予算特別委員会の質問等第2日目

渡辺 修次議員


市場化テストの導入は自治体の責務を放棄するもの

○渡辺(修)委員 今度の本会議で針谷議員が代表質問で、鈴木区長が進めてきたいわゆる行政改革、構造改革路線の7年間で、区民の暮らしが悪くなったのではないかと具体的な事実を示した質問に対して、区長は、「右肩上がりの高度経済成長が終焉を迎え、身の丈にあった区政運営が求められる中で、将来世代への負担の先送りを回避し、総体としての住民福祉を向上させるためには、負担と給付の見直しが必要である。私は、これまでの7年間、先駆的な行政改革を積極的に進めることで、非常に厳しい財政状況にあっても、区民の信頼と期待にこたえる行政サービスの安定的な供給に努めてまいりました。定常型社会・人口減少社会への移行が進む中で、今後ピークを迎える施設更新や新たな行政需要に対応していくためには、さらなる改革の取り組みが欠かせません。行き過ぎた二極分化には区民生活防衛の施策を講じながら、結果平等から機会平等へ緩やかに転換していく中で、労働や経済にもプラスに働く持続可能な住民福祉を目指して取り組んでまいりたい」と答えました。
 この答弁について、まず伺います。
 先駆的な行政改革を積極的に進めたことを根拠として保育料の2倍の値上げ、あるいは学童保育は1.5倍、さらには上総湊健康学園の廃止、高齢者住宅改修事業の縮小などが行われたのですが、こういうものも成果として見ているのかどうか、伺います。
○区長 本会議でご答弁申し上げましたが、私はこの足立区をずっと振り返ってみてまいりまして、足立区はご案内のとおり、構造的に財政体質が大変弱い区であると。そういう中にありまして、他の自治体と同等あるいはそれ以上の区民サービスを提供していくためには、改革は欠かせないものだと、それがあったればこそ、現在、こうして区政運営が順調に進んでいるのではないかと、そういう思いがいたしておりまして、いまご質問のことにつきましては、そのとおりだと思っております。
○渡辺(修)委員 私も改革は必要だと思うのですが、問題はその改革の中身だと思うのですね。
 そうすると、区民のための施策を削ったことを成果として見る見方は、結果として本来自治体のあり方である区民の暮らしを守るという、この立場よりも区の財政を優先するということが先にあって、区民の生活実態を受けとめようという姿勢が全く見えないのではないかと思います。
 いま生活保護や就学援助、あるいは貯蓄ゼロ世帯が急増している中で、自治体の責務を投げ捨てていると指摘せざるを得ませんけれども、鈴木区長は自治体の責務というのはどういうものだと考えているのですか。
○ 区長 これはもちろん区民福祉の向上に尽きると思います。

区民生活の維持向上こそ自治体の責務だ

○渡辺(修)委員 これまでの改革で区は、いま区長が初めに答弁したように、財政的に非常に体質が弱い区だということで、区民の所得をふやす、あるいは担税能力の高い区民をふやすということを目標に改革も進められてきたように受けとめているのですが、この間の区民の所得がどうなったのかを考えますと、区民税課税標準額納税義務者数の推移を見ますと、平成9年度に5万円以下から200万円までの人が58.01%、200万円から700万円までが38.53%、700万円以上が4.04%でありました。
 ところが17年度では、納税義務者数そのものが1万6,568人減りまして、いわゆる200万円以下は62.16%と逆にふえています。それから、200万円以上、700万円までが34.29%に、700万円以上が3.55%と、それぞれ減っております。この数字を見ても、いままでの方針が正しいと言えるのかどうか、伺います。
○区長 納税義務者の数が減るとか、納税額が減ってくる、こういったことは足立区だけではございませんで、この長引く不況の影響を受けまして、ほとんどの自治体でそういう経過を担っていると思っております。
○渡辺(修)委員 いま構造改革が進む中で格差社会と言われております。個人個人の格差も広がりますけれども、都市間でも広がっております。23区の中でも、足立区が何とかとは言いたくないのですけれども、区長が言う行き過ぎた二極分化には、区民生活防衛の施策を講じると言っていますが、この二極分化の行き過ぎたという判断というのは、どういうところで行き過ぎたと判断するのでしょうか。現状はどうでしょうか。
○政策課長 どの程度の格差がどういったところでついているかというのは、これは全体というよりも、個々に具体的に判断をしていく必要があるのではないかと考えておりまして、それぞれの所管や施策の展開の中で、具体的に区民の皆さんに、いままで以上の過度な負担がどの程度生じているか、こういったことは今後常に注視をしていかなければいけないということでございます。
○渡辺(修)委員 区長は本会議の施政方針演説で、いわゆる公共サービス価格ということで市場化テストへのチャレンジに言及して、「区民サービスの向上と経費の削減を上げる」と述べています。第2次構造改革戦略行動計画では、国の新地方行革指針を受けて足立区の集中改革プランとして位置づけ、計画年度を21年度まで延長して策定をいたしました。
 この中で官業、いわゆる役所の仕事、官業の民間開放、民活管轄の分野の一つに位置づけて、今国会に提出されています競争の導入による公共サービスの改革に関する法律案の成立を想定して計画を具体化してきています。
 代表質問でも指摘しましたが、このねらいは、財界大企業の公共サービスを民間に開放すべきとの要求にこたえるもので、住民からの要望ではない。したがって、区民サービス向上と経費の節減にはつながらないと思っています。三菱総研が試算していますが、全国で約50兆円の新たな市場、つまり大企業の金もうけの対象に行政をゆだねようというのが本質だと考えます。
 最大の問題は、現在の法律で禁じられている法を改正して規制緩和を徹底しようという、この法律はこの規制緩和を徹底することにあると。
 しかし、いま官から民への流れの中で耐震偽装事件が発生しました。JRの福知山線では死者が107名、負傷者500名を超える大惨事が起きました。昨年8月の宮城県沖地震が起きて、この地震は幸いなことに負傷者が少なく、建造物の損傷もなかったのに、完成して間もない仙台市立プールの天井が落下して35人が負傷したと。最も安全性が重視される公共施設で事故が起きたという、このプールは、PFIで民間がつくったのですね。調査した結果、斜めに入れる入れどめが取りつけられてなかったとか、壁との隙間が不足していたことが原因だということが指摘されています。
 官から民へと言いながら、いま民が絶対優れているという描き方ですけれども、民というのは何か、その本質は利益最優先ではないかと。これらの不祥事や事故は、安全よりも利益が優先された結果起きている。足立区でもいろいろ問題が起きていますけれども、こういう中で市場化テストを率先して取り組むということは、あくまでも民間の方が優れた組織だと認識しているのかどうか伺いたい。
○ 政策課長 民間にも大変優れたところがございます。今回の市場化テストは、すべて丸々民間に何でも移すということではなくて、公共と民間のよいところをお互いに寄せ合って、そのための市場化テスト、競争というものを導入して、民間のプラスの部分を十分に公共サービスの領域に生かしていこうと、こういった考え方でございます。

公務員は全体の奉仕者であり、区民サービスの支えてとして区民の安心・安全を守れ

○渡辺(修)委員 これまでの足立区の市場化テストの方向を見ますと、区民事務所あるいは納税事務などが検討して、あじさい月間だかもみじ月間だか知らないけれども、国に対して法改正の要望もあわせてやっているようですが、結局は現在の法で規制されていることを突破してくれと言っていますよね。ところが、一方ではあの汚職事件を契機に、足立区ではコンプライアンス推進計画をつくって、法律を守れ、守れと言っている。片一方ではそれを破れと国にまで要求して変えようとする。これは明らかに矛盾があるのではないかと思うのですよ。
 そういう点では、いまホリエモンの事件などでも見られるように、とにかく手段を選ばない廃棄主義、もうけ優先の風潮の蔓延、モラルの欠如、犯罪の多発、自殺者の増大、こうした社会基盤を揺るがす少子化の進行など、構造改革が進んだ結果、いま逆に国民の不安が非常に広がっています。 こうした社会の方がよいと思っているのかどうか、区長に伺います。
○政策経営部長 民間のいいところは非常にありまして、そのいいところを活用しなければいけないと思ってございます。
 法律を変えてくれというのは、民間の力を生かすためでございますが、それと同時に、新しい法律でその民間が過ちを犯さないような形での規制も一緒につくっていくわけでございますから、何が何でも民間に任せて、それで終わりということではないということだけをご認識いただきたいと思います。
○渡辺(修)委員 やはり昨年の総選挙で小泉自民党が圧勝したということで、いま国会では3分の2以上の数を持っているから、何でも通ってしまうんだね。しかも、小泉政治というのは、戦後の内閣の中でも初めて憲法を変えるということを公然と述べた内閣ですし、外国から比べても日本の大企業の利益を最優先する、いわゆる大企業に対する社会的責任は全くない、本当に異常な政治を進めております。そういう点では、そういうところを、いま市場を開放しろということで、官がやっている仕事をもうけの対象にしようと思っているのですけれども、あくまでも民間というのは利益を最優先する。これに対して、公務委員の皆さんは全体の奉仕者だということが責務として負っておりますよね。ですから、事務を通じて区民へのサービスの担い手であると、やはり、住民から見れば区民の安全・安心を守るのが役所だと思うし、職員だという認識を持っていますよね。
 そういう点では、公務員というのは本当に大きな役割だと思うのですけれども、その公務員の役割についてはどう見ているのですか。
○政策課長 公務員の役割については、先ほど区長からも答弁がありましたとおり、区民福祉のために持てる能力をフル動員するということでございますが、民間についても、もうけ主義一辺倒でいけば、そういった民間というのは必ずや淘汰されると、やはり私企業の持っている社会的責任というものもあるわけでございまして、今回の我々が市場化テストを進めるに当たって、公的分野について民間が参入するということについては、ある意味民間企業のサイドもその公的なサービスについての責任であるとか、負担とか、こういったものを交えながらこの領域に取り組んでもらいたい。 そういう枠組みでこの制度設計がなされているわけでございます。
○渡辺(修)委員 最近こういう構造改革ということですぐ飛びつくけれども、やはり区民の声がなかなかトップの方に届かない。これはいわゆる区の職員が、いまは職員定数を削減してきて、窓口とかいろいろ仕事を通じて区民から上がった意見が上に伝わっていかないからではないかと思っています。そういう点で言うと、例えば、これは東部工事事務所の管轄なのですが、このところでいままでは現業職員が直接いろいろな区民の苦情にこたえて、即、道路とかカーブミラーとか修繕をすぐやるということで、松戸よりもいいやと区民は評価していたのですが、この間来てもらったけれども、その仕事だけしかやらないと。せっかくL字溝の修繕に来たんだけれども、ちょっと先なんだけど道路が凹んだところがあると、ついでに直してくれと言ったら、その業者が、それは頼まれた仕事ではないから工事事務所の方に言ってくれとやらなかったと。いままでの区だったら、そんなのはプロだから、はいと言ってやってくれたということで苦情を言われたのですね。
 そういう点からいっても、何でも民間に任せればいいというものではなくて、区民サービスから見ても直営がいいという部分もあるのではないですか。それはどうでしょうか。
○白石委員 ガセネタだよ。
○政策課長 民間に公務の領域をお願いするという場合には、それなりの手続なり、どういったものをどの程度、要するにサービスの水準、こういったものを明らかにしていく必要があるだろうということでございまして、そういった方法論も含めまして、この市場化テストについては、十分な検討を加えながら進めていくべきものだと考えております。
○渡辺(修)委員 私の発言に対して、私が直接聞いたのにガセネタだなんて野次を飛ばすというのは、白石委員、それは許せませんよ。そんなこと言うべきものじゃない。人格が落ちるよ、そんなこと言っていると。
 これに対して坂田部長が、ある団体のパネルディスカッションでおもしろい発言をしているのですね。コーディネーターで出て、民間の優位性と劣位性というところに触れていまして、民間がすべていいのかというとそんなことはないわけで、公共サービスに関しては、どういったところが民がおかしいのか。例えば、収支との関係で業務継続の保証がない、だめになったらやめてしまう。こういっていますね。
 それから、いわゆる平均的な顧客の要求水準、あるいは対応水準をはるかにオーバーする場合には、民間は排除してしまう。我々の場合は違うと。区役所に来るリピーターというのは、はっきり言って目茶苦茶なものが多いのですと。これは民間は排除されてしまうのですね。我々はどんなひどいものでも排除はしないわけです。これは民間より役人の方が偉いということだね。
 それから、顧客の囲い込み、ある面ではいいのですが、際限がなく広がる可能性がある。それから、議会、あの議会が正常に動いているかどうか疑問でありますが、しかし、議会はその他の確かに強力なモニタリング機関なのです。
 議会は別にいいけれども、結局、民間ではしつこいというか、よくわからないんだけれども、民間で投げ捨てるものは、公務員は粘り強く話を聞いて受けとめるというのが我々だと言っているのですよ。だから、公務員の方が優れているんじゃないですか。
○区民部長 渡辺(修)委員がよくおやりになる論理ですが、いま民間の劣位の部分を、だめな部分をお話しているのですが、その前に民間の優位性というものを完全に話しているわけで、例えば民間ならばお客様が望むならば、例えば毎日夜7時までやっていたり、あるいはコンビニなんか寝ないでやるわけ、ああいったことが考えられると。 提供時間帯も違う。それから、絵をかくと思えばアフターケアをきちっとやるとか、特に民間が優れているのは、例えば1億円投資して売り上げ10億円で始まった。そうしたら、お客さんがどんどんついて売り上げが30億円になって、これは投資も全然ふやしてしまうのですね。そういう行動が官の場合はとれないとか、その両方を言っているわけです。
 民の優位性と民の劣位性、だから官のいいところと、民のいいところをくっつけましょうと、こういう話をしているので、半分だけ言っているわけではないです。
○渡辺(修)委員 私もいいところを発言しているのは読んでいますが、ここで取り上げるほどの優位性というのは感じられないなと思っているのです。
 官と民というのは、いままで明確に仕分けがあって、それで、改めて国民には納税の義務があるのです。おかしなことに、いま小さな政府と言って、本来小さな政府であれば税金など上げる必要はないのですよ。それを一方では定率減税の半減、今度は廃止、次は消費税の増税といって、物すごい負担を増税をする、これではでっかい政府になってしまうのですよ。
 それから、もう一つは社会保障をどんどん切り下げていますね。きのうの発言だって、介護保険の今度の改定など、どうにもしようがないと言って、それから、障害者の自立支援法というのは、本当にあれは阻害法だと、法律の名前はいいけれども、障害者がいままで健常者とのギャップを埋めるのが障害者施策、そのギャップを埋めるサービスを利用すれば、それに1割負担をのせるというのは障害者施策ではないと思いますよ。こういう点はどうですか。これもやはり構造改革の中で、いま坂田部長が言ったように、民間の優位性とか何とか言っているけれども、公の役割、制度として、こういう障害者自立支援法という法律自体が私は間違っていると思いますが、いかがですか。
○政策課長 構造改革自体は、要するに官に集中しているいろいろな仕事を、なるべく民間とシェアリングをしながら、よりパフォーマンスのよい効率的な社会構造に改革しようという大きな枠組みの変革行為でございますので、そういった意味では、個々の部分よりも全体の枠組みの中で大きな構造改革を進めていくんだという考え方が、大変大事なのではないかと考えております。
○渡辺(修)委員 参事は自分が進める方だから言いたくはないかもしれないけれども、やはり大もとは、私が初めに言ったように、よくニューパブリックと言っているけれども、日本の社会も日本の大企業が活動スタイルを変えたのですね。いわゆるグローバル社会に対応するということで多国籍企業、いままでは日本の国内の工場でつくって、それを世界で売ってもうけるといったけれども、いまは資本が世界に流れているわけですよ。それで、どこで物をつくってもいいんだと、どこで売ってもいいんだと、こういうことで、いわゆる日本のこれまでの護送船団方式といった政治の流れが邪魔になっているわけですよ。それを全部次々と壊しているのが「改革」という言葉なので、最大の問題なんだよ。だから「改革」の言葉を使えばいいみたいな、そういうとらえ方は間違いですよ。大企業の利益最優先の社会に変えていこうというものでしょう。だから、こういう格差が出るのですよ。
 これは朝日新聞の報道ですけれども、高島平団地の記事ですよ。みんな中流が崩れたと、公団住宅にいたいけどもいられなくなると。貯金が、蓄えが尽きれば生活保護だと、こういう状況があるわけですよ。こういうのはどこでも広がっている。こういう格差が本当にそれでいいのか、改めて政策課長に伺います。
○政策課長 格差が広がっているか、広がっていないかという認識の問題から始まりますけれども、国の統計でも、総理府あるいは他の省庁によっては、必ずしも格差は広がっていない、むしろ高齢化の単なる反映に過ぎないといった分析も一方ではございます。
 それから、小泉首相も言っていますけれども、競争の中である程度の格差が是認されるのではないかと、こういった考え方も十分に納得できる部分があるだろうということでございまして、要はどの程度の具体的な格差が容認できるかと、こういった問題であって、格差が絶対あってはならないということではないと私は考えております。
○渡辺(修)委員 小泉首相も同じことを言っていましたね。「これでも格差拡大はないのですか」と、この新聞には書いてありますよ。生活保護は10年前と比べて2倍、就学援助、足立区は目立っていますけれども、就学援助も同じ、それから、貯蓄ゼロ世帯というのも2倍になっているのですね。 いわゆる納税額幾らというのは、富の再配分機能があって、どんな方でも憲法25条で保障されている健康で文化的な最低限度の生活を営む、これが政治の役割なんですよ。この機構がいまばさばさ切られているのでしょう。
 そういうところまで来ているのに、この格差というのは容認できるのですか。驚くべき答弁ですよ。政策課長。
○政策課長 生保の問題にしても、数字だけではなかなかとらえ切れない部分があると思います。大きな地域の偏差といったものも一方にあるわけでございまして、その一部の自治体、地域によって、その数が倍増しているとか、そういうことだけではなかなかとらえ切れないのではないかと思います。
 いろいろな格差がありますけれども、最終的には区長答弁等にもありましたように、機会の平等といったものを追い求めることが、いまは重要なのではないかと考えております。
○渡辺(修)委員 機会の平等というのは、まさにまやかしだよね。
 一つは、ライブドア事件が小泉政権のもとで、あの人が成功者ということでPR、代表に使われて、自民党の幹部も選挙で応援に行って、あれが責任があるかないかと責任が追求されてシロクロやっていましたけれども、これは結局、法律の隙間をねらってもうければいいと、ごまかしを平然としてでも金もうけをすると、こういうのが成功者の例として示さざるを得ないような状況が、いまの格差社会ではないかと。機会平等というけれども、そういう全くルール、あるいはお互いにお互いを大事にする、こういう友好とか連帯とかという気持ちがどんどんなくなっている社会ですよ。いまは、犯罪も非常にふえました。これはみんなモラルの破壊ですよね。そういうのを許しているのだから。
 だから、足立区などは、先ほど区長が言ったように、非常に担税能力が低いというか、そういうところで考えると、今後の考え方、こうした構造改革の路線ではなくて、足立区の特性を生かした地域の一人一人の区民の連帯、区役所と協働して、それこそ足立区の個性を生かした地域からの発想というのが、建て直していく大事な視点ではないかと思うのですが、そういう視点はないのでしょうか。
○助役 これは共産党にはご賛同を得られなかったわけですが、足立区でつくりました基本構想は、まさしくそういった社会を是正していくためにつくったものでございます。
○渡辺(修)委員 それは全く解釈が違うね。ごまかしですよ。
 協働という言葉がいろいろ使われておりますけれども、私どもは共に働くということで共働を考えています。だから、その点で言えば、地方自治体というのは区民が主人公なのです。その区民の主人公と一緒に区民の意見を尊重して行政が何ができるか、こういう立場での協働が大事であって、こういう点を立てて地域から新しい政治のかてをつくる、地産地消とかそういう地域の経済を立て直していく、そういう方向に気づいていくことが本当に足立区を建て直していく方向だということを指摘して、質問は終わりたいと思います。