予算特別委員会の質問等第5日目

鈴木けんいち議員


介護保険料の値上げストップを

○鈴木(け)委員 こんにちは。(民主党の鈴木委員に続いて)  今度は、共産党の鈴木です。先ほどの民主党さんにも、ぜひ次世代育成クーポンについてはご賛同をいただきたいと重ねてお願いしたいと思います。
 私は、介護保険についてお伺いをいたします。
 今度の予算案を見ますと、介護保険会計で保険料が15億円余の増額になっておりますけれども、推進協の答申どおりの値上げでいくという考えでしょうか。
○介護保険課長 ご指摘のとおりでございます。

介護保険料―「税制改定」と重なり2・2倍の値上げになる人も

○鈴木(け)委員 全くひどいですね。区民の声を聞いたと言いますけれども、区民の中で一人でも介護保険料を上げてくれという声があったのでしょうか。本当に、区民の声も聞かない区政だと思います。
 今度の介護保険会計を見ますと、一般会計などからの繰入金が実に8億円以上減っております。その一方で、保険料は15億円以上の増額で、繰入金が減るということは、区の財政負担が軽くなるということでありますが、その要因としては、この前も申し上げましたけれども、サービスを減らしたり、区民の自己負担をふやすということであります。つまり、サービスは減らし、区の財政負担は軽くする。区民が納める保険料だけは値上げする。これが、今度の予算だと言わざるを得ません。
 ちょっと中身を見てみますと、介護サービス費はマイナス29億円、これに対して、今度新しく導入される介護予防サービス費はプラス17億円、地域支援事業費もプラス6億円、これを足してもマイナス6億円の削減となっていると思いますが、いかがでしょうか。
○介護保険課長 財政的には、ご指摘のとおりでございます。
○鈴木(け)委員 これだけ区民のサービスを削減する、また自己負担をふやすということだと思います。
 そういう中で、保険料の値上げという話でありますけれども、どれくらいの負担増なのかを比較してみますと、基準額で1.36倍、月額で1,163円のアップです。1年間にしますと、1万3,956円、約1万4,000円の値上げになります。しかも、我が党の大島委員などが指摘をしましたけれども、税制改正が行われます。改悪です。これと重ねると、これまで住民税非課税世帯で月額2,400円の保険料だった方が、実に月額で4,380円、あるいは一気に5,300円、2倍以上、2.2倍になる方もおります。年間にしますと、これまでの2万8,000円の保険料だった方が6万3,600円になる、こういう内容の値上げだと思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
○介護保険課長 数字的には、そういうことでございます。

やる気になれば保険料の据え置きはできる
―保険料の値上げストップを提案


○鈴木(け)委員 区民には、さらに、介護保険だけではなくて、他の分野の値上げもかぶさってくるわけで、とりわけ65歳以上の高齢者にこの負担がかかってくるということで、その痛みたるやこれまでにないものだと言わざるを得ません。こういう場面に直面して、区民に身近な区政が、こうした負担増を抑え、生活を支えることがいま何よりも大事だと思うのであります。
 介護保険については、そもそも介護保険制度そのものは、サービスの量をふやす、あるいは事業者への介護報酬を引き上げると、結局、住民の保険料にはね返る、利用料にもはね返って上がっていくという制度です。いま、高齢者がどんどんふえている時期ですから、当然、利用する量もふえるという点では保険料が上がり続けていくというわけなのです。これでは、ますます払えない介護保険になってしまう。しかも、サービスは減らす。使おうと思っても、使えないということになっていくわけです。
 こういう問題を解決していくには、介護保険法そのものを抜本的に改善していくことが必要だと思いますけれども、この保険料については当面値上げを抑える。これには、国が負担を5%ふやすだけできるのです。全国的に抑えられるのです。いま、全国市長会も、調整交付金を外枠化して5%ふやせと、足立区も含めてやっていますので、これを国がちゃんとやれば、保険料の値上げを抑えることができます。同時に、保険者である自治体が頑張れば、保険料を抑えることができるのです。
 実は、千葉県浦安市は、一般財源を使って値上げを抑えるということを既に明らかにしております。浦安市は、人口15万人ちょっとだそうです。今度の介護保険料に関して、一般会計から1億6,450万円を繰り入れて、これによって、当初の保険料の試算額は月額4,533円だったわけですけれども、これを3,780円に引き下げるということを発表しております。
 足立区も、こういう立場に立って、区民の立場に立って、一般財源の繰り入れも含めて、保険料値上げを抑えるという考えはないでしょうか。
○介護保険課長 いまご指摘の件でサービス量を減らすということでございましたけれども、第1期におきましては487億円、第2期におきましては752億円、第3期目におきましては962億円というぐあいに、サービス量は倍増しております。
 それから、一般財源の投入につきましては、国保会計のように常態化するのではないかとの懸念がありまして、そのようなことから法定限度を超えた一般財源の繰り入れにつきましては、将来にわたっても財政構造の硬直化をもたらすということから避けるべきであると考えております。
○鈴木(け)委員 サービスの量をふやすというのは、ふやしたのではなくて、高齢者がふえたり、区も盛んに強調していた市場原理を導入して、いろいろな業者もそれぞれサービス提供をする中で利用がふえたという面があるわけで、制度として利用しやすくしたというわけではありません。
 さらに、一般財源の投入は硬直化という話ですけれども、この先、いまの制度のままでやっていけば、当面、高齢者がふえ続けていき、保険料はますます上がっていくわけです。そして、それでも間に合わないから、サービスを減らす。利用料は上げる。保険料も上げる。これでは、介護保険会計はしっかりするけれども、その保険をだれが使うのかということなのです。
 最近、これは東京新聞ですけれども、3月4日付で少し大きな記事が出ました。介護保険は、介護を社会で支えて、家族の負担を軽減し、だれもが安心して老いることができる世の中にする目的で導入されるはずだった。ところがということで、そうなっていない実態が、これだけの記事で書かれているわけです。そこをいま変えていかなければ、区民が利用できる、本当に安心して生活できる制度にならないということを言いたいわけなのです。
 それで、一般財源の投入については、メモしたものをお読みになって、いつも同じ答弁ですけれども、政府自体も一般財源投入は否定をしておりません。それから、財政の硬直化と言いますけれども、いまの足立区は、財源的にいっても、この前の最終補正で一気に138億円も積み立てるという余裕もあるわけです。要は、やる気だと思います。我が党は、一般財源繰り入れの根拠を条例上明らかにし、介護保険料値上げを抑える条例案を提出する予定であります。そのことを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。

デイケア・デイサービスの食事代軽減策を提案

○鈴木(け)委員 次は、通所施設や入所施設の利用者の負担増の問題です。これも大変深刻で、通所者の昼食代については、区議会にも請願が提出をされております。この中では、それまでの自己負担が、1食400円だったものが、単純計算では818円になります。施設運営者としては、そのまま利用者に転嫁することにとまどいを感じ、施設が差額1食当たり200円から300円を負担しています。この施設側の負担については、短期間はともかく、長期にわたりますと事業執行に支障が生じますので、何とか支援をお願いしたい。そして、通所してまいります区民の介護予防、重度化防止に効果のある事業、通所デイサービス、デイケアの施設が安定して継続できるよう、足立区の支援をお願いしますという請願であります。これは、施設の側からの声です。
 利用している方々にも、当然、そういう声がありまして、私は、この前、一緒に行ってお聞きしましたけれども、関原に住む87歳の男性です。奥様と一緒にお話を聞きまして、楽しみにデイケアに行っておりました。それで、食事が700円になる。700円というと、そんなにお金を払ってまで行くわけにはいかない。おれは行かないと、だんなさんは頑張ってしまうのです。奥さんとしては、それでもいいから行ってほしいということをわきで言うのですけれども、この700円の壁、結局、700円自体は施設が幾らか負担をして抑えているわけですけれども、こういう負担増を軽減することが、足立区の区民、高齢者の生活を安心して送れるようにするためにどうしても必要なのではないか。
 私どもは試算をしまして、例えば荒川区のように昼食代の4分の1を助成するということですと約6,000万円、6,4245万円で実施できるのです。こういう軽減策を講じる考えはないでしょうか。
○介護保険課長 デイサービスの食事の補助につきましては、前回ご答弁申し上げましたように、第3期の介護保険料の給付費の推移を見ながら検討をしてまいるということでございます。
○鈴木(け)委員 給付費の推移を、いつまで見るのか。これは、既に(昨年の)10月から始まっておりますので、一刻も早く、ちょうど4月から新年度になりますから、いま決断をするちょうどいい時期だと思います。強く要望をします。
 入所施設に入っていらっしゃる方も大変です。最近、今度は読売新聞ですが、新型特養の経営者の側のお話ですけれども、7割が赤字だということであります。 この経営者の方は、足立区の経営者ではないです。新聞に登場している方ですが、国の指導で新型特養をつくったのにはしごを外された気持ちだ、このままでは施設を閉じることも真剣に考えざるを得ないと述べている。これには理由が二つありまして、一つは国が介護報酬を下げてしまったということです。もう一つは何かというと、低所得者が多い。この施設では、8割の方が低所得者だそうです。これでは経営が成り立たないような仕組みになっておりまして、しかもどんどん低所得者がふえる状況だと。いま、新型特養の負担はどうなっているかというと、部屋代が6万円です。そのほかに、食費は最低で4万2,000円、これは上限ありませんから7万円でも8万円でもいいわけで、10数万円の費用を払わないと新型特養には入れないという状況もあるわけですから、ここへの支援は経営者、運営者への支援にもなりますし、本当にお金がなくて困っている区民の皆さんへの支援にもなるわけで、私どもはこれも計算をしまして、例えば相部屋でも1万円以上の部屋代になっていますから、全額とは言わないまでも、月5,000円ずつ支援をするという考えに立ちますと、約1億5,000万円で軽減策が講じられます。これも、やる気になればできると思うのですが、いかがでしょうか。
○ 介護保険課長 特養の4人部屋につきましては、補足給付と申しまして、低所得者に対して対策を行っておるところでございます。また、新型特養につきましては、今回の介護報酬におきまして4%ほど減額でございますけれども、経営状況を配慮しまして、1人月額2万円から3万円の上乗せが介護報酬で行われたということでございます。

ヘルパー派遣がカットされたら・・・

○鈴木(け)委員 では、やる気ないがということですね。要望をしておきます。
 次に、大きな問題になっている軽度要介護者の家事援助原則禁止という問題です。新予防給付という名前で、予防をするために家事援助者は行かせないということです。厚生労働省の説明では、家事援助が、高齢者の自立を阻害し、重度化を招いた。ヘルパーさんが行くと、悪くなる。こんなことがあるのだろうかと思っていますし、そんなことはないよという話をよく聞きます。
 そう思っていましたら、全国のヘルパーさんの連絡会が集会を開きました。そこで、全国ヘルパー連絡会が調査をしましたら、ヘルパー派遣がカットされたらどうなるか。一番多いのが不潔になるで47%、これは複数回答ですけれども、室内が散らかるが多いです。 それから、不潔になるが50%から40%あります。 それから、体力が低下する、閉じこもりになる、病気になりやすくなる、認知症が進む、本当に恐れている事態が発生するということを、現場に携わっている方はみんなおっしゃっているわけです。これは、国会でも指摘をされて、厚生労働大臣もそれを認めざるを得なかったというわけであります。それなのに、家事援助の原則禁止を強行する。この集会に集まったヘルパーさんたちは、これでは介護をお嫁さんに頼っていた昔と同じよと言っていたそうです。
 このような事態が起きないように、区として、必要な人に必要な支援が行われるようにすべきだと思うがどうか、お答えください。
○介護保険課長 新予防給付におきましても、家事援助を一律にカットすることはないと厚生労働大臣が答弁しておるわけでございます。適切なケアマネージメントに基づいて提供される家事援助は認められるということでございますので、適切なケアマネージメントによってはサービスは提供されるということでございます。
○鈴木(け)委員 適切なという言葉は、言葉としては便利ですけれども、その結果、これまで独居の高齢者、1日じゅうずっと独居と、高齢者のみ世帯の方には新予防給付で家事援助を認めるというのですが、例えば日中独居、日中は家族の方が働きに行っていないという方、あるいは、都営住宅の一番上の方に住んでいる方で、今度新しい要支援になってしまう方は、適切なケアプランになるのでしょうか。
○介護保険課長 同居家族による支えや地域の支え合い支援サービス、他の福祉サービスなど、代替サービスが利用できない場合については、ケアマネージメントによる個別の判断を経た上でサービスが提供されるということでございますので、個別の判断によって対処してまいります。
○鈴木(け)委員 非常に不安定な個別の判断ということで、区には、これまで制度がありましたので、これを活用して必要な方にヘルパー派遣が行われるよう要望をして、質問を終わります。