日本共産党区議団の条例提案など
介護保険条例の一部を改正する条例案と提案理由説明
議員提出第3号議案 足立区介護保険条例の一部を改正する条例


足立区介護保険条例(平成12年足立区条例第38号)の一部を次のように改正する。
目次中「第3章 保険給付(第5条―第9条)」を
「第3章 保険給付(第5条―第9条)
 第3章の2 地域支援事業等(第9条の2・第9条の3)」に改める。
 第1条中「地域で」の次に「尊厳を保持し、」を加える。
 第4条中「第7条第26項」を「第7条第8項」に改める。
 第5条第2号中「要介護状態となるおそれがある状態」を「要支援状態」に改める。
 第6条中第11号を第13号とし、第3号から第10号までを2号ずつ繰り下げ、第2号の次に次の2号を加える。
 (3) 地域密着型介護サービス費の支給
 (4) 特例地域密着型介護サービス費の支給
 第7条第1号中「居宅支援サービス費」を「介護予防サービス費」に改め、同条第2号中「特例居宅支援サービス費」を「特例介護予防サービス費」に改め、同条第9号中「特例特定入所者支援サービス費」を「特例特定入所者介護予防サービス費」に改め、同号を同条第11号とし、同条第8号中「特定入所者支援サービス費」を「特定入所者介護予防サービス費」に改め、同号を同条第10号とし、同条第7号中「高額居宅支援サービス費」を「高額介護予防サービス費」に改め、同号を同条第9号とし、同条第6号中「特例居宅支援サービス計画費」を「特例介護予防サービス計画費」に改め、同号を同条第8号とし、同条第5号中「居宅支援サービス計画費」を「介護予防サービス計画費」に改め、同号を同条第7号とし、同条第4号中「居宅支援住宅改修費」を「介護予防住宅改修費」に改め、同号を同条第6号とし、同条第3号中「居宅支援福祉用具購入費」を「介護予防福祉用具購入費」に改め、同号を同条第5号とし、同条第2号の次に次の2号を加える。
 (3) 地域密着型介護予防サービス費の支給
 (4) 特例地域密着型介護予防サービス費の支給
 第8条中「第47条第2項、第49条第2項、第54条第2項及び第59条第2項」を「第42条の2第4項、第42条の3第2項、第47条第2項、第49条第2項、第51条の3第2項、第54条第2項、第54条の3第2項、第59条第2項及び第61条の3第2項」に改める。
 第3章の次に次の1章を加える。
 第3章の2 地域支援事業等

(地域支援事業等)
第9条の2 区は、法第115条の38第1項及び第2項に規定する地域支援事業を行う。
 区は、法第115条の39第1項に規定する地域包括支援センターにおいて行う事業を実施する。

(保健福祉事業)
第9条の3 区は、要介護被保険者を現に介護する者の支援のために必要な事業及び被保険者が要介護状態等となることを予防するために必要な事業を行う。
 第10条第1項中「3年ごとに、5年を1期」を「3年を1期」に、「定める」を「策定する」に改め、同条第2項第1号及び第2号を次のように改める。
(1) 区が、住民が日常生活を営んでいる地域として、地理的条件、人口、交通事情その他の社会的条件、介護給付等対象サービスを提供するための施設の整備の状況その他の条件を総合的に勘案して定める区域ごとの当該区域における各年度の認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護及び地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護に係る必要利用定員総数その他の介護給付等対象サービスの種類ごとの量の見込み並びにその見込量の確保のための方策
(2) 各年度における地域支援事業に要する費用の額並びに地域支援事業の量の見込み及びその見込量の確保のための方策
第10条第2項第3号中「指定居宅サービスの事業」の次に「、指定地域密着型サービスの事業」を、「介護給付等対象サービス」の次に「(介護給付に係るものに限る。)」を加え、同項中第4号を第5号とし、第3号の次に次の1号を加える。
(4) 指定介護予防サービスの事業、指定地域密着型介護予防サービスの事業又は指定介護予防支援の事業を行う者相互間の連携の確保に関する事業その他の介護給付等対象サービス(予防給付に係るものに限る。)の円滑な提供及び地域支援事業の円滑な実施を図るための事業に関する事項
第10条第3項中「介護保険事業計画は」を「介護保険事業計画の策定に当たっては」に、「老人福祉法(昭和38年法律第133号)第20条の8の規定に基づく老人福祉計画及び老人保健法(昭和57年法律第80号)第46条の18の規定に基づく老人保健計画と、」を「社会福祉法(昭和26年法律第45号)第107条に規定する地域福祉計画と」に改め、同項を同条第4項とし、同条第2項の次に次の1項を加える。
 介護保険事業計画の策定に当たっては、老人福祉法(昭和38年法律第133号)第20条の8第1項に規定する老人福祉計画及び老人保健法(昭和57年法律第80号)第46条の18第1項に規定する老人保健計画と一体のものとして作成しなければならない。
 第12条各号列記以外の部分中「平成15年度から平成17年度」を「平成18年度から平成20年度」に改め、同条第1号中「第38条第1項第1号」を「第39条第1項第1号」に、「1万9,300円」を「2万5,680円」に改め、同条第2号中「第38条第1項第2号」を「第39条第1項第2号」に、「2万8,900円」を「3万2,040円」に改め、同条第3号中「第38条第1項第3号」を「第39条第1項第3号」に、「3万8,600円」を「3万9,360円」に改め、同条第4号中「第38条第1項第4号」を「第39条第1項第4号」に、「4万8,200円」を「5万2,560円」に改め、同条第5号を次のように改める。
(5) 次のいずれかに該当する者 6万3,480円
 地方税法(昭和25年法律第226号)第292条第1項第13号に規定する合計所得金額(以下「合計所得金額」という。)が200万円未満であり、かつ、前各号のいずれにも該当しないもの
 生活保護法第6条第2項に規定する要保護者(以下「要保護者」という。)であって、その者が課される保険料額についてこの号の区分による額を適用されたならば保護を必要としない状態となるもの(令第39条第1項第1号イ((1)に係る部分を除く。)、次号ロ又は第7号ロに該当する者を除く。)
第12条に次の3号を加える。
(6)  次のいずれかに該当する者 7万8,240円
 合計所得金額が200万円以上600万円未満であり、かつ、前各号のいずれにも該当しないもの
 要保護者であって、その者が課される保険料額についてこの号の区分による額を適用されたならば保護を必要としない状態となるもの(令第39条第1項第1号イ((1)に係る部分を除く。)又は次号ロに該当する者を除く。)
(7)  次のいずれかに該当する者 9万4,560円
 合計所得金額が600万円以上800万円未満であり、かつ、前各号のいずれにも該当しないもの
 要保護者であって、その者が課される保険料額についてこの号の区分による額を適用されたならば保護を必要としない状態となるもの(令第39条第1項第1号イ((1)に係る部分を除く。)に該当する者を除く。)
(8)  前各号のいずれにも該当しない者 10万5,120円
 第14条第3項中「第38条第1項第1号イ」を「第39条第1項第1号イ」に、「又は第4号ロ」を「、第4号ロ、第5号ロ並びに第6号ロ」に、「第38条第1項第1号から第4号」を「第39条第1項第1号から第6号」に改め、同条第4項を削る。
 第15条第1項中「(昭和25年法律第226号)」を削る。
 第20条第4項を第5項とし、第3項を第4項とし、「前2項」を「第1項及び第2項」に改め、第2項の次に次の1項を加える。
 区長は、高齢社会対策基本条例第3条の定めるところにより、区民 全体の生活をかんがみて、必要に応じて高額保険料全体の緩和を講じ ることができるものとする。
 第24条中「法第34条第1項後段」を「法第33条の3第1項後段、法第34条第1項後段」に改める。

付 則

(施行期日)
第1条 この条例は、平成18年4月1日から施行する。

(経過措置)
第2条 この条例による改正後の足立区介護保険条例第12条の規定にかかわらず、平成18年度分以前の保険料については、なお従前の例による。

足立区介護保険条例の一部を改正する条例の提案理由説明

ぬかが和子議員


 ただ今議題となりました議員提出第3号議案、足立区介護保険条例の一部を改正する条例について、提出者の日本共産党区議団所属議員を代表して提案理由の説明を行います。
 改正点の第一は、介護保険特別会計に一般財源を投入することを可能にし、条例上の根拠をもたせるものです。介護保険条例の上位条例である高齢社会対策基本条例では第3条の区の責務に「低所得の高齢者にとどまらずすべての高齢者を対象とすること」「経済的事情等で援助を必要とする高齢者に対して適正な援助を行うこと」とあります。これを実現するために、介護保険条例第20条、「保険料の減免」の項目に、新たに「区長は、高齢社会対策基本条例第3条の定めるところにより、区民全体の生活をかんがみて、必要に応じて高額保険料全体の緩和を講じることができる」と加えたものです。これによって、必要に応じて適切に一般財源の投入をすることが、条例に位置付けられます。
 介護保険制度について、自民・公明政権は「社会保障構造改革の優等生」といっていました。しかし実際には、サービスを充実したり、サービスを受ける高齢者が増えれば増えるだけ保険料が上がる「悪魔のサイクル」といわれるしくみになりました。介護保険制度導入前は、国の負担割合が50%で、都と区が合計50%、つまり基本的には公的介護は全額公費負担だったのを、介護保険導入と同時に公費の負担割合を半分に改悪し、サービスにかかる費用の半分を保険料でまかなうようにしたことが、根本的な問題です。そういう中でもサービスは減らさないで、保険料の値上げを抑えることは、住民福祉の向上をはかる地方自治体の役割です。そのためには、一般財源を投入することがどうしても必要です。一般財源の投入については、政府も否定していませんし、すでに千葉県浦安市では、一般会計から1億6450万円繰り入れて、保険料の値上げを基準額で753円抑えています。
 第二は、新年度の保険料の値上げにストップをかけるものです。
 区長は介護保険専門部会の値上げの答申を受けて、大幅値上げする方向を打ち出しています。23区全体が大幅値上げですが、その中でも、足立区は、基準額・値上げ幅ともに23区でもワースト5に入ろうという大幅値上げです。
 値上げ額は、基準額で月額1163円、年間にすると約1万4000円の値上げで、65才以上の高齢者のほぼ全員が値上げになります。住民税非課税世帯で月額2400円だった人が4380円、または5300円と2倍以上の負担増となります。この値上げにより、区の保険料収入は15億円余増えます。一方、介護保険法の改悪によるサービスきりすてで高齢者は増えているのに介護保険の予算総額が3億円余も減り、区が持ち出す金額である一般会計からの繰入金も、地域支援事業を含めても1億5000万円余も減らし、結局高齢者だけに負担増を押し付ける結果になっています。サービス給付は切り下げて、区民の負担は上げる、区の持ち出しは削る、こんなことはとうてい区民の理解を得られるものではありません。
 ただでさえ老年者控除の廃止ですべての高齢納税者が大増税となり、高齢者非課税措置の廃止により、14000人の高齢者が新たに非課税から課税になり、大変な負担増です。それに追い討ちをかけるように保険料を値上げするべきではありません。
 よって、税制改正による大負担増の年でもある今年については、前年度同様に据え置くことを附則に付して提案するものです。これは、介護保険を導入した平成12年に、政府の特別対策をうけて、すでに区がとったやり方でもあり、財源も我党の予算の組み替え案で具体的に示したとおりであります。
 以上二点の改正は、やる気になればすぐに実現できることです。
 合わせて新年度は、介護保険法改定による、制度の変更がありますが、これらについては、国の政省令に準じて変更することとし、結果として区の提案と同様の内容になっております。新予防給付導入、食費等全額自己負担などによる負担増については、すでに我党が提案したとおり、介護保険の外から支えて負担を軽減すべきと考えます。
 議員各位におかれましては、高齢者の負担増を抑える足立区とするために、立場の違いを超えて、ぜひご賛同いただきますようお願い申し上げて、提案理由の説明といたします。