑義があるものがいっぱい出てきたということなのですが、ちょっとお聞きしますけれども、平成15年7月にこの舞台監督に就任した朝倉摂さんの本、朝倉 摂のステージ・ワーク1991−2002という本の出版記念と芸術監督就任記念パーティーというのが開催されていると思うのですけれども、この費用についてはコミュニティ・アーツが支出をしたということを聞いたのですが、本当ですか。 ○ 文化課長 15年期の決算でございますので私の手元にはそのような資料はございませんが、そういったことがあったというふうなことについては聞き及んでおります。 芸者あげ宴会、貸し館事業では未収金1200万円 ○針谷委員 これについて私は公私混同だと思うのです。本来、個人で出した本の出版記念パーティーと芸術監督の就任をごちゃごちゃにして公費を投入するのは全くおかしい。会費をとってやったというふうに聞いておりますけれども、しかし、パーティーの内容というのはその会費以上の支出をして、足立区が約670万円の負担をしたというふうにも聞いております。 参加者を聞いてみると、足立区関係者はほんのちょっとだったというふうに聞いておるのですけれども、私の聞いた話では250名の参加者のうち足立関係者は15名ぐらいだったというのですが、そうですか。 ○文化課長 先ほども申し上げましたように、15年期の決算でございまして確定決算でございます。残念ながらその決算数値についての資料は手元にございませんので、何名というところまでは承知してございません。 ○針谷委員 教育長はこのパーティーに出たのですか。 ○教育長 就任何日目かだったと思うのですけれども、出席させていただきました。 ○針谷委員 区長は出ましたか。 ○区長 はい。 ○針谷委員 私、ちょっとびっくりしたのですが、忍足前議員も参加していたという話があるのですが、教育長、区長、覚えはありませんか。 ○教育長 だれが出席していたかというのは、ちょっと記憶にはございません。芸能人が何人か出席をしておりまして、あとはマスコミ関係の方、芸能関係の方、こういう方が中心のパーティーだったというふうに記憶しております。 ○針谷委員 区長はどうですか。 ○区長 私はあいさつだけして帰ってきちゃったのでだれが出ていたのかは承知しておりません。 ○針谷委員 これはいずれ明らかにしなければいけないと思っておりますが、本当に、こういう公私混同がやられ、アーツのお金が使われる。アーツのお金が使われたということは、当然、区民の税金が使われたということですから、これはやっぱり大きな問題だろうと思うのです。 さらに、16年度、開館記念事業の劇場公演で大きな赤字を出したコミュニティ・アーツが不思議な貸し館をやったということです。公社決算資料で報告されているオン・タイムという会社が主催した「BAT BOY」とか「OH!ダディ」といったお芝居、これは貸し館でやったお芝居というふうに報告されています。この貸し館事業で約1,200万円の貸し出し料が未納になっている。いまだに未納になっている、こういうことなのですが、会社側はこれについては認めているようですけれども、普通、貸し館料を、利用料金を払わないと、我々が、仮に区議会議員が区政報告を、あそこではできないけれども、ほかのあれでもしやるとしたら、貸し館料を払わないと借りられないでしょう。ところがやっちゃっているわけです。 もう何日もの間にこれについては出ているのですけれども、「エリザベス・レックス」というのが12月の8日から8日間、「デモクラシー」というのは2月の19日まで8日間、「BAT BOY」というのがやはり、これはもっとですね、10日以上やっていますね。お金払わないで借りられちゃっているのです、会場を。どうしてこういうことになっちゃっているのですか。どうしてこうなったのですか。 ○文化課長 私の方で聞き及んでいます情報によりますと、当初、こけら落とし公演の一環という形で、実質、貸し館に当たった演目を演ずる予定であったのだけれども、さまざま、途中のやりとりの中で、これはこけら落とし公演ではなくて貸し館興業でやるというような意思の不整合があったというふうに聞いてございます。 したがって、演目を打つ方にすれば、初めはただだったのではないかという主張になり、さらに、会社にすれば、いや、それは貸し館だというようなやりとりになっている。いまだに争論があって、そこら辺の法律関係が整理できない段階であると。 ついては、貸し館というふうに認識をしているコミュニティ・アーツの立場に立てば、まさに委員がいまご紹介いただきましたように1,200万円余の貸し館の代金が未納、一方、演目を打った方にすれば、コミュニティ・アーツがチケット売買代行をした700万については、これは演目を打った会社のものであるがいまだにそれをお納めいただいていないと、こういうふうな争論になっているということであります。 ○針谷委員 私、これは聞いたのです。そういう理解ではないですよ、劇団は。そういう理解ではないです。朝倉監督がただでやっていいと言ったと。コミュニティ・アーツもそれを認めたと。だからやりましたと。払ってもらわないと困りますよと、何とかしてくださいと、いま、弁護士を用意してアーツを訴えるかどうか考えているんだ、こういう話ですよ。 だから、違うんじゃないですか、認識が。 いいです、いいです、それは。そればかりやっているとあれだから。 ひどい話だと思うのです、絶対にあり得ない。これは、この間も文教委員会協議会で私がこの話を切り出したら、生涯学習振興公社であるならばそういうことは絶対にあり得ない、ギャラクシティを管理運営して営々として頑張ってはいると思いますけれども、あり得ない、株式会社だったら効率的だなんてどこがそんなことを言えるんだという話ですよ。 それでは、次、これまたこのアーツの問題で、区内報道紙、きょう、傍聴にもお見えになっていますから、木暮さんが出した墨東民報、これで、向島の料亭で宴会をやったと、請求は23万7,000円だと、そこには玉代のメモもあるという話をしたのですが、これは文教委員会協議会で会社側の答弁はこうだったのです。 たしか去年12月だったか、22万5,000円を支払ったそういう催しをやったという話はしているのです。これは事実関係から言うと12月の24日ですよ。そうすると、この墨東民報に出た以外のその種のいわば宴会、これもやったということですね。 ○文化課長 まことに恐れ入りますが、そこまでは私は把握してございません。 ○針谷委員 それでは、その委員会に出ていた、いま取締役になっている方にお聞きしましょう。 ○教育委員会事務局次長 私は、その委員指摘の11月の件をお聞きしているだけで、別途にやったということは聞いておりません。 多分、答弁した者の覚え違いかと、記憶違いかと思います。 ○針谷委員 それはおかしいですね。明確に12月と一月違う。この領収書は4名ですよ。その答弁は8名ですよ。 だから、この種の宴会はしょっちゅうやっているということじゃないの。 違うんですか。 ○文化課長 会社決算に伴います交際費の支弁額について内訳をおよそ把握をしてございますけれども、およそは出演者または演劇制作部門に対するいわゆるお花代、これが主軸でありまして、委員がいまお広めいただきました向島の料亭等のいわゆる飲食経費についても幾分か入っていると、こういうふうに理解をしているところでございます。 ○針谷委員 何か、もうあきれて物が言えないというのかな。そういう批判が本当にされている中で、それで、この直前にやられた臨時株主総会で、取締役の報酬額は収益が上るまで当面ゼロとすると言っていたのを、社長が大変だからと言って上限60万の報酬を決める。これはいささか常識的に考えて、これだけ区民の代表である議会で問題になっている、そういうさなかでこういうことを、上限60万ですからそんなに大きくありません、聞いていますよ、話は。だけれども、神経がちょっと私は普通じゃないんじゃないかと思うのです。 麻痺していると言われてもおかしくない。これだけ批判されているさなかで、しかも、その赤字をつくった最大の責任者の方の責任も問われている中で報酬を上げるということを決めるという、それを区としてはお認めになったということで新聞報道されていますけれども、区長、これは認めたのですか。 ○教育長 これは、社長の勤務実態を見ますと常勤状態です。ほとんど毎日のように来て土日もなしで勤務をしてらっしゃいまして、当然、あれだけの勤務実態、そして経営の責任ということを考えれば、当然、報酬はあってしかるべきかというふうに判断をいたしました。 ○針谷委員 本当に勤務実態が常勤の毎日来ているような状態なのかなということに関しては、ちょっと留保しておきましょう。私は、実はそれなりの見解は持っておりますけれども、留保しておきますよ。 それで、この株式会社がやっていることというのは、館長、芸術監督の公私混同による劇場運営がまかり通っている、さらに、公がやれば考えられないようなこういう乱脈経営がやられているということだけではないのです。 人は石垣という言葉がありますけれども、人事面でも非常にトラブルが多い。 これが、区から派遣されていた加藤常務が昨年2月で退任しております。一身上の都合という表向きの理由を述べていますが、私は、実際は社長と経営方針の意見の食い違いがあったというふうに聞いているのですけれども。長塩議員が、いないけれども、この間の発言では、加藤君は首になったと発言していますが、真実はどうなのですか。 ○文化課長 ご本人から辞任の意向が出され、それに基づいて、退職、そういったことになっているところであります。 ○針谷委員 そうすると、これは私が言ったのではないのですよ、長塩委員が言ったのですよ、そうやって。 これについても明らかにしなければいけないときが来るかもしれませんね。 それで、支配人も1年以上空席というきのうの長塩委員の話がありました。支配人が退任した理由は何ですか。 ○文化課長 これも一身上のご都合によるものというふうに把握しております。 ○針谷委員 支配人、実は、私、聞いてみたら、1人かわっただけではなさそうですね。何人かわりましたか。 ○文化課長 私が把握している限りでは3名ということです。 ○針谷委員 きのう、長塩委員が、劇場運営のかなめ、プロ中のプロ、これが1年以上もいないということがこのアーツの経営を困難にしている。これが開館して、16年4月からわずか1年半に3人もかわった。いまは空席。しかも空席が1年以上続いている。こんな会社はありますか。 屋台骨がまさにないような、本当に、飛行機で言えば、ダッチロールではないけれども、運営が右に行ったり左に行ったり、そういう状況になっているというふうに思うのです。 私は、この責任は一体だれにあるのか、ここが問題だと思うのです。これは社長さんにあるのか、それとも筆頭の株主である本来区の責任なのか、これはやっぱり究明しなければならないだろうというふうに思っています。 協定書にない「事務手数料」は区民利益に反する不当な処分 ○針谷委員 そこで、事務手数料の話に入りますけれども、開館記念事業の入場料収入2億2,500万、本来、これは興業主である区の収入にして開館記念事業の赤字分を充てれば2億2,000万は区に精算金として返還されていたものです。ところが、区は、コミュニティ・アーツの協定書にない事務手数料を支出済み額の15%およそ1億4,700万円を認めたために区への返還金は7,300万円余と当初の3分の1になってしまった。そしてまた、コミュニティ・アーツは、区が負担したこの事務手数料を収益としたために1億9,000万余の大幅な増益となって、法人税、住民税その他で8,300万の支払いをした。協定書どおりの精算ならば区民の税金がより多く区に戻ってきた。コミュニティ・アーツも区民の税金で余分な税金を負担しないで済んだと私は思うのです。 そこで質問ですが、この支出済み額を基準とした事務手数料を今後も認めていくということになれば、会社の支出額がふえればふえるほど、つまり、ある意味では赤字を出せば出すほど、より多くの手数料がコミュニティ・アーツに入る仕組みになりますよね、違いますか。 ○文化課長 平成17年期以降はそのような状況にはなりません。 一つには、16年度までの館の管理運営にかかわる経費についての状況が把握ができたということが一つ、それから、それに見合った負担金予算額を精査をするということ、さらには、これまでの経営節減努力、これを、当然、踏襲した形での館の管理運営という形になりますから、およそ4億8,000万から9,000万ぐらい、これは概算でございますが、ここで高どまりという形になろうかと思います。 ○針谷委員 そこまでシミュレーションしているとなると恐れ入ったなという感じなんだけれども、それはいいにして。 事務手数料の名目、これは新聞報道によると事業継続のためというふうに答えておるのですけれども、果たしてそうなのかなとちょっと疑問もわくのです。 それで、ちょっとその前にお聞きしますが、シアター1010がオープンする前から区が一時貸付金として1,500万、次年度2,500万、4,000万コミュニティ・アーツに出していますけれども、これは次年度以降に興業を打つための準備資金ということだったと思うのですけれども、これについてはいまはどうなっていますか。どのぐらい残っているのか、お聞きしたいと思います。 ○文化課長 貸し金については、これには1円も手をつけづにいまだに貸し金状態で存在してございます。 ○針谷委員 そうすると、お聞きしますが、開館記念事業、12事業を準備するに必要なお金というのはどこから出したのですか。 ○文化課長 開館記念事業のこけら落とし公演に関する経費につきましては、これは、負担金ということで4億7,500万、広告宣伝費を含めて区が負担をいたしました。 ○針谷委員 違うでしょう、それは16年度でしょう。準備するのは15年度に必要だったんじゃないの。本来ならば、この準備金を使って準備をしなければいけないというふうに私は思っているのです。じゃあ、いいですよ、それは。 つまり、そんなにお金が要らなくても開館記念事業の準備はできたということですね、そうすると。そうなりますよね、違いますか。 ○文化課長 およそ事業をするときには、いわゆる運転資金とそれから売掛代金、これを用意するところであろうというふうに私は存じておりますが、残念ながら演劇については非常に難しい分野でございまして、貸し金を使って演劇をするための準備資金に充てたのか、それとも、社の、例えばでありますけれども、チケットを売るための前金という形でそのお金を有効に活用されたのか、これについては定かではありません。ただ、会社の決算報告上は流動資産の部に現金預金として資本金とあわせてこの貸し金が存在している、こういうふうなことであります。 ○針谷委員 つまり、そんなに次年度の事業継続のために1億4,700万をやらなければならない理由はないのです。そうでしょう。 15年度、現実に16年度の4億7,500万を使って事業を打ったけれども、その前に決めていなければ事業はできないのだから。お芝居はやれないのですから。私もとかいろいろ見ましたけれども、もうそれは決まっていたのです、15年度中に。ですから要らないのです。 そうなると、区が言っている17年度の協定書になかったいわゆる事務手数料、これを設定をしたという根拠自体も、私は、事業継続のためという話は、これはいわばこじつけた議論と、こう言わざるを得ないというふうに思うのです。 そこで、ちょっとお伺いをしますけれども、ことし3月の予算委員会の審議で、もう一つこの問題については、失礼、予算委員会ではなく文教委員会のこの問題の議論で、人件費が、当然、見込めなくなる、これを言っているのです。これは、ある程度、私もわかるのです。そのことについてはわかるのです。ただし、ことし3月の予算委員会の審議で、この人件費についてはおおよそ1億7,000万円必要だというふうに言って全額予算審議は通っているのです。我々は、こんなものは要らない、5,000万削ると言って予算修正書を出しましたよね。しかし、予算審議では、1億7,000万全部議会の承認を得ているのです。 ところが、実際には、協定書を見ますと、この議会審議で1億7,000万円を通した後、なぜか人件費を削った協定を結んでいるのです。これはどうしてやられたのですか。 ○文化課長 これは、先ほど、ご質問の途中に答弁申し上げたかったのですけれども、手数料率15%を積算した根拠というのは、まさに、人件費、それから翌期の事業の継続性を担保するという面が非常に強うございました。それは、一つには、いまご案内のように、人件費総額が、社の場合は1億7,000万円余、しかし、本来会社が指定管理業務以外の社の業務を賄うための人件費まで指定管理代行負担金の中で支弁するのは、これはいささか道理が合わないということで、指定管理代行業務に相当する分野だけの人件費に見直しをし、それにあわせて平成17年度の協定を結んだ、こういうことであります。 ただし、平成16年期につきましては、こけら落とし公演、それから館の管理運営業務すべて一切合切区の管理代行業務、これを代行してもらうということでもっての人の雇用でありましたり会社規模の確保でありましたものですから、1億7,000万円余の人件費総体について支弁をした、こういうことであります。 ○針谷委員 これについては、大体、議会に、これは我々共産党だけではなくて自民党も公明党も民主党もですよ、17年度のコミュニティ・アーツの運営にはどうしても1億7,000万必要なんだと、これは長塩さんも質問したし私も質問して、そんなに要らないではないかと話したのです。いや、必要なんだとやって、それで、実際には可決して、実際に協定をいざアーツ側と結ぶということになったら約1億円削っちゃったのです。これもひどい、議会軽視というか、一体議会の審議というのは何なんだと。この間、秋山さんが言っていたけれども、我々も、本当に、ただ判こを押すだけの議会審議をやっているのではないのですよ。 それはそれなりに、私は、必要な議会で決定した予算の執行について勝手に区側がそういうふうにするというのはいかがなものかと。 その見返りではないけれども、人件費がそれでは足らないからといって事務手数料に充てたという論は、もう余りにも議会を軽視しているとしか言いようがない。私はその点を指摘しておきたいと思うのです。 ○教育長 教育長。 ○針谷委員 時間がないから、答弁は求めていないですよ、指摘だから、いいですよ。 次に、この事務手数料の問題については、やっぱり、私は責任の所在をはっきりさせる必要があると思うのですけれども、事案決定書によると、予算100万円以上の決定はどなたの承認まで必要なのですか。 ○文化課長 教育委員会内部であれば教育長でございます。 ○針谷委員 予算課長、いいのですか、それで。 ○財政課長 そのとおりでございます。 ○針谷委員 よく読むと、区長の承認が必要なのです、この金額ですと。 だから、事務手数料を設定して、15%1億4,700万円、これを事務手数料として設定しますよというのは区長の判こがないと執行できないのです。区長は判こを押した覚えがあるのでしょう。 いや、教育長には聞いていない、これは区長が責任がある。覚えていないですか。 ○ 文化課長 区長から教育長が予算執行権限を委任されている、こういうふうに理解しております。 ○ 針谷委員 課長に聞いているのではないのです。 区長がこの事務手数料を認めますという事案決定書に判こを押した覚えはありませんかと聞いているのです。 ○教育長 事務手数料という考え方をちょっと誤解をまずしてらっしゃると思います。 この事務手数料は、会社継続のために支払った、16年度はそういうお金ではございません。この事務手数料は、負担金を払ったわけです、この負担金は精算をしてもらいます。ですから、コミュニティ・アーツには1銭も残りません。ですから、当然、インセンティブとそれから16年度は区にかわって12本の興業をやりました。これは本当は区がやらなければいけない興業をコミュニティ・アーツが区にかわってやったのです。だから、その興業を区にかわって、これはただ働きをさせるわけにはいきませんから、区にかわってやった民間企業に対して事務手数料を払った。その算出根拠があるけれども、これは区がつくった会社ですから、事業継続というようなことで当初15%にしたのですけれども、人件費の算出に錯誤があって5%に更正をしたというのがこの間の経過でございます。 それから、もう一つ、先ほど、長塩委員の支配人の重要性云々という指摘をしていましたけれども、これは長塩委員の名誉のために言っておきますけれども、これは市川館長さんが言っていた言葉をそのまま長塩先生が披露したのであって、長塩委員の意見として言ったのではないというふうに私は認識しております。 ○針谷委員 教育長、議事録も全然読んでいないし、いま言っている説明も全くひどい説明で事実と違うね。それはいいです、いずれ明らかにしましょう。まだ文教委員会もあるし、総括もありますから。 私が聞いたのは、区長が事案決定をしたのかと聞いたのです。全然関係ない答弁しているじゃない、あなたは。 〔発言する者あり〕 ○針谷委員 質問していないから、いいよ。 これは、事案決定書を見させていただきますから、いいです。教育長がやったのか、区長がやったのかはいずれはっきりするんだから。 それで、先ほど、浅古委員の質問で、事実誤認があって5%にしたという、税務署に更正申告をしたと、これについてお聞きしますけれども、もし税務署が更正申告を認めないということになったらどうするのですか。 ○文化課長 税務当局の判断いかんで我々の判断が揺らぐということはございません。 ○針谷委員 認めなかったら8,300万の法人税は返ってこないでしょう。 では、その前に聞きます。9,800万円、コミュニティ・アーツに返してもらうように指示をしたと言いましたけれども、返ってきたのですか、お金は。 ○文化課長 これは、さきの読売新聞の記事も、これは誤報でございますが、まだ1億余りのお金については収納してございません。 それから、これは繰り返しの答弁になりますが、そもそも我々の事務手数料、これは協定書の13条を適用したものでございますけれども、その算出に重ねて錯誤があったというふうに申し上げておるとおりでございまして、その錯誤の決定を取り消して新しい精算金処分の行政処分を行った。したがいまして、その結果に基づいて税額更正が行われるかどうかについては、これは反射的な効果でありまして、そもそも税金の還付を目指したものではございません。 ○針谷委員 錯誤も怪しいと、私、さっき言ったでしょう。人件費の問題の見方も、先ほど教育長が答弁したのもおかしいのだけれども、それはそれで別にやりますから、時間がないので。 もし更正申告をしても返してもらえなかったら、私は1億円戻ってこないのではないかと思っているのです、実は。どう計算してもコミュニティ・アーツが上げたとする利益は1億9,000万、そのうち区に7,300万返しています。計算すると、1億円はなくなっちゃうはずです、1億円には行かないはずです。ですから、これは大変なことになると思うのです、もし返ってこなかったら。このまま区が何らかの補てんをするか、金融機関から融資を受けるかしなければ資金ショートしますよ、これは間違いなく。そうじゃありませんか。 ○ 教育長 まだ税務当局の判断も全く出ておりませんので、当然、我々は返ってくるものというふうに考えておりまして、返ってこなかった場合のことはまだ現在全く考えておりません。 多くの区民からシアターの改善を求める声が寄せられる ○針谷委員 本当に、これは区民の血税を扱っている人の言うことかなと思いますけれども。 いま、実は、私ども、区民から本当に怒りの声が殺到しているのです。この1カ月間で我々にいろいろな、メールとかアンケートのあれなのですけれども、本当にこの問題についての声が我々に殺到しております。 一例だけちょっとご紹介しますと、これは、足立演劇連盟、公費濫用現象に思うという、演劇連盟の会長さんでさえも、ざるに水をつぐような血税の投入ではない、一にも二にもポリシーである、足立区から世界に文化を発信するつもりなら足立区にしかできないという独自性を出せなかったら発信もくそもない、ちょっと言葉は悪いけれども、そういうことを言っていますし、区民の皆さんからのメールも若干紹介しますと、こんにちは、このたび、シアター1010についての問題について期待を込めて勇気をもって共産党さんにメールいたしますと、16年度の興業赤字は2億円強であったが区が補てんして1億5,000万の黒字転換となった。うち8,000万は法人税で支払った。すべてとは言いませんが、区民の貴重な税金がむだに使われているのではないかと非常に心配しています。ぜひ調査の上問題を解決してもらいたい、こういうメールですけれども、本当に……。 ○委員長 あと1分です。 ○針谷委員 区民の皆さんから、このコミュニティ・アーツの運営については、区の答弁も、これはずっと調べると事実と違うようなことを右に行ったり左に行ったり右往左往している状態です、はっきり言えば。 こんなような状況の中で、私は、いま求められていることは、本当に情報公開をして、リスクマネジメントではないですけれども、本当に我々はこういうふうに間違ってしまいましたということで情報公開をして区民に真実を知らせることだと思うのです。 ところが、コミュニティ・アーツがやっていることはどうですか。長塩さんが要求したが、株主総会の議事録、これも公開できません。交際費の明細も公開できません。本当に私はおかしいと思います。 ちょっと聞きますけれども、顧問弁護士の方のご意見だというのですが、顧問弁護士さんはどなたですか。 ○委員長 時間が参りました。 ○針谷委員 それだけ、答弁。 ○文化課長 たくら弁護士様です。 ○針谷委員 では、引き続き、総括で若干触れさせていただきます。 ○委員長 本日の審査はこの程度にとどめ散会いたします。 |
12月11日(第5日目)午前 橋本ミチ子議員 コミュニティバス要望のあるところ早期の実現を ○委員長 次に、共産党から総括質疑があります。橋本委員。 ○橋本委員 おはようございます。よろしくお願いします。 先に、交通問題についてお伺いいたします。 足立区の交通問題は、平成10年、1998年1月に制定しました公共交通整備基本計画に基づき、当面の課題解決や新線開業を視野に置いたバス路線網の再編を進めてきました。12年度にバス路線網再編の協議の場として、区バス事業者、交通管理者、学識経験者による交通懇話会を設置し、区の目指すべきバス路線網の再編計画を策定しました。 18路線の計画案を13年7月25日号の広報やホームページで知らせたところ、区民や議会などから多数の意見、提案、要望などが寄せられました。都市交通懇話会は、18路線の提案路線をもとに、区民からの貴重な意見や19年度になった日暮里・舎人線の開業時期の延長を踏まえ、実現性の高いバス路線網再編計画となりました。 主な視点は、交通の不便な地域の解消、区内の拠点化、拠点駅間の連絡、道路や駅広の整備状況等、これらの基本計画や視点をもとに検討した結果が27路線の再編計画になったものです。 また、優先整備方針を定め、新線開業前に具体化することが望ましい路線を今後速やかに検討すべき路線、新線開業に合わせて整備すべき路線、そのほかをその他検討すべき路線と位置づけ、順次整備を進めていく予定を立てました。 そこで、質問をいたしますが、この答申が出されてから実現した路線は幾つで、残っている路線は幾つでしょうか。 ○都市交通課長 実現化路線につきましては、済みません、いま、数えておりますが、16路線となってございまして、今後、まだ新線の開業に合わせ実現化すべきものも含めまして12路線が今後実現に向けて努力すべきものです。 ○橋本委員 ありがとうございます。 提案以外にも区民の要望にこたえて実現した路線があるかと思いますが、そこはどこでしょう。 ○都市交通課長 この都市交通懇話会、27路線のほかに、北千住駅の西口地域循環路線バス、また鹿浜五丁目から北千住駅に参るコミュニティバス、こちらこの答申の後に実現化をしたものでございます。 ○橋本委員 今後、新たに実現する予定の路線はどこでしょうか。 ○ 都市交通課長 今後、その実現に向けてということでございますが、速やかに実現をすべき路線3路線ほど残ってございますが、これとともに平成19年度開業に向けて、日暮里・舎人線の開業に合わせて整備すべき路線が、新設で4路線、経路変更や延伸の路線で3路線がございます。 興野・本木・関原から区役所へのコースと 千住常東(常磐線の東側)地域のコースにぜひ ○橋本委員 19年の日暮里・舎人線の開通にあわせてということだと思いますが、次に、都市交通懇話会が提案した路線を網羅しても、なお交通不便地域が残ると思われます。 我が党に寄せられている地域として、当面、二つのコースの実現を要望されております。一つは興野、本木、関原地域から区役所へのコースなんです。この地域からは、北千住を経由して区役所に来る、または環七を経由して区役所に来る、関原地域の方は100号線の西新井大師から北千住駅間、ここは1時間に1本か2本しかないバス路線ですが、区役所に来るだけでも1時間かかる。高齢化率も高い地域です。そして、バス利用が多いということもあります。 昨日から盆栽展が始まっています。区役所の1階アトリウムでは、年間70件、200日の展示、またはホールでのイベントが行われております。これにひとしく参加、見学したいと願っておりますが、大変不便である、何とかならないかというふうに要望が寄せられておりますが、いかがでしょう。 ○都市交通課長 いま、委員の方からご指摘のございました興野、本木、関原地域につきましては、これまでの委員会の場におきましても交通不便地域ということで、その解消路線の実現というご要望をいただいているところでございます。 それがまだ実現に至っていないという部分につきましては、道路の整備状況、都市計画道路等々の計画がございますが、既存の道路の中ではなかなか、小型とはいえ、コミュニティバスにおいてもなかなか運行が厳しいというようなところがあって実現に至っていないような状況でございます。 ○橋本委員 何とかいろいろ工夫をして実現をさせていただきたいと思います。 もう一つは、北千住西口は大きく変貌しましたが、常東地域は見るところがいろいろありながら交通網から取り残されております。この常東地域にミニバスを通してほしいと願って70代の女性が区役所へ手紙を出しました。秘書課から電話があり、疎開道路にバスを通してほしければ署名運動があれば考える、こういう電話がありました。そこでみんなで運動することになり、ミニ乗り合いバス「はるかぜ号」運行に関する調査報告書として、千住関屋、千住曙町へのミニ定期バス誘致のための住民意向調査とともに1,700名余の署名が提出されました。 各会派にも提出されているものですが、ぜひ常東地域の皆さんの願いを聞き届けていただけないでしょうか。こんなに区長、寄せられているんですよ。(資料を示す)実に見事にたくさんのご意見が入っています。どうでしょうか。 ○都市交通課長 北千住駅の東側地域、常東地域への路線バス、もしくはコミュニティバスの実現をということで、いま、委員の方でお話のあった要望書等につきましては、私どもの方にもいただいてございます。 アンケート結果等々、非常に詳しくお調べになっているというふうなところもございます。ただ、以前、常東地域といいますか、墨提通りの北側の部分について、東側の循環ができないかというようなお話が以前いただいておりまして、それは事業所の方に検討を投げかけたところ、なかなか採算性の部分において非常に厳しいものがあるというようなところもございますので、そういういままでの経過等々、また今回いただきました要望等々につきまして、十分精査をして、懇話会の方に図ってまいりたいなというふうに思っております。 ○秘書課長 秘書課からそういうお電話をすることはいままではないと思うんですが、一応参考までにご報告しておきます。 ○橋本委員 ここに書いてあるんですよ。区役所へ手紙も出しました。秘書課から電話が来たと。疎開道路にバスを通してほしければ署名運動があれば考える。こういうふうに、ですから、いいです、答弁要りません。たくさんのこういう意見の中にあるんです。ですから、やっぱりそういう意見を大事にして、いまおっしゃられたように、都市交通懇話会の方に提案をして、積極的に働きかけていただきたいと思います。 ○都市交通課長 いま、秘書課の方からご答弁しておりますが、要望等々、個別のバス路線の要望等々につきましては、基本的に所管の方に回されるものだというふうに思っておりますので、私どもの方の職員がいろいろなお話をしていく中で、そういうご要望について地域の皆様の声をというようなことでお話しした内容がその署名運動というような形になった可能性もありますので、一言ご答弁をさせていただきました。 ○ 橋本委員 とにかく、地域の方たちはこの地域何とかしてほしいというのが願いですから、ぜひ要望にこたえていただきたいと思います。 ひどい「障害者自立支援」法 ―生きがいと社会参加・憲法25条生かす立場で 次に、障害者問題で伺います。 現在、国会では、さきの国会で廃案になった障害者自立支援法案が再提出され、審議されています。障害者自立支援法案は、応益(定率負担)の導入、施設利用者に対する食費、医療費等の全額自己負担など、介護保険と同様で負担制度を大きく変化しようとしています。障害者団体による慎重審議を求めるさまざまなアピール活動や要請行動が取り組まれ、そのことが国会審議の様相を一変させました。この法案について、そして障害者団体がこれまでの意見の違いを乗り越えて一致団結して戦い、廃案にさせたものです。これを一編の修正もなく再提出する政府に改めて怒りが広がっています。 公聴会も7日から開かれ、自民党推薦の方からも1割負担の導入をすれば障害の重い人ほど重い負担となり、自立を阻むものとなることを危惧していると述べられています。 そこで、質問いたしますが、ある障害者の方は、手足の不自由な人たちがヘルパーさんに助けてもらっているのは楽をしようと思っているわけではない、助けてもらうことによって普通の人と同じような生活を組み立てられるといっています。この声をどう思いますか。 ○ 福祉部参事 いま、ご指摘ございまして、障害者の福祉ということについていうと、基本的には、例がいいのかちょっとわかりませんけれども、例えば競争する場合にスタートラインにまだ立っていないというような形になるんではないかと。それがゆえに、さまざまな施策であるとか補助具であるとか、そういうものが必要だというふうに認識しております。その部分で足立区も進めてまいりました。 障害者「自立支援」法 工賃よりも多くなる利用料 トイレやお風呂に入るにもかかる ○橋本委員 そのとおりだと思います。 それで、障害者が多いこの足立区では、障害者の方や、そして障害者を支える家族の方などで共同して福祉施設をつくったり、そして運営をしてきました。障害者は作業所などで働くことの喜び、生きがいを感じ、また社会参加の場にもなっていると思いますが、どうでしょうか。 ○福祉部参事 委員ご指摘のとおりだと思います。 ○橋本委員 そこで働く人たちの平均工賃というのはどのくらいになりますか。 ○福祉部参事 結構ばらつきがございまして、かなり、3,000円とか、そういう方もいらっしゃいますけれども、平均的にいうと大体1万円程度ではないかと。 ○橋本委員 ばらつきがあるけれども、大体1万円程度というのが実態です。 そして、この作業所などに通って一生懸命働いても工賃は1万円程度。ところが、今回の障害者自立支援法案は、作業所に通うと利用料として1割負担、利用料を払わなければならなくなった。そして、課税世帯では2万9,200円、そして減免措置でも1万2,600円かかるんです。工賃よりも高い利用料を払わなければならない、これどう思いますか。 ○福祉部参事 ただいまのこのご質問の中で1万2,600円という数字が出てまいりましたけれども、これは社会福祉法人が減免を入れた形だと思います。 それから、世帯が年収部分でいうと500万ぐらいの世帯ということを想定した数字になりますけれども、実際にいま、国の方で出されている負担、減免制度の中で、そういう形があろうかと思いますけれども、負担をいままでは障害者個人、そのものというふうにやっておりましたけれども、世帯単位という形で考えた場合には、1万円の収入があって、世帯として1万2,600円出していただくということがあろうかと思います。 ○橋本委員 そういうことですね。ですから、本人には一生懸命働いても1万円程度。そして、本当に本人自身はそういう低い収入でこういう実態なので、本当にこれから大変だなということがお聞きになってわかったと思うんです。 それで、重度の障害者の多くの方も福祉施設に通所しています。施設利用者に対して食費とか通所のためのバス代、トイレットペーパーや昼食前に手を洗う石けん代、こういう日常生活費の負担も求められるようになるというのです。 また、ほかの施設では、お風呂に入ることやトイレに入るにも人の手がかかるのでさらに加算されるというわけなんです。まさに重度であればあるほど利用者負担がかかるということを聞きました。 そして、ある重度の障害者のお母さんに聞いてきました。いまは利用料負担はゼロです。ところが、来年からは利用者負担の軽減措置の非課税2でも2万4,600円、そして食費が1万3,000円、日常生活費などが1,000円かかって、一気に4万円近くになる。主人も70歳を過ぎて仕事も少なくなった、蓄えも底をついてきた、年金もない、生活できないから在宅するしかないか。 この方は本当に一生懸命施設づくり頑張ってきました。親亡き後のことで頑張ってきたけれども本当に今後どうしようか、不安がいっぱいだといっています。 こういう実態になることを知っていると思いますが、どうでしょうか。 ○福祉部参事 国の方から大きな枠組みとしては今の段階で示されております。 実際に減免制度とか示されておりますけれども、コストの部分について、例えばガイドのコストというのはまだ示されておりません。実際にどういう形で影響が来るのかというのは、これは障害福祉協議会を含めて8項目ばかり要望を出して内容を示していただきたいというふうにやっているんですけれども、まだ示されてない段階で、実際の負担がどういうふうに変わってくるのかというのがわかりにくいような状態が現在のところです。 障害者の現実をよくみて施策に生かし障害者計画をつくるべき ○橋本委員 これから示されるにしても、やっぱり有料になる部分というのが本当に多いわけで、もう深刻な事態が出てくると思うんです。 精神障害者が現在かかっている医療は、特殊性もあって、一生涯切っても切れない医療費であるということ、これが1割負担になると、収入のない本人は結果として通院の中断、服薬の中断になりかねず、病状の悪化につながりかねませんといっています。応益負担は、ないところからさらにしぼり取ろうとする障害者に相入れない最悪の負担方式です。 ほんのわずかな実態しかいま訴えられませんでしたけれども、障害者自立支援法案は本当にひどい実態であることがおわかりいただいたと思います。これがまた小泉内閣が進める構造改革路線なんです、本当にひどいです。そして、障害者が働きにいって施設を利用したからといって利用料を取る、施設に行ってトイレやお風呂を利用するという、普通の生活にもお金を出さないと動けない、歩けない障害者も生きる権利があります。憲法25条が保障する国民の生存権に沿って、障害者の置かれている現実をよく見て施策に生かし、足立区の障害者計画をつくるべきと思いますが、どうでしょうか。 ○福祉部参事 国から、自立支援法が通って、政令省令が約200くらいあるというふうに伺っています。 私どもの方も、例えば審査会をつくりますけれども、審査会条例であるとか、規則等含めて約19本ございまして、それらについては、それを検討する中でお示ししていきたいなと思っております。 ○橋本委員 私が聞いたのは、こういう実態をよく聞いて、そしてよく見て、そしてこれから障害者計画はつくるわけですよね。ぜひ生かしていただきたいというふうに思います。 竹ノ塚障害福祉館前―音声付き信号機の設置が決定― そして、次に、障害者団体と区長の対話集会が7月22日に行われました。そのときに出された要望の中から質問をいたします。 まず、竹ノ塚駅東口から竹の塚障害者福祉館周辺のバリアフリー化についてです。 竹ノ塚駅東口広場や歩道の部分の放置自転車の撤去、銀行前の自転車の整理整とん、これについての対策はどうでしょうか。 ○交通安全対策課長 こちらの方につきましては、銀行の店長関係に放置禁止に向けた銀行側の働きかけ、どういう形で自転車を置けばいいか、お客様の自転車ですね、こちらの方の啓発活動を進めるとともに、放置に対する指導、また撤去の方の強化もしております。 ○橋本委員 障害者福祉館前の交差点がありますが、音響信号設置は駅から会館側に一カ所ついているだけですけれども、そのほかもつけてほしいというのが障害者団体の願いですが、この進捗状況はどうでしょうか。 ○交通安全対策課長 こちらの方につきましては、福祉施設の前ということもありまして、多くの方から設置に向けての要望があります。私たちの方としますと、所管する竹の塚警察署と現地の立ち会い等を行いまして、本年2月には竹の塚警察署から警視庁の本部に設置に向けての上申がなされております。 現状ですが、設置の方は決定したという報告は受けております。ただ、非常にお金がかかる施設ということで、設置の時期についてはまだ未定ということで報告を受けておりますので、早期設置に向けまして引き続き努力してまいります。 ○橋本委員 ぜひ努力、頑張っていただきたいと思います。大いに励まし、応援いたします。 障害者福祉館前のバス停は、2路線走っていますよね。そして、行き先が聞こえないときがあって障害者の方が困ると。沿線に病院や障害者の施設がある路線からノンステップバスを先行して導入したことがあると思いますが、障害者福祉館前にもこのバスロケーションの設置をバス事業者に要求すべきと思いますが、そしてまた、当面、バス停前でバス事業者に何とか経由、そして何々行きですよというふうなアナウンスをしてほしいということですが、この二つの点、どうでしょうか。 ○都市交通課長 バスロケーションシステムにつきましては、初期投資、経費がかなりかかるというようなことで、計画的に設置がされている。また、交通局の都バスについて、簡易型のバスロケを現在計画的にやっているというふうには伺っておりますが、足立区内においては対象路線そのものが非常に少ないというような状況でございます。 ということで、バス事業者におきましては、特に幹線系の部分については、バスロケの整備については引き続き要望はしてまいりたいというふうに思いますし、いまお話にございました車外アナウンス、これにつきましては、利用者の方からも、私どもの方にもどこの行き先のバスかというものをバスの運転手の方からしっかり教えてほしいというようなお声もいただいておりますので、その車外アナウンスの充実については、各バス事業者に要望しているところでございます。 ○橋本委員 都バスで計画しているようですけれども、ぜひ、まずこういう障害者の方たちが多く利用するこの路線のところを頑張って設置していただくようにお願いいたします。 そして、障害者自立支援法の絡みで、この地域生活支援事業で区役所の聾者のための手話通訳も有料になるんじゃないかという、こういう不安を抱いておりますけれども、この点についていかがでしょうか。 ○福祉部参事 手話通訳については、いま現在、社会福祉協議会で対応しておりますけれども、これから地域生活支援事業の中に手話通訳組み込まれるというふうに伺っていますけれども、実際それが国の方の補助として幾らの単価になるのかというのは示されておりません。 実際、いま現在では、初めの1時間は2,000円、それ以降1,000円という形なんですけれども、それ以上の補助金という形でもって来るのであれば負担はない形でもってできるかもしれませんけれども、それ以下の部分であると原則1割負担でございますので、負担を求めざるを得ないような形になるかもしれません。 それはまだコスト等示されていませんので、いまここで明確にお答えできるような形ではないということです。 ○橋本委員 先ほども障害福祉課長からも言われましたけれども、障害者の方たちは、まず私たち健常者と同じラインに立つにはやっぱり支援の手が必要だと、支援があってこそスタートラインに立つんだ、こういうお答えがありました。 私は、やっぱり聾者の方たちは、こういう情報をさまざま知るためにはそういう手話が必要なんだと、手話通訳者が必要なんだというふうに思うんです。そして、その情報もお金を出さなければ得られないというのでは、やっぱり先ほどの考え方からちょっと違うんじゃないかというふうに思いますので、もし有料などになるようなことがあったらば、やっぱり減免措置、こういうものを講じていくべきではないかなというふうに思いますけれども、どうでしょう。 ○福祉部参事 全体の、障害のサービスについてはかなりメニューも多ございます。実際に対象者も多いという中で、一つのメニューだけをとらえてこうするというのは、いま言えるような状況でございませんので、全体を見ながら区の負担が、基本的には1割負担という形でもって国の枠組みをはめられますけれども、その全体を見ながら対処していくということでございます。 ○橋本委員 メニューはいろいろあるといいましたけれども、まず情報を知り得る、これは生きるためにも生活するために本当に必要なんです。ですから、この問題では、出された意見を参考に本当に検討していただきたいというふうに思います。 次に、65歳以上のリウマチ患者の方の問題なんですけれども、リウマチ患者の方は歩けるということで介護度が低くなるんです。それで、私の近くに住んでいる70代の女性なんですけれども、リウマチを患ってもう10年以上になります。食欲の減退、体力の減退、そしてときにはその痛みから精神的な苦痛、さまざまな疾患も出てきて、そのために入退院を繰り返しています。いまでは、いすに長く座ることもできない状況であり、このままでは寝たきりになってしまうんじゃないかと心配しています。 介護認定のときに特記事項とありますけれども、こういうところにリウマチによる痛みがひどくて家事全般もできない、1人で通院もできない、こういうことを書けば介護度というのは上げられるのでしょうか。 ○介護保険課長 特記事項につきましては、配慮はいたしますけれども、全国共通の基準でございますので、それについて生活実態を踏まえて対応しているというところでございます。 ○橋本委員 特記事項という、わざわざそういう部分があるわけですから、そういうところもしっかり見て、介護保険の認定の中に生かしていただきたいと思います。 区長との懇談会の最後に、福祉部長は参加者の意見に対し、貴重な体験をさせていただきました、皆様方の切実な声を十分に参考にさせていただいて、これからの障害者行政、福祉行政を進めていきたいと決意を語っておられます。ぜひ、その決意を忘れずに生かしていただくよう要望します。 次に、私、2日目に質問しましたが、そのとき時間不足だったので、ちょっと環境問題で質問しますが、昨年もことしも異常な暑さでした。学校教育にも影響したし、家にいても熱射病にかかる状況がありましたが、暑さ対策として学校の側面緑化、屋上緑化に、緑のカーテンを中島根小に実施しました。私も見てきました。中島根小学校の場合、側面緑化など、何度ぐらい温度下がりましたでしょうか。 ○まちづくり課長 昨年、緑の実態調査を行っておりますが、外壁のところで4度、室内で1度という結果が出ております。 ○橋本委員 ありがとうございました。 効果があるということで、ぜひ進めていただきたいと思います。 |
10月11日(第5日目)午後 伊藤和彦議員 竹ノ塚踏み切り対策 鉄道高架化の採択要件緩和も視野にいれ促進を ○委員長 次に、共産党から総括質疑があります。伊藤委員。 ○伊藤委員 総括質疑をさせていただきます。お疲れのようですけれども、どうぞよろしくお願いいたします。 私からは、竹の塚の踏切高架化についてお伺いしたいんですが、竹ノ塚駅付近の鉄道高架化早期実現は、9月30日に連絡協議会結成大会も開かれまして、署名も21万人を超えました。区民世論と運動が高まっている中、区は最重点課題として早急に対策を講じる必要があると思います。議会の総意でもあります。 そこで、竹ノ塚駅踏切高架化については、我が党としても、東京都や国土交通省と交渉を重ねる中で、国土交通省から、区が赤山街道を拡幅工事なしででも幹線道路とみなして、都市計画道路として決定すれば高架化を認めるとの解答を得ております。このことについては既に区に伝えてあります。また、党区議団としても緊急要望も出しました。が、これは幹線道路2本必要とするという事業採択要件を早くつくり、高架化を早期に実現するためのもので、本会議質問でも求めてまいりました。 そこでお伺いいたしますが、区は現時点では赤山街道を都市計画決定するなど、幹線道路に格上げする必要があるが、早期事業化に向けてさらなる事業採択要件緩和の可能性も含め、さまざまな角度から検討作業を進めてまいりたい、こう答弁がありました。鉄道高架化に向けて区の具体的な取り組みは、どうなっているのかをお伺いします。 ○都市整備部参事 鉄道高架化をする上で代表的な事業が、連続立体交差事業でございます。ご指摘のように、現在の事業採択要件では赤山街道を幹線道路化する必要がございますけれども、実は国土交通省におきましては、今回の竹の塚の事故を大変重く受けとめております。竹の塚の踏切のように、歩行者交通あるいは自転車交通の非常に多い、著しい踏切についても、何とか抜本対策、いわゆる鉄道を上に上げる事業採択要件に入れようではないかというような動きがあるということで、この夏の国交省から財務省への概算要求の中にも盛り込まれているというふうに聞いておりますので、その辺を見極めたいということでのご答弁でございます。 ○伊藤委員 国交省が8月の概算要求出したということで、これはちょうど9月の鉄道高架化促進議連の中の資料としてはいただいたんですが、この国の新たな採択要件、この赤山街道を都市計画決定しなくてもできるものなんですか。 ○都市整備部参事 そこまで明確な情報はまだ得られておりません。しかし、この要求資料を見ますと、歩行者交通に着目して要件を考えているということが十分読みとれますし、一部情報としてもそのような情報を得ておりますので、その結論を待ちたいというふうに考えております。 ○伊藤委員 要件緩和で事前にお話聞いたら、町づくりに融通がきくという話もあったので、町づくりをやってから高架化を進めるということでは認めがたいなと思っていたのですが、この点では町づくりを進めてということではなく、高架化は高架化として進めるということでしょうか。 ○都市整備部参事 町づくりを優先するということではなくて、仮に赤山街道を都市計画道路化しなくても済むということになった場合、東西の町づくりをこれからも同時に考えていかなきゃならないんですけれども、制約条件が一つなくなりますので、町づくりにおいては少し自由度が上がっている。住民の意向を反映できる場面が多くなるのではないかということでございまして、高架化と町づくりは一体不可分という形で今後とも進めてまいりたいと考えております。 ○伊藤委員 町づくりをやってから高架化じゃなくて一体不可分ということですから、都市計画決定をしなくても高架化事業の要件ができるということのようなので、こういう点では一歩前進だろうというふうに思うんです。 それで、国の資料では、先ほどお話があったとおり、従来から問題点として、お話があった、三つ出されておりまして、その中に自動車交通主体で歩行者交通にも配慮した踏切対策が不足と、こういっているわけです。このところが重要なところだというふうに理解をしておりますが、そのとおりでいいんでしょうか。 ○都市整備部参事 そのとおりでございます。 ○伊藤委員 区の方では、いまお話があったとおり、両にらみといいましょうか、国の出した採択要件緩和と都市計画決定と、こう両方で見ているようですが、国の採択要件の緩和の目途、めど、これはいつはっきりするんでしょうか。 ○都市整備部参事 当然、国土交通省といたしましても、18年度の予算作成をにらんでのことだと思いますので、年度内、年明け早々には方向性が見えてくるのではないかなと思っております。 ○伊藤委員 年度内ということですから、そうすると連続立体交差化事業の採択要件、都市計画決定が必要なら区として直ちに行う用意があるという理解でよろしいでしょうか。 ○都市整備部参事 その方式が一番時間的にも、形式的にもいろいろございますけれども、ベストということであれば、これから進めますステップの中で一番早い時期に、適切な時期に都市計画決定をしてまいりたいと考えております。 ○伊藤委員 決定がおくれて事業が延びてしまわないようにお願いをしたいと思うのですが、その点は、決定がおくれて全体が、高架がおくれてしまうという事態にはならないでしょうね。 ○都市整備部参事 当然ながら、そのようにならないように、万全の体制で進めてまいります。 ○ 伊藤委員 この鉄道高架化というのは地元の住民の皆さんの長年の願いでもあり、1日も早く実現をするように、やっぱり区の役割を果たしていただきたいというふうに思います。 青年雇用対策―ヤングジョブセンターの存続と事業の拡大を― ○伊藤委員 それでは、次に青年雇用の問題についてお伺いいたします。 区は、これまで青年雇用対策を重視し、拡充するなど、さまざまな場で答弁をしてきました。そして、区は、区立ヤングジョブセンターを設置して、職業紹介もハローワークと連携し、情報提供や相談活動を行うなど、事業をレベルアップさせました。こういう点では前進をさせてきたわけですが、ニートなどの未就労の若者の増加が社会的な問題となっている中、区立ヤングジョブセンターは就労意欲の薄い層に働きかける場、青年の気楽なたまり場、そして居場所として必要であり、しっかり位置づけて機能をより充実することが求められます。 一つには、青年雇用は、ニートの問題もありまして、独自の追求が必要だと思いますけれども、区はどのように発展させようとしているのか、お伺いいたします。 ○産業政策課長 いま現在、あだちヤングジョブセンターで若年者の就労支援対策やっているわけでございますけれども、箱物をつくって構えていましても、フリーターの方たちはおいでいただけるわけでございますけれども、ニートの方たちはなかなか来ないというようなことがございまして、いまはニートの方たちの親御さんの相談事業などをやってございます。 今後も、ちょっと国の動向等を見ながら、この事業を進めていきたいと思ってございます。 ○伊藤委員 いま、ニートの話出ましたけれども、私もいろいろ新聞等で紹介されているのを見ますと、これ東京新聞で、9月22日付ですが、「ニート人ごとではない」、これは民間のネット調査が行ったやつですが、人ごとじゃないと感じている母親が58.3%、母親の6割が我が子に不安を抱いている。 この問題でもニートの問題に詳しいといわれている労働政策研究所の小杉礼子副統括研究員の話がある、これは9月9日の朝日新聞に紹介されているんですが、子どもがニート状態になってしまうと親が自分の責任だと思いがちだと、しかし最近の調査では、学校を卒業した時点で正社員として就職した割合は、中学、高校、大学の全学卒者の6割に落ち込んでいると。いま、国は、企業はアルバイト、パートをふやす戦略をとっている、いまの若者は社会の変革期に就職が重なってしまった不運がある、その認識がまず親に必要だということが書いております。 こういう点でも、本当に区立ヤングジョブセンターというのは独自の追求が必要だというふうに思います。 そこで、私は、ヤングジョブセンターを現在の場所から東京芸術センター内に設置すべきだと、新産業振興センターの中、ここに設置をすべきだと質問いたしました。東京芸術センターの6階から8階に、雇用促進関連施設にはハローワークが入ることになっております。このハローワークのフロアはまだ半分残っていると聞いております。ハローワークと連携していくためにも、この雇用促進関連施設にヤングジョブセンターを設置すべきと思いますけれども、どうでしょうか。 ○産業政策課長 いま現在、たしかに東京芸術センターの6、7階から8階の1部がハローワークということが決まってございます。 いま現在、あだちヤングジョブセンターを運営してございまして、まだ時間的に6月、7月、8月、9月で、いま10月でございますから、まだちょっと数字的なもの等々いろいろございまして、それについてどうすべきかということを検討している最中でございます。 ○伊藤委員 私の本会議の質問で、区の方はこう言っているんです。東京芸術センターへの設置は複数年にわたり財政支出を伴うために費用対効果を勘案し検討と、こう言っていたんですが、費用がかかるからやっていないのかなという理解もしたんですが、その点はどうですか。 ○産業政策課長 費用対効果の関係でございます。 ○伊藤委員 年間ここの、ヤングジョブセンターを東京芸術センターに配置するとどのぐらいの費用を見込んでいるんですか。 ○産業政策課長 賃料で1,000万円強でございます。また、あわせまして初度調弁等々がございますので、それも加算されるということでございます。 ○伊藤委員 年間1,000万程度ですから、青年雇用というのは基本構想の中でも位置づけられている。そして、ヤングジョブセンターは、先ほど言ったとおり大変重要な役割を果たします。青年雇用に大切な施設でもあります。費用は年間1,000万程度でしたら、コミュニティアーツには5億5,000万出していますから、未来ある青年雇用対策に出せないことはないというふうに思いますが、こういう点でどうですか。 ○産業政策課長 いまのヤングジョブセンターでございますけれども、先ほど申し上げましたように、フリーターに対しての効果を持っているということでございます。ただ、ニートに対しては、箱物だけでは効果が出ないということがございまして、ほかのニートを発見したり誘導したりするような仕組みづくりがそれに不可欠になってくると思ってございますので、検討中でございます。 ○伊藤委員 まさにニートは新たな課題なんですけれども、そういう点でもいま課長がおっしゃったとおり、やっぱり仕組みづくりをやっていく必要があるんです。やっぱり医療の体制とか、あるいは教育の問題、家庭のこと、いろいろ社会のこと、こうした総合的に考えてこの対策はますます強めなきゃいけないと思います。 前、区長のあいさつの中でもニート問題を区長自身が触れていたところがありました。こういう点でも必要だというふうに思います。 それで、仮に東京芸術センターに入れることができないとしても、区として駅近辺などにそうした場所を考えることはありませんか、できませんか。 ○産業政策課長 区としてせっかくヤングジョブセンター、運営してございますので、事業としては継続していきたいという点がございます。 場所的なものとしては、いわゆる千住が適当なのかなと。やはりほかの地区と比べまして、非常に来館者等が多いということがございまして、そのようなことを考えてございます。 ○ 伊藤委員 このヤングジョブセンターは、私、非常にますます大事だと思うんです。先ほどフリーターがよく来るというお話でしたけれども、この間、9月26日の新聞には、首都圏の労働局がキャンペーンを張りました。これはどうしてかというと、派遣・業務請負適正化キャンペーンというのをこの10月1日から2カ月にわたってやるそうです。これは、東京、それから茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川県で。これは、背景には、契約形式は請負と称しながら実際は労働者派遣というにせの偽装請負、これは違法なんですが、これが横行している実態があると。請負は、仕事の完成を目的としているために派遣のように企業の社員が請負労働者に仕事の指示することはできません。一方、請負には、派遣のような期間制限などの法規制がないため、請負を偽装した違法派遣が後を絶たないと、こういうことで首都の労働局がキャンペーンを張ったと。これは、昨年3月から労働派遣法が改悪をされて、こうした違法状態が広がっているわけです。ですから、そういう点でも私はヤングジョブセンターの役割というのは非常に大事だと思うんですが、千住のところにやりたいということですから、先ほど言った文化芸術センター、あるいは千住駅に近いようなところに設置していただきたいというふうに思います。 高齢者の雇用対策もきわめて大事 ○伊藤委員 それで、青年の雇用も大事なんですが、高齢者の雇用対策も極めて大事です。 我が党が区民アンケートをこの間やりました。この中には、「体は健康なのに、年齢制限55歳で仕事がありません。高齢者にも仕事をください、仕事はその人の体力で」と、72歳の男性です。「50歳以上仕事がない、60歳以上はさらにない。労働したいと思うが、何とかしてほしい」と、56歳の女性です。「働かせてください、年金では生活できないのです」、67歳の男性です。「シルバーへの仕事申し込みでもなかなか順番が回らず仕事がもらえない」、66歳男性。等々、切実な声が多数寄せられております。やっぱりこれもいまの社会の状況を反映しているかなというふうに思いますが、高齢者の雇用、平成16年度の実績はどうですか。 ○産業政策課長 高齢者、ハローワークの方では55歳以上を高齢者というふうに位置づけてございますが、16年度でございますが、新規の就職の申込件数が9,200ほどございまして、就職件数が1,922、21%程度でございます。 ○伊藤委員 9,200人の方が来て就職率は21%というのは、これは私なんか見ると非常に低いなと。これで就職申し込んだけれども就職できなかった残りの7,200人余りの方はどうするんですか、これ。 ○産業政策課長 済みません、私がどうするということではございませんが。このところに来て雇用、特に求人等々の関係が改善してございまして、いま現在の、17年度の4月から8月までの数字でございますけれども、求人申し込み約3,329件、就職件数866ということで、先ほど21%程度だったのでございますが、26%ぐらいの就職率といいましょうか、直接数字としてはつながらないんですけれども、高齢者、55歳以上の方については若干、そういった失業の関係が改善しているということでございます。 ちなみに、若年者の場合でございますが、若年者の場合は、ほぼ横ばいというようなところでございます。 ○伊藤委員 改善しているという受けとめはよくないと思います。とにかく就職率低いわけですから、むしろこれはハローワークとよく連携とりながら就職率が上がるように、そしてそういう、先ほど私、たくさんの声を寄せていただいたということで紹介いたしましたけれども、切実なんです。ですから、こういう点では区がそういう点で働きかけをしていただきたいというふうに思います。 それで、足立区の基本計画では、就労の促進、雇用について、雇用就労の機会をふやす、それから高齢者の就職も促進しますと、こう位置づけております。区民要望が高い高齢者雇用対策を区として強化し、雇用の機会をふやす必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。 ○産業政策課長 就労の促進というのは当然のことながらでございますけれども、必ずしも雇用されるということではないと思ってございます。いわゆる一定の年齢の方の場合に必ずしも雇用されるということについての担保はできないのかと思ってございます。 また、私どもの方では、シルバー人材センターの方の助成もやってございまして、いわゆる常勤から最終的に無業者といいましょうか、仕事に就かなくなる間の週2ないし3日についての就労というようなことをやってございますので、そういったことを含めて就労の促進といいましょうか、そういった部分については区として対策をとっていきたいというふうに考えてございます。 ○伊藤委員 シルバーの話も出ましたけれども、このシルバーに行っている人の声も結構私のところに寄せてくるんですが、なかなか仕事、あれは仕事の場所じゃないという話も聞いていますけれども。だから、本当にそういう要望にこたえていくためにも、いまお話のあった高齢者雇用対策、これは区としても強化して、そういう機会をふやすようにお願いしたいと思います。 それで、次に、基本計画には区民の職業、専門性を高めると、こう位置づけしておりますね。それで、区立職業サービスセンターには就業に必要な技能の指導、就業に関する調査及び情報の提供というのがありました。この事業はどうしたんでしょうか、どうなっていますか、その後。 ○産業政策課長 技能の関係につきましては、平成7年度だと思いますけれども、その後事業をやってございません。 それで、就業に関することにつきましては、内職のあっせん、パートの相談等をやっているということでございます。 ○伊藤委員 いま、やってこなかったと。いま言ったとおり、就業に必要な技能の指導、就業に関する調査、情報の提供というのはやってこなかったということですが、ほかに他の条例でこの施策を位置づけて今後とも区としてやる意思がありますか。 ○産業政策課長 申しわけございません。やってこなかったということではなくて、事業自体、技能の関係については既に事業をやっておらなくなっておりますが、済みません、申しわけございません、職業サービスセンター条例の改正をしてこなかったということでございます。 ご案内のとおり、ハローワークとも連携いたしまして、就職、雇用等々については、職業サービスセンターではなくて、区の方、経済観光課の方で直接やってきたということでございます。 ○伊藤委員 じゃあ、他の条例のこの内容については、位置づけがなくても区としてはそうした内容を盛り込んで進めていくということですか。 ○産業政策課長 委員おっしゃったとおり、いわゆる新基本計画の体系の中にも、就労の促進と雇用の安定を実現するという施策がございますので、これについては区として責任を持ってやっていくということでございます。 ○伊藤委員 そうすると、これまでいろいろ経過でやってこなかったという話もありましたけれども、この施策については中身を膨らませながらやっていくということで理解していいですね。 ○産業政策課長 職業サービスセンターでやってまいりました技能の関係でございますが、主にミシンの関係でございますので、それについてはやっていく意思はございません。いわゆる区民の職業、専門能力を高めるということでは、いわゆる就労支援の位置づけをして、区民の方々の資質を上げるような施策自体をやっていきたいというふうに考えてございます。 昨年来、新規雇用等々を使ってやっておりました就労支援というのが、履歴書の書き方ですとか面接の受け方ですとか、非常に初歩的なものしかやってきてございませんけれども、いわゆる職に就くための区民のスキルアップについての施策を展開すべきだというふうに考えてございます。 ○伊藤委員 そうした必要な人にスキルアップをしていくということで、中身を膨らませていただくようにお願いをしたいと思います。 それで、私、いまお話しあった内職の問題ですけれども、非常に内職の資料いただきましたら家計の足しにするとかいう内容が大変多くて、70%ぐらい占めています。内職の年齢別、私の理解はもっと年輩の人がやっているのかと思ったら、20代、30代が圧倒的に多いという点で、この内職の事業は、資料を見ますと、平成15年から16年、求職相談者は62%増となっております。こういう点では区民要望の高さがうかがえますので、こういう点での対策も講じていただければいいなというふうに思います。 小規模工事契約登録制度の改善を ○伊藤委員 次に、変わりまして、4月から実施いたしました小規模工事契約登録制度についてお伺いいたします。 この小規模工事契約登録制度、17業種で97事業登録いたしましたけれども、契約締結は6月まででわずか3件、仕事が回ってこないという苦情が多く寄せられました。区内業者の受注機会の拡大を図るために、まちづくり公社などで行っているような契約課で発注の実態を把握して、受注機会の均等化を図るためのルールづくりなど、小規模工事契約登録制度の改善を本会議質問でも求めました。 そこでお伺いいたしますが、区は今後発注する主管課、この制度の趣旨を周知徹底し、積極的に活用を働きかけると、こう答弁いたしましたが、契約課は、小規模工事契約登録制度を受付する、しかし問題は、発注する主管課がきちんと受けとめないまま、制度を徹底しないままでは制度をつくった意味がありません。具体的に発注機会の均等化ができる対応が求められると思いますが、どうでしょうか。 ○契約課長 いまの小規模工事契約の希望登録制度でございますが、この制度の対象となる工事につきましては、事務規則上、主管課において締結ができる権限内の130万円未満の工事でございます。したがいまして、契約課におきまして、この発注機会の均等を図るような調整といったことは現在考えてございません。 ただ、今後も、主管課への周知、並びに積極的活用を図るような働きかけは行っていく考えでございます。 ○伊藤委員 私は、せっかくそういう制度をつくってよかったわけですから、それがちゃんと実るようにするためには、発注しているのは主管課ですから、主管課にその制度の位置付け、内容についてもきちっと徹底していただいて、受注の機会が均等にできるような方策、これをぜひやっていただきたいというふうに思っているんですが、その改善はできるんじゃないでしょうか。 ○契約課長 いま、4月から3カ月間で3件というふうなご指摘ございましたが、契約実績としては3件でございますが、ただ主管課におきまして見積もり合わせ等で、例えば入札参加資格のある業者と今回の小規模の制度の登録業者との見積もり合わせによって、結果的には入札参加資格登録業者に落札したというケースも相当数あるというふうに考えてございます。 したがいまして、主管課では、今後、契約課からの働きかけに基づいて、利用を拡大していってもらうような形で働きかけますが、現在もそれなりの成果があるというふうに考えています。 ○伊藤委員 利用ができるようにぜひやっていただきたいと思います。 それで、もう一つですが、小規模物品契約登録制度、これは区が12月に行うという方向を聞いておりますけれども、小規模工事契約をいま言ったように教訓に生かして、いつからPRを行って、いつから募集するのか、このことをお伺いします。 ○契約課長 物品契約につきましては、12月1日から20日まで登録の受付を行います。それのPRにつきましては、11月10日号の「あだち広報」に周知する予定でございます。 ○伊藤委員 この契約登録制度、小規模も物品もそうですが、公共の工事ができて張り合いが出たと、この不況に苦しむ中小業者にとっては新たな仕事起こしにつながっております。そういう点では、制度を周知させてそして信頼を築けばもっと広げられると、これは他都市の契約課長が談話を寄せておりますが、制度を充実させて区内業者の受注機会の拡大を図るようにお願いをいたしまして、質問を終わります。 ○委員長 ご苦労さまです。 この際、審査の都合により暫時休憩いたします。 |
10月12日(第6日目)午前 針谷みきお議員 ○ 古性委員長 これより決算特別委員会を開会いたします。昨日に引き続き、4議案に対する総括質疑を行います。最初に、共産党から質疑があります。針谷委員。 白石議員の「日本共産党に言及した発言」に反撃する ○針谷委員 おはようございます。 きのう、最終の質問で、白石議員さんから我が党に言及する発言があったので、そのエールにおこたえしなければいけないかなということで。きのう、我が党議員はきのう、きょう議員になった者ばかりだから都営住宅の建設は受け入れないという議会の意見書を知らないのだという発言がございました。事実はこうです。 昭和38年の都営住宅の建設に関する意見書については、全会一致で可決されたものではありません。 それから、昭和47年に要望書の提出を区長がしておりますが、これは議会がやったものではありません。 実はこんなことがあったのですが、昭和59年、1984年、伊興本町、いまの伊興四丁目、この都営住宅の建てかえに関する陳情が審議されているのです。このとき、建てかえの際には都区合意で建設現戸数の110%以内にするという取り決めがあった。しかし、住民から、都営住宅に入れない人が多いので120%以上に戸数をふやしてほしいという陳情が出されました。 実は、このとき私は1期目で地元だったので紹介議員になりました。公明党の飯田さんも紹介議員になりました。しかし、結果としては、この陳情は不採択になって実現しなかったのですけれども、結果としては現戸数は確保されたということですけれども、我が党の立場は、この都営住宅の建てかえに関しては住宅戸数をふやすべきだという主張を一貫して主張しておりますので、誤解のないようにお願いをしたい。 ちなみに言っておきますと、このとき、白石議員さんは区議会議員ではありませんでした。区長選挙か都議選に出まして議員ではなかったということなので、発言については自由ですけれども、他党のことを触れるときには、ぜひ調査をしてから質問をしていただきたいということだけ申し上げておきます。 足立区の教育改革、学力向上について言及 ○針谷委員 次に、コミュニティ・アーツについて質問しようかなと思ったのですけれども、17日の文教委員会もありますので、きょうはそれをやめまして、教育改革、とりわけ学力向上対策を中心に質問をさせていただきます。 まず、第2次教育改革にいま足立区は取り組んでいるわけですけれども、教育長は、足立区は教育改革の総合商社だと、これは予算委員会でも私は聞きました。そういう発言をされているわけなのですけれども、幾つかこの件に関して順次質問をしますが、その前に、警視庁のホームページとか補導白書を見ると、最近の非行事件について記載があって、規模が大きくなったと、何校かの学校が固まっていわゆる地域間抗争というような暴力事件を起こす、こういうことが報告されているのです。これは新たな大きな問題を含んでいるというふうに思っているのですが、それは、暴力団が背後に絡んでいるということとか、事件を起こしたグループが何校にもまたがっていて実態がなかなかつかめなかったので初期対応が難しかったというふうに聞くのですけれども、そうでしょうか。 ○教育委員会事務局次長 委員がいまご指摘のような状況がございます、実際に。 最近は、携帯電話で子どもたちが連絡を取り合うというようなことで、なかなか子どもたちの動きの実態が学校あるいは警察でとらえづらい。携帯電話で連絡し合って、ある公園に集合しろなんていう動員がかかると、前は、子どもたちが口コミでやったり会ったりしていますから動きが学校や警察でもつかめたのですけれども、そういうことがないということは非常に難しいということと、携帯電話ですので、学校間、全く予想もしないような学校間でのグループの編成だったりということがあるということで、非常にとらえにくい、苦慮しているという実態がございます 足立の教育改革には一貫性、整合性がない ○針谷委員 実は、その背景というのが一体どこから来ているのかというのを考えてみると、いま、携帯電話という話がありましたが、それはあくまでも通信手段で、どういうところでその人間関係ができるのかということなのですけれども、私、実は、学校選択の自由化というのが関係ないのかということを考えると、やや、やっぱりあるなというふうに見ているのです。 事件を起こした生徒というのは、例えば学校ではドロップアウトしてしまって不登校、選択の自由化が取り入れられていますから、学区域に住んでいない、そういう子どももいる。そこで、全然地域が別々ですけれども学校は一緒、こういうことで、人間関係が非常にそういう点では広域化するというところとの関係で日常生活自体がなかなか把握しづらい。本来ならば、学校を中心にその地域では地域コミュニティがあり、そのいろいろな日常の動向などでやはり先生が把握できるという状況がそういうことであらわれている傾向があるかなというふうに思っているのです。 選択の自由化がこうした事件の影にももしあるとするならば、これは考えなければならないというふうに思うのです。 いま、この選択の自由化については、希望していた学校に行けなくなるという子どもたちが生まれる。これが子どもたちの大きなダメージになって、希望の学校に入れない子どもたちはさまざまな矛盾を抱える。 その一方で、この教育改革という名でやられている例えば開かれた学校づくりの協議会、ここでは家庭教育に問題があるということで家庭教育の重視を呼びかける。しかし、生徒はなかなか地域がばらばらで地域にいない。中にはPTAの役員さんもその学区域にはいないというようなこともある。これは、やっぱり地域コミュニティの破壊と言われるような現象がこういうところから生まれていやしないかというふうに私は思うのです。 教育改革の中身が、やはり、さまざまな現象を波及的に呼び起こすということを考えていく必要があるのだろうというふうに思います。 もう一つ、二期制の問題ですが、これは予算委員会でも指摘しましたけれども、やはり必ずしも成功しているとは言えない。区内の全教職員を対象にしたアンケートでは、二期制がいいというのはわずか11%、三学期制というのが59%ということで過半数を超える。どちらとも言えないというのが29%でありますけれども、三学期制がよいというのは、やはり、長期の休みの前には通知表を渡した方がいい、切れ目になると。やっぱり節目節目をつける必要がある。それから、高校入試のシステムと合っていないというデメリットを指摘する声もある。 ですから、教育改革を考える際に、相反するようないわゆる政策というか施策ということと教育改革が矛盾をするということが、実は、足立区の中には起きているのではないかというふうに私は思っています。 その意味で、やはり真のグランドデザインがないという指摘がされていますけれども、やっぱり、一貫性とか統一性とか整合性がないと、この教育改革というのは成果が上がらない、学力向上に関してもうまくいかないというふうに私は思うのです。 この原因をやっぱり明らかにする、抜本的な対策をとる必要が私はあるというふうに思います。この点について、やはり解明する必要があるだろうと思っているのです。 答案も返却されない、競争だけをあおる学力テスト公表はやめるべき ○針谷委員 そこで、ことし2月に実施した都教委の学力調査、これについては、集計ミスのために一たん回収して、ようやく8カ月後に、子どもには返されましたけれども、報告書は凍結のまま、いまに至っても明らかにされていない、そうですよね。 ○教育指導室長 都教委の方でかなりのミスがあって、子どもには個人データそのものは返しましたけれども、全体としてのデータというものはまだ凍結されているところでございます。 ○針谷委員 だから、ある意味では、いま飛び交っている、足立区は23区で平均到達率がまた最下位だとか何とかというのだって、実際は発表されていないわけですから、ただこの順位だけがひとり歩きしているという状況なのですよね。 それで、私、8月の文教委員会でも議論したのですが、テスト結果というか調査結果が子どもたちに返されない。これはいまの課長が、これはベネッセとの契約の関係で、答案は子どもたちに返さず、答案とは別の個人票という点数とそれから課題が返されるということなのですけれども、なぜこの答案用紙が本人に返されないのか、もう一度確認をしたいと思うのです。 ○学力向上推進室長 いまのご質問は区の独自の学力調査のことだと思いますけれども、区の学力調査、この結果は、個人票が各児童生徒にはきちっと配付されます。それで、また教員が指導しております。なおかつ、いま委員のご指摘の、要するに調査の答案用紙、これをいまは全部回収しております。問題集と答案用紙は回収しておりますけれども、これがなぜかということ、これは先ほど申したように業者との契約があります。業者の方は、これは経年変化を見ていくために同類の調査の問題を使っていると。なおかつ、その調査の精度を上げていくために、どうしても流出を防ぐためだということでございます。 ただ、私ども、委員のご指摘のとおり、児童生徒さんが自分の受けた調査結果をチェックする、これは大切だろうということを思いますので、今後は、その自分が受けた調査、これの問題集を、自宅に持ち帰ることはできませんけれども、授業の中でチェックしながらその辺をフォローしていきたい、そういうふうに考えております。 ○針谷委員 いまの答弁、納得できるところもあるのですが、ややおかしいなというところもあるのです。 大切なことは、いま、榎本課長がおっしゃったように、子どもがどの問題でどこを間違えたのか、実際のテストでつまずいているところはどこなのか、これを示してあげることが一番大事なのです。5,000万円もかけて実施した学力調査の効果がやっぱり半減してしまうと思うのです。 答案用紙を返さないというのはなぜなのかなというふうに考えると、いろいろ、いま言った話というのは、テスト問題というのはもともとわかっているわけですから、いま言ったような経年変化がどうのこうのというのはやや当たらないのかなというふうに思うのですけれども。 私、ちょっと疑問に思っているのは、これは私の邪推でなければいいのですけれども、採点ミスというのが発見されると業者は困るのではないかなというふうに実は思っているのです。 実は、この問題を聞き取りをしたことがあるのですが、業者は、採点はほとんどアルバイトにやってもらっているということなので、もし採点ミスがあったら、また回収だとか、さっき出た都教委のやった試験みたいなことになると、全くやった意味がほとんどなくなるということになってしまうということがちょっと予測をされているのですけれども、区教委はそういう認識ではないから、これについては、やはり、実際、契約でそうなっているとしても、区教委としてやっぱりどうするのかということについては、いまご答弁いただいたような対策もあるかもしれないけれども、やはり私は考えておく必要があるということをちょっと指摘しておきたいと思います。 やっぱり、学力調査というのは、子どもたちの学力がどうなっているのかというのを客観的、科学的に明らかにすることは私は必要なことだと思っています。 その調査が、やっぱり、教育の条理に沿ってあくまでも子どもの人格形成に必要な学力向上に貢献するもので、その基本はあくまでも各学校の教育活動に則して行われなければならないというふうに私は考えています。調査の実施についても、やはり、子どもとか父母、教職員などに十分説明が行われて、当事者との理解と納得の上で実施されるということがやっぱり私は必要だというふうに思っています。 ここから先が問題なのですけれども、やっぱり、学校名の公表等については、区教委はなぜ公表するのかということに関してのクエスチョンに、課題を共有化していく、また、基本的には情報公開とか説明責任ということで公表していくのが正しいというふうに言っているのですけれども、問題は共有化の中身だと思うのです。 例えば、この8月に発表された足立区の学力向上に関する総合調査概要版、こういうものを見ますと、学力定着度だとか学習に対する意識調査だとか教員とか保護者の意識などを共有化するということについては、私はこれはいいことだろうと思うし、問題はないと思うのです。ただ、平均到達度、つまり、平均点をわざわざ教科別に、そして学校別に順位を並べて公表する目的とかその意味するところは一体何なのかなというのが非常に区民的にもわからない。何でそこまで細かく順位を発表しなければいけないのか、この点についてはどうなのでしょうか。 ○学力向上推進室長 公表の考え方は、いま、委員がおっしゃったとおり、さまざまな要因がありました。ただ、一番の公表していく決断に至ったのは、地域からの要望が多い、要するに保護者から、自分たちの子どもが通っている学校がどういう学力の状況にあるのか、また教育環境にあるのか、これが知りたいということで、そういう声が非常に大きかったということで公表したわけです。 ですから、単なる学校の順位だけではなく、教科別に、また学年別に、なるべく細かい情報を出してほしいというのが地域からの要望でした。また、この考え方は、学力検討委員会、これは校長さん8名で構成されます。この検討委員会の中でさまざまな議論を経たその結果こういう形をとったということでございます。 ○針谷委員 さまざまなデータを共有化するといったって、この報告書、8月にもらった報告書というのは、28ページあるのだけれども、9ページから19ページまで10ページ割いて、全部、わざわざ、中学校の1年生から3年生、小学校の2年生から5年生、教科別に順位を並べ立てているのですよ。この報告書の半分以上はそのデータですよ。そんな、いわゆる競争というか、そういう順番だけを争うかのような印象を与えかねない。 ですから、地域の要望だと言うけれども、私は、ほかの議員さんで聞いている方もいるかもしれないけれども、私が聞くところではそんな順番まで明らかにしろなんて言っている声はほとんど皆無ですね。 やっぱり、これが競争激化とか学校の序列化につながるということは、もう間違いないと言わざるを得ないと思うのです。 いま、子どもたちの陥っている深刻なトラウマといいますかストレスというか、学校ではこんな会話がささやかれているのです。 先生、足立区って23区の中で一番できないんでしょう、うちの学校はその中でも最低なんでしょうと。高校は足立区じゃないところに行きたいと子どもが言いだす。親に引っ越しをせがむ子どもが出る。一斉学力テストが子どもの心を深く傷つけているという実態が、やっぱり、あちらこちらで報告されているというふうに思うのです。 このランクづけと言えるような教科別、学校別の平均到達度の公表がこうした事態をやっぱり私は生み出しているというふうに思うのです。こういうことに心は痛みませんでしょうか、区教委は。 ○教育委員会事務局次長 そういうご指摘でございますけれども、私どもとしては、競争そのものが悪であるというふうにはとらえておりません。 また、各学校での校長先生方のご意見を聞いても、このことによって過度の競争意識で学校が争って順位をというようなお話を全く聞いておりません。逆に、地域がいろいろ工夫をして学校と一緒に子どもたちの学習を見ていこう、そういう中で、どれだけの効果があったのかということが目に見えるということで、ある意味で学校の努力がこういう形で実を結んでいるのだというふうに受け取られているというふうに、学校現場としては非常に冷静な立場で受け取っているというふうにとらえております。 ○針谷委員 学校現場はそうなのです、当然ながら。そんな、一々うちの学校が何番だからどうのこうのというのではないのです。問題は、そういうことを競っているのは区教委なのです。そしてまた、実際にその悪影響が子どもたちの心をやっぱりむしばんでいるのです。そこを考えなければいけないということなのです。 実は、その学力調査というのは、1964年、きのう野中委員が発言しておりましたけれども、全国一斉テストをやった。これについては裁判までやられて判決が出ているわけですが、当時、福岡地裁がこういう判決を下しているのです。 本件学力調査は、文部省当局が学習指導要領に準拠して試験問題を作成し、教育委員会に対して報告の提出を義務づけるものとして実施されたものであるから、結局、実質的な教育課程管理権を裏づけとしてその権限が行使されたことになる。まさに、行政権力たる文部省が不当に教育内容に介入したものにほかならない。要するに、本件学力調査は、形式的には地教行法第54条第2項に違反し、実質的には教育基本法10条に違反するものであるから云々ということで、こういうことはやるべきでないという判決なのですけれども、これについて区教委はどのように感じますか。 ○教育委員会事務局次長 当時といまとでは、大分社会状況が違っております。同じような訴訟が起こされた場合にどういう判決が出るか、私どもが予測するような話ではございませんけれども、同じ結論が出るとはちょっと考えづらいというふうに思っております。 また、実際に、その後こういった学力調査が全国一斉に行われないという中で、児童生徒の学力の状況というのは、はっきりと客観的にあるいは科学的にとらえられていないというような意見もあるわけでございまして、私どもとしては、区が独自に実施したこの学力調査について言えば、昨日もご答弁申し上げましたけれども、学校現場も非常に冷静に、あるいは地域の方たちも保護者も非常に冷静に子どもたちの学力の現状をとらえて、それを上げるための努力を惜しまない、そういう姿勢になっていることは確かだというふうに認識してございます。 ○針谷委員 過度な競争が子どもたちに悪影響を与えるということについては、国連の子どもの権利委員会が、昨年の1月に、日本の教育について再び勧告を出して、過度な競争教育を是正するように指摘しています。 私は、この文教委員会でも、OECDの学力調査で1位と評価されたフィンランドの教育について質問しました。この問題で、やはり日本の教育が本当にいま曲がり角に来ているというふうに思っているのですけれども、ことし6月20日に、フィンランドで教育行政に長くかかわってきた早稲田大学の名誉教授の中嶋先生が、この足立区の竹の塚センターでフィンランドの教育に学ぶという記念講演をされて、私も聞いてきました。大変勉強になりましたけれども、足立区の教育改革はこの方向でやっぱり改めればよくなるなというふうに非常に確信を持ったのですが、フィンランドはやはり授業時数が少ない。中等教育で、フィンランドは515時間、日本は875時間、小学校は、フィンランドで530時間、日本は710時間、日本の方が180時間も多いのです。 もちろん、国が定めた学習指導要領がありますけれども、総合学習を徹底しろというのがこの新しい指導要領になっていて、やっぱり、すべての人に同じものを与えたいということで頑張っているわけなのですけれども、フィンランドはグループ学習というのを重視している。すべての人に課題を与えてそこで競争する、そういう意味での競争をやっているのです。同時に、わからない生徒には学習支援教師が派遣されて教室に張りつくということで、差別と選別をとても嫌うということです。学校や家庭にもたくさん図書があって、読書時間は日本の子どもと比べるとはるかに多い。教師は、1970年代から小学校の担任も含めまして修士号をとらないと教員になれないということで、教師の質の高さも指摘されているわけですけれども、やはり、私は、全部フィンランドのこの教育を国情が違う日本でやれということは言いませんけれども、やっぱり、差別・選別教育ではなく、すべての子どもたちを底上げしていくという、そういう努力は学ぶ必要があるというふうに思っています。 普通教室のクーラー設置を理由に夏休みを減らすべきでない 時間がなくなってしまったので別の質問に入りますが、普通教室にすべて来年はクーラーが入るということですけれども、特別教室は残念ながら全部入らないということで、理科室とか技術室とか美術室とか多目的室は入らないということでいいのですよね。 ○施設管理課長 現在、検討中でございまして、数字については上げておりますけれども、財政的には普通教室に入れると同じくらいの経費がかかるということで、非常に厳しいというふうに考えております。 ○針谷委員 それで、中学校のクーラー設置とあわせて葛飾区では夏休みを1週間ほど減らすと、授業時数をふやすというふうに決めたのですけれども、夏休みの期間中というのは、やはり、子どもたちにとってどういう位置づけで設定されているのかというふうに私は思うのですけれども、やっぱり、基本的に言えば、学校から離れて保護者の教育方針にゆだねるというふうになると思うのですけれども、やっぱり、この中には、地域と連携して豊かな触れ合いを体験する。もちろん、夏休みの宿題とか学校の課題はあるにしても、部活とかキャンプとかボランティアとか海外の短期留学とか、学校外で学ぶことが中心になる。しかし、なかなか厳しい、学力が向上しない、課題を抱えているという人には、やはり個人指導を中心に底上げを図る補習授業などに取り組んでいる学校が多いというふうに思うのです。 夏休みの過ごし方としては基本的にこのように取り組むべきだというふうに思うのですが、指導室長、どうでしょうか。 ○教育指導室長 確かに、長期休業中に豊かな心の育成ということで、さまざまな自然体験、社会体験等をすることも大切だとは思います。 しかしながら、本区の夏期休業というのは二期制の中のまだ学期中でございまして、二期制と夏期休業とはセットで考えているところがございます。7月までの学習を定着、補充、発展させるという大事な期間でもございます。子どもたちもそのつもりでいま学習に取り組んでいるところでございます。 ○針谷委員 夏休みの流れを見ると、7月の夏休みに入った20日から10日間ぐらいというのは補習とか水泳指導とかに取り組み、8月に入っても部活で都大会、全国大会がある。全国大会まで進むと8月の23日ぐらいまで続くということになる。8月の最終盤は、9月から二期制になった関係でテストの準備期間に入る。こういうことになってしまうので、夏休みを短縮してしまうと子どもたちの生活リズムを狂わせることになるということを私は危惧をしておりますので、この点に関しては、やはり、クーラーとセットで夏休みの短縮というのは拙速な判断だろうということだけを指摘しておきたいと思います。 最後になります。きのう、公明党の杉崎議員が質問していたことなのですが、区教委の教育改革は、現場の校長先生や教師から意見を聞くべきだという、この杉崎議員の質問には私も賛成です。 学校支援制度をつくって現場の意見を聞く云々というのはあるのですけれども、やはり、私は、教育改革のメニューを見ると、足立区の教育改革というのは国の示すものが圧倒的で、選択の自由化も二期制も小中一貫校も学校評議員制も文科省のモデル事業、これを決めるのも当時トップダウン。これをほとんど決めたのは内藤さんの責任ではないのですけれども、やっぱり、トップダウン、指導室長に聞いても、私は知らないというのが圧倒的でした、当時。 私は、現場の声を聞いている指導室が知らないうちに決めてしまう、これではうまくいくはずがないというふうに思うのです。そこで提案ですが、指導室を課ではなく部に位置づけるとか、機能と権限を強化する必要があるというふうに思うのですけれども、そして、現場の校長先生や教師の意見を聞いて推進すべきだと思いますが、この提案についてはどのように受けとめるでしょうか。 ○教育委員会事務局次長 ご指摘の第1次改革に対して第2次改革は、まさに学力向上、現場が第一でございまして、この現場を指導していく立場の指導室の強力な体制をしいていかなければならない、この趣旨はまさにそのとおりだと思います。 ただ、制度的に部に格上げとかということはなかなか難しい面もございますし、私どもとしては、決められた数以上に指導主事を配置をして、そういう面では補強しているというふうに考えております。 ○針谷委員 最後に。部でやっている自治体もあるようですよ。別に、これは指導室長を応援しているとか何かあるわけではないのですけれども、私はやっぱり、いまの足立区の教育改革を見るときに、本当に現場で起きている事態と区が出す方針がぴったり一致すれば、教育長の願望で、私はその希望は一致すると、子どもたちの学力を上げたいというのは一致するというふうに前から言っていますけれども、その点をぜひ、これは踏まえていただいて、権限と機能を強化する、権限を強化しなければ私はだめだということを指摘をして質問を終わりたいと思います。 |
10月12日(第6日目) 午後 ぬかが和子委員 環境問題について問う ○委員長 共産党から総括質疑があります。ぬかが委員。 ○ぬかが委員 日本共産党からの最後の質問ですので、いろいろな分野で伺いますが、簡明に答弁を求めます。 まず、環境問題について伺います。 環境対策の二つの柱として、一つは大気汚染や氾濫する化学物質による健康被害から区民の健康を守るという視点。それから、もう一つには地球温暖化対策といった視点。こういったもののために、自動車公害対策や有害化学物質の規制・監視の強化や水質・土壌汚染の回復、また、自然エネルギーの活用や壁面・屋上緑化対策、被覆対策などがあるというふうに思うのです。 この両側面を重視して取り組んでいくというのが環境政策の基本になるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○環境部長 委員ご指摘のとおりでございますけれども、もう1点、資源の再活用、再利用に関しての視点がございます。 ○ぬかが委員 東京都の環境基本計画では、東京都の環境の二つの危機として、そのうちの一つとして自動車交通の増大による大気汚染、それからもう一つに地球温暖化に伴うヒートアイランド現象の深刻化、これを掲げています。 東京を過度に自動車交通に依存しなくてもよい都市にする、これを強調し、99年の12月には自動車使用に関する東京ルールというのを決定しました。自動車の使用を減らす、低公害な自動車の利用、環境に優しい運転を行う。私も運転する身ですので我が身に置きかえても本当にちゃんとやっていかなきゃという思いなのですけれども、この基本方向というのは足立区も変わりありませんね。 ○ 環境保全課長 はい、足立区におきましても、低公害車の導入、それから、アイドリングストップなどについて取り組んでいるところでございます。 ぜんそく患者のインフルエンザ予防接種に費用助成を ○ぬかが委員 そうですね。 大気汚染の現状では、足立区でも、ぜんそくの患者さん、子どもの患者さんも多いという状況や、光化学スモッグも最近は注意報が多発している。その中で、大気汚染そのものには、いま答弁のあった対策も求められていくと思うのです。それとあわせて、やはり健康被害や公害患者への対策、これも重要な課題です。 衛生部の方では、公害患者施策、18歳までの大気汚染健康被害対策としてさまざまな対策をとってきましたが、そういう中で、インフルエンザの予防接種の支援は現在65歳以上の高齢者のみです。インフルエンザにかかると重症化する、この点ではぜんそく患者も本当に深刻です。なかなか治らない、呼吸が苦しくなる、重症化を招く、本当に何とかならないかなと思っているのです。 いろいろ調べましたら、国の方も17年度に、これは17年3月31日付で各区長あてに通達を出していました。「公害保健福祉事業の実施について」ということで、公害患者の対策としてインフルエンザにかかる予防接種の費用の助成を加える、平成17年の4月1日から施行するのだと、こういうものが各区長あてに文書として届いております。 ぜんそく患者、公害患者のための費用助成、インフルエンザの予防接種の助成はできないものでしょうか。 ○衛生管理課長 ただいま委員がおっしゃいましたとおり、今年度から導入した公害保健福祉事業というメニューの追加があったということでございます。 私どもも、いま部内予算の編成中でございますけれども、改正介護保険法等、事業費なり、それから財源等、いまの段階では非常に不明確でございます。また、既存事業の中でも相当厳しい状況になってございますので、そのようなことから、財源の精査、また、他区の動向等を把握し、検討、判断をしてまいりたいというふうに考えております。 ○ぬかが委員 いま、他区の動向といいましたけれども、文京区や北区は、18年度から実施する予定を、この通達を受けて前倒しで今年度から何とかできないかと検討しています。大田区や板橋、江戸川などでも実施の方向で準備しています。 ぜひ、一番やはり予防接種がインフルエンザでは効果があるというのは厚労省もいろいろな文書で繰り返し言っている分野ですので、特にぜんそく患者には大事だということを言っていますので、ぜひ行っていただきたいというふうに思います。 新田一丁目の土壌汚染対策について 次に、新田一丁目の土壌汚染対策についてですが、区は、検査結果はまだ出ていないけれども、この議論の中で最悪の事態を想定して対応するというふうに言っておりますが、さとう純子議員が地域の方々の心配や要望を聞いてきました。 そこでお伺いしますが、第1に、保育園長や関係者から出されている、子どもたちが頻繁に使用していたので心配だ、子どもたちの健康診断をやってほしいといった声、それから第2に、子どもや生徒たち、そして新田地域ではみんなが利用していた貴重な広場だった、新田地域に、ここは別の活用はされるわけですが、広場を確保してほしい、こういう声が大変強いということなのです。この声にどう答えられるのでしょうか。 ○財産活用課長 健康被害の問題でございますけれども、特にあの場所ではいろいろな方がご利用なさったことはお聞きしております。 ただ、私どもとしましては、各団体等の方にご連絡申し上げたときに健康被害についてのお話はなかったものですから、いま現在はその推移を見守っているところでございます。また、今月末には調査報告が出ますものですから、それをまたご報告させていただきます。 また、広場の問題につきましては、あそこは都市計画の事業地の代替地で、代替地としての候補が決まっておりますものですから、今後はあそこは閉鎖する予定でございます。 また、新田には三丁目の方に大きな公園ができる予定でございますので、そちらの方をご活用できればと思っております。 ○ ぬかが委員 (健康被害の話はないというが)これは保育園の園長が保護者に出した手紙なのです。新田一丁目プチテラス土壌汚染について、この中で、足立区に対して健康調査や何かも要望いたしましたということで言っております。そういう声を受けてぜひやっていただきたいというふうに思います。 アスベスト―国や製造販売企業の責任は重大。 ○ぬかが委員 それから、アスベスト対策についてお伺いします。 ご承知のように、ヨーロッパ諸国では83年から90年代にかけて石綿の使用禁止が広がりましたけれども、日本ではずっと続けられてきました。中皮腫による死亡者は、いまは数千人と言われていますが、今後40年間で10万人にも上るという予測もあります。二十数年前から国際的には危険性が指摘されていた中ですが、日本においては長期にわたって使用を容認し、逆にそれこそ奇跡の鉱物などと言われて防火対策としても推奨され続けてきた。部分的な使用禁止はありましたが、全体としては安全対策も不十分だったということでは、やはり企業やまた政府の責任というのは非常に大きいと私たちは思います。 また、NHKの生活ほっとモーニングという番組ですが、これでは1カ月にわたって特集をしてきましたが、先日はまとめとして、アナウンサーの方が単に労働災害ではなく公害だと言い、また、視聴者の声を紹介していました。「危険を察知していながら放置した責任は国にある」「国はもっと誠実に対応してほしい」、こういった声が圧倒的多数でした。 日本共産党提案の「アスベスト対策の申し入れ」次々と実現 ○ ぬかが委員 そういう中で、自治体としては、住民の健康を守り安心と安全のために、ぜひ、できる緊急対策を実施してほしいということで、私たちはことしの8月の初めに区長に対してアスベスト対策の提案申し入れを行ってまいりました。その内容で伺いたいと思います。 【@アスベスト110番実現】 まず一つ目は、そのときの申し入れの内容というのは、アスベスト対策は、相談する内容によって環境保全課から教育委員会、営繕、それから衛生部など多数の所管にまたがりますが、そこで、区民からの多様な相談を受けとめて整理して対応できるアスベスト相談室を設置してほしい、また、全庁的に位置づけを強めるということをまず第一番目に要望項目として上げてまいりましたが、これはどうなったでしょうか。 ○環境保全課長 まず、この問題が起こったとき、一番最初に私どもがやりましたのが庁内の受付窓口の明確化ということでございました。これを約1カ月半ほど続けてきたのですけれども、またさらによりわかりやすくするということを考えまして、環境保全課内にアスベスト110番を設置したところでございます。 【Aすべての公共施設の調査すすむ】 ○ぬかが委員 それから、すべての公共施設について、アスベストの含有の有無などを調査し、結果を速やかに公表し対策を強化していただきたいということで、これは申し入れた段階で、区施設が543、それから学校施設112は調査を始めたところですという段階での申し入れだったのです。その後、設計図書での調査が終了されたということで、教育委員会の施設は、吹きつけ材使用の可能性が高いところ、露出しているところというのが11校だと。それから、念のため検査を実施したというところが6校、該当部分が既に囲い込まれている学校が4校だと。それから、地域学習センターなど、ほかの教育委員会の施設で吹きつけ材が使用されているというのが11施設ある、こういうことが公表されて今回の委員会報告にも盛り込まれています。 それぞれに教育委員会の方では応じた対応を頑張ってやっているなというふうに思っているのですが、区有施設543についてはどうなのかというのをお伺いしたいと思います。 ○施設営繕課長 いま、委員のお話にありました11施設の教育委員会関係の施設もそのうちの中に入っております。543、実は1施設に複数の棟がありまして、基準法上では棟というふうに私ども。一部誤植で出ておりますけれども、543棟であります。施設数にして調べたものは、現場実施をしたものが106施設194棟、そのうち検体を採取したものが38施設46棟であります。現場確認の上、検体を採取したものについては、現在、主管課で出したものも含めていま検体の検査結果を待っているところであります。 なお、現場を全部実施終わりましたのが9月の末と10月3日にすべて終わっております。 それからなお、既存対策済みだったものが12棟ございまして、また解体をしておったものが4棟ございます。 ○ ぬかが委員 全体の結果も出たら、ぜひ速やかに公表していただきたいと思いますし、また、含有率が低い含有材の場合で当面緊急な処理が必要ないという、そういう施設であっても、ぜひ関係職員や利用者には明らかにして、この留意点などは適切な指導もしていっていただきたいというふうに思います。 【B学校の石綿金網について】 ○ぬかが委員 それから、学校の理科の実験器材の金網ですけれども、以前、私たちが区内で小学生だったときは、それそのものを石綿と呼んでおりましたけれども、現在の販売製品はセラミック製だということですけれども、見た目では、石綿なのか石綿混入なのかセラミックのみ使用なのかというのはなかなか判断がつかないという話なのですが、そのために早急に一斉入れかえを行うべきだということも申し入れさせていただきましたが、どうなったでしょうか。 ○教育政策課長 私どもで、この石綿金網、過去に石綿金網と呼んでいたものを調査させていただきました。その結果でございますけれども、疑いのあるものも含めまして、実際には学校現場では判明しないのですが、疑いのあるものを含めまして、小学校20校で407点、それから中学校9校で278点、その他、岩石標本がございますが、その中に含まれているものがございまして、これは小中合わせて10校13点ございました。 これにつきましては、各学校、ビニール袋等へ密閉いたしまして、子どもの手の触れないところへ保管しているところでございます。今後につきましては、これを回収・処分する予定でございます。 【C民間の保育園や幼稚園、福祉施設は大丈夫?】 ○ぬかが委員 それから、もう一つ、これとはまた別ですが、区の施設だけではなくて、民営化された施設や民間の保育園などの福祉施設、認証保育所や保育園など、主に公の補助で運営する施設、それから私立幼稚園、こういうところに対しても調査を行ってほしいと申し入れしました。その際、含有建材や吹きつけアスベストが発見された場合は、必要な支援もしていただきたいと当時申し入れたのですけれども、そのときはまだやっていなかったのですよね。その後、全国調査も行われたというふうに聞いているのですけれども、特に子どもたちが生活する保育園や幼稚園の調査結果、それからその後の対策についてお伺いします。 ○保育課長 私立の保育園関係でございますけれども、厚生労働省の方の通知を受けまして、これは園長等が、専門家が見たわけでございませんけれども、設計図面とか実際に現物を見ながら調査をいたした結果ですけれども、私立保育園についてでございますが、完全に一つ、天井裏に囲い込みをされておりますけれども、私立保育園では1カ所あるということがわかっております。その他については、ちょっとわからない、素人目ではわからないというのが私立保育園の中では6園ほどございます。 それから、認証保育所等でございますが、認証保育所、保育室、保育ママ等について調べさせていただきましたところ、同じような調査でございますけれども、保育室について2施設ほどございました。これにつきましても、両施設とも天井裏の囲い込みがされておりまして飛散の危険はいまのところない、こういう状況にございます。 それで、対策として、実は東京都の方から、子育て支援施設における吹きつけアスベスト除去等にかかわる補助事業ということで、まだ原案の段階でございますけれども通知をいただいております。その中では、緊急対策総合事業を次世代育成支援の緊急対策事業の中に位置づけをして、使用状況の調査、それから対策工事、それから工事を終わった後の粉じん等の調査も含めて、低額ではございますけれども補助制度を、今年度単年度限りでございますが、やっていくというような通知をいただいているところでございます。 ○学力向上推進室長 私立幼稚園関係、ご報告申し上げます。 私立幼稚園関係の調査ですけれども、これは9月中に完了いたしました。54園中、いま疑いがあるということで4件出てまいりまして、その中では、専門業者が再調査したら、それは危険性がないという、そういう回答もあります。また、いま、業者に改善をお願いして、その対策に取り組んでいるという園もございます。 また、1件だけ、天井裏にアスベストを使っているのではないかという、そういう状況があるということで、天井を二重張りにしていま安全を確保している、そういう状況でございます。 東京都では、これは生活文化局でございますけれども、もともと私立幼稚園に対しては施設整備補助金・助成金が出ておりますので、私ども、その中の要綱の中にアスベスト対策というものがありますので、都の方に、いま強力にその後の対策、経費についての助成をするよう要請をしております。 ○ぬかが委員 国の調査でどういう調査をしているのですかと聞いたら、私驚いたのです。結局、アスベストの使用が、先ほどもありましたけれども、あるかないかわからない、このどれかをその施設の方で判断をして返事を出すという調査だけだったから、先ほどお話があったようなわからないという回答もある、保育園の方では、ということだと思うのです。 そういう点では、この可能性があるところについては、例えば、確かに囲い込みもやっているということにもなっても、それが壊れればということや、子どもの問題でありますし、アスベストは少量でも継続して被曝すればそれが被害になるという話なんかもありますので、ぜひ、区としてもさらに実態をつかんで必要な指導をしていっていただきたいというふうに思います。 【D「自分の家は大丈夫?」の不安に答えて】 それから、自分の家は大丈夫なのか、こういう不安があって、そういう相談も私たちの方にもありました。この個人の住宅やマンションの調査や除去や対策についても指導とともに支援を行うということについて、申し入れをした当時では、これから対策を検討するという段階だったのですけれども、その後、区の発表によりますと、自宅の建材アスベスト使用について不安な方の相談を環境保全課で受け付けますと、調査が必要な場合には区の経費で専門家を派遣し相談に答える仕組みをつくったということで発表がありました。その様子が先週のNHKに報道されたものを私も見せていただきました。 本当に区の環境保全課の職員は、この問題が上がってから、本当に知恵を絞りながらいろいろな分野で総合的な対策をとろうと、また個人の住宅の相談にも何とか応じようということで頑張ってきていると、私、本当に思っているのです。ただ、数万円かかる建材の成分検査は、自己負担でやるわけで、その点では、検査機関の紹介だけでなく、全額でなくても支援をしていただきたいというふうに思っております。千代田区や墨田や中央区なんかではこういうものが進んでいるということで、足立は「足立のいま頑張っている施策」もあるのは十分承知の上なのですが、ぜひやっていただきたいと思います。 【E一番心配な解体工事等の作業について】 ○ぬかが委員 それから、今後の区民の影響が一番心配なのは解体工事の作業だと。健康被害防止対策、指導の強化も申し入れをしてきましたが、墨田区や渋谷区では解体工事のときの住民説明を義務づけた条例とか要綱を制定する。この点ではいかがでしょうか。 ○開発指導課長 建設リサイクル法に基づきまして、床面積80平米以上の家屋を解体する場合の届け出を受け付けておりますので、お答えさせていただきます。 現在のところ、上半期で643件の解体の届け出がございまして、そのうちアスベストありという回答が8件でございます。 それに対しまして、私どもとしましては、週1回パトロールを行っておりまして指導を行っている、あるいは年2回の全国一斉合同パトロールというものがございますけれども、これは全国一斉にやるものでございますけれども、そういった2回の対応、それと先月は、国、労働基準監督署と東京都の環境保全局と一緒に指導のパトロールも行っているという状況でございます。 ○ぬかが委員 いま、答弁のあった監視パトロール、これも本当に大事なことなのですけれども。私が質問したのは、解体工事のときに、やはり住民説明会、いま建設の住民説明会はよくやられるわけですよね、要綱に沿って。だけれども、解体工事をやるときの住民説明会は余りやられないのですよね。これを、ぜひ要綱とか条例とかで位置づけてやっていっていただきたいというふうに思っておりますので、これをぜひよろしくお願いします。 全体としては、この8月のニュース報道から、本当に区で環境保全課を中心としながら進んできたなという実感はしていますが、やはり、子どもたちや足立区民の将来の安全にかかわる問題でもありますので、さらに充実させてやっていっていただきたいと思います。 ○施設営繕課長 済みません……。 ○ ぬかが委員 いいです、次に移りますので。 青少年センター移転後も西新井地域に会合や料理ができる機能を ○ぬかが委員 次に、昨日、自民党、公明党からも質問のありました青少年センターについてお伺いします。 青少年センターの機能がギャラクシティに移るということは否定いたしませんが、西新井地域の大師駅前にある貴重な集会施設であるというために、青少年センターの利用というのは青少年団体を超えて広く地域に愛されてきたのです。昨年度は年間11万人が利用していたというふうに聞いたのですけれども、その内訳と、また料理室は何回で何人ぐらい利用されてきたのか、伺います。 ○青少年センター所長 青少年センター、16年度の数字でございますけれども、委員ご指摘のとおり11万6,000余の方がお使いいただきました。 その中で、青少年団体2,602件、人数は延べ2万8,381名、それから、社会教育団体、登録団体でございますが、2,717件、4万2,586名、それから、登録していない一般の団体の方、このお使いが440件、9,256、その他として官公庁、私どもの主催事業だとか税務署等がお使いになったのが963件、人数で3万2,103名、そのほか学習室がございますので、ここで青少年の方が読書等の個人利用なさった方が4,395名でございます。 それから、料理室の方でございますけれども、料理室につきましては、101件、2,778名の方がお使いになっております。 ○ぬかが委員 そうしますと、やはり実際の利用というのは、青少年団体よりもさまざまな生涯学習の活動に使われてきたという要素が大きいと思うのです。今後は区民事務所の3階が地域に開放する会議室などになるわけですが、町会・自治会などの会議とか区主催の説明会では利用ができるけれども、それ以外のさまざまな活動、手話のサークル、複数のダンスサークル、健康体操、精神障害者の家族会、俳句の会など、登録団体でも72の団体、こういうところは利用ができなくなります。成年の方は、若者の方はギャラクでいいのですけれども、まちの中でも定着してきた団体なのです、活動なのです。 昨日もこの点では指摘があったわけですけれども、ギャラクシティまで行くのは大変だとか、何とか使わせてほしいという声や、料理室を残してほしい、こういった声が上がっているわけですけれども、こういう声を区はどのくらいつかんでいるのでしょうか。 ○区民部副参事(地域調整担当) 4月7日と9月10日に、利用団体の皆様に説明会を行っております。4月の段階でアンケート調査も行いまして、かなりの数の回答をいただいております。 ○ぬかが委員 やはり、町会や自治会などだけ利用できて、区民の生涯教育にかかわる活動は利用できなくなる、これは地域からも不満の声が上がっているという状況なのです。 区では、全体で見れば社会教育団体の施設使用料をまず有料にしました。次に、社会教育施設が有料だからということで住区センターの有料化を打ち出しました。続いて、西側の地域ではこういった西新井大師前の実質的な生涯教育の拠点がなくなる。さらには西部区民ホールも廃止を検討しているという点では、本当にこの西部地域の生涯教育の貴重な場は奪わないでいただきたい。ぜひ、いままでの青少年団体以外のサークル活動や料理教室として利用できるようにしていただきたいと思います。このことを強く要望しまして次の質問に入ります。 国民健康保険について ○ぬかが委員 次に、国民健康保険について伺います。 平成16年度は国民健康保険料が値上げをされております。均等割で800円、所得割で4ポイント上がっています。15年度と比べると住民税はこの年は9億6,783万円余マイナスなのです。ここに厳しい区民生活の実態があらわれているというのは初日の区側の答弁でも明らかになっているところですが、では一方、国民健康保険料はというと、住民税と連動するものですが、8,181万円余プラスになっています。保険料は10年間で均等割が1.9倍、所得割が1.6倍に値上げ、平成11年度、5年前と比べますと住民税収は毎年下がっているのです。それなのに、保険料収入は毎年値上げなどでずっと右肩上がりで、5年前と比べて21億2,000万円ふえているのです。値上げされたために暮らしは厳しくなっているのに、さらに負担がのしかかっている、こういう実態があらわれていると思うのです。この区民生活の実態に心を寄せて、何とか負担増を抑えよう、こういう区長の姿勢が求められていると思うのですが、どうでしょうか。 ○こくほ年金課長 保険料算定の仕組みは、委員ご案内のとおり、かかった総医療費の額によって国の示す基準としては、2分の1を保険料で、他の2分の1を国等の補助金、負担金等で埋める、こういうことになってございます。 したがいまして、住民税の額が下がっていっても医療費は右肩上がりでずっと経年的に増加してございますので、そこで保険料が上がる、こういうことになっているわけでございます。 ○ぬかが委員 全然、質問に答えていないのです。保険料が上がっていて区民の暮らしは大変でしょうと、その区民の暮らしを何とかしようという、そういう姿勢が求められているのではないですかと聞いているのです。仕組みはわかっているのですよ。 ○こくほ年金課長 そういうこともあって、国の方でも、保険料のいわゆる低所得者に対する対策として、6割減額、4割減額、こういう制度、仕組みをつくってございます。 なお、東京都23区の場合には統一保険料方式をとってございますので、さらにそこに1割の上乗せをして、6割軽減を7割軽減、4割軽減を5割軽減として保険料を賦課している、こうい施策もございます。 ○ぬかが委員 法定減免は十分わかって聞いているのですよ。 住民税と比べたって、住民税の2倍以上でしょう、(国保の)所得割は。大変な負担なわけですよ。これを、統一保険料方式はもうこれは仕方ないことだと思うし、私たちも堅持すべきだというふうに思っているのです。ただ、その中でも、できる部分で何とか負担増を抑えよう、例えば減免申請、これは別に減免制度があるわけですが、これを簡素化しようとか、そういうお答えが返ってくるのかなと思ったら、そうではなくて制度の説明だと。ここにやはり区の姿勢があらわれているというふうに私たちは言わざるを得ないのです。 いま、本当に少しでも区民の負担を減らそうと、減免制度は例えば手続を簡素化して使いやすくするとか、そういうような姿勢が本当に求められるというふうに指摘をさせていただきます。 介護保険「一般財源の投入」を区も認める ○ぬかが委員 それから、介護保険の質問をします。 介護保険では、区が一般財源の投入はしない、第2の国保にはしないということを繰り返し言ってきましたけれども、政府も答弁の中で機械的に一般財源の投入すべてがだめだというふうには言っていないというのは、私たちは繰り返し明らかにしてきました。 つまり、その自治体がどう考えるのかというのが問われてくるわけです。第2の国保にしないという論も若干違いがある。国保の場合は加入者と非加入者がおりまして、国保加入者のためにだけ税をつぎ込むのは公平ではないという、そういう論の中で言われていたのです。でも、介護保険というのは65歳以上の高齢者全員が保険料も払ってひとしく対象になる、そういう点では、第2の国保にしないというのも、そういう面では違うと思うのです。 それから、これまでも必要な利用料とか利用にかかわる負担軽減策や何かには一般財源は投入してきたということも指摘してまいりました。 そこでお伺いしますが、旧措置時代のホームヘルプサービスや特養ホーム利用者の負担軽減策、それから、現在もやっている都制度を活用した利用料の負担軽減策、こういった利用にかかわる施策は一般会計で予算を組んできたのではないでしょうか。 ○介護保険課長 ご指摘のとおりでございます。 ○ぬかが委員 そうなのですよね。 つまり、ほかにも民生費で特養ホームの整備や社協や介護にかかわるものはもともと高齢者福祉施策ということで組んできているわけですから、サービスや利用にかかわることに、一般財源、民生費を活用するのは当然のことだと思います。 介護保険料1.5倍もの値上で年金支給ごとに一万円以上天引きの人も また別の問題に入りますけれども、保険料についてです。 区は現在の基準額を3,200円、それからこれを4,700円へと月額1,500円の値上げ、1.5倍に値上げをする試案を示しました。これを、段階も変わりますけれども、現段階でどのくらい上がるかというのを当てはめますと、例えば第5段階では、いま4,800円、これは機械的にですけれども当てはめた人が7,050円になる。それから、第2段階の人は2,400円、この人が3,525円になるということなのですけれども、実は、来年度からやろうということでいくと、これだけではないのです。政府の税制改定によって、来年、年金収入が変わらないのに非課税から課税になる高齢者、何人いるのでしょうか。 税制の改悪で保険料段階が上がる区民が14000人。 ○区民部参事(税制改正) 既に条例決定しているその部分で考えますと、推計で約1万4,000人というふうに見込んでおります。 ○ ぬかが委員 1万4,000人、この人たちは、いまは第2段階か第3段階なのです。それが、いまの段階で考えれば第2段階、第3段階ですから、経過措置があるといっても、いまで言う第4段階に上がる。つまり、年金がおりるたびにこの方々は、いままでは4,800円か6,400円天引きされていたのです。これが今度は1万1,750円引かれる、こういう負担増になってしまう。二重の負担増だ、大変な負担だと思うのです。 保険料算定の基礎には余分なものまで見積もっている そこでお伺いしますが、この値上げ案の中に、第2期に、つまり今までの保険料で値上げをしないで据え置いていた分が加算されているのではないでしょうか。 それからもう一つ、地域支援事業として、政府は、当初、介護保険給付費の3%と言っていましたけれども、これがいま2%だとも言われておりますが、これも3%で計算していませんか。 ○介護保険課長 第2期で7億円不足しますので、その部分を加算してございます。 また、地域支援事業につきましては、当時、計算したときは3%で計算してございます。 ○ぬかが委員 そうなのですよね。つまり余分に見積もっている。 しかも、地域支援事業というのは、よく考えてみると、いままで区の一般会計でやっていた衛生部や福祉部の事業なのです。それを介護保険に入れて、半分は国の制度の問題ですけれども、半分は保険料で負担をさせる。区の財源は浮くのだと政府も答弁している、こういう値上げの中身なのです。 これは毎日新聞の記事なのですけれども、「改正介護保険法、施設介護で利用者負担増、給付増で取れる人から」という記事の一部を紹介します。 「改定の背景には、施行5年で1.8倍という介護保険給付金の急速な増大がある。抑制しなければ、国庫負担がふえるだけでなく、保険料にはね返って国民の反発を招き、制度自体が立ち行かなくなるという懸念だ」ということを言っていて、「そのために抑制を図るのだ」と言っているのですが、その中で、「厚労省の試算では、今回の改定で保険給付費は年間約3,000億円減るが、来春から月額約1,000円の値上げを見込んでいた65歳以上の保険料は200円程度抑えられるとして理解を求めている」と書かれているのです。 つまり、政府の試算では値上げ額800円程度と言っているのです。足立は1,400円、政府の試算よりも高いのです。 ○介護保険課長 政府の試算ですと、全国ベースで3,300円が1,000円上がる、そして、ホテルコスト導入と新予防給付で400円下がるという形の計算になっております。 足立区は、第2期目におきまして介護保険料を値上げしておりません。それから、給付費が第1期に比べまして倍増しております。したがいまして、計算するとこうなるということでございます。 値上げはするべきではない ○ぬかが委員 それにしても、余分に見積もっている分もあるという中で1,400円という値上げ幅だということなのです。 先日、私も、この足立で50年以上にわたって職人として仕事をしてきた方々がどんな苦労をしてきたのか話を聞く機会がありました。 つくったものを納めるのに、当時は車は本当にお金持ちしか乗れなかったので、馬じゃなくて牛に荷車を引かせて納めたという話だとか、また、今日に至るまでただひたすらがむしゃらに働き続けてきたという話をいろいろ聞いたのです、複数の方から。そういう中で本当にいまの足立があるのだなと私は思いました。 いまでも、そういった方々は、少ない年金で食費も切り詰めて、それで、洋服ももらい物を着て、新しい物をなるべく買わないようにしてぎりぎりにして切り詰めているのです。保険料の値上げというのは、こういった方々に大きく響くのです。ですから、こういった高齢者の方々に大きな負担を押しつける保険料の大幅値上げ、これはするべきではないと思いますが、どうでしょうか。 ○介護保険課長 介護保険は保険でございますので、利益に応じて負担が決まるという形になっております。給付費に連動しておりますので、ご負担をお願いしたい。 それで、今後の対策につきましては、低所得者の方につきましてはそれなりの対応を考えているということでございます。 ○ ぬかが委員 根本は国の政治の仕組みだと思うのです。だって、いままでは保険料で5割担うというふうになっていなかったわけですから。だけれども、給付がふえればふえるだけ介護保険料が上がっていくという、そういう仕組みだから、この毎日新聞で言っている、制度自体が立ち行かなくなるという、いずれ崩壊するのではないかという、こういう指摘がされている中では、自治体でできること、本当に厳しいとは思いますが、ぜひ、値上げしない、そういう立場で頑張ってやっていただきたいというふうに思います。 6日間の審議を総括して・・・「官から民へ」の中で情報開示が拒まれ、「官民協働」の名のもとに民間に税金が流れる仕組みが それから、次に別の問題になりますけれども、この6日間の決算審議とそれに至る調査活動を通じまして、非常に感じたことがあります。それは、区の「官から民へ」という流れの中で、区の仕事を民間が担うことがふえている中で、民間が入った途端にさまざまな理由のもとに情報開示が拒まれるという問題なのです。 湯河原の汚職事件では、各企業の提案内容は公開できないというふうに言われました、正式な答弁です。 それから、旧本庁舎跡利用では、計画が大幅に変わり、O案のメインのデジタルファクトリーという文字も消えたのに、新たな事業収支計画も区民にも議会にも示さない。それどころか、銀行が入って専門家がいるから大丈夫なんだ、こんなことまで言って区は求めようともしない。土地は年間2,000万円弱で貸してあげて、会場の使用料は1億円近く毎年払う。これが官民パートナーシップだというふうに言っているわけですよね。 株式会社コミュニティ・アーツは、これだけ問題になっているのに、株主総会の議事録も公開されない。Fビルと活性化センターの契約の中身、これも出してもらえない。こんな状況なのです。 こういった事件や問題のある事業だけでなく、裁判官が「行政裁量の大きい公募制」と指摘したプロポーザル方式とか、それから産業経済部や環境部では、提案型ですぐれた提案に補助金を上げる事業、政策経営のリーディングプロジェクトなど、官民協働という名前のもとに民間に税金が流れる仕組みというのがメジロ押しなのです。 こういう状況だからこそ、選定基準とか選考の過程とか、それから、ありとあらゆる角度から本当に区民の納得のいく情報公開というのをこれからもさらに進めていく、これがないといけないのではないかというふうに思うのですが、どうでしょうか。 ○総務部長 現在の情報公開条例では、区が保有する行政機関の情報を提供するという形になってございます。 いま、委員がおっしゃった、指定管理者とかプロポーザルとかいろいろな民間と接触する形がございますが、やはりそれらの民間の方々、あるいは株式会社は、すべて法的には人格が違うので、やはり今後の課題であるかなと思っております。 ○ぬかが委員 区がそういう姿勢では、私、協働とか官民パートナーシップはうまくいかないと思うのです。だって、これだけ事件が起きて区民は不審に思っているのですもの。だから、足立区政透明度日本一を目指すのだと言っていたじゃないですか。それをまさにやってくださいよ。これができなければ区民の不信はぬぐえないというふうに思います。 区は、民にできるものは民に、小さな政府というような言い方で政府の構造改革路線を先取りして、それを誇ってやってきたわけですよね。でも、実際には、官から民への象徴である指定管理者制度、この第1号の株式会社コミュニティ・アーツは、株式会社だから効率的な運営ができるのだ、こういうふうに言いながら区の税金をつぎ込んで、そして会社の社員の人件費も区の税金で出してあげる、全く効率的でないどころか、税金を使っての乱脈経営ぶりが明らかになりました。 本来、区に精算金として返還すべき入場料収入も事務手数料として会社のお金になる。新聞にもたたかれる事態です。 同じ社長が経営する竹の塚の公共駐車場Fビルでも、この地下にお金を出してあげて公共駐車場をつくり、精算のしりぬぐいを区が行う。民ができないことを区が引き取ってツケを払ってあげる。 湯河原の保養所の委託問題でも、やはり今回指摘してきたような問題があります。 そういう中で、この区政のあり方、お金の使い方をぜひ改めていただきたい。 最後になりますが、この問題では、この予算審議のときに三井住友系の巨大シンクタンクの論文を紹介しました。こういうふうに言ったのです。 民営化、民間化を進める場合に、公共サービスをまとめて民間企業にすべて託す手法は、一部事業者に対して既得権を与え、継続的なコストの削減やサービスの向上を難しくし、結果として原価積み上げ方式による地域独占型の事業体をつくることになる。 この指摘どおりになっているこのお金の使い方を本当に改めていただきたい、これを表明しまして私の質問を終わらせていただきます。 |
2004年度一般会計決算等の認定に反対する討論 三好すみお議員 ○三好委員 私は日本共産党足立区議団を代表し、第74号議案、「平成16年度一般会計決算」および第75号議案、「平成16年度足立区国民健康保険特別会計決算」は不認定。第76号議案、第77号議案の特別会計決算は認定の立場から討論を行います。 本決算審議の中でも区民税収が減少する一方、生活保護世帯が増えていることに示されるように、区民の生活がいっそう困難になっていることが明らかになりました。 2004年度を区は構造改革戦略の仕上げの年と位置づけていましたが、増大する区民の困難にどういう対応をしたのかが大きく問われました。長引く景気の低迷とともにこの間の社会保障の削減、自己負担の増大により区民の暮らしは本当に大変になっています。決算審議の中でも、20数年前と比べると区民の暮らしがどんなに困難になったか明らかにされました。 高齢者の医療費はすべて無料だったのが1割負担になり、年金は60歳から支給されたものが65才からになり、支給額も削減されました。介護費用では住民税非課税者はすべて無料で高齢者福祉手当が月5万前後支給されていました。国民年金だけでもなんとか生活ができた時代から年金では生活できないほど暮らしが大変になっています。区民生活の困難さが負担と痛みを押し付ける政治によってもたらされたことは明らかです。 これに加えて、区内中小企業の倒産は5年連続100件を超え、平成16年度も101件、負債総額は550億5600万円にも及んでいる状況です。 ところが、区はいっそう区民に痛みと負担を強いる区政をすすめました。 「生きがい奨励金」を4000円に減額し、社会教育団体施設使用料減額措置も廃止され、高齢者住宅改修の改悪や年間予算170万円の障害者日曜教室も廃止してしまいました(※参照)。さらに区は、国の補装具給付事業の改定に伴って補聴器乾電池、人口喉頭用電池、歩行補助杖先ゴムの交換費用などわずか195万円の補助までなくしてしまいました。介護保険でのホテルコストの導入や食費負担増に対する助成についても利用者の切実な声に耳をかそうとせず、住区センターの有料化まで行おうとしています。 このどこが2004年度予算で区長のいう「安心と明るい未来をはぐくむ」ものだったのでしょうか? 区長は区民に対して「財政状況が厳しい」と説明してきました。しかし、減債基金は78億円積み増しし、最終補正から出納閉鎖までに生じた剰余金が52億円あり、現在でも「10億円余の使い道が決まっていない」お金もあるではありませんか。こうしたお金も区民本位に使えば、区民施策を廃止・削減する必要性はまったくなく、さらに区民の暮らしを応援することができました。 平成16年度はシアター1010(センジュ)がオープンした年です。株式会社「コミュニティーアーツ」のずさんな運営には目をつむり、協定になかった「事務手数料」を1億4700万円もつぎ込む不透明なお金の流れがあり、忍足元議員が引き起こした汚職事件では、区の職員が関与し、税金がワイロに使われる。竹の塚公共駐車場建設とその管理運営では特定の共同事業者に利益を誘導して来ました。 区民の暮らしに必要な施策はわずかなお金でも削りながら、特定の事業者には億単位のお金を投入し便宜をはかるものであり、とうてい許すことはできません。 国民健康保険特別会計では、区民の所得が減らされる中保険料は毎年値上げ、平成16年度も均等割り、所得割りとも値上げされ負担が重くのしかかっています。少しでも区民生活の実態に心を寄せ、区民の負担を減らす姿勢がもとめられています。 わが党はこの決算特別委員会にあたって独自に実施した区民アンケートの結果もふまえ、審議の中でさまざまな提案をしてきました。これらの声を真摯に受け止め、真に自治体らしい自治体として区政運営を行うよう強く求め討論を終わります。 ※「障害者日曜教室も廃止してしまいました」の部分は「廃止」ではなく「けずって」の誤りです。お詫びして訂正いたします。 |
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