Fビル(竹ノ塚公共駐車場)の指定管理者の指定についての反対討論

渡辺修次議員


 ただいま議題となりました第65号議案足立区竹ノ塚駅公共駐車場の指定管理者の指定について日本共産党足立区議団を代表し、反対の立場から討論を行います。
 本案はジョイビル地下にある竹ノ塚駅公共駐車場を、ジョイビル管理会社の(株)ジョイシステムに指定管理者の指定をするための条例です。
 反対の理由の第1は、指定管理者制度になじまないからであります。区の指定管理者制度のメリットに上げている競争の原理が全く働かず、(株)ジョイシステムという特定事業者を指定管理者に申請をさせ、特定事業者に事業を継続させるという行政側の意図が露骨に表れている点です。この議案が審議された建設委員会の説明でも最初からジョイシステムありきで@建物が共有名義になっており、駐車場の明確な区分けが出来ない、Aビル内にはエレベーター等共有部分が多い、Bビル側は継続性を重視し、現在の管理会社と引き続き管理委託する予定なので維持管理費等の面で廉価となり、効率性が高くなるとともに、保安面で円滑な運営が出来ると説明していることでも明らかです。これでは指定管理者に指定した業者が区との協定どおり、事業を進めているか否かを三年ごとに評価し、指定業者を替えることもできず、定期借地権契約で、今後20年間はジョイシステム以外の業者が入れない理由を区がならべたてているのです。
 第2に、区は指定管理者にすれば黒字になると委員会で説明しました。しかし、18年度一般会計予算には竹ノ塚駅公共駐車場費用として地代と31台分の駐車場借上げ分1092万円が支出として計上されています。指定管理者の収益の7割を区に納入させるといっていますが、区の収入見込みは1000万円で、差し引きでは赤字となり、税金がつぎ込まれ続けることは明らかではありませんか。付け加えて言えば指定管理者は駐車場での利益を出さなくても支障がありません。人件費等経費を増やして区に納入する金額を減らせば済むからであります。
 第3に、予算特別委員会でわが党の大島委員が指摘したように、今回ジョイシステムが提出した収支計算書と(株)足立都市活性化センターが事業委託していた平成16年度決算の数字で比較すると、直営で業務委託した方が、正規職員2名分の人件費を増やしても収益は、ジョイシステムの提案書より1000万円以上多くなり、地代・使用料を払っても黒字になるではありませんか。
 そもそも、この駐車場は、区が直接利用できない都区駐車場整備特別融資を活用しようという計画から区が92・3%も税金をつぎ込んで(株)足立足立都市活性化センターを立ち上げ、ジョイビル(オーナーは古庄孝夫氏)との合築駐車場としてスタートさせた仕組みに根本的な問題があります。スタート以来10年間の管理運営でも浮き彫りになりましたが、ジョイビルは何のリスクも負わず、活性化センターを通じて税金でジョイビルの利益を支え続けてきました。活性化センターが行き詰まって解散したいまこそ根本から仕組みを改める機会なのにその意思は全くありません。しかも直営で委託にした方が、指定管理者制度を活用するよりも約2・7倍も区の収入が増え、効率性が高いにも関わらず、ジョイビルオーナーの同族会社であるジョイシステムを特別扱いで指定業者に指定しました。ジョイビルは、この公共駐車場を活用することによって、今後20年間は変わることがない利益を上げ続けることになる、こうした区民の利益より特定事業者の利益を優先する政治は止めるべきであることを指摘して討論を終わります。