予算特別委員会の質問等第2日目 鈴木けんいち議員 |
介護保険・障害者自立支援法問題について問う ○鈴木(け)委員 私は、初めに高齢者福祉に関してお伺いをしたいと思います。 今度の予算案を見ますと、一般会計の老人福祉費が前年度比で△4億9,787万円、約5億円のマイナスとなっております。 それから、介護保険会計、これも老人福祉関連費として前年比で見ますと3億2,938万円、約3億円のマイナスと、端数をとって合計しますと8億円以上の老人福祉関係費が減っていると見ているのですけれども、この点、どうでしょうか、間違いないでしょうか。 ○介護保険課長 ご指摘のとおりでございます。 高齢者福祉を実質10億円以上けずる ○鈴木(け)委員 介護保険、高齢者福祉関連経費ということで介護保険会計があるわけですけれども、この間、実は毎年10%前後伸びてきています。高齢者が増加する中で、施策を拡充しなくても予算額はふえるはずなのに、今回は大幅に減っているというわけですから、実質的な削減額というのは、8億円にとどまらず10億円をはるかに超えると言えると思います。 老人福祉関係費については、実は5年前、介護保険が導入されたときにも総額で減少をしました。 このときも、結局保険料や利用料の徴収ということで、国民への負担、そして介護サービス開始の際にハードルを設けたり、あるいは利用の上限を設定するなどして高齢者の負担をふやすことや、サービスの利用制限をしたりするというのが指摘をされたわけですけれども、そういう中でも高齢者の増加に比例する形で予算額は伸びてきたという状況があるわけです。 ところが、今回これが減らされると(いうことなので)、その要因が何なのかと調べてみますと、三つぐらいあるのではないかと。一つは、介護保険から食費と居住費を外し全額自己負担制を導入したこと。それから、二つ目は、新予防給付という名で軽度の要介護者への家事援助を原則禁止とするなど、サービス利用制限をさらに厳しくしたこと。もう一つは、一般施策として行ってきた介護保険外のホームヘルプサービス、これについても今回の予算で廃止すること、こういうことが予算の削減の要因と上げられると思いますが、いかがでしょうか。 ○介護保険課長 その要素もございます。 ○鈴木(け)委員 介護保険導入以後、高齢者福祉関係予算が減るというのは初めてのことです。その中身は、結局、介護保険の自己負担がふえる、そしてサービスの利用はますますできなくなる。では一般施策ではどうかというと、そっちの方で行っていたサービスも打ち切ってしまうということであります。非常に今回の会計を見ますと、福祉部、それから、衛生部のお金でやっていた事業が介護保険会計に入って、出し入れが非常に激しいということで、積算を見ますとなかなかできないような状況がありまして、区の方も出し入れは大変だったと思います。 しかし問題は、そうやってお金を出し入れする中で、一番弱い高齢者、一番行政の手が差し伸べられるべき高齢者が、結局一番困難にさせられている、それが今度の予算なのではないかと思います。 それで、どのぐらいの影響が出るのかという点でお伺いをしたいのですけれども、まず、介護保険で新予防給付という名前で、軽度の介護を必要とする高齢者への家事援助、これは原則禁止ということになりました。これによって足立区では、これまで受けられた人の約7割、数にして2,603人といわれておりますけれども、が受けられなくなったと。これによる介護給付費の削減額はどのぐらいなのでしょうか。 ○介護保険課長 ホームヘルプサービスが毎年5億円ずつふえておりますので、平成18年度は65億円でございます。そして、給付費に与える影響が要支援と要介護1で3割でございますので、約18億円ですね。18億円のサービスがデイサービスの方に向かうという形になっております。 その中で、今度は要支援と要介護1の方の上限額が削減されております。したがいまして、その影響等を見ますと、約3億5,000万円ぐらい給付費が少なくなると予定しております。 区は介護保険外家事援助ヘルパーの継続を ○鈴木(け)委員 いま3億5,000万円という額のお答えがありましたけれども、少なくてもこの3億5,000万円分これまで区民が利用できた介護サービスが利用できなくなると。それは何らかの形で、自己負担も含めてサービスを利用しようとすれば、こういう負担が生じるわけです。 全くひどい話で、実はこの家事援助の原則禁止という問題では非常に不安の声がありまして、そういう中で実は足立区では介護保険以外のホームヘルプサービスが実施されてきました。生活支援ヘルパーとか軽度家事援助など、これは他区からも足立区の良心だともいわれて、よく調査も来てお答えしたこともあるくらいなのですけれども、これを利用すれば、介護保険では家事援助を受けられなくなっても引き続きサービスを受けられると、これをぜひ今度は使えるのではないかと期待が高まっていたわけです。ところが、これを今度区はこの3月いっぱいで廃止をすると、これが今度の予算なのですね。 実は私ども、先日、金沢市へ視察に行ってまいりました。そこでお聞きしましたら、金沢市にも実は介護保険以外の高齢者福祉サービスがありまして、このページには、トップに生活支援のためのサービスということで生活支援型ホームヘルパーの訪問というのがありました。これを見せていただきまして、今度4月からに当たってはこれをどうするんですかとお聞きしましたら、向こうの課長は、いまある、いま受けられているサービスを後退させるようなことはいたしません。したがいまして、これを廃止するようなことはいたしませんと、きっぱりと明言をしておりました。やはり、こういうときだからこそ、介護保険で受けられるサービスが非常に制限をされる中だからこそ、足立区でも金沢市のように、この制度を存続をして、希望する高齢者の要望にこたえるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ○高齢サービス課長 高齢者への介護保険外のホームヘルパーの派遣でございますが、結局国の考え方として、これは調査によって、いわゆる軽度に対するホームヘルパー派遣はいかがなものかという話の中で、いま介護保険内のヘルパー派遣については見直しをしているところでございます。 逆に、この自立の方に対するホームヘルパーの派遣というのを18年4月以降も存続しますと、非常に低い方、つまり自立の方にはホームヘルパーの派遣が受けられて、要支援、要介護1になると受けられないということをかんがみまして、さらには、17年度から国都からの補助金もなくなるという中では、18年4月をもちまして介護保険外のホームヘルパーは廃止したいという考えでございます。 ○鈴木(け)委員 いま私が申し上げましたのは、自立の方にも介護保険外の生活支援ヘルパーがいます。それから、要支援、要介護と認定された方に、いまの介護保険内の派遣では足りないという方に、軽度家事援助という形で介護保険外からホームヘルプのサービスをする制度があるわけです。もう一つ、病後という問題もありまして、三つあるわけです。 こういう形で、結局、介護保険だけでは対応できないホームヘルプサービスを行ってきたと。これは福祉の心、足立区の区民を守るためということでやってきた。その部分を存続することによって、必要な方、希望する方に家事援助、ホームヘルプサービス派遣事業を行えるのではないかということなのです。ですから、自立の人だけを対象にしようということではないわけです。これまで要支援、要介護で受けられていた方へ、この制度を使ってやるべきだということなので、いまの答弁は違う問題でご答弁されているので、再度お願いします。 ○高齢サービス課長 いわゆる介護度がついた方に対する上乗せサービス、これを軽度生活援助ヘルパーと申しますが、そのことについてのご質問だと思いますが、この制度につきましても、平成12年度の介護保険制度発足時に暫定的な制度ということで、この制度をつくったということで聞いております。今回、介護保険法が精査される中で、18年4月以降につきましても、この上乗せ部分についてはカットしたいと考えているところでございます。 ○鈴木(け)委員 ちょっと冷たい答弁だなと思います。 国の考え方と言いますけれども、金沢市では、いままで受けられていたものについては打ち切るようなことはしませんと。自治体の住民にとって必要なものは続けますと、これが自治体の役割として大事なのではないかと思うわけです。ぜひ検討をお願いしたいと思います。 次に、この高齢者の問題では介護保険のホテルコストの負担の問題があります。結局、施設の食費、それから、光熱費、居室費、これがホテルコストと称して保険から外して全額自己負担という考え方がとられたわけです。これについては結局は介護保険から外されたわけですから、例えば軽減策を行うとすれば、一般財源からの繰り出しで行うのが筋だと思いますのでお聞きしたいのですけれども、いわゆるホテルコストの部分、これを保険外にして自己負担したことによって、給付費の削減額はどのくらいでしょうか。 ○介護保険課長 ホテルコストでございますけれども、約3割の方が自己負担でございます。7割の方につきましては、補足給付と申しまして、低所得者対策として介護保険の方からお金を支出してございます。したがいまして、その影響額は先般の補正予算で1億7,000万円を減額しておりますので、年間にしますと3億4,000万円ほど給付費が少なくなると計算しております。 ○鈴木(け)委員 補足給付を行って負担軽減策を国も講じるようにしなければいけないほどの重い負担を、この法改正によって行ったわけです。 区もそういう重い負担に対しては、区として何らかの支援策を講じるべきだという区民の声に対して、いまだ答えようとしていない。その結果3億4,000万円というお話がいまありましたけれども、結局、給付費が削減された。いままで保険で受けられたものが自己負担をしなければいけないと。これは住民の負担増になってきているわけです。私ども、高齢者福祉施策として、こういうところにも手当をすべきだと思います。 例えば、いま通所施設のイサービス、デイケアに通うとき食事が一番楽しみというか、また、そこで栄養管理もされるということで、これが負担増になったということで施設にとっても減収になると。 減収になるのは二つありまして、施設の持ち出し分によって収入が減ってしまうというのと、それから、施設にとっては、利用者である通所者がこれ(負担増)によって減ってしまうという事態も起きて減収になってしまうということです。ここに軽減策を講じると。 ちょっと計算しましたら、仮に食事代の負担を25%軽減をするなど荒川区でやっておりますけれども、そうすると、これだけでしたら約8,000万円でできます。いまは3月ですから、4月からはできないので仮に10月から、年度途中からであれば4,000万円でできる軽減制度なのですけれども、そういう措置をとる考えはないでしょうか。 ○介護保険課長 デイサービスの食事についての厚生労働省の見解でございますけれども、在宅サービスへの補助であり適切ではないとの見解でございます。しかしながら、介護予防の重要性、また介護保険料を改定いたしましたので、第3期の介護保険の給付費の推計を見ながら検討してまいりたいと考えております。 ○鈴木(け)委員 給付費の推移を見ながらって、もう既に負担は始まっていて悲鳴も上がっているわけですから、そんなのんびりしたことではまずいというか、役割を果たしていないのではないかと思います。 入所者の居住費についても自己負担ということで、これも非常に入所者への負担増にもなっております。こういうところにも軽減策を講じるべきだと思います。 もう一つ、高齢者への負担増では、こうした介護保険や高齢者福祉施策とは直接関係なくて、政府の増税政策で負担増になる部分というのは、非常に大きいものがあります。 これは昨日、我が党の大島委員も指摘をしましたけれども、高齢者で非課税から課税になる世帯、これは実際には65歳以上の区民ということになります。そういう方が約1万4,000人いると。その部分だけ、私、調べてみました。実に11項目で総額で5億円を超えます。5億3,044万円。若干推定もありますけれども、これは区の方からいただいた資料をもとに算出をいたしまして、これを1万4,000人で割返しますと、1人当たり3万7,888円です。これだけ単に増税施策で、全然自分の収入がふえないのに負担はふえるということなのです。国保料が結局上がってしまうとか、あるいは高額療養費の支給についても5段階に上がってしまうから、支給の分が減らされて自分で負担をしなければいけないとかという形で、11項目あります。 我が党はこういう負担増に対しては、少しでも痛みを和らげるべきだということで、月1万2,000円の(仮称)痛みやわらげ手当の支給を提案しておりますけれども、私ここで申し上げたいのは、紙おむつの問題です。 紙おむつを使われた家族の方から、最近も言われたのですけれども、非常に紙おむつは助かったと、人間の尊厳にかかわるような部分と私たちも言っていますけれども、そういう部分ですね、ここについても、実は今度の増税政策で、収入はふえないのですけれども、非課税から課税になってしまって支給対象から外される方もいらっしゃいます。本来、こういう制度は所得制限そのものを撤廃して、希望する高齢者全員に支給されるようにすべきだと思います。 要介護3からということでやっておりますので、計算しましたら費用は8,000万円程度であります。この程度でできるものですから、ぜひやるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ○高齢サービス課長 紙おむつの制度の問題でございますけれども、現在、非課税の方が課税になることによっての救済措置ということのご質問かと思いますが、原則現在の基準、要介護度3以上を非課税にということで18年度はやっていきたいと考えております。 ○鈴木(け)委員 そうではなくて、所得制限そのものを撤廃して、要介護3からの希望する高齢者全員に支給をすべきだということを申し上げましたので、よろしくお願いします。 それどころか、この非課税から課税になった部分についても手当をしないということですので、大変冷たい答弁だと言わざる得ません。 障害者が受けとる工賃より高い利用料 次に、障害者施策についてお伺いをしたいと思います。 4月1日から実施される障害者自立支援法、これによって生じる障害者と家族の負担増、それから、施設の運営者も大幅な減収という問題が生じます。これに対して、きのう、区として支援策を講じるというご答弁がありました。もともとこの問題、政府自身がこの負担増の原因となる応益負担、定率負担については、その導入の理由はお金がないからだと説明をしておりましたけれども、実に700億円もの負担増を障害者とその家族に負わせるという制度であり、まさに福祉の心を投げ捨てる施策、そして障害者の自立と社会参加を妨げるものだと指摘をしてまいりました。 法は成立しても、負担軽減のために区独自の支援を行うよう、我が党は繰り返し求めてまいりましたので、昨日の答弁は非常に前進だと思います。 それで、障害者の報酬単価については、やっと、おおとい厚労省から案が出されました。何と4月からは給食費が対象外となるので、利用者は自己負担になりますけれども、さらに10月からは1人当たりの報酬単価は半額以下になると。 これまでは、利用者1人当たり日額1万円をちょっと超えるぐらいあったのですけれども、10月からは日額は4,600円、半額以下に減らされてしまうと。施設も大変、利用者の負担もふえるというわけです。 そこでお伺いしたいのですが、今回、実施の表明があったもののうち、まず、通所施設の利用者の食事代の負担増の部分への補助、これはどの程度というか、どのようなものを考えていらっしゃるのでしょうか。 ○福祉部参事(障害福祉担当) 給食費については、国の方の基準では1食当たり650円という話になっております。足立区の場合は、施設の側がかなり努力しておりまして、1食当たり570円ぐらいから800円、施設によって違いますけれども、そういう幅でございます。 一つあるのは、まだこれは推移を見ながらという形で検討させていただいておりますけれども、法人の施設は、給食というよりも実費でもって1食400円ぐらいの形でやっておるようでございまして、それとの均衡ということを考えながら検討していきたいと思っております。 ○鈴木(け)委員 これから検討という段階のようですが、もう一つ、例えば我が党が半額補助でどのくらいになるかなと思って試算をしてみましたら2,400万円程度です。こういうことも参考に、ぜひ積極的な検討をしていただきたいと思います。 それから、法人への支援ということですけれども、これも行う考えが昨日表明されました。これについての考え方、一応確認なのですが、ご説明をお願いします。 ○福祉部参事(障害福祉担当) 昨日もご答弁申し上げましたが、実際に足立区の障害者福祉施策が法人と手を組みながら進めていると、いわゆる協働という形でもって進めております。いま厚労省から示されている報酬の関係で言うと、約2割ぐらいの減額になっていくだろうという形でございまして、その減収の部分をすべて法人に押しつけとなった場合、運営がかなり厳しいという観点から、これは数字はまだ決まっておりませんけれども、法人の運営を補償するような形でもってやらざるを得ないのかなと考えております。 ○鈴木(け)委員 約2割の減収分について、補てんをするようなお考えが示されたと思います。 通所者にとっては、それ以外に実際には通所をして作業をして工賃もいただいて、要するに仕事に行くという感覚というか、生きがいを持って行っているわけです。で、8,000円ぐらいの工賃ももらえると。 ところが、今度は通所すると1万円以上の負担になってしまうと。行くと、結局もらえる工賃よりも払う利用料の方が多くなってしまう。実際はそのほかに食費とかもかかっていきますから、もっと負担が重くなるわけですけれども、こういうことでは、何とか外へ出て社会参加もして自立もしていこうと、そのための施設もつくられた、親の会もやっていると。まさに今回の自立支援法というのは、自立支援ではなくて、自立阻害であり、家にいて何か家の仕事を手伝わせていた方がいいという声も聞こえるぐらい、引きこもり促進法のような面があると言わざるを得ません。 やはり通所する障害者を励ますということが、これからは大事だと思うのですね。そういう点では、例えば通所者の通所を励ます(仮称)通所激励手当のようなものを支給するという考えが大事だと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ○福祉部参事(障害福祉担当) 通所の手当という形でもって、いま質問の中でも出ておりましたけれども、それについて無理だという形で明言させていただきたいと思います。 ○鈴木(け)委員 あと精神障害者の問題ですが、精神障害の場合はすべて経過措置、最大5年ということがあります。早くても10月からの実施ということですけれども、公平性の観点から負担も求めなければいけないというご答弁、今議会で我が党の伊藤議員の質問に答弁がありましたが、やはり負担の軽減を図っていくという考えを持ちながら、いずれにしてもスムーズな移行が重要だと思います。そういう点では、区としてどのような支援策を考えているでしょうか。 ○地域生活支援センター長 いまのお話の件につきましては作業所の件だと思いますけれども、一応作業所は今後、一つは自立支援給付費の方に移行いたします場合もありますし、生活支援事業の方に移行する場合もあります。これについては、自立支援給付の方にいきますと1割負担ということになりますし、生活支援事業に移りますと、負担につきましては区で考えなさいということになっております。 これにつきましてはメリット、デメリットがありますので、運営主体と相談しながら考えていきたいと考えております。 ○鈴木(け)委員 聴覚障害者の問題で手話通訳については、やはりこの地域支援事業ということで区の裁量の範囲ですが、これについてはどう考えているでしょうか。 ○福祉部参事(障害福祉担当) 地域生活支援事業に移行するのが10月からでございまして、手話通訳については、その間に検討してまいりたいと思っております。 |
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