3、区長提案の議案などに対する討論
@ 補正予算反対討論

9月29日 三好すみお議員


 ただいま議題となりました第96号議案「平成18年度足立区一般会計補正予算(第1号)」について、日本共産党足立区議団を代表し、反対の立場から討論いたします。
 区長は、議会あいさつで補正予算について、「特に緊急度が高い事業について補正計上する」と述べました。確かに、障害者自立支援法の施行に伴い削減された施設への運営費補助や区が実施主体となる地域生活支援事業での利用者負担の軽減策については切実な要求に一定程度こたえたものですが、多くの障害者が負担増に苦しむ中で利用者負担の軽減など緊急に対応すべき施策はまだまだ必要で十分ではありません。しかも今、区民にとって一番必要な事業は、税制改正によって多くの区民が強いられている負担増からどのように区民の暮らしを守り、支援していくのかということです。区民の痛みの声は、わが党が行った区民アンケートにも寄せられています。この一年の暮らしの変化では、過去最高の75%の人が「苦しくなった」と答え、その理由として所得税、住民税があがったが47%おり、そのうち所得が増えていないのに増税となった人が15%を占めています。総務委員会の質疑でも住民税の増税とそれに伴う国保料、介護保険料の値上げで区民からの問い合わせが「3日間で6300件も殺到した」と答弁しました。区はいまこそこうした区民の悲痛な声に耳を傾け支援を行うべきです。
 本来、補正予算はこうした区民の実態に目を向け、負担増に苦しむ区民の痛みを和らげ少しでも支えること、中小業者が安心して年を越せるように支援を行うことなどのために組まれるべきものです。
 お金がないわけではありません。都区財政調整交付金の当初算定は968億円となり当初予算を56億円も上回ることになりました。このお金の一部でも補正予算に組み込み、区民を支援することはできたはずです。ところが区は、わが党が緊急要望や代表質問で提案した介護保険第1号被保険者の保険料についても、年金収入が変わらないのに住民税が非課税から課税となる約1万4千人の高齢者に対する負担増などを軽減する激変緩和策についても、要介護高齢者が障害者控除を受けられやすくする「適用緩和」策についても、そして各学校から要望があり工事が見送られている改修や塗装などの緊急工事を区内業者で実施する支援策についてもいっさい応えることなく、この56億円を予算計上しませんでした。ここには負担増で苦しむ区民を支援する姿勢がないといわざるをえません。
 また、区は適正な公共施設配置のあり方を審議するとして足立区公共施設再配置審議会を設置しましたが、すでに伊豆高原区民保養所、塩原自然教室、上総湊健康学園を廃止、売却し、今また那須区民保養所をも廃止、売却するなど大金をかけて取得した貴重な区民の財産をつぎつぎと奪っています。今補正予算では、東部工事事務所および東部公園管理事務所の移転に伴う費用が計上されていますが、この施設についても売却を含め検討されています。
 東西の工事事務所を再編する理由では「土木部の危機管理態勢は、主に現業職が担ってきたが、退職不補充による職員の減と高齢化による機能低下が進む中で、土木部全体で危機管理態勢が可能な組織を構築していく必要がある」と述べ、区が自ら進めてきた「退職不補充による人員削減」が危機管理態勢を危うくしていることが明らかになりました。工事事務所の行う仕事は、きめ細かで臨機応変な対応のできる現業職員でこそ担うことができるものです。
 両工事事務所の再編・統合のための移転およびさらなる職員の退職不補充、維持作業班の完全委託を行うことは、区民の快適な暮らしに逆行するものであります。
 したがって、本補正予算では区民の痛みを和らげ、区民の暮らしを守る施策の実行を強く求め、反対討論を終わります。