6、パブリックコメントに対する日本共産党区議団の意見
@ 足立区都市計画マスタープランに対する意見
2005年11月15日
日本共産党足立区議団
序章
■人口減少社会に対応するまちづくり
 「少子高齢・人口減少社会」を前提に、「量から質の充実」を図るとしているが、質とともに量の確保も引き続き必要ではないか。たとえば、公共施設計画などでも保育所や、学童保育室、少人学級実施での学校施設などは社会環境の変化で、子どもの数は少なくなっても、増設が必要な状況は続くと考えます。また、多様な世代が定住できる質の高い住環境づくりの中には、都営住宅の建替え戸数の縮小などで、低所得者を排除することのないようにすべきです。
■活力と豊かさを実感できるまちづくり
■幅広い分野で展開する協働のまちづくり
 協働のまちづくりは大切なことだと考えます。しかし、連携・協働の中にある企業の参画については、たとえば、マンション建設などのように、地域住民と利害が対立するものも生まれてくると思いますので、協働とともに「住民合意に基づくまちづくりの推進」も書き込む必要があります。
第1章まちづくりの基本的考え方
1−1まちづくりの推進に向けて
 足立区の将来人口の推移をもとにまちづくりの基本的な考え方が示されていますが、この人口の推移は、確定的なものではなく西新井駅西口や、新田、千住大橋駅の開発、つくばエクスプレス、日暮里・舎人線など新線開通などによる社会増の要因もあり、この動向も見る必要があると考えます
1−2まちづくりの基本理念
1−3まちづくりの基本方針
 現状では、足立区の大規模開発の多くが、都市再生機構の儲け本位の計画となっています。区は、この計画を優先し従うだけでなく、住民本位のまちづくりのために儲け優先の開発計画に歯止めをかけると言う姿勢を盛り込むべきです。
第2章土地利用の方向性
2−1都市構造の方針
(2) 拠点等の形成について、「適正な土地の高度利用を図る」となっていますが、高層建築物による地域の住民の生活環境が大きく変化することも視野に入れ、「環境影響報告書」の提出も考えるべきです。
C目的別拠点
1) スポーツ・レクリエーション拠点に千住スポーツ公園を加えること。
3) 流通拠点に足立市場(千住魚市場)を加えること。
4) 互いに関連のある4)と5)をまとめ、観光、産業、文化・歴史拠点とし、西新井大師と西新井文化ホール(ギャラクシティ)のネットワーク、「3年B組金八先生」のロケ地などを加えることや、荒川土手に桜の植樹をすることなども盛り込む必要があります。
D特定課題としての拠点等の形成
1) 水と緑のゾーン形成、4行目の「ヒートアイランド現象に対処する大気の冷却や浄化機能」とはどのような機能かイメージが持てない。保水性舗装や覆緑比率の向上機能など例示を加えること。
2−2土地利用の方針
2−3開発及び再開発の方針
 まちづくり事業の具体化では、乱開発や無秩序な開発を規制し、良好なまちづくりを推進することが必要です。開発及び再開発には、都市計画法や、建築基準法などの個別的な法律だけでなく、民間の開発を規制、誘導する自主的な行政指導も必要です。法律の定めのないものや、法令の範囲内であれば、知恵を出して、地域の特性に合ったより厳しい基準を設けることは可能です。たとえば開発等の法的手続きの前に協議を継続することによって開発計画案の調整を行うという事前協議はできます。地域の特性に合ったより厳しい基準で開発事業者を指導するには、行政、区民、開発事業者による協議を粘り強く続けることが重要です。
 表で整理してある都市再開発の方針の中で、(再開発促進地区:2号地区)(再開発誘導地区:1.5号地区)など、法律がわからなければ理解できない説明があります。全体にかかわる問題でもありますが、専門的な用語などには必ず注釈をつけるなどわかりやすくしていただきたい。
第3章まちづくりのテーマ別の方針
3−1市街地特性を活かしたまちづくり
 地区特性を活かした都市環境づくりということで、地域別類型区分ごとの地域イメージと整備方針が出されています。よく整理されていると思いますが、いま区内ではマンション建設や、墓地造成、大型店出店などさまざまな開発と良好な住環境を守りたいと言う住民との間での紛争などを見ると整備方針でかかげた中に、誘導策よりも規制を強めることを考えなければならないと思います。大規模工場跡地や、公団、都住の建替えなどと関連するまちづくりでは、住民の声に基づいたまちづくり計画をつくり、それに基づき都市再生機構や、東京都との協議をすることが必要と考えます。
 住民参画によるまちづくりは、地区計画や建築協定などのルール作りや、ルールを守ることにより地区まちづくり計画を実行あるものにすることは賛成です。具体化の中で、金沢市で行われているような、住民参加型まちづくりのひとつの手法として、住民と協働してつくったまちづくり計画を実現するために、首長と地区住民がまちづくり協定を結ぶことができ、その地区での開発行為は計画段階で行政がチェックし指導することや、都市計画決定による地区計画として定めるように首長に要請することができるようにすることなども検討していただきたい。
3−2便利で快適な交通環境のまちづくり
A バス交通の利便性の高いまちづくり
下から2行目 「バス事業として採算性の確保が重要」としていますが、交通不便地域解決のためには、住民要求の多いコミュニティバス「はるかぜ」の新設、延伸、拡充など区が支援してでも解消すべきと考えます。路線バスの拡充などはバス事業者への積極的な働きかけは当然行なうべきです。
B 道路交通網の整備とネットワークづくり
「都市計画道路の整備」は地域住民の合意形成を基本に理解と協力を求めることを明記すべきです。「計画先にありきで」進めるべきではないと考えます。
C 安全性の高い道路づくり
「街路灯やガードレール等の新設・改修」に箇所に「歩道を確保するとともに、可能な道路での自転車専用道路の整備も検討する」を盛り込むこと。
E 歩いて楽しいネットワークづくり
6行目 「大規模開発事業における公共空間・オープンスペースの創出、」については、散策ルートの連続性を担保するために大規模開発事業を行うような印象を与えてしまう。大規模開発による公共空間やオープンスペースの確保と散策ネットワークをつくることは分けるべきです。街に回遊性を持たせることは必要だと考えます。
3−3水と緑の環境にやさしいまちづくり
○基本的な考え方
 64万人余が住む、足立区の樹木被覆率は7,7%で、23区中16位で多い方ではなく、樹木を増やし、公園には大きな樹木を植えることは樹木被覆率を高め、夏は緑陰をつくり温度を下げるのに役立ち、地球温暖化の要因にもなっている二酸化窒素(CO2)等の抑制にもつながると思います。基本的な考え方にはこのような趣旨を盛り込む必要があると思います。
D 環境にやさしいまちづくり
測定所を増やし、科学的な測定値に基づく対策を実施するべきと思います。
大規模開発、大型施設誘導による交通集中が引き起こす環境への負荷を軽減させるためには、必要に応じて開発計画の見直しを求めます。
3−4安全で災害に強い防災まちづくり
○基本的な考え方
11行目以降について
 この生活圏内では、地域住民の防災コミュニティづくりを進め、住民の意向を反映し、より一層の防災性の向上をめざして、細街路や防災広場等を整備すすめるとともに、「逃げないですむ」「安心して住める」まちづくりを進めるため建築物等の耐震性の強化を進める行政の支援策を図る趣旨を加えること。
B 災害に強い建物づくり
7行目
「直下型地震等による建築物の損傷を未然に防ぐとともに」とあるが。建物の「倒壊」を加えること。
同8行目・・・木造住宅等の耐震診断・耐震改修を計画的に推進するためにも、行政の支援策が必要であり、これを含めた促進策の整備を図る趣旨を加えること。
C 浸水被害を防止するまちづくり
近年集中豪雨など、いわゆる都市型水害が頻発しているため都市型水害の防止対策を加えること。
D 都市復興を円滑に行うしくみづくり
震災による被害を最小限にとどめる防災に強いまちづくりをすすめることが都市復興をより円滑に行うことができることを明記すべきである。また、区民の「意識改革」と称して復興を個人責任にするのではなく、区民のコミュニティを図り街の復興と被災者支援などの訓練とともに、復興への行政支援も明確にすべきである。
3−5豊かに生きいきと住まうまちづくり
○ 基本的な考え方
 今後到来する人口減少社会を見据えの部分では、次の段落の文章との整合性を考慮し、一路減少という捉え方ではなく、全体の計画の中で2つの新線開通に伴う宅地開発や大規模工場跡地での集合住宅の開発など社会増も予測しておくことも必要ではないか。公共住宅の更新を契機とした公営住宅の偏在解消の部分はBで述べる理由により削除すべきです。
@ 方針はもっともな記述だと思う。しかし、具体的に実現する方策についても記述すべきではないか。区の施策として耐震診断・補強については住宅改良助成制度の充実で耐震性を高めるとか、生垣助成制度の紹介、歩行者専用道路の推進などを盛り込むべきです。
A 中堅ファミリー層の流出傾向が続いている点について根本的な原因把握ができていないのではないか。また、回帰現象もおきてきている中で、科学的な分析とそれに基づく方針がなければ方針倒れになってしまう。第2次住宅マスタープランの重点施策として進めてきた結果の評価をし、その教訓を生かした方針にしなければ同じ結果になると考えます。また、マスタープランには計画としては入っていませんでしたが、区長公約の目玉として2・2・2住宅プランが施策として位置付けられ、モデル事業も実施されましたが、その後の計画がありません。2世帯が住める広さの確保や定借による土地代が顕在化しない点で、購入価格も中堅ファミリー層にも対応できる施策として位置付ける必要があると考えます。また、ハード面だけでなくソフト面での支援、住まい方の基本や共同生活への誘導も必要です。グループホームを認知症だけでなく、多様な共同生活への誘導、またコ−ポラティブハウスへの誘導、区分所有法に基づくマンション居住の基本なども進める必要があります。
B 都営住宅の再編に関しては、区が都の内部団体に位置付けられていた歴史的経過と区としても人口増を目標に政策的に進めてきた歴史的経過を無視し、専ら税収や歳出への影響という財政面からの捉え方で縮小という方針になっているのはいかがなものかと考えます。基礎的自治体として低所得者を排除するという考えを持ち込むことは許されません。また、都営住宅偏在解消策を区独自で進められる状況ではなく、これまでの歴史的経過を踏まえ、東京都の責任もしっかり果たさせることが求められます。現に足立区にある都営住宅の入居者募集は都民を対象にしており、この方式も変えることが求められています。特に改築に要する莫大な費用負担をどう分担させるのかなど区としてのしっかりした方針を確立する必要があります。区民の都営住宅に対する需要は高く、入居希望者の応募数と競争倍率に明確に現れています。入居できなかった申込者に対するニーズ調査が必要で、この調査によるニーズを把握し、施策計画をつくることが行政の役割ではないか。建替えに際してもニーズ調査を踏まえ、減らすことを大前提とせず、現戸数は最低限確保すること、従って「都営住宅の再編の拠点として、建替え事業用の団地に集約」という記述は削除すること。公募しない団地を抱えることは住宅困窮者の願いを無視する方針である。また、都は入居募集の際型別供給として単身世帯は1DKとしているが、1DKの広さを拡大するなど一人暮らしでも介護ができにくい居住水準をなくし、良好な住環境を確保する立場からケースバイケースで住居を選べるように改善すること。また、建替えに際し、敷地を民間事業者との共同事業に活用する場合も区民のニーズに合わせた計画作りが必要と考えます。
3−6地域が守り育てる景観まちづくり
 足立区を生活都市と位置付け、地区の特性や、そこで営まれている生活に着目し、ボトムアップ型の景観づくりに努めると言う考え方はよいと思います。しかし、「生活(くらし)の美学」を構築することを進め、生活のルールづくりなどのソフト面からの景観づくりのイメージがよく分かりません。具体的な事例などをあげて記述することが必要と考えます。
3−7多彩な魅力・活力を備えたまちづくり
○基本的な考え方
A 商店街の魅力を高めるまちづくり
 区として、区内商店街や小売商業を「街の宝」、「コミュニティの核」と位置付け、発展させる立場で比重を高めるため次のことを盛り込むべきです。
特色を生かした商店街づくり
例えば、千住地域は老舗の活用や宿場町を生かした商店街づくり、西新井地域は西新井大師、竹ノ塚地域は寺町を生かした商店街づくりなど。
高齢社会に対応した商店街に
例えば、半径500mまたは小学校単位を生活行動圏とし、その範囲に食料品、日常品、電気製品など必要な商品が購入できるお店がある「ライフエリア構想」を位置付けて推進することや、商店街にお休みどころの設置、ファクシミリによる情報発信と注文や宅配ができるシステムの創設など。
空き店舗対策・支援策の充実
例えば、学童保育や介護関連施設、老人憩いの場やよろづ相談所、蔵などを活用した映画上映スポットや音楽練習など、住民の拠り所、若者のコミュニティとなるような利用などを積極的に。
イベント支援
商店街が行うイベント支援を充実すること、朝市、夕市、商店街祭り、大売出しなどへの助成を拡大すること、若い顧客層のために一時託児所設置への支援など。
B ものづくりのための調和した環境づくり
 ものづくり及び起業家の定着支援が重要と考えます。区の空き施設の活用で創業支援室やSOHO支援室を設けたりして起業家定着をはかること、区内興行の後継者づくりや若手への支援策を強めること、伝統産業・地場産業の育成、などとの交流、マイスター制度の創設、チャレンジショップの支援の強化など、できるかぎりの知恵と創意を発揮すること。以上の趣旨をいれてほしい。
C 都市内農業の多面性を活かしたまちづくり
 農地は、都市内における貴重な緑・自然資源であるとともに、生産活動の場、安全・安心な農産物供給、そして災害時の一時避難場所、火災の延焼防止など、都市の中の貴重な緑のオープンスペースとしての公共的な役割を担っています。
 都内4番目に多い耕作地をもつ足立区は、小松菜、枝豆やブロッコリーや大根等栽培し都内での供給しています。近年フード・マイレージいわゆる食料は遠くで作られ送られることで環境に負荷のかかるものではなく、できるだけ近くで作られた安全な食料を求めることが望まれています。また、足立区のつまもの、いわゆるさしみのつま類は全国に供給されています。学校でも授業の一環として位置づけ、区民にも足立区の農業のすばらしさを広めていくことは、農業と新たな住民の新しいまちづくりとして重要であると考えます。
 また、生産緑地も、区民の農園として区民のうるおいと憩いの場になり、余暇活動に利用されています。以上の趣旨をいれてほしい。
3−8思いやりのあるまちづくり
A 社会変化に対応した施設・用地の活用と魅力づくりの文章中、施設の統廃合を推進するとあるが、区全体が一律に人口減少するわけではなく、地域の実情に配慮した柔軟な対応が必要である。また、公共施設についても高齢社会にふさわしい健康維持のための活用などの側面からも検討する必要があると考える。特にそこに住む施設を活用している区民の方々のニーズを把握し、有効活用を前提に計画すべきであります。「縮小先にありき」の方針は撤回すべきと考える。
D まちを育む地域活動づくりについてはこれまでさまざまな取り組みを町会・自治会等を通じて取り組んできたが、参加者が少なく、地域でも苦慮しているのが実情である。これらの活動に関わってきた人々の思いや要望など教訓を生かす行政側の支援策を構築することが必要ではないか。
第4章地域別構想
○基本的な考え方
 まちづくり計画は、町会単位や小学校区程度の比較的小規模な単位で、その地区の特性に応じてその地区にふさわしい建物、道路、土地利用などの基準をその地区の住民が中心になって決めることは、住民参加によるまちづくりを進めるために重要と考えます。13ブロックをさらに70地区(ほぼ小学校区程度)の区分でまちづくりの具体化を計ることはよいと思う。
4−1千住地域(第1ブロック)
 地域の特性と課題については、認識は一致すると思います。北千住大踏切の解消や、修復型のまちづくり事業の導入は必要です。人口の回復と住環境の整備を進めるためにも、都営住宅など公共住宅の配置も盛り込むべきと考えます。また、住宅密集地における修復型まちづくりのための誘導策(防火規制や、沿道不燃化建築物の促進など)には、規制をかけるだけでなく個人住宅を含む小規模住宅にはそれに対応する助成策も考える必要があります。また土地の高度利用との関係では、区民の生活環境を守ることを前提に規制も必要です。
4−2江北地域(第2ブロック)
 日暮里・舎人線の開業による無秩序な開発を規制し、計画的なまちづくりを進めることは必要です。しかし、そのまちづくり計画の基本には、必ず「住民要望」をきくことや、新田地域のように、大規模開発地域と既存のまちとの連携なども盛り込む必要があると考えます。
4−3興野・本木地域(第3ブロック)
○交通
 コミバスはるかぜを興野・本木・関原を経由し、区役所にくるコースを設定すること。
4−4梅田地域(第4ブロック)
 近年、工場跡地等に高層マンションが建ち並び、以前の街並みと大きく変貌しています。現在もさらにマンション建設や建設が予定されています。住民が増え、子どもの数も増えて保育園も、学校の児童・生徒も増え、学童保育も不足気味です。三菱ウエルハ―マーの跡地は都市機構が買い取り、都道138号線の建設も行うということですが、この地域に公園を作るよう要望します。
 この地域は区内でも、高齢化率の高い地域であり、また、木造密集地でもあるために防災のための空間の要望が高い地域です。住民が増えていることから梅島駅の自転車置き場が不足し、周辺住民の住宅の前に置かれて状況がでています。
(2) まちづくりの基本的方向性
 9行目(本文) 西新井駅西口周辺地区開発にともない、約2000戸の住宅、3万平方bの敷地面積の大型商業施設誘導が予定されています。この開発により交通集中、環境悪化が予想されるため、商業施設の床面積の変更など、必要な対策を講じ、環境保全をまた、住宅の増戸に見合った公的施設の整備を一層すすめるべきです。
4−5中央本町地域(第5ブロック)
(1) 地域の特性部分
「綾瀬川の通称カミソリ堤防といわれるそり立った薄い堤防にはさまれた地域の防水・防災対策や、補助256線部分の狭い道路の歩道整備、五反野駅周辺の拡幅と歩行者安全対策など課題が山積している地域である」という趣旨を入れてほしい。
(2) まちづくりの基本的方向性
「区役所周辺は、買い物をできる商店が少なく、また商業街のある青井地域でも閉鎖する商店が少なくない中で、商業の活性化をこの地域全体の課題と位置づけ、高齢者も安心して住みつづけ買い物や交流ができるまちを推進する。また五反野駅周辺は歩行者安全対策を軸に活力ある商業地域づくりを展開していく」という趣旨を入れてほしい。
(3) 都市施設等の重点整備目標
都市計画道路の部分では「狭くて危ない補助256号線部分の事業化を特に急ぎ」「補助138号線については綾瀬新橋の架け替えを住民要望をよく聞いてすすめる」という趣旨を入れてほしい。140号線の完成による交通量の増加は不安の声があり、慎重にしてほしい。
駅前広場の部分は改正案にある事項を、「努めます」から「具体化します」と改め促進する立場を明確にすべき。
河川については、綾瀬川は青井、弘道、西綾瀬地域はスーパー堤防化は難しいし、早期の安全対策が必要なので、その旨(綾瀬側右岸の青井、弘道、西綾瀬付近は早期に護岸の補強工事を施す)を入れてほしい。
4−6綾瀬地域(第六ブロック)
(1) 地域の特性
「・・・良好な市街地を形成している地域もあるが、綾瀬1、4、6丁目の高速6号三郷線付近は高速道路の騒音、振動の影響があり、特に4丁目は被害甚大で、健康や日常生活にも影響が出ている」という趣旨を入れてほしい。
(2) まちづくりの基本的方向
「綾瀬駅周辺を中心に高層マンションの建設が多く、コミュニテイの形成や日照などの地域環境に障害がでており、いっそうの規制が必要である」「綾瀬4丁目高速6号線付近の環境良好化対策が必要である」旨の記述を入れてほしい。
4−7佐野地域(第7ブロック)
(2) まちづくりの基本的方向に、良好な住環境を確保するため、高層建築物を規制する必要があることを加える。
都市計画道路では、補助109号線が北加平以北が未整備であり、交通量が多く、自転車・歩行者の安全や大型車が通ると車同士の交換も困難になる等支障をきたしている。早期整備路線として位置付け、事業化を進めることを加える必要がある。
公園・緑地については大谷田陸橋から埼玉県堺までを桜並木でつなげることが魅力を増すポイントになるのではないか。葛西親水公園沿いで桜の植栽がない部分に植栽すれば素晴らしい桜並木が完成することから、この計画を加える。
交通については、六木2丁目、佐野1丁目、大谷田1〜2丁目はバス網へのアクセスが遠く、これらの地域をカバーする新たなコミュニティバスを誘導することを加える必要がある。
4−8保塚・六町地域(第8ブロック)
4−9花畑・保木間地域(第9ブロック)
(2) まちづくりの基本的な方向
「大規模な公共住宅団地の建て替えが予想されていることから、開発や建て替え等の時期を捉え、まちづくりに貢献するよう誘導」は、一方的に進めるのではなく、住民の要望に基づく立場が求められるので、その趣旨を書きこむこと。
4−10竹の塚地域(第10ブロック)
 交通不便地域に新たなバス路線網の整備とともに既存のバス路線についての増発を実現させる姿勢を明記すること
4−11伊興・西新井地域(第11ブロック)
(2) まちづくりの基本的方向性
竹ノ塚駅西口は、商店街が活発な所なので、商店街を中心としたまちづくりを行う。
(3) 都市施設等の重点整備目標
伊興4丁目の補助261号線については、対象となる住民は高齢化しているため、住民の意向調査を行い、住民合意を前提に進めることを盛り込んでほしい。
西新井第3団地建替えにおいても、指定避難場所としての機能を果たせるよう、第2期工事において公園の整備をはかるとし、ともに、公団用地を民間に売却し、高度化をはかるのではなく、良好な環境形成をめざす」を加える。
4−12鹿浜地域(第12ブロック)
 地域の交通手段が日暮里・舎人線開通で大きく改善されるとかかれていますが、鹿浜1、2丁目の方は、「新線利用」よりも、赤羽、王子へのバス路線の拡充と、深夜・早朝バスの運行を希望しています。
4−13舎人地域(第13ブロック)
第5章協働と連携のまちづくり〜都市計画マスタープランの実現〜
 協働と連携のまちづくりのスローガンは結構だが、現実には「まちづくり」に区民の意見を反映する仕組みを構築するには相当時間を要する課題である。区民の「まちづくり」に対する関心はかなりのアンバランスがあり、実際に声をあげるときは、自らの住まいに日照を疎外する建物等ができるときやゴミ置場、公衆トイレなど「迷惑施設」が計画されるようなときの利害に関する問題が起きたときではないか。また、自分の住居や所有地が区画整理地域など都市計画地域に参入されて利害を生ずる関係にたたされた時ではないか。これまでの「まちづくり」は上(行政)からの計画について賛否を問われる関係であった。「協働」のまちづくりを進めるためには、難解な各種都市計画法を熟知し、自らの住環境やすみよいまちにするにはどういう法律を活用したらよいかなどの専門的知識も求められる関係から専門家の参加も不可欠である。基本的には現在の住まいに関する不便なことや、より住みやすいまちにするために何が不足しているかなど地域住民の意識調査が前提になるのではないか。ここを出発点にして地区環境整備計画を修正しながら進めていくのが現実的ではないか。
5−1協働によるまちづくりの推進
5−2地域連携によるまちづくり
5−3施策連携によるまちづくり
A 足立区地域保健計画(中間報告)に対する意見
2005.11.21
日本共産党足立区議団
 11月21日までを期限とするパブリックコメントに対する意見を述べさせていただきます。足立区におかれましては、ご検討の上、地域保健計画に反映されますよう要望いたします。

第1部 計画の策定にあたって
1、 計画策定の背景・・・についての指摘
この足立区地域保健計画は基本構想に基づき策定された「足立区基本計画」の分野別計画のひとつとしています。基本構想の策定は、区民の意見を取り入れるとして「9つの分野に分けて公募の区民委員会による意見は原案をそのまま載せる」としていましたが、区民意見は生かされませんでした。04・9・29の基本構想特別委員会でわが党の質問に対し「基本計画あるいはさらに具体的な事業実施計画へ反映していく」と政策課長が答弁しています。区民委員の意見がどのように生かされたのかを示すべきです。
計画策定の背景・・・・に加えること
@ 区の主要死因別死亡者数において、がん、心臓病、脳卒中等生活習慣病が死亡順位の上位を占め、総死亡者数の6割に達しています。足立区基本計画―現状と課題の記載を載せるべきです。
A 近年における著しい社会環境の変化のなかで、自殺者が増え、精神的ストレス等によるこころの病も増えています。東京都の難病指定廃止により、医療費の負担が重くなり難病患者の不安が増大しています。このことについても記載すべきです。
B 健康に生きるためには「食べること」「食文化」は大切です。出産から高齢者までの「食育」について記載すべきです。
3、 基本理念・・・に加えること
憲法、地方自治法に基づく自治体の役割について記載すべきです。
8、 「足立区地域保険計画」の体系・・・に加えること
健康危機から区民の生命を守る・・・・に「アスベスト」を加え、具体的な対策を立てるべきです。
「子育てが安心してできる社会をつくる」に足立区基本計画第3章人間力と文化力を育み活力あふれる文化都市「P子どもの豊かな心と健やかな身体を育む」を加え、小児生活習慣病予防事業や小・中学校保健指導事業、小・中学校各種検診事業及び、スクールカウンセラー事業を加えることが必要と考えます。
「H児童虐待などの養育困難をなくす」も加えるべきです。

第2部 足立区の健康事情
1、 健康危機から区民の生命を守る・・・・に加える
アスベストの使用と健康被害の一覧表(別紙)
生活習慣病健診を受けている人数、要医療で治療を受けている人数などの一覧表
全員に通知をするなど、受診率向上対策を立てることが必要です。
3、 子育てが安心してできる社会をつくる・・・の表題は「安心して子どもを生み育てることができる社会をつくる」に変えて、支援事業を示すべきです。
4、 高齢者が安心して暮ら続けられる社会をつくる・・・に加えること
@ 歯科検診の充実と口にあった「入れ歯」への支援など「食べる」ことについて
A 身体や視聴覚の衰えを補助するための支援について
5、 障害者が安心して暮らし続けられる社会をつくる・・・・について
障害者自立支援法は障害者にとって「自立疎外法」ともいえるものです。障害が重い人ほど費用負担が重くなります。費用負担が重いために社会参加ができなくなったり、治療の中断になることは決して許されません。法律の説明ではなく、法施行に対する区としての「安心して暮らし続けられる」施策を示すべきです。

指摘事項
1. 2000年の地方分権にともなう基礎的自治体の権限の分析がない。
 自治事務と法定受託事務の分析がないと、どこまで、区の独自の権能かがわからない。
 関連している法律(保健所法、精神衛生法、等々)の何があって、それがどのように変化しているのか。
 これと同様のレベルとして、東京都から、区に移管された事務は何であるのか。
 健診などは、区の独自でいいのか。更正医療と育成医療の財源負担の違い等についても、記述がないので、都区間の事務事業の責任区分がわかりません。
2. 小泉「構造改革」の社会保障分野の「健康政策」の影響がわからない。
1) 注では、自立支援法等の影響がこれから、と書いてあるので、国の影響についての分析は保留しているのかもしれません。
 が、老健法の健康分野は、介護保険に吸収されることは明白。国保と政管は、東京都へと医療制度が改革される方向です。その中で、「区地域保健計画」は、何を役割とするのか。国の方向は正しいのか検証するのが、基礎自治体の役割でしょう。
2) 今、介護も医療も「健康から予防」へと国の政策の基調が変化しています。これは、区の健康政策にどのような影響を与えているのか。計画上の検討はできているのか。等々が問われるべき事項です。
3. 区民の生活からの健康要望が見えてこない。実態把握ができているのでしょうか。
例1) 自殺者の区の数は書いてあるが、それを予防するべき、原因の分析が不十分でよくわかりません。
例2) アスベスト・水・空気、つまり公害については健康問題とどういう関係になるのか。
例3) 地域における健康教室等の実際の把握がないのではないか。地域医療機関の健康教室や生協組織など自主組織の健康教室等の実態調査がない。そのために、「協働」とは言いながら相手の状況を把握できているのでしょうか。
4. 地域からの分析がなければ充分な計画にならないのでないか。
1) 道路公害の発生地域は?健康障害の地域分析は?
2) 統計データのいくつかは、地域別(中学校区、地域施設、ブロック別等々)になるはずではありませんか。
5. 区の人材のアピールが示されているのか。
1) 保健所であれば、医師・保健師・環境監視・食監・等々の専門家がいます。そうした専門家の地域保健の役割が見えてこない計画ではないか。
 たとえば、小児救急医療体制を確立するのに、小児科医の確保を区で行うくらいの決意が表明されていいのではないか。
2) OT・PT等のリハビリテーションの役割が大きくなるが、区内のOT・PT等の活動の把握(公務員・民間含めて)ができているのか疑問である。したがってOT・PTの育成計画を示すべきではありませんか。
6. 節目健診と生活習慣病健診にかんして(P27)
 本文では、この項目の最後に、今後国の施策に準じることが書かれています。
 しかし、10月19日に発表された厚労省の「医療制度構造改革試案」では、健診等を委託や民間活用をと書かれています。もし、国に準じてとなると区民健診を民間に任せることになるのであれば、医療機関をふやすこと。また、
 節目健診は衛生部で引き続き、実施すべきと考えます。
7、 がん健診にいて
 乳がん健診や胃がん健診等について記載されていますが、実際は、乳がん健診が2年に1回になったり、子宮体癌健診は行われていません。
 従って、乳がん健診を毎年受けられるようにすることや、本人が希望する医療機関で受診できるようになるといいと思います。
8、 全体を通して
 協働という言葉が何回も出来てきます。保険事業に区がどのような役割と責務を負っているのかわかりません。どのように要望するのか分かりませんが、少なくとも区民の命と健康を守るために、区の果たす役割(財政措置や区が直接事業として行うこと)について明記すべきと考えます。
9、 「健康あだち21」に見られるように、本来区が行う事業をボランティア団体や住民組織、NPOなどに委託するような事業が多くなっています。
 是非、区民の健康を守るためには、区の事業として行うことが重要だと思います。
B 高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画のパブリックコメントに対する意見
2005年11月15日
日本共産党足立区議団
第1 第1   意見
第1部 高齢者保健福祉に関する計画の理念と基本的方向
  第1節 理念について
     
「人権」の理念が盛り込むべきです。憲法の国民主権・基本的人権の尊重・平和主義は、人権を保障ためのものでもあり、それは、憲法の尊重・保障義務を持つ自治体の任務でもある。それを保障するのが自治体計画である。全体のために個があるのではなく、個のために人権がある。人類の長年の英知の結晶である人権保障の普遍性は、「いのちの基本を保障すること」であり、そのために「一人一人のニーズを保障する」考え方に立つべきと考える。「日本は違う。足立は事情があるから特別だ」ということは、人権保障にはあってはならないことと考える。区はそういった立場にたっているのか疑問です。
具体的には高齢者保健福祉分野の理念として、憲法・国際人権規約・「高齢者のための国連原則」の理念を明記し、そこから出発すべきである。
  第3節 基本的方向について
     
全庁的な施策のなかで幅広く介護予防というものを全庁的に位置付けるべきである。介護予防とは、介護保険で行うサービスだけではない。区の今回の中間報告は、介護予防型地域社会づくりの推進の中で「健康な高齢者・日常生活を支障なく過ごすことのできる高齢者に対し、要介護状態にならないための健康づくり」と述べ、地域における相互支援システムの中では「多様な人々がよりよい環境で共存・共栄できる社会」としている。こうしたことを基本方向としてまさに行っていくためにはまさに介護保険という小さな枠組みにとらわれることなく全庁的視点からどう取り組むかが求められる。
具体的に例えば
@ 外に気兼ねなく高齢者が外出できるような支援として、公共交通の整備があるが、この整備の中には超低床バスの導入促進を事業者に求めることも必要だが、区としてバス停に高齢者にやさしいベンチの設置をすすめるなどの支援もすすめることが必要と考える。
A また、高齢者の外出を促進することは効果的な介護予防の一つであるが、こうした外出を促進するためにも現在課税所得者には2万円以上もの負担が必要となっているシルバーパスの購入問題等で、東京都にせめて所得に応じて5千円、1万円のパスを導入するよう求めるなどしっかりと物を申す姿勢にたつべきである。当然こうしたことは都市整備部との連携が不可欠となる。ぜひ連携して進めていただきたい。
B また、この間公平性の名のもとに区が強行した生涯学習センターの有料化、住区センターの有料化など一連の施設利用の有料化は、元気高齢者の介護予防の視点からも非常に重要な役割を担っていた自主的なサークル活動を狭めるものとなることは明白と考える。介護予防の視点にたつためにも有料化をやめ、自主的サークル活動を支援する立場にたつ支援策を区が講ずる必要がある。
C 高齢者にとって、日常生活の主な行動範囲は居住地近隣となる。特に衣食住という生きていく上で欠かせないライフラインとなる商店街の位置付けは重要である。商店街がある地域については商店街の活性化の視点も産業経済部と連携して考えていただきたい。
    6、「新たな福祉のしくみづくり」について 「新たな福祉のしくみづくり」では、自助、共助、公助の名や公平性の視点という名で福祉施策の削減・廃止、有料化や値上げ、負担増が行われてきた。自助努力では生活や介護、保健が維持できない人が福祉を必要とするのであり、こうした区の方向は福祉とはいえない。新たな福祉のしくみづくりの点について、公平性の視点からサービスの利用と負担を公平なものにしていくとしている。公平性というが、公平性とは、どんな所得の人でもお金の問題を気にせず必要とするサービス・同サービスを受けることができることである。お金がなければサービスを受けたくて受けられない事態が発生するやり方は公平とはいえない。その点をふまえてもらいたい。
第2部 高齢者保健福祉計画(平成18〜20年)について
  第1節 現状と見通しについて
     
@高齢者増加、要介護認定者の増加、介護施設入所者の増加、Aひとり暮らし高齢者および高齢者のみの世帯の増加、B介護保険外サービスでは入浴券、紙おむつ、訪問理美容サービスの利用が多いなどの特徴は重要だと思います。  
 また、「実態調査」で示されているように(1)高齢者が収入が少なく、要介護高齢者はもっと収入が少ないこと、(2)健康状態も高齢者ほど不安が多いこと、(3)充実してほしい施策では「家族等の介護者に対する援助」が一番多いこと、(4)虐待が多いことなども重視すべき実態だと考えます。
 これに対して重点課題や施策の大綱として健康づくり・介護予防、元気高齢者の活躍支援、地域包括支援システムの確立などが強調されています。これらの方向自体は重視すべきものですが、その名にふさわしい施策の具体化がされているか、あるいは介護予防の名で家事援助を原則禁止にしたりという問題など、充実ないし改善を必要とする点があると考えます。
    2、一人ぐらし・高齢者のみ世帯高齢者の増加 「老老介護」について、「介護者に過度な負担をかけないように家庭外の保健福祉・介護サービスがいっそう必要になる」と述べられているが、そうした方向で介護サービスの拡充が図られているとは言い難いので、介護サービスのメニューや基準の拡大、利用料の軽減など拡充・改善が必要と考えます。新予防給付の名による家事援助の原則禁止はやめて、これまでどおりの家事援助が受けられるようにすることも必要です。
    3、保健福祉サービスの現状
「施設サービスでは特養ホームに入所者が最も多い」と述べられていますが、特養ホームは入所希望者に対して少なく待機者が増える状況です。しかも今年10月からの「ホテルコスト」徴収による入所費用の値上げは退所せざるをえない人が出ているほど過酷なものである。訪問介護サービスを受けやすくすることとともに、特養ホームの増設をもっと多くすること、入所費用の軽減策を講じて、だれもが安心して入所できるようにすることが必要だと考えます。
介護保険外のサービスで誰でも使える「入浴券の利用者が最も多くなっている」と述べていますが、入浴券が年12枚から10枚へ、さらに5枚へと減らされてきました。ゆうゆう湯入浴デーも有料になりました。現状を踏まえて枚数を増やすべきです。
紙おむつの支給は所得制限が設けられ非課税世帯に限定、さらに今後税制の改定で、収入が増えないのに非課税から課税になる人が1万4000人もいる(大半が高齢者)という中で、ますます支給が受けにくくなる方向で逆行します。所得制限を廃止して必要な区民が支給を受けられるよう改善すべきです。
訪問理美容サービスは年3回ですが利用の多いことからも回数を増やすべきです。
    4、高齢者実態調査の概要と結果について
(10)以降の虐待の調査結果からみると、虐待が発生した後の個別の対策は必要だと思います。同時に虐待が起きる根本に介護施策の不備(負担が重くて利用できない、介護の社会化がすすまず、家族介護の延長があるなど)があると考え、虐待を防止していくには介護諸施策の充実が欠かせないことを明記すべきです。
  第2節 重点課題について
    1、健康づくり・介護予防の推進
「要介護認定で要支援1・2と判定された方に対する介護予防プランを充実させます」とのべられていますが、どう充実するのでしょうか。これまで家事援助を受けられてきた人が原則禁止になり、不安が広がっています。介護予防と言うが、軽度のうちに買い物、料理、掃除などの援助を受けることが重度化を防ぐことは広く知られています。要支援1・2でも家事援助が受けられるように改善すべきです。
    2、元気高
齢者の活躍
支援
社会参加を促進するといいますが、この間の地域学習センターの有料化に続き、住区センターの有料化は「年寄りの行く場所がなくなってしまう」という声が上がっているように、社会参加促進に逆行します。無料に戻すべきです。
    3、地域包括ケアシステムの確立について
地域包括支援センターの整備について触れられていますが、現在の在宅介護支援センターがこれに移行できるのでしょうか。また新たな事業者が包括支援センターになる道は開かれているのか。現在の介センが自動的に包センに移行すべきと言うわけではありませんが、地域密着体制の維持、そして充実のためには数は必要ですので、センター数の確保をぜひしていただきたい。合わせて行政の責任で質の確保を行い、公平な審査で新規事業者の参入にも道を開き拡大を図っていくべきと考えます。
    4、足立あんしんネットワークの推進
地域の連携で地域で安心して暮らせるようなネットワークづくりが強調されていてこれはこれでよいと思いますが、特に都営住宅など集合住宅での孤独死が多い現状で、これへの対策は独自に考えていく必要があると思います。また、認知症高齢者の家族介護者の悩みは深く、やすらぎ支援員の訪問は効果はあると思いますが、さらにショートステイを利用しやすくすること、経済的困窮に対する支援などが講じられれば、希望が広がるのではないでしょうか。
    8、権利擁護とその仕組みの充実
権利擁護については「使いづらい」「費用がかかる」という声を聞きます。費用負担を軽減し、使いやすい制度に改善をしていただきたいと思います。
  第3節 施策の大綱について
    1、高齢者の健康を保持し、介護予防を推進する
「活動的な85歳」をめざし、活動的で生きがいに満ちた自己実現できるような高齢者像といいます。しかし、「貯蓄ゼロ世帯が急増」「年金はわずか月数万円」「貧困率はOECD諸国平均を大きく上回っている」などの状況の中で、高齢者を待ち受けているのは増税、課税段階の上昇、それにともなって公営住宅家賃やシルバーパスなどのさまざまな施策の負担増、保険料の値上げ、利用料の値上げ、区内公共施設の有料化、さらに医療制度改革による負担増など、連続した収入減と支出負担増です。霞を食って空(から)元気を出せ、外出ができなくても、医療を受けられなくても生きがいもってがんばれと言うなら別ですが、これでどうやって活動的で生きがいに満ちた生活を送れる人が増えるのでしょうか。「生きがいに満ちた自己実現」の基礎となる生活保障を行ない、高齢者を支える姿勢を打ち出すべきです。
「生活習慣病の予防」の「健康審査で」、対象者全員への個別通知をおこない、受診率向上の目標をもって進めることを入れるべきです。
    2、元気高齢者の交流・連携の場を増やす 「高齢者の社会参加」に以下の内容を入れること。
住区センターの有料化を中止し無料にすること
敬老入浴券の支給を増やし外出支援をするべき
社会教育団体の使用料を無料に戻すことを入れて、生涯学習活動が気軽に旺盛に行なえるようにすること
就労支援でシルバー人材センターの拡充に加え委託業務の拡大
    3、高齢者の在宅生活を支援する 「在宅サービスを展開する」事業に以下の内容を加えてください。
紙おむつの支給の所得制限を廃止すること。
配食サービス支援では、配達エリアの関係で実際は献立(メニュー)が選べない状況があるので、業者やメニューを選択できるような工夫と支援をしていただきたい。
緊急通報システムの支給要件を緩和すること。
成年後見制度の推進では、使いやすく、お金もかからない制度に改善することを記述してください。
「高齢者向け住宅を確保」では、以下の内容を要望します。
「施策」で住宅を確保するとあるが高齢者が住める住宅を増やす事業は入っていない。また住み替えを支援するとあるが事業では相談体制の充実だけである。住宅をふやす事業及び住宅の住み替えができるよう住宅を確保する事業を入れて下さい。
また賃貸住宅の場合、保証人がいなくて困る例が多い。公的保証人制度などつくってください。
また、高齢者住宅改修事業は縮小された対象と助成限度額を元に戻してください。
「高齢者対応型のまちづくり」では、以下の内容を要望します。
公共交通機関の整備に、「交通不便地域の解消」を入れ、はるかぜ型のマイクロバスで通れない地域交通には「乗合タクシー」型の小型ワゴン車も含め検討すること。
    4、高齢者が介護を受けられる施設を増やす 「福祉施設を整えます」では、
特養ホームの入所待機者が今でも2500人いる状況のもとで、増設目標が3年後407床、10年後でも1147床では待機者の解消にはならないのではないか。グループホームも含め、増設目標を引き上げるべきと考えます。
    6、福祉サービスの質を高めていく
「応能、応益負担の浸透」という事業がありますがよく分かりません。応能負担の浸透なのか、応益負担の浸透なのか、両方の併用なのか、もしそうだとしたらどういうことなのか?そしてそれがどうして福祉サービスの質を高めることになるのか。福祉サービスの基本は応能です。それを「新しい福祉」は「買う」福祉だと言って応益負担の導入が障害者自立支援法でも進められましたが、「買う」福祉など福祉ではありません。応益負担は福祉の心を失った制度です。一般施策は応能負担を原則とし、介護保険で失った福祉の心を少しでも取り戻すべきです。
「人材の育成と資質の向上」は必要なのだが、そのために行なわれている行過ぎた管理主義は改めるべきです。ケアマネージャーはただでさえ忙しいのに研修につぐ研修、書類のあいつぐ提出などで、いっそう忙しくなっている。育成や資質の向上のためと研修がふえ書類の提出が増えることになれば「いったいこの上何をやれというのよ!」という悲鳴や怒りの声が聞こえてくる。もともと介護が市場に投げ込まれて商品とされ儲けの対象となった時点で、福祉サービスの低下が懸念されていた。それでも介護の現場では人間の介護を商品とは見ることはできないと、献身的な努力が行なわれてきた。しかし介護報酬の削減、「不適正事例」の提示などはそうした心をも打ち砕く力となり、介護がますます市場主義となりつつある。こうした根本的なしくみ・制度を変えることを合わせてやっていかなければ、人材の育成や資質の向上、あるいは第三者評価などだけでは、福祉サービスの向上には限界があると考えます。
第3部 介護保険事業計画について
  第1節 基本的考え方
    2、計画策定の方向について
@ について―民間資源を活用した供給基盤の拡充を行う。「困難ケースの処遇や民間では支えられない分野については、区も責任をもつ」を加える
A について―「新予防給付や地域支援事業など介護予防型システムへの転換を図る」として、介護が必要とされる人が、介護保険から排除されることはあってはならないこと。「介護予防型システムを重視すること」とあわせて、必要に応じて従来の介護サービスも提供する姿勢を明確にすることが大切と考える。
(その理由)新予防給付の考え方が導入されるもとで、要支援と要介護1の高齢者については、家事援助サービスを原則禁止する改悪が行われました。要支援と要介護1の人たちの8割が対象にされ、サービスを受けられなくなる高齢者は約7,600人にのぼります。来年4月から実施されるものですが、もしサービスが受けられなくなれば、これまでの水準の生活ができなくなると心配の声が多く出されています。これらのサービスを受けてきた区内の高齢者で、サービスが受けられなくなる高齢者への対策を講じるべきです。認知症、病後の高齢者だけでなく、単身、高齢者のみ世帯、日中独居の高齢者など、従来の家事援助型サービスを必要とする高齢者に対し、柔軟にサービスを受けられるようにすべきである。「適切なケアマネジメント」をへて既存サービスを提供する場合も、今のまま行けば「他に手段がない場合のみ、既存サービスを提供する」ことになりかねない。そうではなく「家事援助サービスが最適な場合は提供する」ことを原則とすべきである。
B について―「在宅と施設の利用者負担の公平性確保の観点から、介護保険施設などにおける居住費、食費を保険給付の対象からはずします」をあえて「基本方向」に盛り込むべきではない。よって下線部分(B)を削除すべきである。そして「保険給付外となった食費等について、負担増を軽減するため、利用者・事業者に支援を行う」と加える。
(その理由) 政府は居住費・食費の全額自己負担について「在宅で生活する人との負担の公平性」「介護保険と年金給付の調整」などと説明しています。しかし、特別養護老人ホームは常時介護が必要で、在宅での生活が困難な場合に入所する施設です。老人保健施設はリハビリを中心とする介護が必要な場合に入所する施設で、自宅へ戻るための中間施設です。療養型医療施設は、医療が中心の施設で、長期間にわたって治療が必要な人の医療施設です。3施設はそれぞれ役割に違いがあります。これらの施設はもともと居住を想定している施設ではなく、特養入所者でも住いのすべてを処分して入ることができる人はごくわずかです。施設入所している高齢者は、この間もアパート代や住宅ローン、地代を払い続け、住居を確保しなければなりません。公平性どころか、二重払いを強いられることになります。また、食費については、入所施設だけでなく、デイサービスやショートスティなど、在宅を支えるサービスへの負担増になり、「公平性」確保を理由に、保険給付の対象からはずすことは、矛盾している。
D について―「利用者が適切なサービスを選択できるように、事業者情報を開示することや、事業者規制の見直し、ケアマネジメントの適正化を図り、サービスの質の向上に努める」下線部分を削除すべきである。
(その理由)サービスの質の向上策は、「事業者情報を開示することや、事業者規制の見直し、ケアマネジメントの適正化を図る」ことだけではない。過度な「適正化」は、必要な高齢者まで給付抑制を招くことになりかねないため。
  第2節 第3期計画における特徴―新事業の創設について―
    1、地域支援事業について 要介護認定を受けていない高齢者に対する地域支援事業については、例えば保健所でやっていた介護予防的な教室など、本来区の保健・福祉施策で行っていた事業が対象となる部分も多い。これらの事業は、ひきつづき区の一般施策(福祉部・衛生部の事業)として、無料でおこない、充実・発展させるべきである。
    2、新予防給付について
@ 現在、要介護1・要支援の高齢者の従来型のホームヘルプサービス等については、「疾病・外傷」「認知症」の高齢者以外については、「適切なケアマネジメントにより、必要に応じて、高齢者のみ世帯等に付いても対応する」としている。しかし、実際には、政府の方では「例えば月額2万円」など上限を設け、十分にサービスを受けられない可能性がある。そこで、区として支給限度額の上乗せを行うとともに、独居だけでなく日中独居高齢者など、必要とする高齢者に柔軟に従来型のサービスを提供すべきである。
A 新予防給付のメニューの中で、多くの自治体が実施するIADL訓練事業、地域住民グループ支援などが、足立では実施メニューに入っていない。特に地域住民グループ支援は、住民との協働の立場からも大きいと考え、入れるべき。また、これらのメニューの内容をわかりやすく住民や、議会・専門部会などに示し、その中で何を足立区としてメニューに取り入れるべきかというところから、住民・関係者に問う必要がある。そうしてこそ、住民参加の計画となる
B 筋力トレーニングでは、お金のかからない、チューブやタオルを活用した体操など、「筋力向上に役立つもの」を柔軟に認めて、多くの高齢者の筋力低下防止・向上につながるようにすべきである
    3、地域密着型サービスについて
@ 日常生活圏域については、5圏域とした。小規模多機能型ホーム、認知症対応型ホームともに、20年度までの計画数が少なすぎる。(計19箇所)特に、認知症対応型施設は4ヶ所では不十分である。大幅な増計画を持つべきである。
A 地域包括支援センターの運営委員会は、現在推進協の専門部会が兼ねることとなっているが、本当に地域の実情に合うものとするためにも、事業者など関係者で多く構成するとともに、より公正さを保てるよう更に工夫と努力を行うべきである。
  第2節 次期保険料について
       保険料の値上げには反対です。理由はつぎのとおりです。
一、 区の次期保険料試算の根拠は崩れていること。
一、 住民の生活実態を見て検討した形跡はみられないこと。
一、 住民の負担を軽くするため国に財源保障を求めたり、区として一般財源投入など、可能な方策を尽くしたとは思えないこと。
一、 現行の介護保険制度には根本的欠陥があり、それは今年の法改正によってもますます拡大している。そのおおもとに国の介護福祉に対する責任回避があり、区もそれに連動した姿勢をとって、単なる住民への負担の転嫁であること。
一、 国の庶民増税(大手企業や大資産家は優遇)、年金や医療など社会保障切り下げ政策のもとで、住民生活は逼迫の度を強める一方、国や地方財政は潤う状況があり、二重にも三重にも矛盾、不公平、不透明な値上げであること。
一、 国が介護福祉に責任を持つ立場に立ち、区もその立場から努力を尽くせば財源はあること。
 今回の介護保険事業計画は、つまるところ次期保険料をどう設定するかというところに焦点があります。基本的に区民は、払える人は保険料を払ってでも誰もが安心して受けられる介護制度をつくり、維持していきたいと考えています。しかし現実はどうでしょうか。介護保険は5年前、高すぎて払えない保険料、利用料を払うのが心配で使えないサービス、認定を通らなければ受けられないサービス、40歳から保険料を払っても原則65歳にならなければ使えないサービスなど大きな矛盾と欠陥をかかえてスタートしました。
 5年経ってこの欠陥は改善されるどころか、今年の法改正でこの10月から特養ホームなどの入所費用の自己負担が大幅値上げ、デイサービスなどの通所介護も食費の自己負担が大幅値上げ、それなのに施設事業者も大幅減収で利用者も介護事業者も困る状況が広がりました。来年4月からは軽度者の家事援助の原則禁止で、これまで受けられたサービスさえ受けられなくなる人が多数発生します。そしてこれだけ利用料を上げ、給付を制限しても保険料は大幅に上げなければ制度を維持できないというのが現行制度の特徴です。
 よく考えてみてください。そもそもおかしいです。ますます払えないほど高い保険料に引き上げ、訪問介護はますます利用しにくい制度に変更して制限して、入所施設や通所施設は大幅値上げして使えない人も出てきて、それでも今後さらに保険料や利用料はさらに上がらざるを得ないだろうという予測である・・・。新聞でも破綻が見えていると指摘しているとおりです。
 その根本に、国が介護保険に移行する時に、財源負担割合をそれまでの50%から25%に減らしてしまったことがあります。かわりに住民が払う保険料で50%をまかなう事にされましたが、保険料額は住民の生活実態からではなく、介護サービスの提供や基盤整備が増えれば自動的に上がっていくしくみで、ここに欠陥と矛盾の大きな、ある意味で最大の原因があります。国が住民の介護福祉をしっかり支え、介護保険が当初めざした介護の社会化を実現する上でも国の負担を50%にもどすべきです。
 日本が抱える1000兆円ともいわれる借金は福祉を充実したために生まれたものではありません。アメリカに約束した600兆円とも言われる公共事業の実施を国が遂行する中で発生し膨らんできたものです。欧米諸国では社会保障費が公共事業費を上回っていますが、わが国は一時は公共事業に50兆円、社会保障は20兆円と「逆立ち」したお金の使い方が横行、今でも公共事業費が社会保障を上回っています。こうしたお金の使い方のもとで納めた税金が社会保障に使われる割合は、アメリカ47%、ドイツ44%、イギリス43%に対して日本は29%に過ぎません。
 集め方もわが国は片寄っていて、企業の税と社会保障負担はフランス24%、ドイツ18%、イギリス15%に対して日本は12%とフランスの半分程度です。企業にヨーロッパなみに応分の負担をしてもらえばかなりの財源が生まれます。
 使うほうは大手企業や財界が喜ぶ公共事業中心に大盤振る舞い、集めるほうは企業からは少なく少なく抑えてきた結果が国の借金を作り出し、社会保障のカッコ付き「危機」を生み出してきたのではないでしょうか。加えて言えば年間5兆円の軍事費(「防衛費」)や、根拠のない政党助成金など削減すべき支出項目は多々あります。こうした大本を変えない限り、展望は見えてきません。
 そしてこれは国政だけの問題ではなく、まさに地方自治体と地域住民の問題だということです。こうした角度の検討を区はなされたのでしょうか。これだけの「逆立ち」「異常」「無駄」「一部企業などの優遇」という財政構造には手をつけず、地域住民にだけ負担増を、介護需要が増える間は際限なくかぶせるやり方は生活実態にも、社会正義にも、憲法にも反します。断じて承服できません。
 足立区がこうしたやりかたに唯々諾々と従っている以上、区民・住民の立場から厳しく対決せざるを得ません。
 国の財源保障の問題では、いきなり50%にもどせなくても、国がたとえば現在の25%から30%に負担割合を増やすことは3000億円程度でできることです。
 また区としても区民の負担を軽減するため、たとえば一般財源の投入をすることは区長が条例を変えれば可能なことであり、そういうことを検討もしないで、ただただ区民に転嫁する、押し付けることも断じて承服できません。「第二の国保にしてはいけない」と言いますが、国保は足立で年間100億円以上繰り出しても保険料の払えない区民が多数います。一般財源の投入がなければ社会保障はそもそも維持できないし充実発展させることもできません。
 全部を申し上げることはできませんが、こうした姿勢に立ち、方策を尽くそうとすれば当然区民の生活実態に目を向け検討も行なわれるはずだし、たとえば公聴会・説明会もあんなお座成りにすませることはできなかったのではないでしょうか。区の根本姿勢を現すものとして厳しく指摘せざるを得ません。
 その延長でしょうか。試算の仕方もかなりいい加減というか、区民から見れば根拠に乏しい、余分なものまで見積もって出されたものです。前期に据え置いた分を一気に上乗せし、新たに入ってきた地域支援事業予算も2%でいいものを3%で見積もり、さらに新予防給付などで保険料値下げ効果があると政府も言っているのにそれは見積もりには入れない・・・。多めに多めに見積もろう、つまり次期保険料の試算額をなるべく高くしようとする意図を感じ、仮にこれが修正されて試算額より下がる決定になったとしても「織り込み済み」のものと言わざるを得ません。そして試算額より「下がった」としても区民にとっては基準額月3217円を越えるものは値上げ以外の何ものでもありません。
 
 以上、介護保険は根本から問い直すべき時にきており、再考を求めて意見とします。