5、日本共産党区議団提出の意見書等

伊藤 和彦議員


@貧困と社会的格差の新たな広がりの是正・克服を求める意見書案
 「市場原理主義」の経済路線、規制緩和万能、弱肉強食をすすめる経済路線は、1990年代末から貧困と社会的格差の新たな広がりという重大な社会問題を生み出している。
 財務省の財務総合研究所は6月5日、「日本の経済格差とその政策対応に関する報告書」を発表し、1990年から96年までほぼ横ばいで推移していたジニ係数が96年以降上昇に転じ、格差が拡大していることが指摘された。
 厚生労働省の所得再配分調査によるとジニ係数は1999年の0.482から2002年には0.514に上昇しており、格差拡大の背景には「人口高齢化や単身、夫婦のみ世帯の増加という人口・世帯構造変化が大きく影響していることも指摘されている。国際比較でみても、日本における貧困層と社会的格差の広がりは顕著である。
 OECD(経済協力開発機構)の調査では、日本の貧困率(全世帯の等価可処分所得の半分以下しか収入のない世帯を貧困としてその人口比率を出したもの)は、15.3%に達している。貧困率は、調査した加盟25ヵ国のなかで第5位、OECD諸国の平均10.2%を大きく上回っている。
 「市場原理主義」の経済路線は日本社会と経済の将来に向けての持続的な発展を不可能にするところまで、深い矛盾を蓄積している。もうこのまま事態を放っておくわけにはゆかない。
 よって、足立区議会は、「構造改革」と称した「市場原理主義」の経済路線を転換し、経済的民主主義を貫いた経済財政運営で、政府が貧困と社会的格差の是正・克服に全力をあげることを求める。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

足立区議会議長

内閣総理大臣 内閣官房長官 財務大臣 経済財政大臣 経済産業大臣 厚生労働大臣
衆議院議長、参議院議長 あて