2、日本共産党の提案した条例案 A足立区介護保険条例の一部を改正する条例案 |
||||||||||||||||
足立区介護保険条例の一部を改正する条例 足立区介護保険条例(平成12年足立区条例第38号)の一部を次のように改正する。 第20条の次に次の1条を加える。 (保険料負担の緩和措置) 第20条の2 区長は、高齢社会対策基本条例(平成12年足立区条例第36号)第3条に規定する区の責務を遂行するに当たり、区民全体の生活実態にかんがみ、区民の保険料の負担を緩和するため必要があると認めるときは、適切な措置を講じなければならない。 付 則 (施行期日)
「足立区介護保険条例の一部を改正する条例」の提案理由の説明 9月25日 ぬかが和子議員 ただ今議題となりました、議員提出第10号議案、足立区介護保険条例の一部を改正する条例について、提出者の日本共産党区議団を代表して、提案理由の説明を行います。本条例案は、今年4月から大幅な値上げになった介護保険料について、高齢者の負担を緩和し、昨年並みの水準に下げるために提出するものです。実施時期は来年4月からとしています。 介護保険料の値上げは、高齢者に大きな負担増となり、値上げ通知が届いてから半月で4500件近い苦情や問い合わせが殺到しています。値上げ額は基準額で月額1,163円、年間にすると、約1万4,000円の値上げでした。段階を8段階に増やしたり、生計困難者対策の継続や政府の激変緩和策を講じてはいますが、それでも65歳以上の高齢者ほぼ全員が値上げになりました。今回の値上げは、税制改定の影響も重なり、年金月額13万円強の一人暮らしの高齢者は、年金が下りるたびに引き落とされる額が、約4800円だったのに、1万円以上に跳ね上がってしまいました。23区全体が大幅値上げですが、その中でも足立区は基準額・値上げ幅ともに23区でもワースト5に入ろうという大幅値上げです。「上がるとは聞いていたが、こんなに沢山年金から天引きになるなんて思わなかった。何かの間違いではないか」といった声が殺到するのも当然です。 この値上げにより、予算上、区の保険料収入は15億円余増えます。一方、介護保険法の改悪によるサービス切り捨てで、高齢者は増えているのに介護保険の予算総額は3億円余も減り、区が持ち出す金額は1億5,000万円余も減らし、結局高齢者だけに負担増を押しつける結果になっています。サービス給付は切り下げて、区民の負担は上げる、区の持ち出しは削る、このあり方を切り変える必要があります。 本条例案では、介護保険料を下げることで、サービス給付費が不足しないよう、介護保険特別会計に一般財源を投入することを可能にし、条例上の根拠を持たせました。繰り返し申し上げておりますが、一般財源の投入については、政府も否定していませんし、すでにいくつかの自治体で、一般財源を投入しています。介護保険条例の上位条例である高齢社会対策基本条例では、第3条の区の責務に「すべての高齢者を対象とする」「経済的事情等で援助を必要とする高齢者に対して適正な援助を行うこと」とあります。これを実現するために、介護保険条例第20条「保険料の減免」の第2項として、新たに「区長は、高齢社会対策基本条例第3条に規定する区の責務を遂行するにあたり、区民の生活をかんがみて、必要に応じて高額保険料全体の緩和を講じることができる」と加えたものです。 介護保険料を定めた12条は変更せずに、20条の規定により、附則で19年度の保険料については昨年並みの水準に下げることを定めました。これは平成12年に、すでに区がとったやり方でもあり、財源も私達が今年の予算組み替え案で考え方を示していますが、やる気になればすぐに実現できることです。また、生計困難者対策については、施行規則で定められており、条例案が可決されれば、すぐに合わせて施行規則も改定するものです。 ただでさえ、すべての高齢納税者が大増税となり、高齢者非課税措置の廃止により、1万4,000人の高齢者が新たに非課税から課税になり、連動して国民健康保険料なども上がり、医療改革による負担増も加わり、二重三重に負担増で生活苦に追い込まれている高齢者に、いまこそ、足立区議会として負担を軽減する積極的な姿勢を示すときではないでしょうか。 議員各位におかれましては、高齢者の負担増を抑える足立区とするために、立場の違いを超えて、ご賛同いただきますようお願い申し上げまして、提案理由の説明といたします。 |
![]() |
![]() |